株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


バカな日本の商社がテキサスのシェールガス・オイル開発で
大損しましたが、ロックフェラーやプーチンは計算済みだろう。


2014年12月31日 水曜日

米国を潰せ!サウジが仕かけたエネルギー戦争 12月31日 堀田 佳男

油価格の下落が止まらない。

 2014年6月にニューヨーク原油市場での先物価格は1バレル107ドルまで上昇したが、12月29日には一時52ドル台にまで落ちた。半年で50%以上の下落である。

米エネルギー業界が描く最悪シナリオ

米エネルギー業界では2015年になっても下落が続くことを予想して、最悪のシナリオが描かれているという。「米経済への大きな打撃」になるという見方が強い。現実になれば日本経済への悪影響も避けられない。

 一般的に原油価格が下がると、多くの企業や市民に恩恵がもたらされる。

 ガソリン価格が下がって輸送料が抑えられ、石油製品や原材料の価格も下落するからだ。1980年代後半の日本のバブルは、まさに原油価格が10ドルを割った時点からスタートしている。

 けれども原油価格の下落が社会によからぬ影響を与えることも考慮する必要がある。それが「米経済への大きな打撃」なのだという。いったいどういうことなのか。

 まず時間を11月27日に戻すところから始めたい。

 この日、石油輸出国機構(OPEC)はオーストリアで総会を開き、減産を見送った。OPECの加盟12カ国はこれまで、原油価格の下落を止めたい時には生産量を減らすという協調行動を採ることが多かった。

 原油の流通量を減らすと、市場原理が働いて価格は下げ止まる。貨幣の流通量に似ている。総会では賛否両論の議論が起きたが、減産しない決定を下した。サウジアラビアの意向が反映された結果で、多くの専門家が指摘しているとおり、米国を叩く意味があった。

サウジ、米国へ宣戦布告

 サウジは、シェール革命によって原油生産量を1日900万バレル超にまで増やしている米国を牽制したかったようだ。極言すれば、サウジが米国に原油戦争の宣戦布告をしたということである。

 これまでサウジは世界最大の原油生産国だった。だが国際エネルギー機関(IEA)は、すでに米国がサウジを抜いて原油と天然ガスで世界1位になったとしており、原油価格を下げて米石油企業の利益を削減させるという手荒い手法を採ったというのだ。

 原油価格が下がればサウジも当然利益を落とす。それは百も承知である。

 だがサウジは米国のシェールオイルは掘削にコストがかかることを熟知しており、原油価格が下がれば、米石油企業の中には赤字に直面するところもでてくると踏んだ。米企業を潰しにかかったわけである。

 近年、コストを抑えてシェールオイルを掘削する技術が導入されているが、2014年10月下旬に米バーンスタイン・リサーチが公表した試算結果では、1バレル80ドルを切ると米シェールオイル生産の3分の1は採算割れとなるという。

 すでに採算割れしている企業があるということだ。

 採算が取れる原油価格の最低ラインは、全米の掘削地域およびにプロジェクトによる。ノースダコタ州北西部に広がるバッケン・シェールと言われる石油鉱脈は米本土48州で最大の原油埋蔵量があり、1バレル42ドルに落ちても採算が取れると言われている。

しかしエネルギー関係者によるとサウジの考えは過激だ。ヌアイミ石油鉱物資源相は1バレル20ドルに落ちても減産しない考えだという。

 本当にそこまで落ちると、米シェールオイル企業は操業を停止せざるを得なくなるし、長期間低価格でとどまった場合、倒産という憂き目に遭う。(後略)



(私のコメント)

「株式日記」では、オイルピーク説を何度も将来予測の基本に考えてきましたが、石油が1バレル100ドルを超えてくれば代替エネルギー開発が雨後の竹の子のように伸びてくる。シェールガス・オイルもその一つですが、100ドルを超えた価格ならシェール・オイルも採算に合うので一斉に採掘が始まった。

それによってアメリカがサウジアラビアを抜いて世界一の石油産出国となりましたが、シェールオイルがこのまま世界的に開発されれば、サウジアラビアの石油は宝の持ち腐れになってしまう。シェールオイルは世界的に埋蔵が確認されており、採掘技術が進歩すれば中国も石油大国になる可能性がある。

このような状況に危機感を持ったサウジアラビアは、石油の暴落を図ってきた。逆オイルショックであり、前回の逆オイルショックでは10ドルまで石油価格が下がりソ連経済を破壊してソ連崩壊の引き金になった。今回の逆オイルショックは、新冷戦時代に入ってロシアのプーチンに対する制裁といった面もありますが、サウジとロシアは何度か会談をしている。

ロシアも石油大国でもあるので、プーチンは自国のダメージを覚悟してアメリカのシェールオイル潰しに加担しているのかもしれない。石油と連動してルーブルも暴落しましたが、金利も急騰して17%にもなっている。日本は石油の暴落でガソリン価格も下がっている。全く予想外の展開ですが、中国経済が低迷している事も石油暴落の原因の一つになっている。

中国は石油爆食と言われるくらいで、石油価格が100ドル以下になる事はないと私は予想した。中国は世界一の自動車大国になり、大都市ではPM2,5の公害が問題なるくらい自動車が走り回っている。少しくらい不況になっても石油の輸入は減らないはずだ。中国に何らかの異変が起きているのだろうか?

膨大な人口を持つインドやブラジルなどもモータリゼーションが始まっており、石油は奪い合いになっているはずだった。サウジアラビアの石油大安売りは予想外の出来事であり、合理的に考えれば石油を100ドル以上で売った方が儲かるのになぜ大安売りをするのか。

しかしこれは大手石油財閥のロックフェラーがやって来た事を見れば分かる事であり、商売敵を叩き潰す戦略であり、中小の新興石油企業を叩き潰して買収して大きくなってきた。代替石油の開発もストップさせることで石油王国を作ってきた。アメリカにとってはマイナスでもロックフェラーにとっては利益だからだ。

問題はロシアのプーチンですが妙におとなしい。アメリカにしてみればルーブル暴落でプーチンを失脚させる計算が有るのでしょうが、計算通りに行くだろうか? プーチンもバカではないから91年のソ連崩壊のようなまねはさせないだろう。プーチンにとってもシェールガス・オイルは潰さなければならないものだからだ。ならばサウジのサルマン皇太子とプーチンとの会談の目的が分かる。

バカな日本の商社がテキサスのシェールガス・オイル開発で大損しましたが、だぶついたマネーがシェールガス・オイル開発に投資されている。それらは紙くずになる恐れがあり金融パニックが起きるかもしれない。それらはロックフェラーやプーチンは計算済みだろう。


2014年もいよいよ終わりますが、新冷戦が始まった年でもあり、中国や韓国には逆風が吹き、日本には順風が吹きつつある。テレビの正月番組はますますつまらなくなり、ネットで時間を潰す人が増えるだろう。テレビよりもユーチューブでも見ていたほうがよっぽどましだからだ。正月休みが28日から5日まで全国の病院や薬局まで休みなのは、インフルエンザが猛威を振るっているのに問題ではないだろうか。




韓国初の商用リニア「仁川空港マグレブ」は、年内の営業運転開始
が絶望的な状況となった。超音速練習機もロッキードの技術だった


2014年12月30日 火曜日

いまだに開業できぬ「韓国リニア」の無残、完成2年…「純国産」にこだわりトラブル続きのお粗末 12月24日 産経新聞

韓国初の商用リニア「仁川空港マグレブ」は、年内の営業運転開始が絶望的な状況となった。韓国・仁川国際空港〜龍遊(ヨンユ)間の6.1キロを結ぶ韓国リニアは、最高時速110キロの都市型磁気浮上式鉄道。日本で2005年の「愛・地球博」にあわせて営業運転を開始した愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)と同じ仕組みだ。日本ではスムーズに開通した都市型リニアだが、韓国リニアは“純国産”にこだわったためか、12年の完成から2年あまりたってもトラブルが続き、開業は見送られたままだ。「日本に次ぎ、世界で2番目」との意気込みもむなしく、自国内でも冷ややかな声が出始めている。

トラブル相次ぎ運行延期

 香港新国際空港やシンガポールのチャンギ国際空港、米アトランタ空港など、世界の主要空港の新交通システム(無人列車)に信号システムを納入したトップメーカーの京三製作所(横浜市)。だが、韓国リニアへの技術供与については「わが社のブランドとして、かかわっている部分はない」と否定した。同社によると、韓国リニアに関しては、一部の機器販売などにとどまり、技術供与などの本格的な協力は行っていないという。

 だから、というわけでもないだろうが、10年に着工した問題の韓国リニアは、12年11月に第一期区間6.1キロの工事を終えたものの、営業運転の開始予告と延期を繰り返し、いまだ正式開業に至っていない。

当初は13年9月の開業を見込んでいたが、完工直後のチェックで641件の問題が見つかり、運転開始を延期。速度検出センサーのエラーや、車両と信号間の伝達エラーなどシステム面のトラブルのほか、冬季の排水管や電力線の凍結防止設備や軌道上の保守通路がないなど、大幅な改修が必要な設計上のミスも少なくなかったという。

 14年5月には国内外の報道陣を集めて、大規模な試乗式を開催し、同年7月中旬の営業開始を宣言した。だが、翌月には運転開始を9月に延期、9月には当面延期と修正を繰り返した。実用化事業団は14年内の運行開始をぎりぎりまで探っていたが、手続きが間に合わず営業開始は来年以降にずれ込む見通しとなった。

 聯合ニュースなどによると、7月以降の試験運行でもまだ161件のシステム障害があり、列車自動運転装置など重大なシステム障害も含まれているという。このため地元の仁川市は、運行開始を来年6月に延長するよう求める検討に入ったという。

商用化計画も暗礁

 韓国が国家研究開発事業として始めた韓国リニアは、政府や仁川市、仁川空港公社などが約4000億ウォン(約440億円)を投じた、国家プロジェクトだ。都市型リニアを「日本に続き、世界で2番目に実用化」した韓国の鉄道技術を、14年の仁川アジア大会で国内外にアピールする思惑だった。

だが、度重なる運行延期に代表的な予算浪費事例、との批判の声も根強く、「仁川空港マグレブは欠陥だらけ」などと批判的な報道もなされた。

 こうした中、大田市の権善宅(グォン・ソンテク)市長は12月4日、韓国リニア方式で建設が決まっていた都市鉄道2号線を、路面電車(トラム)方式に変更すると発表した。建設コストや都市の景観保護などが理由とされるが、自前のリニア技術の商用化第一号と目されていた大田市の“離反”で、本格的な商用化は宙に浮いた形となった。(後略)



韓国、中国開催の航空ショー参加中止 米国から圧力 11月5日 AFPBB News

【AFP=時事】韓国は4日、中韓軍事交流の一環として来週、中国で予定されている航空ショーに超音速練習機を派遣する計画を取りやめた。米国から圧力があったとしている。

 韓国国防省の報道官によると、韓国空軍は11日から16日まで中国南部の広東(Guangdong)省南部・珠海(Zhuhai)市で行われる航空ショーに超音速練習機T-50を派遣する予定だった。しかし直前に同盟国の米国と協議した結果、計画は中止された。

 報道官はT-50練習機に使用されている中核技術は米国のものだと説明したうえで「米国が重要な軍事技術の輸出に関わる法律を検証した結果、中国での航空ショーへの参加を中止する決定を下した。韓国は(米国と)相互防衛条約を結んでおり、一部の軍事関連の決定については米国の同意を得る必要がある」と述べた。

 T-50練習機は韓国初の国産超音速機で、韓国航空宇宙研究院(Korea Aerospace Research Institute、KARI)と米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)が共同開発した。



(私のコメント)

韓国や中国は、先進国の技術を盗みながら純国産と銘打ったハイテク機器を開発していますが、国民はそれを信じている。国威の発揚といった意味では仕方がないのでしょうが、日本でも最初はアメリカのライセンスで生産していたものが沢山あった。

韓国はアメリカや日本からの資本や技術援助で工業先進国となりましたが、基礎技術の蓄積が無いからなかなかそこから先へ進めない。サムスンやLGなどの電子機器も主要部品は日本製や欧米製であり、OSのアンドロイドもアメリカ製だ。つまり組み立てて売っているだけだ。

ハイテク製品は日進月歩だから数か月たてば技術は遅れたものになってしまう。製鉄業も日本からの資本と技術移転によるものですが、韓国国民は純国産だと信じている。つまり日本やアメリカから教わったという事を認める事は韓国国民のプライドが許さないのだろう。

パククネ政権は外交面でも離米親中の動きを見せていますが、韓国がアメリカや日本からの経済援助や技術援助が無ければどうなるかを、韓国リニアやT50超音速ジェット練習機を見れば分かる。エンジンを見てもGE社製のジェットエンジンであり、一機38億円もする高価な練習機だ。

韓国のリニアにしてもシステム設計がずさんであり問題点が続出して解決がついていない。日本では中央リニア新幹線が着工されましたが500キロのスピードが出るのに、韓国リニアは常温リニアでありスピードも110キロ程度であり従来鉄道の方が安くて効率的なレベルだ。

韓国のKTXにしても、フランスのTGVのコピーですが韓国の地形に合わずトンネルなどに入ると衝撃で車体にひびが入った。日本の新幹線ではなくフランスのTGVを採用したのも韓国人のプライドが許さなかったのでしょうが、韓国人のプライドの高さに能力がついて行かない。

行き過ぎた愛国教育のあまりに反日教育になるのでしょうが、いろいろな面で不都合な事が起きてくる。結局は自分で自分の首を絞める結果となり失敗を繰り返す。韓国経済を支えているサムスンやヒュンダイはアメリカ市場でシェアを伸ばしましたが、円高ウォン安で勝ってきた。

それがアベノミクスの円安ウォン高で異変が生じている。アメリカ政府も韓国には優しくなくなり、今までのような援助は難しくなるだろう。根本的な問題はパククネ大統領の離米親中政策にあるのですが、原子力発電所も問題が山積している。ソウルなどでは異常な放射能の値が出ていますが原発から漏れたのではないだろうか?


ハンビッ3号機、放射能流出量の発表より18倍も多かった 10月28日 ネイバーニュース/聯合ニュース

蒸気発生器の細管亀裂で止まったハンビッ原発3号機の放射能流出量が当初発表の18倍に達したことが明らかになった。

韓国水力原子力、ハンビッ原子力発電所はこの17日、蒸気発生器の細管亀裂によってハンビッ3号機からの放射能流出量が18.8GBq(ギガベクレル)と確認されたと27日明らかにした。

原電側は当初、放射能流出量を1.1GBqと発表したが、10日ぶりにこれを覆した。これは許容基準値の0.12%水準で、人体には無害だと原電側は説明した。

蒸気発生器の細管の亀裂により冷却水が流出し、流出した冷却水は復水器を汚染し、放射能に汚染された気体が外部に流出したのだ。

被曝線量も当初、原電側の発表の許容基準値380億分の1から30万分の1へと大幅に増えた。

原電側は、蒸気発生器から採取したサンプルを検査するなどして三重水素、炭素同位元素の分析が欠けており、このように流出量が変わったと釈明した。

三重水素は放射線の悪影響が他の放射性物質に比べて、小さいが体内に吸収・蓄積されれば、大きな悪影響を及ぼすことがある。

原電側は、当時故障した蒸気発生器を誤った判断し、蒸気発生器を遮断するためには、なんと一日がかかったことが明らかになり、物議をかもした。

ハンビッ原発のある関係者は「毎月チェックを実行していたが、担当者が問題がないだろうと判断して検査を実施していなかったようだ」「人体への影響はごく微々たる水準だ」と釈明した。

ハンビッ3号機は過17日午前2時9分に蒸気発生器の細管亀裂により復水器で放射能が検出され稼動が止まった。





ミアシャイマー教授は、「中国のアジアにおける地域覇権の
実現阻止は、米国にとって死活的国益の問題である。」と言う。


2014年12月29日 月曜日

日本は米国から「見捨てられる」のか?ミアシャイマー教授の「攻撃的リアリズム」が示す未来 12月26日 福田 潤一

「オンショア」とは「オフショア」とは正反対の「陸上の」という意味である。すなわち、彼はアジアで米国が採用すべきは、米国が沖合に後退しない大戦略である、と断言したのである。

 しかしながら、同時に彼は欧州やペルシャ湾岸においては「オフショアバランシング」を米国の大戦略として提唱するとも述べた。それゆえに、ウクライナを巡る紛争や、イスラム国の掃討に米国が軍事的関与をするのは愚かなことであるとも述べた

 では、これらの地域とアジアを分ける要因は何か。その質問には、彼は「地域の諸国が、米国の関与なしでも潜在的な地域覇権の台頭を阻止できるか否かである」と回答したのであった。

 すなわち、ミアシャイマー教授の考え方に基づけば、欧州やペルシャ湾には、米国が軍事的に関与すべき死活的な国益が存在していない、ということになるのである。ロシアやイスラム国といった勢力は、放置していても米国の生存を脅かす地域覇権になる可能性はなく、地域の諸国に任せておいても大丈夫だというわけである。しかし、アジアにおける中国は地域諸国に任せておいてもその台頭を阻めず、米国の死活的国益を脅かす強力な存在になる可能性がある。だから「オフショアバランシング」ではなく、「オンショアバランシング」が必要だと喝破するわけである。

 ならば、ミアシャイマー教授は昨今の新孤立主義的な米国の外交政策を巡る議論、例えば「撤退(retrenchment) 」論などを支持することはないのか。これに対しても教授の答えは「あり得ない」という明瞭なものであった。同様に、米国は台頭する中国との間で勢力を共有すべく選択を行い、米中間の「アジア協調(concert of Asia)」を目指すべきだとする豪州のH・ホワイト(Hugh White)教授の論考の評価についても聞いたところ、回答は「ナンセンス」というそっけないものだった。

 「オフショア」/「オンショア」を巡る議論は、教授の中国を巡る論考において若干触れられてはいるものの、米国の日本に対する姿勢という意味では、まだ十分な見解が明らかにされているとは言えなかった。そこで、ミアシャイマー教授の考え方が上記のようなものであることが質疑を通じて分かったことは、大変貴重であった。

 しかし、教授のウクライナや台湾に対する論調、さらにはイラク戦争のような米国の過去の武力行使に反対してきたという事実を踏まえれば、教授の議論が日本において「アジアにおける米国の関与を後退させるもの」という誤解を受けている可能性は大いにあり得ることである。

 そこで、筆者からは、特に日本に対する米国の姿勢に関連して、「攻撃的リアリズムは、アジアではオンショアバランシングを提唱している」旨をどこかでさらに明瞭に強調しておいた方が良いのではないか、とする意見を伝えておいた。

 教授も初の日本滞在で多くの有識者と交流した結果、特にこの点を意識していたように見えた。そのため、今後、どこかで論評が行われる可能性もある。

結論:米国は日本を「見捨てない」

 リアリストは通常、米国が死活的国益の掛っていない海外への過剰関与をすることを否定的に見る。ミアシャイマー教授がかつてイラク戦争に極めて批判的であったのにもそういう背景があった。現在の米国のアジアへの関与についても、リアリストの一部にはそれを否定的に見る傾向がある。

 しかし、ミアシャイマー教授の議論は明確にそうした見方を拒否している。中国のアジアにおける地域覇権の実現阻止は、米国にとって死活的国益の問題である。そのため、米国は中国の国力が大きくなりすぎてアジアから排除されてしまうその時までは、あらゆる手段を用いて中国への対抗措置を採り続ける、と彼は主張する。

 すなわち、ミアシャイマー教授は、米国が他に選択のない状況に追い込まれない限り、日本を「見捨てる」ことはないと明言したのである。米国のパワーの限界を指摘し、世界に対する過剰関与を戒める傾向の強いリアリストの議論ですら、米国はアジアにおいて「オンショアバランシング」の姿勢を守る、としていることは、日本人としては心強いことであると言えよう。



(私のコメント)

アメリカの国家戦略は、歴史を見ても様々な勢力がしのぎを削っており、その時々の政権で大きく変わる。最近のクリントンからブッシュからオバマ政権の対中政策を見ても大きくぶれる。それ以上に第二次世界大戦後のアメリカの世界戦略は不可解なことだらけだ。

アメリカのワシントンには世界戦略を考えるシンクタンクが軒を並べていますが、共産主義に対するスタンスひとつとっても大きくぶれてきて統一されたものではない。共産主義国家の中国を作ったのもアメリカが蒋介石への援助を止めたからですが、中国を共産主義国にしたほうが良いと言ったグループがあった。

そのアメリカが180度方向転換して共産主義と対決するようになったのは、朝鮮戦争で初めて共産主義の正体がアメリカ人にも見えてきたからだ。マッカーシー議員による赤狩りでアメリカから共産主義者が追放されましたが、それまでは共産主義に対する容認姿勢がアメリカにはあった。

中国はいまだに共産主義国家であり、経済は改革開放政策をとっても政治体制は共産主義国家のままだ。アメリカはソ連の共産主義体制は崩壊させたが、中国の共産主義体制には寛容であり、アメリカは改革開放政策を支持して中国に資本と技術供与を行って、中国を世界第二位の経済大国にした。

アメリカが歴史上稀に見る超大国であり、軍事的にも経済的にも世界を圧倒している。アメリカが巧みなのは領土はこれ以上拡大しないが、経済的支配を世界的に広げている事であり、ドルの基軸通貨体制がそれを証明している。ドルは石油とリンクしてドルが無ければ石油が買えない。石油価格もサウジアラビアを通じて自在であることは最近の石油暴落を見ても明らかだ。

アメリカが石油を戦略的な武器として使ったのはオイルショックの時ですが、ドルは金との兌換を維持できなくなりニクソンショックが起きた。金から石油本位制となり石油価格を操作する事で世界戦略として使った。米ソ冷戦でソ連が崩壊したのも石油暴落が引き金になっており、今回もロシアに対して石油を暴落させ、ルーブルも暴落してロシアは追い詰められている。

ロシアは潤沢な外貨を保有していたがかなり厳しいようだ。問題は中国ですが、中国もアメリカに対して言う事を聞かなくなり南シナ海に領海を広げようとしている。しかしアメリカはウクライナ問題と中東問題で手一杯であり中国には手が回らない。

「しかし、ミアシャイマー教授の議論は明確にそうした見方を拒否している。中国のアジアにおける地域覇権の実現阻止は、米国にとって死活的国益の問題である。」と福田氏は述べていますが、「ミアシャイマー教授の考え方に基づけば、欧州やペルシャ湾には、米国が軍事的に関与すべき死活的な国益が存在していない」と言っている。

確かに共産主義が脅威の時代には、地理的に離れていてもソ連の共産主義は脅威でありアジアやアフリカに広がる危険性があった。しかしソ連崩壊によって共産主義の脅威はなくなり、ロシアは放置しても直接的な脅威は無い。問題は中国であり、キッシンジャーは中国が経済発展すれば民主化が進むと考えていた。しかし現実には独裁体制の強化が進んでいる。

アメリカにとって問題は東アジアであり、ロシアも中国も太平洋を挟んで直接アメリカと対峙している。日本と言う存在が無ければロシアも中国も海軍力でアメリカの西海岸に脅威を与える事が出来る。旧日本海軍がハワイを空襲したという事は西海岸も空襲できる事を証明しましたが、ロシアや中国の潜水艦が西海岸やパナマ運河を封鎖すれば太平洋はロシアや中国のものとなる。

アメリカの日本弱体化政策は戦略的に理解に苦しむものであり、私は決して90年代のアメリカによる日本叩きを忘れない。日本が中立を保ちロシアや中国が自由に太平洋に出てこれるようになれば、アメリカの世界覇権も終わりを迎える。しかしこのような日本の戦略をアメリカに説明できる戦略家が日本にいない。

ミアシャイマー教授は台湾についても語っているが、台湾は中国に対抗が出来ずに、中国によって香港のように吸収される事を予想している。韓国が中国に吸収されるのはアメリカにとって痛くも痒くもないが、台湾や日本が中国に吸収されれば太平洋は中国のものになる。





かつて風俗の世界は社会の常識に適応できないひとたちが生きる場所
だったが、いまでは社会性が欠落した女性は解雇されてしまう。


2014年12月28日 日曜日

風俗嬢にもなれない「最貧困女子」問題の解決法とは? 12月25日 橘 玲

女子大生の3人に1人が風俗嬢!?

?最貧困女子を生み出す要因となったのが風俗嬢の大量供給だが、中村氏は『日本の風俗嬢』で驚くような例を挙げている。

?慶応義塾大学を卒業後、某一部上場企業で働いている女性は、大学2年のときに吉原のソープランドに入店して4年生の春まで働いた。そのほかにも福原のソープランドで働く神戸大学法学部3年生や、千葉市内のデリバリーヘルスに勤務する千葉大学大学院修士課程に在学中の女性などが次々と出てくる。

?彼女たちに共通するのは地方出身で実家が貧しいことで、最初は家庭教師や塾の講師などで生活費を賄おうとするが、それでは学業と両立できないことを悟って、より短時間で高収入が得られる風俗に“転職”する。いまや地方出身の女子大生にとって風俗は主要な収入源で、「男性に売れるレベルの容姿、体型、素人っぽさを持っている地方出身の一人暮らし」で「仕送りが平均より少ない」という条件に限定すれば、女子大生の3人に1人が風俗の仕事をしていても不思議はないと中村氏はいう。

?風俗の仕事が若い女性たちに認知されたのは、獲得した顧客に応じて収入が増える実力主義・成果報酬の給与体系で、出退勤や労働時間、休日を自由に決められる完全フレックスタイムだからだ。これはグローバルスタンダードにおける最先端の働き方で、サービス残業で会社に滅私奉公するのが当たり前という日本的労働慣行に適応できない若いひとたちにはきわめて魅力的なのだ。
『日本の風俗嬢』でもうひとつ驚いたのは、風俗嬢たちがきわめて堅実な将来設計を持っていることだ。

?東京新大久保のファッションヘルスに勤める33歳の女性は介護福祉士の資格を持ち、あと2年実務経験を積めばケアマネ(介護支援専門員)の受験資格ももらえるという。育児休業中の時間がもったいないのでAVデビューするという35歳の女性は介護老人保健施設の現場主任をしていた。また大坂難波のSMクラブでは、9人の女王様のうち3人は介護の仕事をしていた。彼女たちはみんな、年齢的に“性”を売ることができなくなったら介護の仕事に戻ることを考えている。

?風俗業界に介護関係者が多いのは、介護業界の賃金が低くてそれだけでは食べていけないということもあるが、仕事の性質がよく似ているからでもある。彼女たちからすれば、介護において高齢者に提供していたサービスを男性一般に拡張すると風俗になるのだ。

?かつては身体を売ることが女性にとっての最後のセイフティネットとされていたが、今では風俗で働けなくなった女性のセイフティネットが介護業界になっている。

指名トップの風俗嬢は一流企業でも通用する

?風俗が若い女性にとってごく当たり前の職業選択のひとつになったことで、“職業人”として求められる要求も厳しくなってきた。かつて風俗の世界は社会の常識に適応できないひとたちが生きる場所だったが、いまでは「時間に遅れる」「約束を守らない」「自己管理できない」など社会性が欠落した女性はまっさきに解雇されてしまう。

?指名を獲得するには技術だけでなくコミュニケーション能力も大事で、どんな男性とも対等に話ができるために、社会問題、政治経済、法律、国際問題から映画、テレビ、スポーツ、アニメ、お笑いまで多様な知識を持つ必要がある。風俗嬢として成功するには社会人と同等かそれ以上のプロ意識を要求され、人気の風俗店で指名トップを争うような女の子は美人でコミュ力が高く頭もいいから、能力的には一流企業でも通用するのだという。

?風俗嬢はいまでも世間の偏見に晒されているが、その一方でAVプロダクションには応募が殺到し、自分の名前で作品を出せる単体AV女優はグラビアアイドルやレースクイーンなどよりはるかに狭き門で、(一部の)女性たちの憧れの職業だ。風俗店でもライバルたちとの競争に勝って指名を獲得するのは高いモチベーションになっていて、収入だけでなく自己実現や承認欲求も満たされてしまうのだ。

?こうした現状を知れば、もっとも現実的な対応はオランダやスイス、ドイツなどヨーロッパの国々と同様に売春を合法化することだろう。労働基準法でセックスワーカーの権利を保護し、年金や健康保険など社会保険制度への加入を促し、業者を法の管理下に置くことで暴力団の関与を絶って適正な納税を行なわせれば、(顧客を含む)関係者全員に多大な利益をもたらすはずだ。

?だが売春を合法化したところで、風俗業界に入ることのできない「最貧困女子」の問題は解決できない。(後略)



(私のコメント)

私は副都心にビルを経営する職業であり、私のビルも事務所ビルから飲食店や美容室などの店舗ビルに変化してきている。事務所だと出入りが激しくなかなかテナントとして落ち着きませんが、店舗ビルだと店舗が繁盛すれば長くテナントとして契約してくれる。

近所にも商業ビルが建設されてオープンしている。アベノミクスによる活性化のせいなのでしょうか。超高層マンションも建設されて副都心には人がますます集まるようになって来た。その分地方は若い人がいなくなり、東京にますます集中するようになってる。サービス業などで大都市の若い女性の需要が大きいからだ。

昔なら銀行や証券会社などに若い女性店員が大量に採用されましたが、今ではIT化が進んで支店も整理されて採用が少なくなっている。大手町などの地下鉄の駅などでも通勤時間でも前よりかは若いOLの姿が少なくなったような気がする。大手町の本社ビルでもリストラが進んだからだ。

アベノミクスでも女性の活用が謳われていますが、先の衆議員選挙でも女性の立候補者が16%程度で、これほど少ないのはどうしてなのだろうか? 大企業の女性幹部の少なさも異常であり女性の社会進出はマスコミが騒いでいるだけなのだろう。

むしろ橘玲氏の記事に書かれたように、若い女性の風俗業への進出が激しいらしい。私などもアダルトビデオを見ても、どうしてこんな清楚な美人がアダルトビデオ女優になるのだろうかと不思議に思う。数にすれば数万人規模になるという事ですが、若い女性の性意識が大きく変化して来たかららしい。

私のビルにもリラクサロンがテナントとして入った事は以前にも書きましたが、厳密に言えば健康美容業であり風俗店ではない。そこで働いている女性店員も顔もスタイルも平均以上であり、決して高給ではないのにだれもが採用されるとは限らないようだ。姉妹店舗で店員の大量解雇がありましたが、経営者に聞いたら店員が高齢化したからという事でした。

代わりの募集をかけたらすぐに若くて美人の娘が集まったという事ですが、それくらい競争が厳しくなっている。女子大生風あり、アイドル系あり、清純派系ありで美人ぞろいだ。しかし店のサイトを見ても店員の顔写真は無く、名前も名字だけで職業には後ろめたさを感じているようだ。

他の美容室などは、美容師の女性の顔写真も名前も載っているから誇りを持っているようですが、リラクサロンは自慢できるような仕事ではないらしい。しかし資格も無しで初心者にもできるしアルバイトでも給与は働いただけもらえるし勤務時間も自由に選択できる。週一で働く子もいれば週4、5日働けばキャバクラ並みに稼げる。

経営者によれば業界も競争が激しくて赤字だと嘆いていましたが、この業界でも中国人や他のアジア人の進出が激しいから値引き競争になってしまっている。美容師などは国家資格などがあるから外人労働者との競争もありませんが、中国人女性のリラクサロンだと60分で2990円でやられては敵わない。

しかし中国人や韓国人が出入りするようになるとビルのステータスにもかかわるので、ビルのオーナーは外人には貸したがらない。私も韓国人経営者と二件ほど契約したが、いずれも家賃の滞納や部屋を汚すなどの問題を起こした。韓国人は差別だ偏見だと騒ぐがモラルに問題があるからだ。中国人にも貸したがやはり家賃の滞納があった。

今までは風俗業が若い女性の生活のセーフティーネットになっていたが、最近では風俗業に若い女性の進出が激しくて、水準以上の女性でないと採用されないらしい。35歳以上になれば介護などの仕事しか無くなるし、飲食店なども長時間労働で体力的に難しいだろう。

橘玲氏が問題にしているのは「最貧困女子」の問題であり、風俗で働こうとしても弾き出されてしまう女性であり、美容師や看護師などの資格を取る能力も無く、容姿も平均以下の場合に働く場所が限られてしまう。宅急便などの体力仕事も若い女性でもきついようだ。昔なら嫁に行くことが最良の選択肢でしたが、草食男子化して結婚できない男が増えて結婚の道も厳しい。

無理に結婚しても、子供が出来て生活が破綻して離婚したら母子家庭化してして困窮してしまう。これは橘氏が指摘するように、「最貧困女子が乗り越えなければならない最大のハードルが住居であること。日本では家を借りる際に保証人を要求されるが、社会資本を失った彼女たちにはこの要件をクリアすることができない。子どもを抱えたシングルマザーの場合、住み込みの仕事が最適だろうが、そのような募集はたとえあったとしてもきわめて競争率が高く応募してもすべて落とされるのだという。」

低成長時代が続くとシワ寄せが貧困女子に行ってしまう。高度成長期ならお茶くみコピー取り程度のOLでもいい給料がもらえた。バブル時代なら大学出ただけで一部上場企業に就職が出来た。男余りの時代とマスコミで騒がれましたが、女性も家庭よりも仕事と言う風潮が出来て専業主婦は肩身が狭くなった。

しかし今や、平均以上の女性でも風俗業ですら難しくなり、何をして生きて行けばいいのだろう。ブログを書く女性が少ないのは何故なのだろう。おそらく一割か二割くらいしかいないだろう。女性の研究者の割合や技術者の割合も同じくらいだろう。女性の高学歴化が進んでいるのに女性の研究者や技術者が異常に少ない。小保方晴子氏が脚光を浴びたのには女性の研究者が珍しかったからだ。

女性の警察官や消防士や自衛隊員が異常に少ないのは何故なのだろう。あるいは女性のコンピュータープログラマーが異常に少ないのは何故なのだろう。アベノミクスでは女性の活用が謳われていますが、女性たちは風俗業に行ってしまうのは何故なのだろう。その方が楽にカネが稼げるからだ。優秀な女性は風俗嬢にならずに国家を担う警察官や自衛官やエンジニアになってほしいと私としては思う。そして「最貧困女子」に仕事を譲ってほしい。





「シャープは製品を納めた後で契約時の価格を値切ることもある。
払いの良いサムスン電子にどうしたって寄って行きますよ」


2014年12月27日 土曜日

シャープ夜郎自大の評を払拭できるか 高橋興三社長の“深謀遠慮” 12月24日 森 一夫

「シャープの人はとにかく威張っている」

 シャープは、経営トップの強いリーダーシップの下で成功体験を重ねたため、上意下達が習い性になった。上の意向を下位者が絶えず気にかけ、物事を決めるのに時間がかかり融通がきかない。トップを中心とする一種の天動説経営になり、外に対しては夜郎自大に振る舞う体質が根づいた。

 シャープの尊大さには定評があった。部品や材料を納めている大小のメーカーから、悪評をよく聞いた。例えば、ある上場企業の役員は「シャープの人はとにかく威張っている」と話していた。ある部品メーカーの社長からは「シャープは製品を納めた後で契約時の価格を値切ることもある。払いの良いサムスン電子にどうしたって寄って行きますよ」と聞かされた。

 誇張も多少あるだろうし、今はシャープも姿勢を改めていると思う。業績が傾いたので、抑えられていた悪い話が表に出てきたのである。社長内定後まだ就任前の高橋に取材した時、それを伝えたら、わかっていた。「『ざまあみろ、いい気味だ』といった声が、昨年からぽつぽつと耳に入ります。知り合いの人が『高橋さんだから言うけど』と、悪い評判を教えてくれます」

 技術担当の代表取締役副社長執行役員である水嶋繁光はこう語る。「力の弱かった頃のシャープは、外から新しい技術を持ちこまれると『ぜひ、うちも一緒にやらせて下さい』と積極的に対応したものです。大きくなると、『これには、こんな問題があるのじゃないか。それを解決してから持って来てよ』と注文を付けるようになった。相手はシャープと共同で解決したくて持ちかけているのに、そんなことを言われたら、2度と持って来ませんよ」。気づかないうちに、大事なチャンスを逃していたのかもしれない。

役員は個室を止めて大部屋に

 これからも経営環境は猫の目のように変わり、危機は手をかえ品をかえやってくる。今まさに危機の真っただ中にいる。悠長なことはしていられない。過去と決別して全体の意識を変えるためには、良いと思ったことは何でも実行する必要がある。

 「うちでは今、役員は大部屋で仕事をしているんです」と高橋は言う。杓子定規な報告書のやり取りを本社にいる役員から止めるために14年1月から個室を止めた。大阪本社だけではない。東京支社も普段いない役員のために個室はもったいないので相部屋に変えた。取締役会や経営会議などでは議事録などを残すのは当然だが、日常の連絡や相談で仰々しく文書でやり取りするのは、時間の無駄であるし、意図が十分伝わらない恐れもある。

 大部屋には、高橋、水嶋副社長、コーポレート統括本部長兼グローバル事業推進担当の大西徹夫副社長執行役員の3代表取締役を中心に、法務担当の取締役常務執行役員の伊藤ゆみ子、銀行から派遣された橋本仁宏と橋本明博の2人の取締役常務執行役員、コミュニケーション担当の常務執行役員の岡田守行らが席を並べる。これに秘書や経営企画のスタッフが加わり、総勢約50人が顔を突き合わせて業務をこなしている。

 「大部屋に変えてから、社長と副社長との間で書面のやり取りは無くなりました」。高橋によれば、堅苦しい手続きは狙い通り一掃できたという。ちょっとした連絡や相談事なら、立ち話でも済む。自宅が本社に近い副社長の大西は、7時過ぎに出勤すると自分でまずお茶を入れる。「朝、お互いに必ず顔を合わせますから、『高橋さんは、どこにいる?』と秘書に訊く必要がない。コミュニケーションがものすごくよくなりました」。

 「いわば前線でトップマネジメント同士が、戦略的な問題を話し合って、即断即決で処理して行くイメージです」。このように大西は大部屋の効用を語る。土曜日には、本社外にいる事業部門の取締役なども含めて事業再生会議を開き、その時々の案件について互いに腹蔵なく意見を出して議論するそうだ。過去のシャープは意思決定が遅いと常々思っていた高橋は、上下間や部門間の心の垣根を壊して、本音の意思疎通をはかりたいと考えている。(中略)

「シャープにはいろんな技術がある」

 同社は13年5月に、水嶋を本部長に新規事業推進本部を作った。具体的な段階に移って、現在は副本部長から昇格した山崎公人が本部長を務めている。また5年ほど前からある「シャープ・ドリーム・テクノロジー」という制度の運用を強化している。技術者が自主的にこんなものを開発したいと提案して、各研究所や開発センターの長の前で「夢」を語り、60点をとれば合格である。テーマに応じて期間を決め、約1000万円の予算を付けて可能性を検証させる。

 「失敗しても責任は問いません。現在、25件ほど動いています」と水嶋は言う。社長は中身を知らない。水嶋も採用されたテーマについて報告を受けるだけで、採否には関わらない。「私が意見を言ったら、天の声になりますからね」。現場からの自由闊達な創意の盛り上がりを期待している。

 新規事業推進本部は事業化に向けた開発を担っているが、「タンパク質分析装置や血管年齢測定装置とか、従来の量販店ルートでは売れないので、4月に市場開拓本部を設けました」(高橋)。「これからは商品を作るだけでは駄目で、新しい売り方を開発してお客様を作る組織が重要です」と水嶋は狙いを語る。

 「シャープにはいろんな技術がある」と6月に社外取締役になった帝人会長の大八木成男は感心している。問題は、それらを次のカネのなる木に育てられるかだ。時間もかかる。外部からは、どうなるのか見当がつかない。「『頭が悪いから、方向性を見つけられないのか?』と言われれば、ハイその通りですと言うしかありません」。高橋はもっともらしいことを言いたくないと腹をくくっているのだろうか。うがった見方をすれば深慮遠謀があるのかもしれない。

 もし経営再建で汲々としている今、希望のシナリオはこれだと示したら、社員は右へならえとすぐに追従するのではないか。それでは昔来た道である。高橋が警戒するのは、危機意識の風化である。「おかしな企業文化を改革できないうちに中計が達成できて、『高橋のオッサン、文化がどうのこうのと、わけのわからんことを言っているけど、良くなったじゃないか』となるのが、一番の悲劇です」。

 「中計の間に、企業文化を変えるとっかかりを作りたいですね。定着するのは私の代では無理で、3代、4代先までかかるでしょう」。社長就任以来、社員数人の事業所も含めて、120カ所あまりを訪ねて、社員との対話を続けている。見かけは柔らかそうだが、危機にあって、ぶれない人である。



(私のコメント)

日本の電気会社が、どうして韓国のサムスン電子に追い抜かれるようになったのかと言う事が大きな問題になっていますが、日本の技術がサムスンに流れるようになったのは、大量のリストラや退職した技術者がサムスンに再就職して、日本の技術がコピ−されてしまったからだ。

性能に大差がないのならアメリカ市場でも安いサムスンのテレビが売れるようになり、日本メーカーの大画面液晶テレビは隅に追いやられた。長く続いた円高ウォン安が影響している。3Dテレビにしろ4Kテレビにしても直ぐにサムスンにコピーされてしまう。

有機ELもリチウム電池の技術も直ぐにコピーされた。それを日本のメーカーよりも早く製品化してアメリカに売り込めばサムスンは世界的なエレクトロニクスメーカーになった。サムスンが韓国経済を支えるようになり、言ってみればサムスンは韓国の戦略企業であり国営企業のようなものだ。

しかし株主を見ればサムスン電子もLG電子も外国資本が過半数であり、稼いだ利益は株主に配当される。アメリカの投資家たちが韓国企業に優しく日本企業に厳しいのは、韓国の大企業は外資企業であり韓国企業とは言えないからだ。日本の電気会社もソニーなどは外資企業となり外人社長がソニーをダメにしてしまった。

シャープは外国人株主比率が20%台であり、倒産しかかって台湾企業に買収されかかりましたが、買収されていればシャープの技術はみんな外資に渡っていただろう。これらの経営危機の背景には、30年にも及ぶ円高ドル安の影響があり、価格競争力で韓国や台湾メーカーに負けるようになったからだ。

アベノミクスによる円安ドル高は、円安ウォン高や円安元高となり、状況は大きく変わりつつある。なぜアメリカが円安ドル高を容認するようになったかは国際情勢が大きく影響している。90年代の冷戦崩壊によってアメリカにとってロシアや中国は敵国ではなくなり、巨大市場になると思われた。

アメリカのBRICS戦略によってロシアや中国には多額の投資や技術移転が行われて中国は日本を追い越して世界第二位の経済大国となった。ロシアも石油価格の100ドル時代が長く続いてロシア経済は復活した。BRICS諸国はアメリカを見下すようになりアメリカ包囲網を作ろうとした。ロシアはウクライナに手を伸ばし中国は南シナ海に軍事基地を建設している。アメリカはようやく新冷戦時代になっている事を理解した。

アメリカは中国や韓国と連携して日本弱体化政策を行ってきた。オバマ大統領は中国とのG2戦略を打ち出していますが、中国は太平洋の西半分を要求している。韓国はアメリカの弱腰を見て離米親中を決めた。このような状況からアメリカは円安ドル高を容認するようになり、安倍政権の復帰を認めるようになった。

中国や韓国は日本の円安を非難しているが、G20においてもそれは空振りに終わった。ロシアに対しても石油を暴落させてロシアを締め上げている。シャープが土壇場から抜け出せたのも円安と言う神風が吹いたからであり、シャープはいまだに再建途上だ。

森一夫氏の記事にもあるように、シャープはワンマン経営者が続いて強気の経営が裏目に出て経営危機が訪れた。経営陣の風通しが悪くなり誰が経営をしているのか分からなくなり、片山・町田のワンマン経営者は社長を引退しても経営の実権を握り続けた。同じような事はパナソニックにも言える事であり、中村のワンマン経営者が風通しを悪くしてしまった。

ワンマン経営者でも有能ならば経営危機になる事は無いのでしょうが、間違った判断をしてもそれを諌める人がいなくなれば暴走してしまう。シャープも液晶工場や太陽電池工場の巨大投資を諌める人がいなかった。小さな会社ならワンマン経営でないと生き残れませんが、大組織では現場と経営者との距離が出来て情報が伝わらなくなる。

ネットのブログでも同じであり、読者が少ない時は好き勝手な事を書いても批判される事は無いが、読者が数万人にもなるといろいろと批判されるようになる。だから読者の多いブログでコメント欄を解放している所は少なく、ネットの双方向性が生かされなくなる。特に政治家のブログはコメント欄が解放されているのはほとんどない。

特に大企業の社長が現場を回れば耳の痛い事ばかり聞かされる。しかし大組織の風通しを良くするには社長が現場を回って情報を収集しなければならず、そうしなければ判断を誤るだろう。現在の日本の電気会社のスランプは新製品が出せなくなってしまった事であり、円安になっても輸出できるものが無い。

ワンマン社長が経営危機だという事で、技術者をリストラして新規開発事業を打ち切ってしまったツケが来ている。短期的には利益は出るが新商品が出せなくなりじり貧状態になってしまう。またパナソニックのように国内工場をたたんで中国に工場を作っても、反日デモで工場が焼き討ちに遭ったりしている。




勉強はできるが創造力のない若者が入社してくる。チャップリン
の名前も知らない一流大学卒の男が「お笑い」をやりたいと言う


2014年12月26日 金曜日

2014年バラエティは指針を失い流れてゆく。ニコ動の開票特番でビートたけしが見せた民放では見せられないおもしろさの本質 - 吉川圭三 12月25日

先日、ある知的情報バラエティをテレビで見た時の事である。その番組は最先端の科学的知識を笑いに包んで見せる番組で私も好きだった。しかしその日、私が見たのは出演者や学者達が楽しく食事するシーンであった。食材を美味しそうに照明をあてて撮っている。つまり一部グルメ番組に変身していたのである。その番組は視聴率低下が囁かれていた。いわゆる番組強化策である。

またこんなこともあった。ある番組は本格的な音楽番組だったがやはり、視聴率低下状態にあった。ある有名男性歌手が出演した。彼が何か椅子に座って談笑していると後ろの壁が突然倒れ彼が滑り台を滑った。その下に水の入ったプールが。いわゆる「どっきり」である。音楽番組でどっきり。アバンギャルドだが全然面白くない。スタッフは視聴率低下で追い詰められていたとしても。これは誰が考えても禁じ手だろうと思う。

番組が傾いてくると、近年、テコ入れ企画としてラーメンやダイエットの特集を入れることがある。最後のあがきだがこの種のワクチンで復活を遂げた番組はテレビ史上ない。

好調だった番組が復活を遂げるためには一つの手しかない。傾いて来た時、ある程度番組に体力があるうちに、そして冷徹な編成マンが肩たたきに来る前に、コンセプトを一新し、いっそのことタイトルも変え、新企画を具申するしかないのだ。

しかし、ふだんから人気者「ふなっしー」の起用などしか考えていないスタッフはそんな知恵も勇気も刷新力もない。だからグルメやドッキリが出てくる異常事態が起きる。会議に出ても「芸能人の悲惨だった過去の話は数字を持っている。」とかそんな事を話している。ただ経験で言うと「数字を持ってる」等の上手い話はないと思った方が良い。番組コンセプトという土台・フレームがダメなら成功は見込めない。しかし、このような「数字を見込める」要素で完全武装した番組を最近頻繁に見るようになった。理由は後で書く。

話は変わる。近年スタジオジブリと仕事をしたときのことである。ジブリはもちろんアニメーション制作の会社であるが、宮崎駿・高畑勲・鈴木敏夫の三人は実は恐ろしい量の本を読み、博学で好奇心がたっぷりある。「広場の孤独」で有名な碩学の小説家の堀田善衛氏の膨大な蔵書を譲り受け、古今東西あらゆる映画・文学についても詳しい。「熱風」という小冊子を発行し最新経済学から若者文化・テクノロジーにも精通している。子供が楽しめるアニメをつくりながら、衰えない好奇心で世界を見る。私などは到底かなうレベルではない。そういう立派な土台があって解りやすいが何か深い観賞感のあるあのアニメーション群が出来るのだろう。何回放送しても古くならないのは作品にそれだけの情報量と人間の本質を見抜いた結果の表現力があるからだろう。

ただ、私もテレビ番組の全てにそんな知的基盤を求めるつもりは毛頭ない。はっきりいって、下らないテレビ番組は昔からあった。UFO・スプーン曲げ・黄金のヘビをアジアの秘境に求めたり、熱湯の風呂にタレントを入れたり、ジャンケンで負けると一枚一枚服を脱いだり・・・でも私はそれはそれで面白かった。人間が何を見たいかの本質をついていてなかなかの「発明品」であった。
テレビは何か、夜店の見せ物的「怪しさ」を持ったメディアなのだ。

ただそういう一方、テレビも玉石混合で、高尚だが面白い人物伝番組、社会批判を込めたコメディー、太平洋戦争の本質を見つめたドキュメンタリーなどと言うものがあった。つまり大衆普及品から一級の高級品まであったのだ。

30年前のテレビ局でも「怪しくて・変な人」が一杯いた。会社に滅多に来ないが凄いネタを持ってる人や浅草のストリップ小屋の照明さんだったが芸人を見る眼がある人など。

変化が起こり始めたのは15年くらい前になるか。二流大学・三流大学出身の人が社員に採用されなくなった。ある超一流大学を卒業した若者が私の班に入って来たときであった。歓迎会のため近所の焼き鳥屋の2階へ。17〜8人で酒を飲んでいると、彼が自己紹介を始める。そして1時間後、宴会場はなんと「下ネタ」の嵐になっていた。彼を中心として。私に遠慮などしていない。かなり不機嫌な顔をしていても、下ネタは続く。下ネタにも芸やセンスがあれば面白いのだが、ただエゲツナイだけ。かつては「最近、あの映画見た?」「あの海外ロケでこんなことがあった」「養老孟司って読んだことある?」「最近彼女と別れた。」とかそんな感じだった。私は突然途中で帰ったので皆驚いていたが、その後色々なテレビバラエティを作っている若者と会ってみると、驚くほどものを知らない。あるいは世の中・社会・世界を観察・分析していない。あるいは「変な人」ですらない。私の苦言はさらに続く・・・。

先日も同年代の出版関係者と会ったとき、メディア業界における「基礎教養」の話になった。彼は『キャロル・リード監督の「第三の男」ぐらい知らないと・・・』と言っていた。私は良い基準だと思う。しかし、オーソン・ウエルズ出演「第三の男」でなくとも、なにか無茶苦茶、内外のミステリー小説を読んでいるとかコンピューター・ゲームについて鋭く分析できるでもよい。表現するときの脳の基礎構造・基礎理論が出来ていない。その状態でテレビの世界へ来る。勉強はできるが創造力のない若者が入社してくる。チャップリンの名前も知らない一流大学卒の男が試験を通過し「お笑い」をやりたいと言ってたまたま現場へ配属される。

そして彼が入ったテレビ局では例外なく視聴率競争が起こっており、分間視聴率などを含むデータ主義も重視されている。もしそんな彼が妙な野心を持ってたまたま出した企画が通過しディレクターに昇進したら一体何をするか?
「テレビにおけるコピペをする」のである。勉強ばかりして一流大学に入った彼の中にはもともとサブカルチャー・メインカルチャーに関する引出しはない。結果、他の人気テレビ番組のいいとこ取りをする。グルメ・ダイエット・人気アイドル・お笑い芸人・面白実話・どっきり・ランキング・ひな壇・YOU TUBE映像。いろんな「数字を見込める」アイテムを彼は組み合わせれば良いと彼は思う。結局こうした“若手”たちが全てのテレビ局で『テレビ番組を基にして新しくない新番組を作る』状態が起こる。

テレビ以外の小説や映画や個人体験を基にした番組があっても良いのに。

かくて、似たような番組が乱立する状態となるのである。しかし視聴者は貪欲で鋭く本質を見抜く。「数字の見込める要素」も貧弱な演出であれば見抜いてしまう。しかもインターネット映像文化がひたひた押し寄せて来ている。実は新しい「テレビを創造する」デットリミットはすでに来ているのである。

もちろん危機感を持って人知れず努力している若いテレビマンも散見されるのだが。

サブカルチャー発信地としてのテレビがネット・アニメ・マンガ・ゲーム・スマホ等の通信機器にその座を奪われていると近年感じる。しかし私はテレビマンが皆で本気で取り組めば回復可能だと思うのだが。 (後略)


(私のコメント)

いよいよ28日の御用納めから、官庁をはじめとしてお医者さんから薬局に至るまで来年の5日迄日本全国休みになる。病人にしてみればいつ病状が悪くなるか分からないから不安になる。デパートやコンビニなどは年中無休化が進んでいるのに、官庁や銀行や病院に至るまで一週間も休まれれば生活がストップしてしまう。

仕事にならないから正月はテレビを見る人が多くなりますが、テレビの番組がますますつまらないものばかりになっている。その原因は何かと言うと、テレビ業界もネットなどのメディアに押されてスポンサー離れが進んで費用をかけた番組が作れなくなったからだ。例外はNHKですが視聴料で運営されている。しかしNHKもつまらないのは理解に苦しむ。

原因としては、吉川氏が書いているように超一流大学を出たテレビマンが番組を作っているからだろう。昔のテレビ業界は新聞やラジオなどからはじき出されたような人がテレビ番組を作っていましたが、いろいろとユニークなテレビマンが沢山いた。しかし名物プロデューサーもいなくなり、超一流大学を出たプロデューサーが番組を作るようになった。

しかし面白い番組を作るには、雑学の大家でなければ面白いものを作る事は難しいだろう。しかし東京大学のような超一流大学では学校秀才ばかりで、テストで評価されないようなサブカルチャー的な物事には疎い。それをごまかすために下ネタ話で花を咲かせるのでしょうが、テレビ番組自体が下ネタ番組的になっている。

超一流大学を出たエリートプロデューサーがする事は、視聴率を取った番組をパクルことであり、あるいは数字のとれるタレントを起用するようになる。昔ならさまざまな分野から人を引っ張ってきましたが、今は大手プロダクションに任せっぱなしだから何処も同じタレントが出る。歌番組もジャニーズとAKB48だらけになる。

吉川氏が指摘するのは、『ある超一流大学を卒業した若者が私の班に入って来たときであった。・・・その後色々なテレビバラエティを作っている若者と会ってみると、驚くほどものを知らない。あるいは世の中・社会・世界を観察・分析していない。あるいは「変な人」ですらない。私の苦言はさらに続く・・・。』と嘆いている。

私は小学校の頃から学校の勉強はほどほどにして、いろいろな本や小説を読み漁り、戦争に興味が沸けば戦争の本を読み漁った。だから社会や歴史などの教科は学校の先生よりもくわしく、勉強をしなくても通信簿で「5」が取れた。しかし英単語や漢字などの覚えるだけの学習は苦手だった。

「株式日記」が毎日書けるのも、大量の本を読み漁って来たからであり、引き出しが多くなければ毎日ブログは書けないだろう。テレビ番組でも面白い番組を作るには大量の雑学を仕入れて取り入れて行かなければ、どれも同じようになってしまってつまらなくなってしまう。

「株式日記」でもネタが尽きれば同じような記事ばかりになってつまらなくなって読者も減って行くだろう。最近の若い人は、暇さえあればスマホを食い入るように見ていますが、ゲームだったりメールだったりして頭が空っぽになるような事ばかりしている。本は読まれなくなりネットの記事ばかり読んでいては底が浅くなる。だから下ネタ話ばかりになって得意になっている。




THAADの韓国配備は、在韓米軍基地を守るのが目的です。
米国は中国やロシアと協議すべきだと韓国人は言い出した。


2014年12月25日 木曜日

中国の掌の上で踊り出した韓国 12月25日 鈴置高史

「沖縄」を米中に決めてもらう?

木村韓国ではすでに、安全保障分野でさえ「米中等距離外交」的な論調が当たり前になっているのです。ここに注目せねばなりません。

 そもそもTHAAD配備を巡る問題は米韓同盟、つまり米国と韓国の2国間の問題。それを他の大国に入って決めてもらうというのは、すでに同盟の体をなしていない。

 例えば、沖縄の海兵隊の基地問題について中国を入れて議論しよう、と日本人が言い出すのと同じです。

鈴置:私も韓国人に「周辺国が決めてくれればいいと言うのはまずくないですか」と聞いてみたのです。多くの人が「自分で決めたら、米中どちらからか殴られる。だから米中双方に決めてもらうのが一番いいのだ」と答えました。

 「独立国なら、他国から殴られるコストを甘受すべきではないのかなあ」とも言ってみたのですが、韓国人はそう思わないようです。

 ブッシュ大統領が打ち出した東欧ミサイル防衛構想というものがありました。ロシアが強く反対し、結局、オバマ大統領はあきらめました。この前例を見て、韓国は「大国間で決めて」と言い出したのかもしれませんけど。

東欧で「悪しき前例」作ったオバマ

木村:イランの弾道ミサイルを防ぐために、チェコに早期警戒レーダーを、ポーランドに迎撃基地計画を作るという計画でした。

 この計画を放棄したことで、オバマ大統領は「ミサイル防衛構想で押されれば引く」前例を作ってしまったといえます。

 中国はこの「実績」を念頭に置いて反対しているのでしょう。韓国もまた、それを手がかりに「米中ロ間での手打ち」を期待したくなるのかもしれません

 ただ、それはあくまで「東欧」という極めて微妙な地域での話です。チェコもポーランドもかつてはソ連圏で、北大西洋条約機構(NATO)では冷戦後の新規加盟国です。それに対し、韓国は米国の古い同盟国です。米国との親密度も、依存度も全く異なるはずなのに……。

鈴置:それに、北朝鮮とイランの脅威は比べものになりません。

木村:その通りです。米国がこの計画を取り下げた理由の1つは、イランのミサイルの脅威がさほどではないとの判断でした。一方、北朝鮮は韓国全土を射程に収めたミサイルを大量に保有しています。

 そもそもTHAADの韓国配備は、少なくとも公式的には、在韓米軍基地を守るのが目的です。北朝鮮の明らかな脅威から在韓米軍を守る武器の配備についてさえ、米国は中国やロシアと協議すべきだ――と韓国人は言い出したのです。

いつの間にか変容した米韓同盟

鈴置米国にすれば、無茶苦茶な議論です。米韓同盟が消滅するとしたら、THAAD配備問題が引き金になるのかもしれないと思います。

 「米中と距離外交」に関連、もう1つ興味深いことがあります。それは、韓国が米韓同盟の仮想敵から中国を完全に外してしまっていることです。

 中国はTHAAD配備を拒否させるために「配備したら在韓米軍基地は核攻撃の対象にする」と韓国を脅し始めました(「『核攻撃の対象』と中国に脅される朴槿恵」参照)。

 韓国はその脅しを前提に「米国に認めるべきかどうか」悩んでいます。つまり、韓国人は「THAADが配備されなければ、韓国は中国の核攻撃の対象ではない」と思い込んでいるのです。

 ほんの10年前まで、韓国人は現実を見ていました。「米中が戦争に突入すれば、米国の忠実な同盟国である韓国はどうあがいても中国の核攻撃を受ける」と考えていました。

 でも今や韓国は「米韓同盟の仮想敵は北朝鮮だけで、中国は敵ではない。だから、中国も韓国を敵と見なさない」と信じています。米国には北朝鮮の脅威を防いでもらうけれど、中国封じ込めに加わるつもりは全くないのです。

 中国を最大の仮想的に据える米国としては、そんな虫のいい韓国を守ろうという気は起きなくなってしまいます。ことにTHAAD配備に韓国が反対すれば。

 在韓米軍だけではなく、在日米軍やグアムの基地も中朝の弾道ミサイルから守る、米国の安全保障にとって必須のものだからです。



(私のコメント)

アメリカ人のほとんどは、歴史学者を含めて韓国の歴史をよく知らない。アメリカにとって東アジアは太平洋を挟んだ隣国なのですが、東アジアの歴史を驚くほど知らない。たとえば従軍慰安婦の問題一つとっても韓国人の言い分をそのまま信じてしまっている。終戦後の米軍などの資料を見れば韓国の言い分がデタラメであることが分かります。

結局アメリカ人は専門家を含めて漢字が読めないから、英語の資料しか読めないから東アジアの歴史が分からない。ハリウッド映画を見ればアメリカ人がいかにアジアを知らないかが分かりますが、中国も韓国も日本もごちゃごちゃであり一緒だと考えているからでしょう。

だからアメリカの対東アジア政策は失敗だらけであり、朝鮮戦争で勝利無き戦いをしてベトナム戦争では負けました。1990年代からはアメリカは日本を敵として中国や韓国を味方として歴史問題で共闘してきました。朝日新聞が呼応するような形で南京大虐殺や従軍慰安婦問題を書きたてるようになったのもアメリカからの指示で書いたのでしょう。

ニューヨークタイムズなども韓国側の言い分を一方的に信じて記事にしていますが、国務省などの意図もある。だから韓国政府は従軍慰安婦問題で騒げば自動的にアメリカや中国が味方してくれると読んだ。しかし最近では思ったほどアメリカが味方をしてくれなくなったのは、韓国の離米親中政策に気がつきだしたからだろう。

韓国人朝鮮人が信用できない事は中国人が一番よく知っている。歴史を見れば分かりますが、中国王朝も何度も朝鮮人に騙されてひどい目に遭っている。中国が朝鮮半島を本土に直接組み込まないのは日本との緩衝地帯と言う面もありますが、朝鮮人が面従腹背で信用できないからだ。

アメリカにしても韓国を独立させて、多額の経済援助や技術援助をして、オリンピックや万博やワールドカップまで日本との共催で実現させた。日本政府にも韓国に多額の経済援助をさせてきたのはアメリカだ。しかし韓国は中国が台頭して来るとパククネ政権は離米親中政策をとりだした。

中国を潜在敵国と見做すアメリカにとっては受け入れられない事ですが、韓国の歴史を知っていればこのような事は当たり前なのだ。事大主義は朝鮮人の文化であり独立国としての体をなしていない事を物語っている。中国王朝は朝鮮王朝を属国として扱ってきましたが、中国と1000回戦争して1000回負けてきた。

朝鮮戦争でも韓国軍はアメリカ軍を差し置いて逃げ出してしまったし、信用できない軍隊であることはアメリカ軍が一番よく知っているはずだ。だからベトナム戦争でも韓国軍の参加にも積極的ではなかったが、韓国軍が参加する事で例の法則によってアメリカ軍はベトナム軍に負けた。韓国軍は軍の統制がとれておらず残虐行為を行いベトナム国民から恨まれている。

韓国はアメリカや日本の支援が無ければ存在しえない国家であり、在韓米軍がいなくなれば自動的に中国の勢力下に入る事になる。国家として形は存在しているが中国の属国化する。北朝鮮も形は中国に逆らっているが中国に首根っこを押さえられてどうにもならない。韓国もいずれ北朝鮮化して中国主導で朝鮮半島は統一されるだろう。

アメリカ政府としては、韓国に恩を仇で返されたことになりますが、ようやく韓国人の国民性をアメリカ人も知るようになって来た。韓国人が従軍慰安婦問題をアメリカで運動を行うのは、アメリカでも韓国系アメリカ人は差別を受けており、黒人暴動が起きれば韓国系の商店が襲われる。だから日本へのネガキャンで韓国系の地位向上を図っているのだ。


韓国系アメリカ人が持つ強力な反日パワーの根源 3月25日 高濱 賛

アメリカ大都市近郊のベットタウンに次々と建てられる韓国人慰安婦の記念碑。教科書の地図に「日本海」と「東海」を併記するよう義務付けた州議会法案の可決・成立―――。

 こういう形で、朴槿恵(パク・クネ)大統領の反日政策をKorean American(韓国系アメリカ人)が側面支援している。「アメリカに永住する韓国系移民たちは、韓国政府が望んでいる『戦果』を次々と上げている」(在米韓国人特派員)。

韓国政府の手足となって反日政策を支援

 これら韓国系アメリカ人の大半は、物心ついた後に米国に移民した、いわゆる帰化アメリカ市民だ。法的にはアメリカ国籍を持っているれっきとしたAmerican(アメリカ人)だが、本国といまだにへその緒で結ばれている。アメリカに移り住んだものの、生活環境は韓国に住んでいた時とあまり変わらない。

 アメリカ生まれ、アメリカ育ちの韓国系2世、3世とは一線を画している。韓国系2世や3世は、経済力と社会的地位を得るために米社会に溶け込み、激烈な競争を勝ち抜くのに必死だ。一部の例外を除けば、反日運動にうつつを抜かしているひまなどない。

 出身国がどこであれ、外国生まれの移民は、ひとたびアメリカに帰化し米市民になれば、出身国のお先棒を担ぐような言動はしないものだった。少なくとも公の場ではそうだ。ところが韓国系移民はちょっと違う。

 アジア系移民問題に詳しいディクソン・ヤギ博士は「韓国系移民のように祖国の政策を鵜呑みにして、それを米国内で実践する国民はきわめて稀だ。戦時中、ほとんどの日系アメリカ人はアメリカに対する忠誠を貫いた。それに比べて、韓国系移民の祖国に対する忠誠心は度を越している」と語る。

“新参者”は「韓民族」であることでアイデンティティーを確立

 韓国系移民の異常な「祖国愛」は、なにも今に始まったことではない。それが韓民族の特徴かどうかは別にして、アメリカで行われたサッカーや野球のワールドカップで見せた、韓国チームに対する熱狂的な応援ぶりに、米国の一般市民はあきれ返り、眉をひそめたものだ。

 韓国系移民が祖国への愛着をこれほど強く示すのは、アメリカ社会に同化できない新参者だからだ。文化・習慣の違いや言葉のハンデもあり、彼らがアメリカ企業に就職することはまずない。大半はクリーニング店や食堂といった零細自営業を営む。

 こうした生活環境が自らのアイデンティティーを韓民族であることに求める要因になっているのだろう。それが反日運動へとつながる。従軍慰安婦像設置の動きはその典型例だ。ある種の公民権運動なのかもしれない。(後略)



(私のコメント)

このように韓国人にとっては中国もアメリカも変わりなく、民族的プライドが高いからその国に帰化しても同化せず韓国・朝鮮に忠誠を尽くす。彼らは大都市にコリアンタウンを建設して政治的な地位を高めようとしている。それに反日政策が利用されている。日本でも韓国系日本人は帰化しても日本よりも韓国に忠誠を尽くす。大新聞の記者も韓国系が多く韓国目線の記事を書いている。国会議員にも韓国系が多いが小沢一郎も母親が韓国系だ。




国の方針としても、「定年再雇用は全く新しい雇用契約を結ぶ
ことだから、全く新しい賃金で契約してよろしい」ということです。


2014年12月24日 水曜日

定年延長のウソ!? なぜ60歳になると給料は半分になるのか 12月24日 プレジデント

65歳までの継続雇用は実現したが

 2013年4月より、65歳までの継続雇用を企業に義務付ける(一定期間の猶予措置あり)ため、改正高年齢者雇用安定法という法律が施行されました。これにより、企業は(1)定年年齢を引き上げる(2)継続雇用制度を導入する(3)定年制の廃止 のいずれかの措置をとることが求められるようになりました。

 しかし、ほとんどの会社は定年制廃止や定年年齢の引き上げを行わず、(2)継続雇用制度の導入 を選択しているのが実情です。継続雇用の場合、正社員のままで雇用する必要はありません。たいていは、嘱託社員やパートタイマーのかたちで雇用することになります。

 そして現在、60歳で定年を迎え、その後再雇用された人たちの給与水準は、定年前に比べて50〜60%程度が平均的です。そして、一般的に中小企業より大企業の方が、賃金の減額率は大きい傾向が見られます。中には、再雇用後の給与を、学卒初任給かそれ以下で設定している企業もあるのです。59歳の時に年収1000万円近くもらっていた人が、60歳になった途端、年収250〜300万円というケースも珍しくありません。部長だった人も、一嘱託社員となり、役割が異なるからという理屈です。

 企業にとっては、そうせざるを得ない事情があります。今まで60歳で定年退職するという前提で賃金や人件費を考えていた以上、それをいきなり「65歳まで全員雇用をして、給料も下げちゃイカン」ということになれば、負担が大きすぎます。その分、若い人を採用できなくなりますので、組織の活力も落ちてしまいます。また、
国の方針としても、「定年再雇用は全く新しい雇用契約を結ぶことだから、それまでの雇用条件はご破算にして、全く新しい賃金で契約してよろしい」ということですので、企業の後押しをしてくれています。年金も仕事もない60代はつくらない、が至上命題だからです。

■年功序列賃金とは「年齢による差別」

 でも、ちょっとおかしいと思いませんか? 

 59歳と60歳で急に能力が落ちるとは考えられません。体力的にも、今時の60代前半なんて、20代の草食系男子よりエネルギッシュな人も数多く存在します。また、現実問題として、今まで営業していた人が、急に経理の仕事はできませんので、定年前と同じような仕事をすることになります。工場でも、それまでと同じ作業を担当し、それまでと同じ程度の時間を働きつづけている人も少なくありません。ならば「なぜ、同じような仕事を続けているのに、誕生日が来ただけで給与が半減してしまうのか」と不満を抱くことは自然な感情といえるでしょう。

 しかし、これは日本の賃金制度と雇用慣習が大きく影響しているのです。

 日本では成果主義が広まりつつあるとはいえ、まだまだ年功的賃金を引きずっています。(人事&給料の謎【3】バブル入社組が危ない!  「年功序列賃金」は崩壊したのか http://president.jp/articles/-/13555 参照)

 そのため、賃金のピークが50代となる。その一方で、ちょっと仕事ができないくらいでは解雇されませんので、「賃金に見合った仕事ができていない社員」の割合も50代が最も多くなります。そこで、本当は給与以上の仕事ができている60歳も少なからず存在するものの、大多数の人に引きずられて「あなたも皆と同じように賃金半減でガマンしてね」となってしまうのです。

 極端に表現すれば、年功序列賃金とは「年齢による差別」です。同じ仕事を、同じ能力で行っていたとしても、30歳だからという理由だけで、50歳の社員より給与が低いのですから。その反動が、60歳以降の再雇用時に回ってきている、と言えるでしょう。(後略)



(私のコメント)

サラリーマンの雇用形態も、高度成長時代が終わって終身雇用・年功序列人事体系を変えなければならなくなった。失われた20年は企業が雇用体系を変えるための混乱も招いた。新卒社員も正社員から派遣に切り替えて人件費を浮かした。しかし派遣社員は契約期間が終われば会社から去って行くから技術の集積などは行われえない。

このような事によって人件費を減らしつつ、中高年のリストラを最小限にしてきた。中高年の正社員を解雇するのは難しく新入社員を減らす事で対応してきた。しかし団塊の世代の大量退職によって、今年あたりからアベノミクス効果で新卒社員の大量採用が行われるようになった。

その為に、飲食店などではアルバイトの確保が難しくなり時給単価が上昇した。一部のアパレルチェーンなどでは非正規社員を大量に正社員として採用して人材の確保に動いていますが、これらの業界は最初から終身雇用や年功序列は関係が無い。問題になるのは従来の大企業だ。

経済成長が停滞すれば、終身雇用・年功序列ではやっていけないから、40代から肩たたきが行われるようになる。改正高年齢者雇用安定法は一部の企業でしか適用が難しいのではないかと思う。私が経験したサラリーマンは銀行とビル管理会社ですが、いずれも体力仕事であり、20代30代は使い道があるが、40代になるとスクラップ社員扱いされてラインから外される。

もちろん一部の管理職は40代50代でも出世して行くが、支店長ポストは限られるから、それ以外の社員は支店長代理あたりでストップする。自分よりも年下の支店長に使われる事になりますが、そうなる前に銀行は吸収合併されてしまった。つまり年功序列を維持したままでは競争に敗れて倒産する。

優良企業だった日本の電気会社でも、シャープやソニーなど毎年数千人のリストラを行うなど、雇用形態の転換が迫られている。年功序列で社長になった人では激しい国際競争に勝てない。大企業では将来の社長候補は子会社の経営をやらせてみて、業績を上げた子会社の社長が本社の社長に抜擢される事がみられるようになった。

日本の総理大臣も、都道府県の知事や市長などをやらせて業績を上げた人を総理大臣にすべきではないだろうか。アメリカの大統領も州知事から大統領になるケースが圧倒的に多い。韓国も李明博大統領もソウル市長から大統領に選ばれた。議員から総理や大統領を選ぶのは外れが多いようだ。

このように大企業なら人材を子会社に出して実力を見る事も出来ますが、能力主義人事と言っても能力を見極める事は難しい。アメリカには定年制が無いそうですが、能力が無いとみなされればいつ首にされても文句は言えない。このように終身雇用が崩れれば年金制度なども影響が出てくる。

今までは会社が一つの村のような社会を形成していて、嫁さんも社内で見つけて仲人も上司がなってといった運命共同体であり、終身雇用や年功序列と馴染んできた。しかしいったん会社を退職すれば今までの同僚は赤の他人になってしまう。だから何がなんでも会社にしがみ付く生き方がありましたが、会社ではそのような生き方を望まなくなった。

アメリカでは起業した経営者が一番尊敬されており、大企業の役職者はさほど尊敬はされていない。いったんリストラされればただの失業者だからだ。日本では大企業の役職者がパーティーの席でも名士として紹介されますが、だから日本の役職者は会社を退職したがらない。

いままで一流大学を出て一流企業に入る事が成功への近道でしたが、終身雇用と年功序列が前提だったからだ。これが成果主義・能力主義が当たり前になれば、いつリストラされるか分からないから、アメリカのように起業した中小企業の経営者が一番の成功者として尊敬されるようになるだろう。




中央銀行が買いオペにより、民間銀行の保有する国債を
買い入れれば、それだけ民間部門の国債は回収される。


2014年12月23日 火曜日

国の借金は減っている アベノミクスに増税は必要ない 12月22日 井上 智洋/早稲田大学政治経済学部助教

先の衆院選は与党の圧勝に終わり、アベノミクスが継続されることになった。2年半後に消費税率の10%への引き上げが控えているが、それまでにどれだけ景気対策を実施できるか、あるいは税率引き上げの時期をさらに延期できるかが、アベノミクスの成否を決定づける。いずれにとっても重要なのは、「景気回復と財政再建の間にトレードオフは存在しない」ということである。なぜそう言えるのかをここでは論じたい。

マネーの増大が景気回復をもたらす

 金融緩和政策、つまりマネーストック(市中に出回っているマネーの量)の増大を目指す政策は、モルヒネのように痛み=問題を誤魔化すものでなく、錬金術のように労せずに富を生み出すものでもない。人々が持つマネーが増えれば、その資産効果で消費需要も増大する。すると、失業していた人々が労働に従事するので、その分だけ実際に生産量が増大する。マネーの増大によるGDPの増大を、楽をして儲けるような非道徳的な営みであると勘違いする人が少なくないが、実際に労働量が増大するからこそ富が増大するのである。

 逆に、マネーを十分に増大させなければデフレ不況に陥る。マネーストックが増える割合、すなわち「貨幣成長率」はバブル崩壊期の1991年以前では平均9%ほどあるが、それ以降は平均2%ほどである(図1)。このような貨幣成長率の劇的な低下による恒常的な需要不足こそが「失われた20年」の主因である。したがって、大胆な金融緩和は、異常でもなくその場しのぎでもなく、むしろ貨幣経済の正常化を図るものだとさしあたりは言える。

そうではあるが、とりわけ1999年以降のゼロ金利下の経済では、中央銀行である日銀が買いオペ(民間銀行の持つ国債を買い入れる政策)によって民間銀行にマネーを供給しても、民間銀行から企業への貸出が十分に行われなかった(図2)。それゆえ、マネーが市中に出回っていかず、マネーストックが増大しにくいという状態が長らく続いた。

 そこで、安倍政権と黒田日銀は、レジーム・チェンジ(政策枠組みの抜本的な転換)を図り、人々にインフレ期待と景気回復期待を抱かせる政策及びアナウンスメントを実施した。その効果については、多くの議論が必要となるので、ここではおくことにする。

 いずれにしても、企業の銀行からの借り入れが十分でない場合、代わりに政府が銀行から借り入れて財政支出を拡大すれば、マネーが市中に出回ることになる(図2)。つまり、政府が銀行に国債を購入させ借金を増やして財政支出を行えば、マネーストックは増大するのである。これに逆行するような政策、すなわち増税や財政支出の縮小などによって政府の借金を減らせば、マネーストックも縮小するので、他方で幾ら人々の期待に働きかけても景気後退は避けられない。

「統合政府」の借金は減っている

 そうはいっても、政府の借金は1000兆円を超えており、さらなる借金の増大を危惧する人は多い。ところが、実は近年「国の借金」は減少傾向にある。

 経済学では、政府と中央銀行を合わせて「統合政府」と呼ぶ(図2)。政府と中央銀行はともに公的部門であり国の機関であるはずなので、「国の借金」とは「政府の借金」ではなく「統合政府の借金」を意味していなくてはならない。

中央銀行が買いオペにより、民間銀行の保有する国債を買い入れれば、それだけ民間部門の国債は回収される。近年、日銀による国債の買い入れ額は、国債の新規発行額を上回っている。つまり、民間部門の国債保有額は減っており、「国の借金」も減っているのである。それゆえ、今のところ増税は必要ない。

 ただしこの場合、日銀による国債の買い入れが政府支出の財源となっている。これは「財政ファイナンス」と呼ばれ、財政の信頼性を損ない金利を高騰させるものと繰り返し批判されてきた。しかし、実際には、長期国債の金利ですら長期下落傾向にあり、今や0.5%を割り込んでいる。

 これだけ日本の財政危機が叫ばれている中で、長期金利が低位安定している事態は不思議でも何でもない。マーケットは、デフレやディスインフレ(低い率のインフレ)の下での財政ファイナンスに何の危険性もないことを無意識に理解しているのである。

 懸念される弊害は過度のインフレだが、2%といったインフレ率目標はそれを防ぐ役割も果たし得る。また、景気が十分回復して2%のインフレ率を超えたならば、自然に税収は増大するし、増税によって景気の過熱を抑えることもできる。したがって、インフレ率目標達成後、金利の引き上げにより政府の利払いが増えたとしても、それを超える税収増が財政再建を可能とするだろう。逆に言うと、インフレ率目標が達成され、ゼロ金利政策が解除できるようになるまでは、増税する必要はないし増税すべきでもない。

貨幣発行益を国民に配当せよ

財政ファイナンスは、「貨幣発行益」(貨幣発行によって得られる利益)を財源に政府支出を行うことを意味してもいる。そもそも政府の財源には、
(1)税金
(2)国債
(3)貨幣発行益
の3つがある。ところが、
日本の政策当局はこれまで(1)と(2)のみが財源であるとの思い違いをしてきた。それゆえ、景気回復のために国債を財源とした政府支出を行い、景気回復の兆しが見えると、財政赤字を減らすために増税し、景気を後退させるということを繰り返してきた。これではいつまで経っても、デフレ不況から脱却できるわけがない。そのような思い違いを改めなければ、失われた20年は30年にも40年にもなるだろう。

 貨幣発行益を財源とした政府支出を行うことで、国の借金を増やすことなく、景気回復を図ることができる。我々は、景気回復と財政再建が両立し難いといったジレンマに陥ってなどいないのである。

 政府支出の対象としては、供給制約(人手不足)に直面している公共事業よりも、現金給付の方が適切である。例えば国民に一律1万円といったマネーを毎月支給してはどうか。私は、これを「貨幣発行益の国民配当」と呼んでおり、理想的な社会保障制度と言われる「ベーシックインカム」に発展させるべきと考えている。



(私のコメント)

昨日の株式日記では、記憶力重視型の人材の育成方法では時代に合わなくなっている事を書きましたが、記憶力重視型の大学のトップは東大であり、ノーベル賞とも縁の薄い大学だ。確かにペーパーテストでは最優秀な受験生から入学が認められるからそうなってしまう。

財務省や日銀官僚は東大新卒者が多く採用されるところであり、東大を出ていないと肩身が狭い思いをする。東大を何番の成績で卒業したかで出世コースまで決められては、そんな組織は破綻する。かつての陸軍海軍がそうであり、確かに記憶力は非常に優秀だが、アメリカ軍の想定外の作戦には対応が出来なかった。

現在の財務省や日銀も、同じような症状を示しており、白川前日銀総裁は東大卒だが金融緩和が必要な時に金融を締めて異常な円高を招いてしまった。安倍総理は東大卒ではないが金融緩和が必要な事は理解しており、黒田日銀総裁に対して日銀法改正までちらつかせて金融緩和に踏み切らせた。

冒頭のグラフを見れば分かるように、91年おバブル崩壊以降のマネーストックの成長率を見れば分かるように因果関係は明らかだ。民間の金融機関が経営危機に陥って、新規貸し出しが出来なくなり市場への資金供給に支障が出たからですが、このような場合は国が借金をして市場にマネーを供給しなければならない。

政府と日銀は市場に1000兆円規模でマネーを供給してきたが、それでも足らないからデフレが起きてしまった。銀行には不良債権がたまり融資によるマネー供給が出来なくなり、逆に貸し渋りや貸し剥がしでマネーを回収してしまった。中国などでは国が銀行の不良債権を買い取って問題を解決してきた。

政府と日銀の関係は、大株主と会社の関係であり、政府は日銀の過半数の株を持つから準政府機関であり、政府の国債を日銀が買い取る行為は夫婦間の金の貸し借りみたいなものであり、いつでもチャラに出来るものだ。しかし財務省や日銀やマスコミは連日のように政府の借金は1000兆円を超えたと宣伝している。だから東大卒の財務官僚はバカだと連日書いてきた。

経済の教科書では、中央銀行の国債の買い取りはインフレを招くと書いてあるが、実際に日本で起きている事はデフレだ。東大卒の学校秀才ではそれが理解できない。教科書には答えが書いてないからだ。東大では歴史は教えていないようですが、江戸時代に遡ればマネーの供給がいかに大事かを教えてくれる。「株式日記」では13年前に次のように書きました。


江戸幕府の通貨政策 2001年5月31日 株式日記

昨日のNHKで「その時歴史は動いた」で八代将軍徳川吉宗の経済政策の事を取り扱っていました。「元文の貨幣改鋳」のことを扱っていましたが、インフレとデフレにおける通貨供給との関係を分かりやすく扱っていました。江戸時代までは米本位制の時代で、侍は米で給料をもらっていた。それを米穀商に売り貨幣に代えていた。

吉宗は「享保の改革」で幕府の財政を引き締め、米の生産を高めました。その結果米の値段は暴落し侍たちの生活は困窮しました。吉宗は米相場を高めようと米を買い上げたりしてみましたが思うように値が上がらない。米の供給が増えたのに通貨を引き締めていたから、米の値段は80文から20文まで値下がりしました。

そこで大岡越前之守は貨幣の増量を進言しましたが、吉宗はインフレを恐れて踏み切れませんでした。しかしいろいろ対策を打っても米相場は回復せず侍の生活はますます貧しくなり、やむなく大岡越前の守の進言を受け入れて、貨幣の増発に踏み切りました。その結果米価は20文から60文にまで回復し、他の物価は安定していました。

このような歴史の教訓は現代に生かされているのだろうか。政府自らもデフレ状態である事を認めている。日銀の通貨政策が間違っていたのだ。失われた10年は日銀によって作られたものだ。それにより日本から1500兆円の資産が失われた。しかし日銀はその責任を大蔵省に押し付け、馬鹿な大蔵省は解体されました。日銀は焼け太りのように独立性と権限を強化する事に成功している。以下は「円の支配者」からの引用です。

1990年代、日本銀行はどれだけのお金を印刷していたのか?ほとんどゼロである。大蔵省が必死になって景気を回復させようとしている頃、日本銀行は少しも焦っていないようだった。日銀は大蔵省に命じられるままに金利を引き下げたが、同時に通貨の流通量を減少させていた。金利がいくらであれ中小企業の大半がお金を借りられないのなら、ゼロ金利は何の役にも立たない。

そして大蔵省が財政支出を増やしても、中央銀行は新しいお金でそれをまかなってやらなかった。したがって大蔵省は民間投資家向けに国債を発行して費用を調達するしかなく、結局、民間需要を低下させるだけだった。

経済が好景気からバブル崩壊へと落ち込んだ理由は、システムにはなかった。低金利政策も財政による経済対策も効果を上げられる筈もなかった。じつは93年か94年に楽に景気を回復させられるシンプルな政策があった。銀行が充分なお金を創造しないから物価が下落し、需要が落ち込み、失業が増加するのだから、要するに経済に必要なのはマネーである。これほど簡単な事はない。日本銀行が印刷機のスイッチを入れればよかったのだ。




韓国では、若者のかなりの部分が「殴られて命令を疑わなくなる」
人材育成を経験しているので、イノベーションが生まれにくい


2014年12月22日 月曜日

大学に入ることが目的の教育とその先を考えた教育その道のプロが子弟を武蔵高校に入れたがる理由 12月19日 伊東 乾

私がしばしば挙げる例ですが、ある韓国人の友人が、自分は軍隊時代、創造性の芽を完全に摘まれた、一生後悔している、と告げてくれたことがあります。

 何か少しでも既存のものに疑いを挟むと殴られる、大日本帝国陸海軍式の「人材育成」が、現在も韓国の軍隊では継承されており、上官の命令に疑いを差し挟むような習慣、発想がなくなってしまうそうです。

 逆に唯々諾々と上の言うとおりにしておけば、昇進も早いし社会的にも栄誉が得られる。しかし、これだと確実に、グローバルに通用するクリエイティブな知性は育たない、つぶされてしまう。

 だから自分は、子供を米国で育てて、創造性の芽を詰ませないようにして」いるのだ・・・と、その友人も、我が子を育てる実践を例に挙げて、「創造性をつぶす教育」を害を教えてくれました。

 「韓国では、人口が少ないこと、38度線で北朝鮮と境を接していることから、男子は国民皆兵の状態がずっと続いています。つまり国の若者のかなりの部分が「殴られて命令を疑わなくなる」人材育成を経験しているので、ノーベル賞級のオリジナルな研究業績や、画期的なイノベーションが生まれにくいのだと思います」

 そう語る韓国人の友人の声に、深い響きを聞きました。

創造的知性を育てる方法:その1 別解課題

 いま軍人育成を例に「創造性をつぶす教育」を挙げましたが、その逆を考えて見ましょう。

 仮に軍で上官から命令があったとします。特攻でも原爆投下でも何でもいい、ともかく極端な命令が下されたとき、それにノーを言うか、言わないか。

 現場でノーばかり言われたら、軍隊は動きがとれません。だから「兵隊は殴れば殴るほど良くなる」などと言われるわけで、命令を疑わず、粛々と実行するのがいい兵員ということになる。

 この逆、つまりある戦術が示されたとき、

 「いや、その手以外にも、こんな勝ち方もある、こんな方法もある、あるいはこんな方法もある。△8六歩、△5七金、もっと大胆には△4二桂馬とか、ほとんど天才的・・・」

途中から将棋の話にずれてしまいましたが、同じ勝負に勝つと言っても、いくらでも違う勝ちのパターンが考えられるというのは、単線的に1つだけ正解を暗記しているのと比べ物にならない、足腰の強い知のエキスパートを育てます。

 朝永振一郎博士と同時に1965年ノーベル物理学賞を得たR.P.ファインマンは生前、

 「およそ理論家を名乗るのであれば、同じ仕事をするのに7つの異なる方法を持っていて当然」

 という意味のことを発言しています。いろいろな「別解」の方法を縦横に持っているから、1つの策に窮しても、別の案に事欠かない、プロの骨法の真髄その1と言えるでしょう。

 子供が創造性を伸ばし、柔軟で自在なクリエイティブに育つうえで、この「手数の豊富さ」は大変強力な助けになります。で、こういうことは学校教育を通じて伸ばすことができます。

 少なくともかつて武蔵高等学校中学校では、1つの問いに多数の別解を求む、という課題を出していました。例えば、

 「1年かけて、学年全員で『ピタゴラスの定理』の証明を100、違うものを出してみよう」

 という課題がありました。1学年が144人程度ですので、本当にすべて違うものであれば144個出てくる勘定になります。

 「ピタゴラスの定理の証明法」が本当に144もあるのか・・・? と思う人がるかもしれません。そう考えるのは「下手の手筋」です。

 違うんですね、発想が逆になると楽になる。(後略)



(私のコメント)

「株式日記」を毎日書く上で一番時間を食うのは、主題を見つける事であり、今日は経済、今日は外交、今日は政治などと順番に書いていますが、毎日同じ問題を書いても意味がない。読む方も書く方も飽きてしまう。大きな事件が起きれば主題は直ぐに見つかりますが、そうでない事の方が多い。

教育問題も「株式日記」で書いてきましたが、AO入試などで大学のレベルの低下が心配されます。AO入試の本来の目的は、とびぬけた才能を持つ学生を入学させることにあるのですが、確かに面接技術などは優れた才能のある学生が入学するようだ。

かといって記憶力だけでも大学入試は何とかなってしまう事もあり、創造力のある学生はなかなか育てにくい。芸大を出れば優れた画家や作曲家になれるわけではなく、文学部を出れば作家になれるわけでもない。だから大学を出る事が目的ではなく、大学を出た後にどれだけ能力を伸ばせるかが問題になる。

戦前の日本軍や現代における霞が関官僚は、大学卒業時の成績で出世が決まったから、陸軍大学を首席で卒業したものが大将になり、東大法学部の首席から財務省などの官僚に採用されて行く。大学卒業時においては優秀な能力の持ち主でも、勉強しなければ能力は低下して行く。

戦前の日本や韓国などでは、軍隊教育が行われて、軍隊式の訓練を施される事で創造性の芽が摘まれてしまうようだ。日本軍は兵士は優秀だが階級が上になるにつれて無能になって行くと評価されたが、記憶力だけの秀才軍人では戦争に勝てるわけがない。

大企業などにおいても、東大卒を大量に採用するような所は官僚化してしまって業績が停滞するのは、創造性に欠けた人材が経営幹部になって行くためであり、画期的な新製品を出せるような人材は東大法学部からは出にくい。

今年のノーベル物理学賞をもらった日本の三人の学者は、東大を出たわけではない。青色LEDを作成するには何万通りもの作成方法を試さなければならず、東大出のような秀才はそのような事はしない。東大とノーベル賞とは相性が悪くあまり縁が無いようだ。

IPS細胞でノーベル賞をもらった中山教授も東大出ではなく、どうして日本一優秀な大学の東大がノーベル賞に縁が少ないのは、教育方法に問題があるからだろう。大学を卒業してからの学習方法が違うからではないかと思う。

「株式日記」を毎日書いていくにも、新しい事を考えて書いて行かなければならないから、記憶力だけでは何も書けない。あらゆる物事に興味を持ち膨大な記事を読んで、様々な角度から切りこんで行かなければならない。最近の大学ではネット上のコピペだけで論文が書けてしまうから、作文能力が無くなってきた。

「株式日記」のコメント欄もコピペだらけで、自分の意見を自分の文章で書ける人は少ないようだ。理研の小保方晴子氏もコピペの論文で博士号を取ったようですが、大学教育に問題があるようだ。




世界中で外貨をドルからバスケット方式に切り替える流れが出来て
いましたが、自国通貨を買い支えるにはドルでなければ出来ない


2014年12月21日 日曜日

OPEC崩壊、原油価格はまだ下がる サウジアラビアが調整役放棄、秩序回復には1年を要する 12月17日 小笠原 啓

原油価格が急落しています。まずは、今後の価格見通しを教えて下さい。

野神あと1年は下落傾向が続くとみています。世界の原油の需給バランスが崩れているからです。シェールオイルの増産などで供給が増えた一方で、世界経済の減速により原油需要は伸び悩んでいる。2015年は原油の供給が、需要を日量140万バレル程度超過するとみています。

 こうした状況で何かのきっかけがあると、市場では売りが殺到しかねない。いったん「オーバーシュート」が起きると、一時的に50ドル程度まで下がると考えています。

なぜ、原油の需給バランスが崩れているのでしょうか。

野神最大の要因は、米国におけるシェールオイルの増産です。2014年は前年比で日量100万バレル増えて、450万バレルに達する見込みです。それに対し、全世界の原油需要は今年、68万バレルしか増えません。シェールだけで世界の需要増を全てまかない、「お釣り」がくるような状況なのです。

 加えて、イラクやリビアといった国が増産余力を付けてきました。イラクではイスラム国の勢力伸長が一段落し、南部の油田地帯には影響しないとの見方が強まっています。リビアでも治安が好転したことで、原油輸出が回復しています。

 一方で、原油需要の回復は期待しづらい。世界経済の減速傾向が強まっているからです。

 欧州では、ロシアへの経済制裁が足を引っ張ります。ユーロ圏を牽引するドイツの輸出や鉱工業生産が変調し、統計でも厳しい数字が出始めました。欧州全体がマイナス成長になる懸念もあります。さらに、ディーゼル車の普及により自動車の燃費が向上したことも、原油需要の伸びを抑える要因になっています。

 これまで原油需要の伸びを牽引してきた中国でも、経済の減速が鮮明になっています。不動産など根深い問題を抱えており、すぐに回復するとは考えにくい。

 米国経済は好調ですが、それがかえって利上げ観測を呼んでいます。利上げされると余剰資金が市場から吸い上げられ、原油相場にとってはマイナスになります。

 こうした状況で11月27日、石油輸出国機構(OPEC)が総会で減産を見送り、原油価格が急落しました。

OPECはこれまで原油価格の下落局面で減産を実施し、価格を調整してきました。今回はなぜ、減産しなかったのでしょうか。

野神:サウジアラビアを中心とする湾岸諸国が、需給の調整役を放棄した格好です。サウジ王家の長老は「他の国が真剣に取り組むなら、サウジも減産する」とのメッセージをOPEC総会前に発信していましたが、結局、確約は取れませんでした。

 これまでも、真面目に減産してきたのはサウジやクウェートぐらいで、他のOPEC加盟国はそれに「ただ乗り」していました。そんな状況に、サウジは我慢できなかったのではないでしょうか。仮に減産しても、他の国が生産量を維持したら痛みを負うのはサウジだけです。

 2015年の需給ギャップは日量140万バレル程度。サウジが主導権を握り、アラブ首長国連邦などと協調して減産すれば、対応できるレベルです。それでも減産に踏み切らなかったところに、サウジの意思を感じます。

米国のシェールオイル産業を牽制したとの見方があります。

野神:そうした側面は確かにあります。原油価格が60ドル程度にまで下がると、一部のシェールオイルは採算が合わなくなり、増産ペースが鈍化します。そうなると需給が引き締まり、原油相場が均衡する可能性があります。しかしこれは、一面に過ぎません。

 サウジはむしろ、他の産油国に戦いを挑んでいるように思えます。ベネズエラやイランは社会保障費などのバラマキを強めており、原油価格が100ドルを超えなければ、財政収支を均衡させられません。アルジェリアやナイジェリア、イラクの財政均衡価格も軒並み100ドルを超えています。つまり、原油価格下落で先に音を上げるのは、米国ではなく他のOPEC諸国なのです。

 サウジの財政均衡価格は90ドル前後なので、同様に苦しいのは事実です。しかし、原油高の時代に政府資産を積み上げてきたことが奏功しています。この資産を取り崩せば、数年間は財政赤字に耐えられるからです。(後略)



(私のコメント)

最近の数年間にわたって石油価格が1バレル100ドルを超えていましたが、この水準だと代替エネルギーや採算割れだった油田が生産を始めるので需給関係が供給過剰になります。特にアメリカのシェール・オイルの増産が需給バランスを崩してきました。

シェール・オイルが採算に乗るようになったのも100ドルと言う価格が後押しをした。シェール・オイルは昔から存在が知られてきましたが、技術的に難しい事と採算が合わないという事で見送られてきた。しかし採掘技術の発達と石油の高値安定が続いたおかげでシェール・オイルがブームになった。

それに対してアメリカの石油大手やサウジアラビアなどは、これらの中小の石油業者を潰すために石油暴落を仕掛けてきた。ロックフェラーなども中小の石油業者を叩き潰して大きくなって来たのだ。アメリカの石油財閥やサウジアラビアなどは資金力があるから石油暴落しても耐えられるし、倒産した中小石油会社を買収して市場を独占して行く。

ロシアへの経済制裁だという見方もありますが、確かに石油の暴落で金融パニックが起きている。ルーブルは半値にまで暴落したし、金利は一気に17%にまで暴騰した。ロシアの外貨収入の多くが石油や天然ガスだから暴落は致命傷になる。

まさにアメリカのメジャーオイルとサウジが仕掛けた石油暴落ですが、中小石油会社が潰れれば生産調整して今度は値上げを仕掛けてくる。石油は戦略商品であり、石油に代わるような代替燃料開発は100ドル以上ないと採算に合わない。「株式日記」でも藻によるバイオ燃料の開発を訴えてきた。

このように需給バランスが逆転したのは、中国の景気後退であり石油爆食で中国は世界の石油を買い漁ってきた。それが中国のバブル崩壊で石油のみならず鉄鉱石も石炭も銅も下落してる。日本にとっては円安に誘導して来たからガソリンなども上がるはずが逆に値下がりしている。

日本の電力会社も天然ガスを高値で買い漁りましたが、アメリカのシェールガスの大増産で天然ガスも暴落している。いまや石油も天然ガスも買い手市場であり、慌てて買いだめする事も無かった。石油の需給バランスを冷静に計算していれば今回の石油暴落も予想できたのでしょうが、そんなエコノミストは一人もいない。

石油は戦略商品であり、石油の暴騰と暴落を仕掛ける事で、アメリカの基軸通貨制度維持し、代替エネルギー開発潰しや中小石油会社を潰してきた。中小の石油輸出国は通貨も暴落して買い支えなければならなくなりドルの需要が増す。世界中で外貨をドルからバスケット方式に切り替える流れが出来ていましたが、自国通貨を買い支えるにはドルでなければ出来ない。

ロシアと中国と韓国などでは外貨のスワップ協定などが出来ていますが、中国一国でロシアや韓国のドル需要を賄いきれるのだろうか? アベノミクスによる円安ドル高は、ドルにリンクしている人民元や韓国ウォンを吊り上げている結果になっている。中国から見れば日本の物価は中国の半分であり日本との輸出価格競争で中国や韓国は負けるだろう。そうなれば中国や韓国にも外貨危機が起きるだろう。




不動産を業としている人にとってこれは失礼極まりない発想で
不動産業は楽チンして金を儲けているという先入観さえ植えつけます。


2014年12月20日 土曜日

日本の「不動産業」はなぜ変われないのか  12月18日 岡本裕明

日経電子版のある記事を読んでいて腹が立ちました。「40歳くらいのとき、いわゆるアーリーリタイアメントをめざして会社をやめました。不動産に投資して、不労所得で生きていこうと考えたんです。」と。不動産を業としている人にとってこれは失礼極まりない発想でまるで不動産業は楽チンして金を儲けているという先入観さえ植えつけます。

私の周りでマンションや貸し家をして「不労所得」を得ている人は日本にもカナダにもたくさんいます。しかし、その人たちといわゆるプロとはどう違うのか、といえば利益率や経営効率が全く違います。アパート経営をしませんか、と持ちかけられ、借金して建てたアパートは一括借り上げ等で何の労もなく家賃収入が入ってきて、不動産収入は儲かる、と思っている方は気をつけた方がよいかもしれません。

その「借り上げ保証」には高いフィーが含まれていたり家賃の基準設定、リフォーム計画などを勘案する必要があり、それを黙って業者に任せてしまうのか、自分で努力するのかで全く変わってくるものです。努力すれば不労所得ではなく少しは労働所得になるかもしれません。

新聞に一面広告を使ってアパート投資を促す広告がありました。「100万円で2億円の資産を」と。よく見ると利益が確かに出ています。ですが、借入金の元本返済がどこにも表れていません。新築で満室の時はよいのですがキャッシュが長期で回るのか、よく考えてみるべきです。そんなバラ色は普通はありません。

自分で運営して一年に500万円も家賃収入があるとしてもそれを10年、20年と途切れなく続けるのは相当の苦労であります。アパートは満室にならないところや家賃の取りぱっぐれもあるでしょう。家を汚く使われて、その補修費は保証金で足りないかもしれません。退去すれば不動産屋に一声掛ければ自分の役目は終わったとばかりになるのですが、古くなったアパートは案外入居者が決まらないのに不動産屋への報酬は高いものです。

ではその不動産屋。日本と北米の圧倒的違いは日本は組織内のサラリーマン不動産屋ですが、北米は基本的に一匹狼であります。所属事務所の社名こそありますがその会社から得るものはほとんどないと考えて結構です。だから不動産屋の名刺は選挙用ポスターの笑顔ごとくにこやかな修正を施した写真入りです。「ん、うそやん!」と思わず実物と見比べることもかつて何度もありましたが。北米は本当に親身であります。そして付き合いは何年も続くところが日本と違います。なぜなら日本の担当者はすぐに転勤してしまいますから。

不動産を探す客側からするとネットで絞り込んでも最終的には不動産屋に辿りつくようになっています。「業法」がありますから縛りがあるのです。一旦そこに入ればこれほどワクワクさせず、面白くない説明を聞かされるのは不動産屋ぐらいで現代ビジネス社会からもっとも遅延したスタイルを維持しています。これは購入者なり借りる人が不利益を被らないために法律でギチギチに縛りこんでいることもあるでしょう。

シェアハウスの事業をしている関係で日本にいれば数日に一度は不動産屋から電話がかかってきます。「お客様でシェアハウスをお探しの方がいるのですが、当社で扱わせてもらえないでしょうか?」と。所定の仲介手数料は勿論取るというのですが、当社はネットで集客をしているので所定の手数料を払う理由がたたないと言うと「では、紹介料という名目でお安くするという事で」と変わってきます。そこで私が一言「ところで御社は業法や登記上も含め、シェアハウスを扱えるようになっていますか?」と聞くと100%失礼しました、と切られます。

つまり、不動産屋には明らかにビジネスのフレキシビリティがないのであります。これが私が言う「ワクワクさせないビジネスとその人たち」の理由であります。

不動産の種類は売買、賃貸といったスタイルから明らかに変化しつつあります。例えばシェアオフィスなども今後は面白いコンセプトです。国家戦略特区の一部で外国人向けに旅館業法の規定の緩和が見込まれていますのでそういう需要もあるわけです。では不動産屋はどんどん変わりつつあるビジネスをどうやって取り込み、売買、賃貸以外のオプションとして顧客に紹介できるのでしょうか? 業法の縛りで「多分ない」と思います。

そのもう一つの理由は決められた仲介手数料にこだわり過ぎていることもあるでしょう。「あれやっても手数料少ないから」「これなら両手(売り方と買い方両方から手数料を取ること)」とマネーのことしか頭になくお客の幸せなんてまるで考えていないように思えます。

例えばあるファミリーが住宅を探していたら子供の年齢から学校や生活、安全面を、奥様の過ごしやすい環境、ご主人の通勤などあらゆる角度から相談に乗ってくれるコンサルタントのような人がいたら不動産屋は俄然変わることでしょう。

が、駅前の何軒かある不動産屋のガラスにはべたべたと物件案内。その奥にはしかめっ面したオヤジがだみ声で電話していたらやっぱり、この業界は当分変わらないな、と思ったりします。私が不動産の「不労所得」で仕事が暇だったら新たなる不動産屋のスタイルなどを考えてみたいと思いたくなります。


(私のコメント)

不動産業が不労所得として見る事が出来るのならば、金融業は資本も出さずに客から借りて、高い金利で貸すだけだから不労所得であり利幅をピンハネできる不労所得業になる。しかし実際は不動産業も金融業も倒産した業者は山のようにあり、リスクの高い商売だ。

広告に謳っているような宣伝文句で不動産投資したら一発でやられます。高度成長期ならともかく、土地を買ってアパートやマンションを建てれば直ぐに埋って土地価格も年々上がって行くような事は無い。土地はじりじりと値下がりして行くし、建物も年々老朽化してメンテナンスをしなければ使いものにならなくなります。

ビルもアパートも20〜30年経ったので一昨年はそれぞれ500万円以上もかけてリフォームしましたが、設備も交換できるものは全部交換して行かないと故障して機能しなくなります。不動産賃貸業に関しては建物のリフォーム業と大してかわりがない。ペンキ塗装などの作業は自分でするくらいでないと放置していれば建物はガタガタになってしまう。

資金計画なども、15年にわたって土地価格が値下がりして行けばにっちもさっちも行かなくなるのであり、これでは土地は持っていてもビルは建てたくは無いと言った地主が多くなる。私などもビルなんぞ建てるべきではなかったと後悔した時期がありましたが、不動産業はそれだけリスクが高い業界だ。

今思い返しても、テナントとの契約でも運任せなところがあり、とんでもないテナントが入ればお陀仏になりかねない。暴力団事務所が入居した事もあったし倒産してしまって行方不明になったテナントも複数ある。トラブルが次から次へと発生するし、だれも助けてはくれない。

だからサラリーマンが安易な気持ちで不動産投資するのは覚悟が要ります。最悪な事を想定して現金をたくさん持っていなければピンチになっても助からない。現在でも首の皮一枚で繋がっているだけで何かあれば一巻の終わりだ。そのストレスだけでも神経がおかしくなります。

不動産業界には、不動産運用の専門家がいるわけではなく、そこにいるのはサラリーマンであり、アパートの基本設計もビルの基本設計も全部1人で決めた。建設会社は不動産運用のプロではないし、建てた後の事には素人だ。その土地を最大限に生かした設計は事業主でないと分からない。

株式評論家が株式運用のプロではないのと同じように、実際にやっているプレイヤーでないと最適な運用は出来ない。時々刻々状況は変化して行くし、対応を間違えれば倒産してしまう。専門書を読んでも一般論しか書いてないし、経験談も数年前のものだ。

サラリーマンと自営業者の一番異なる事は、何から何まで自分で決めなければならず、決めた責任は自分で取らなければならない。だからサラリーマンをあまり長い間した人は自営業は無理だろう。記事にあるような借り上げ保証もビルを建てた時に契約を結んだが2年で打ち切られてしまった。いわば騙されたことになるがその会社はしばらくして倒産した。

現在のところビルもアパートも満室経営ですが、入居者やテナントに対するサービスも欠かせない。御用聞きのように「不具合な所はありませんか」と聞きに回って、不具合な所を修理する。入居者がトイレを詰まらせて結局は便器を交換したが12万円もかかった。全部手配してやったのに入居者は「ありがとう」とも「すみませんでした」とも言ってくれなかった。何ともやりきれない商売だ。




最期の短い期間とはいえ、看取った「後妻」とでは、後者に
財産を遺したい、という気持ちも、わからなくはない。


2014年12月19日 金曜日

2014-11-29 【読書感想】後妻業 琥珀色の戯言

『内容(「BOOK」データベースより)

金が欲しいんやったら爺を紹介したる。一千万でも二千万でも、おまえの手練手管で稼げや。妻に先立たれ、結婚相談所で出会った二十二歳歳下の小夜子と同居を始めた老人・中瀬耕造は、脳梗塞で倒れ一命を取り留めたものの意識不明の重体に。だが、その裏で、実は小夜子と結婚相談所を経営する柏木は結託、耕造の財産を手に入れるべく、周到な計画を立てていた。病院に駆けつけた耕造の娘・尚子と朋美は、次第に牙をむく小夜子の本性を知り…。』


 京都府向日市の連続不審死事件を想起させる、ということで、最近はワイドショーなどでも頻繁に採り上げられ、「なんてタイムリーな本なんだ……」と感心していたのですが、この作品、2014年8月29日発売なんですね。

 テレビのインタビューで、著者の黒川博行さんが「数年前に知人に聞いた話」だと仰っていました。

読みながら、「まさか、あの事件は、この小説を売るための宣伝だったのでは……」という考えが、一瞬頭をよぎってしまうくらいのリアリティ。

 そもそも、いくら「次々とパートナーが亡くなっていく」としても、ひとりあたり数ヶ月〜数年くらいは時間がかかっているわけですし、この本の記述からは、弁護士や司法書士の世界、結婚相談所などでは、「後妻業」の存在は、「公然の秘密」であることもうかがえます。

 
『柏木は金井の相談所で会員から金を吸いあげるノウハウを学んだ。ターゲットは女より男。それも妻に先立たれた老人だった。彼らはイベントやパーティーにせっせと参加し、紹介された相手の容貌や気立てがどうあろうと、一言優しい言葉をかけられれば、ほぼ例外なく交際を望んで驚くほど安易に金を出す。子供や孫に資産を残してやろうという考えは薄く、老い先短い現世に固執し、孤独が癒やされさえすれば、あとはどうでもいい。たとえ老人でなくても、主導権と選択権は常に女のほうにあり、寂しい男ほど騙しやすいものはないと思い知った。』

 警察も「高齢者の事故死や急病死についても、保険金がかかっていなければ、積極的に犯罪であることを疑うことはない」と書かれています。

 まあ、現場的には、それも致し方ないのだろうな、と。

 年齢が離れた夫婦であるとか、後妻であるとかいう理由で、司法解剖を行ったり、捜査に人員を割けるほど、警察にも余裕はないでしょうし、世の中には、たぶん「年は離れているけれど、ごくあたりまえの夫婦」のほうが多いはずです。

『「結婚はしましたけど、まだ籍を入れてないんです」
「すると、法的には他人ですか」
「法的には、内縁の妻です」
「ごめんなさい。おっしゃる意味が分からないんですが」
「次長さんは公正証書遺言を知ってはりますか」
「はい。もちろん」
「じゃ、これを見てください」
 
小夜子はバッグから茶封筒を出し、四つ折りの紙片を抜いて広げた。「主人が書いた公正証書です。原本は堺東公証役場にあります」
 奥本は公正証書に見入った。柏木も見る。一昨年の冬、柏木が立ち会って作成した証書だ。』


 いまワイドショーで話題の事件と、そっくり!

 これを読んでいると、「後妻業」というのは、かなりの歴史があり、ノウハウが積み上げられてきた職業(?)みたいなんですよ。

 今回話題になっている事件は、まさに「氷山の一角」なのかもしれません。

 そもそも、効率的に財産がある異性に出会うためには、結婚相談所的な「紹介サービス」は不可欠でしょうし、「公正証書」を作成する人物も必要です。こういう「ノウハウ」を「プロ後妻」に伝授する人もいるはず。

 『守屋はひとつ間をおいて、「後妻業の必須三条件はご存知ですか」
「いえ……」尚子は首を振る。
「住民票、家具持ち込み、顔出し、この三つです」
 守屋は指を立てて、「まず、後妻は入籍前に住民票を移して、狙った相手と同居しているという形を作ります。次に、ドレッサー、ベッド、洋服ダンスを家に持ち込みます。そうして、地域の老人会などに顔を出して、中瀬の妻です、とアピールします」
「それ、みんな当たってます」
 尚子はいう。「小夜子は父のマンションに住民票を移してます。ドレッサーとベッドも部屋に入れました。マンションの自治会やグランドゴルフの会にも顔を出してます」
「なるほど、これはまちがいなく、後妻業です」
 守屋はうなずいた。「いま確認した三つの事実、結婚相談所を経由したこと、公正証書遺言をしてることで、武内小夜子はプロであると認識してください。一から十まで計画した上での犯行です」』


 それにしても、出会って間もない異性が、財産にこだわり、公正証書を求めてきたりしたら、いくらなんでも「ちょっとこれはおかしいのでは……」と感じそうなものですよね。

 ワイドショーから得た知識では、それで距離を置くことにした、という男性もいたようなのですが、それでも、多くの人が、証書を遺しているのです。

 もちろん、「高齢者の後妻になった人」のすべてが、「財産目当て」であっても、「相手を殺害している」というわけではないんですけどね。

 年齢差を考えて、「その日」が来るのを待っている、というほうが多数派なのかもしれません。

 「財産目当ての結婚」というのは、けっして違法でも犯罪でもないのです。

 感じの良いものでは、ないとしても。

 こういう「後妻業」の人に遺産をかすめ取られるのは許せないのだけれども、その一方で、「自分のことを放ったらかしにしている妻や子供に、親族だからといって、遺産をあげること」に、ちょっと引っかかる感じも、僕にはあるんですよね。

 「血がつながっている」けれど、介護もせず、お金も、顔さえも出していない「実の子供」と、最期の短い期間とはいえ、看取った「後妻」とでは、後者に財産を遺したい、という気持ちも、わからなくはないんだよなあ。

 遺産がどうなろうが、死んでしまった本人にとっては、関係ない、といえばそうでしょうし。

 「後妻業」はあんまりだけれども、「遺産を奪い合う親族」だって、見栄えの良いものじゃありません。

でも、そういう「骨肉の争い」の事例は、うんざりするほどあるわけです。

 さて、この「プロ後妻」の小夜子と、小夜子と結託している「後妻業関連会社」の人々の運命やいかに。

 物語としては、ラストがちょっとアッサリしすぎているんじゃないか、とは思ったのですが、いままさに旬のネタでもあり、一気に読んでしまいました。

 この作品を読んでいると、正直、暗澹たる気分にはなってくるんですけどね。

健康への自信がどんどん揺らいでいる中年男としては。

『「うちの秘密兵器、知ってる?」
「秘密兵器……。なんや、それは」
「味噌汁と漬物やんか。醤油をいっぱいかけて爺さんに食べさせるねん」
「ただでさえ塩辛いもんに、まだ醤油をかけるか」血圧が高くなるはずだ。
「年寄りは舌が鈍いやろ」平然として小夜子はいう。』


 うーむ、「消極的プロ後妻」みたいな人って、実は、けっこういるんじゃないかな……


(私のコメント)

世の中に、男女の仲ほど本音と建前が食い違う世界も無いと思うのですが、分かっていても分からないふりをしなければ男女の仲は成り立たない。「株式日記」で11月8日に「殉愛」という本を紹介しましたが、2ちゃんねるなどでは、さくらさんの新しい事実が次々と出てきて、状況が変わりつつあります。

たかじんもバカではないから、さくらさんのことは周囲からいろいろと情報が入っていたのでしょうが、たかじん自身もさくらさんが財産目当てじゃないかと気が付いていたのかもしれない。しかしそれをメモに書く事は無いから分からない。中年男の心境としては財産目当てでも献身的に尽くしてくれる若い女に感謝している事はメモでわかる。

たかじんは、さくらさんが財産目当てである事を気が付いていたからこそ結婚はぎりぎりまで延ばしたし、財産の全額を教育施設に遺贈する事を決めたのだろう。しかし最近のニュースではさくらさんと百田氏が遺贈を返してくれと遺贈された先に要求している。これはたかじんの遺言書に反する事だ。

たかじんから見れば、さくらさんにイタリア人の旦那がいようが日本人との離婚歴があろうがどうでもいい事であり、どれだけ献身的に尽くしてくれるか見ていたのだろう。たかじんも一度は健康も回復してハワイの別荘でラブラブな生活をさくらさんと過ごしているし、テレビのレギュラー番組にも復帰している。

だからたかじん自身も呆けたわけではなく、さくらさんの事は知っていたから遺産の全額を教育施設に遺贈する事にした。さくらさんにしてみれば当てが外れた事になりますが、それなりの財産や利権をさくらさんに残している。たかじん自身もさくらさんにそれなりの感謝のしるしは残したのだから、現在のような状況に天国からどう見ているのだろうか。

最近では加藤茶のように、高齢者と若い娘の結婚も多くなって来たようですが、「金持ちと結婚する会」のようなサークルも前からあるそうだ。加藤茶自身も嫁が財産目当てであることは十分知っていて、それをギャグにしているくらいだ。

加藤茶自身は死ぬほどの大病を患って生き返った身だから、若い女性と再婚出来た事は喜んでいるのだろうし、若い嫁が財産目当ての結婚だという事も十分に知っている。いわゆる「後妻業」という職業があり、高齢の資産家と結婚して遺産相続で財産を得る「職業」だ。「後妻業」は違法でも犯罪でもない。

私が女で若くて美人で貧困生活だったのならば、売春やデリヘル嬢にはならないで、億万長者の後妻になる事を選ぶだろう。相手は高齢だから5年10年結婚生活を送れば夫は亡くなり、少なくとも財産の半分は遺産相続で手に入れる事が出来る。これは合法的な行為であり、西欧でもトロフィーワイフと言う言葉がある。億万長者がよく金髪グラマー美人と結婚する事はよくある事だ。

確かに倫理的道徳的に問題はあるかもしれないが、当人同士が了解済みなのなら他人が口出しできる事ではない。最近では親子兄弟でも血は水よりの薄くなり他人も同然の事が多くなった。信じられるのはカネだけであり、カネは天国には持っていけないから結婚してくれた若い金髪グラマー美人に遺贈する事は不思議ではない。

だから2ちゃんねるで、さくらさんが叩かれている事は気の毒であり、たかじん自身も天国でさくらさんが叩かれていることを嘆いているだろう。百田氏もたかじんの意をくんで小説にすべきだったのでしょうが美談にし過ぎたから問題が起きた。むしろ「後妻業」という「職業」がある事を小説にした方が面白かっただろう。

私自身は、カネも無く借金コンクリートのビルがあるだけだ。借金を返済したら食事代しか残らない。だから「後妻業」の女たちも私には縁のない話だ。だからたかじんや加藤茶がうらやましくて仕方がない。財産目当てで結婚する事は一つのビジネスであり違法でも犯罪でもない。億万長者になる位の男なら結婚する若い女の目当ては直ぐに分かるはずだ。




韓国の大統領がいったん支持を失うと、任期が終わるまでレイムダック
のまま、国政が一切動かないという恐ろしいことになってしまうのです。


2014年12月18日 木曜日

見事に空回りする朴槿恵政権 12月18日 鈴置高史

手帳で人事

木村:1つ言えるのはこの事件で、朴槿恵大統領のリーダーシップの特徴というか、弱点が一気に露呈したように見えることです。

 自分と近い人しか信用せず、彼らだけを重用するという大統領の手法への不満が噴出した形です。

 ここで言う大統領に「近い人」とは、モノの考え方が近いという意味もありますが、大統領が実際に会ったことのある人、という意味でもあります。

 朴槿恵大統領がいつも手帳を持ち歩き、細かくメモを取る――という話は韓国では有名です。「近い人」は、大統領が実際に面談し、好意的な評価を下してメモした人です。

 でも当然、大統領が直接会える人の数は限られます。この結果、政権の意思決定は極めて狭い、それも大統領と同じ価値観を有する、同質のサークルの中で行われるようになりました。

 また、大統領は執務の際に実務担当者には直接会わず、下から上がってくるレポートだけ読んで判断を下すことも多いようです。

 これでは青瓦台のスタッフが、大統領の機嫌を損ねるようなレポートを上げることは難しい。結果として大統領が喜びそうなレポートだけが執務室に並び、それを書く人が要職に就くことになります。

鈴置趙甲済氏も「“事故”は大統領に正確な情報が上がらないことから起こるだろう」と懸念していました。

修正効かず、猪突猛進

木村日本でも知られ始めた話ですが、会議では大統領が語る。長官以下はそれをメモするだけ。メモを取らなかった人は大統領から叱責を受ける……。

鈴置:北朝鮮の高官も、最高指導者の前でメモを取らないと生きていけません。

木村:最近では、大学の講義でもこうした一方的なやり方は「よろしくない」とされます。ましてや、一国の政治がこうした大統領の「講義」だけで動かされてよいはずがない。

 与党の代表ともほとんど会わない。記者会見もほとんどしない。しても質問には応じない。軌道修正すべき時に、それを教えて貰える機会がないのです。

 この結果、対日政策でも対北朝鮮政策も当初の方針を変更できず、いたずらに突っ走るだけになっています。

 今回の事件でも、大統領はメディアや野党との全面対決を選びました。朴槿恵大統領は「原理原則を重視する」発想の持ち主ですから、軌道修正がしにくい。

 それに加え、この「率直な意見具申が上がらない」仕組みもあって、事態が悪化したように思えます。

大統領への諫言

鈴置確かに「否定声明を出すだけにしておけばよかった。検察への捜査指示や、新聞記者の告訴によって却って問題を大きくしてしまった」と語る韓国の識者が多いのです。

 今回の朴槿恵政権に対する批判は「側近の専横」から始まりました。しかし韓国指導層の本心は、これを機に「大統領の独走体質」を諌めたいということでしょう。

 各紙の社説からその思いが伝わってきます。以下は朝鮮日報の社説「大統領と前長官の衝突 “国政乱脈”どこまで」(韓国版、12月6日)のポイントです。

急落した支持率

木村:「十常侍事件」により、大統領の人気にも影響が出始めました。世論調査機関「リアルメーター」によると、12月第2週の大統領の支持率は39.7%。わずか2週間で10%以上低下しました。

 初の30%台への落ち込みです。ちなみに、過去の最低値は43.4%でした。不支持率もついに50%台に乗せて52.1%に達しました。

 ただ先ほど申し上げたように、この数字でも歴代政権と比べれば、まだ高水準です。そして今後の支持率は、大統領が事件をどう収拾するかにかかっていると思います。

 失敗すれば「コンクリート支持層」と言われた大統領の熱烈な支援者が、一気に離れる可能性があります。逆に元秘書や実弟を切り捨てて「私情にとらわれない」「ぶれない」イメージをさらに打ち出し、支持層固めに成功するかもしれません。

朴槿恵政権は分岐点に立っているのですね。

木村この政権だけではなく韓国という国もまた、分水嶺にあると言えそうです。韓国の仕組みだと、国論が分裂しても解散・総選挙によって民意を聞くという手が打てません。

 大統領がいったん支持を失うと、任期が終わるまでレイムダックのまま、国政が一切動かないという恐ろしいことになってしまうのです。



(私のコメント)

「株式日記」では韓国のパククネ大統領を無能だと指摘してきましたが、1年間も記者会見を開かなかった事からも分かります。現在でも記者会見の質問も受け付けず、大統領官邸に閉じこもって何をしているのか分からない。政治もほとんどストップしてしまって、事態はどんどん悪化して行きます。

議会の与党幹部とも合わず、お気に入りの側近としか会わず、報告も文書でしか報告を受け付けない。セウォル号の事故の時も7時間も消息が不明だった。大統領の秘書室長が外部の人間との繋がりを絶ってしまうから情報の遮断が起きている。

日本の総理大臣は年がら年中、国会で野党の質問攻めに遭い、ぶら下がりの新聞記者からも毎日質問攻めに遭う状況からすると、政治制度が全く異なる事が分かります。日本の総理は無能だと分かれば3か月でも辞任に追い込まれますが、毎年のように総理大臣が代わっても政治は安定している。

それに対して韓国では、いったん選んでしまったら5年間はよほどのことが無い限り大統領を辞めさせることは出来ない。だから大統領がにっちもさっちも行かなくなると暗殺と言う非常手段が取られる。日本の総理大臣は暗殺してもいくらでも代わりがいるから暗殺しても意味がない。

日本の総理大臣は鈴木善幸総理以来、だれがなっても一応は務まるような体制になっており、国会に所信表明から委員会の答弁に至るまで官僚が答弁書を書いてくれる。国際会議に出てもひたすら沈黙を守り、外国の首脳とは記念写真を撮るだけの会談になってしまう。

それに対して大統領制だと、いったん選んでしまうと無能でも任期の途中で代える事が出来ない。パククネ大統領が無能であることを韓国国民もようやくわかり始めたようですが、後3年間は任期があるから辞めさせることが出来ない。アメリカのオバマ大統領も相次ぐ外交的なミスによって支持率が下がりレイムダック化していますが2年間は辞めさせることは出来ない。

最近の急速なパク大統領への支持率の低下は、側近政治の問題点が浮かび上がって来たからですが、パク大統領の元秘書が大統領と親密な関係になって政府人事にまで口出ししているらしい。まさに李氏朝鮮時代の宮廷ドラマを見るような状況にあるようですが、パク大統領はこれらの事実をばらしたマスコミを告訴している。産経新聞の記者も名誉棄損で訴えられましたが、まさに韓国は末期的な症状を示している。

韓国が本当に民主政治が定着しているか試されていますが、外交的にも中国への接近は危険な賭けであり、反日離米親中では自ら火に飛び込むようなものだ。肝心の中国自体が経済に変調を来しており、日本との関係改善をしなければならなくなっている。安倍総理も中国との関係改善が進めば韓国は孤立して反日政策を変えざるを得なくなってきた。

韓国は経済的にも日本の円安ウォン高で追い詰められてきており、何らかの手を打たなければならないのですが、パク大統領は政権内部の争いの収拾に追われている。元秘書と実弟との権力闘争が表面化して、スキャンダルを暴露した警察官が自殺している。

問題は正確な情報が大統領に届かない事であり、政府内部の会議でも大統領が一方的に語り長官以下はメモを取るだけで、一方通行では判断を誤っても誰もそれを修正が出来ない。これでは韓国の行く末が憂えますが、アメリカも中国も助けてはくれないだろう。そしてまたもや韓国の救済を押し付けられるのは日本になるだろう。




ロシアが債務不履行に陥った1998年の金融危機以来というルーブル
の大幅下落を受け、プーチン大統領は経済のかじ取りに苦慮している


2014年12月17日 水曜日

ロシア:制御不能か、プーチン大統領 ルーブル最安値更新 12月16日 毎日新聞

【モスクワ田中洋之】ロシアが債務不履行に陥った1998年の金融危機以来という通貨ルーブルの大幅下落を受け、プーチン大統領は経済のかじ取りに苦慮している。ウクライナ情勢に伴う欧米の制裁や原油安、インフレなど懸案が山積しており、苦境が続けば大統領の支持率に陰りが出る可能性もある。

 ルーブル相場は16日、一時1ドル=80ルーブル台と前日より24%下落し、史上最安値を更新。1日の下落率としては金融危機時に記録した22.8%(98年9月17日)を上回った。15日も対ドルで10%下落。年初来の下落率は世界の通貨で最大となった。当局は政策金利の引き上げやルーブルを買い支えるための介入を繰り返しているが、「制御不能」(地元エコノミスト)の様相を強めている。

 またルーブル安に加え、報復措置として打ち出した欧米からの食料品禁輸の影響でインフレ率は10%近くに上昇した。市民は生活防衛で商品を買いだめするなど社会に影響が広がっている。

 ロシア中央銀行は15日、原油安が続けば2015年と16年は連続でマイナス成長になるとの予測を示した。一方、ロシアがウクライナから編入したクリミアを返還するつもりはなく、制裁解除の見通しは立っていない。

 プーチン大統領は「(制裁の)圧力に屈しない」と国内を引き締め、クリミア編入で跳ね上がった支持率は、直近の世論調査で85%と最高水準を維持している。だが、先行きの不透明感が強まる中、国民の不満が政権批判に転じる可能性は否定できない。



ロシア・ルーブル急落、過去最安値記録 試される大統領の手腕 12月17日 

【AFP=時事】ロシア・ルーブルが16日暴落し、一時1ドル=80ルーブル、1ユーロ=100ルーブルと過去最安値を記録した。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がこの経済の危機的状況と欧米との衝突という2つの難題を乗り越えられるのか、その手腕が試されている。

減産見送りでOPEC内格差、最大打撃はベネズエラ

 これまで石油価格の下落に加え、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を支援していることに対する欧米からの制裁で、ルーブル安が続いていた。ロシア中央銀行は日付が16日に変わった直後に主要政策金利を17.0%に引き上げたが、ルーブルの暴落を食い止めることはできなかった。

 ロシアの歳入は石油輸出に大きく依存しており、過去6か月間に原油価格が半分程度にまで下がったことを受けて景気の大幅な減速を危惧する声は強まっており、中央銀行が来年5%のマイナス成長を警告するという異例の事態に陥っている。

 同日中に20%下落したルーブルは午後遅くの取引で若干持ち直し、1ドル=72ルーブル、1ユーロ=91ルーブルの水準になった。

 経済の見通しが悪化の一途をたどり、景気後退が懸念される中、有権者に経済の安定と相対的な繁栄を公約していたプーチン大統領は、極めて難しいかじ取りを迫られている。

■経済発展相、通貨統制は否定

 ロシア政府は同日、ルーブル急落を受けて緊急会議を開いた。会議後にアレクセイ・ウリュカエフ(Alexei Ulyukayev)経済発展相は、外貨買い入れを制限する厳しい通貨統制措置は検討していないと明かした。

 ウリュカエフ氏によると、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相が招集したこの緊急会議で「状況の安定化に寄与し得る措置のリスト」をまとめることができたと述べ、「国内の外国為替市場における需給のより良いバランスを目指す取り組みを行っていく」という方針を示した。【翻訳編集】 AFPBB News



(私のコメント)

総選挙に目を奪われているうちに、石油の暴落やそれに伴う影響があちこちに出てきている。今回の石油の暴落はサウジアラビアの仕掛けによるものですが、アメリカのオバマ政権の中東政策に対する不満やシェールオイル潰しの目論みもあるのでしょうが、石油に頼るロシアにもルーブルの暴落をもたらしている。

サウジアラビアの意図がどちらにあるのか分かりませんが、アメリカのシェール・オイル潰しよりもロシアへの経済制裁への影響の方が遥かに大きいだろう。ソ連が崩壊したのもアメリカとサウジが結託して石油を10ドル台にまで暴落させてソ連経済を破たんさせた。

私が考える最も大きな理由は、やはりドルの基軸通貨体制の防衛だろうか。ロシアも自国通貨建ての貿易決済を拡大させてきましたが、ルーブルが暴落すれば誰もルーブルを受け取らなくなる。ルーブルは一気に半値にまで暴落しましたが、ドル建てで輸出していれば問題は無い。ロシアもドル建てで石油を輸出せざるを得ないだろう。

アジア各国も1997年にアジア通貨暴落危機がありましたが、それによってドルの基軸通貨体制は強化されて、ドルをアジア各国は大量に貯め込むことになった。石油の暴落は資源国を苦しめる事になり、自国通貨建ての石油輸出も自国通貨が暴落すればドル建てでしか売るに売れなくなる。自国通貨を買い支えるにはドルが必要になるからだ。

これによってBRICS諸国も外資の引き揚げやドル買いによって窮地に陥る事になるだろう。その一番初めがロシアだ。日本や中国は大量のドルを保有しており、通貨が安くなれば工業製品の輸出攻勢が始まるからロシアのような暴落はありませんが、日本は金融緩和で円安に誘導した。しかし金利は超低金利に張り付いたままだ。

円はドルの補完通貨として買われてきたから、ルーブル危機によって円も買われて120円から115円台に高くなった。アメリカにとってもシェール・オイルの開発には痛手ですが、ドルの基軸通貨体制を守るには定期的に通貨危機を起こさせてきた。ユーロなどもPIIGS諸国の経済を揺さぶってユーロ危機を起こさせた。

アメリカは日本に対しては、円の暴落ならぬ暴騰を仕掛けて国内製造業を空洞化させてきた。最近では韓国のウォンを高騰させて揺さぶっている。中国に対してもいずれは元高を仕掛ける可能性がありますが、すでに円安が人民元を吊り上げた結果をもたらしている。元はドルにペッグしているから円安ドル高は事実上円安元高となってダメージをもたらしている。

アメリカにとって最も重要な同盟国は、日本とサウジアラビアであり、どちらもアメリカに防衛を依存している。工業大国と資源大国を操る事によってドルの基軸通貨体制は守られてきた。しかしオバマ大統領は日本とサウジアラビアには冷淡に振る舞ってきた。しかしロシアとの新冷戦体制の復活によってサウジとアメリカによるロシア潰しが始まった。近いうちに日本を使った中国潰しが始まるかもしれない。それは親中派のオバマが退陣した後だろう。




安倍首相は、仮に議席を減らすことがあったとしても、
これほどの勝利を収めるとはさすがに想定外だったはずだ。


2014年12月16日 火曜日

自民党はなぜこれほど圧勝したのか 12月15日 筆坂 秀世

安倍首相も想定外の圧勝

今回の選挙は文字通りの自民党圧勝である。解散前には、自民党が数十議席減らすと予想した政治評論家も少なくなかった。私自身、自民党微減、民主党微増、共産党倍増以上と予想していた。安倍首相自身、勝敗の分岐点を自公で過半数となる238議席の確保と明言していた。解散前は自民党295議席、公明党31議席で合わせて326議席持っていたわけだから、80議席以上減らしても勝利だと言っていたのである。だが結果は、自公が3分の2の議席を確保する「一強多弱体制」ができあがった。

 安倍首相は、仮に議席を減らすことがあったとしても、野党の現状を見れば安定過半数の確保は可能だと確信していたことは疑いない。ただこれほどの勝利を収めるとはさすがに想定外だったはずだ。

安倍内閣の前途は順風満帆か?

 私は、今度の解散について、「安倍長期政権目論見解散」と位置付けてきた。解散によって今後4年間のフリーハンドを手にすることができるからだ。多少議席を減らしてもそれは可能であった。それがこの大勝利である。小泉首相は、郵政解散による大勝利によって、カリスマ的な力を持った総理・総裁となった。安倍首相もこの大勝利によってカリスマ的な総理・総裁になっていくのだろうか。

 小選挙区制度のもとでは、もともと党執行部が絶大な権力をふるうことになる。小選挙区で党公認を受けることができなければ当選などおぼつかないからだ。ましてやこの大勝利である。派閥の影響力はますます減衰していくことであろう。したがって安倍首相の権威がますます高まることは間違いない。

 では安倍内閣の前途は順風満帆なのだろうか。それにはいささかの危惧を感じる。それはあまりにもキレすぎることだ。ネットの投稿に過剰反応したり、野党の国会質問に逆切れしたり、テレビ出演で「街の声」の人選にクレームを付けたりとあまりにも大人気ない対応が目につく。選挙戦でも、非常に攻撃的だった。自民党大勝と言われているなかでも、民主党幹部をターゲットに攻勢を強めた。もちろん選挙戦だから、敵対する候補を攻撃することは自由だ。

しかしそこには、首相らしい泰然自若とした姿がまったく見られない。例えば小泉首相などは、各党党首討論会で司会者から、「野党への質問はありませんか」と問われて、「ない」と言い切り、司会者に促されて、「じゃ共産党にでも聞くか」という態度をとっていた。要するに野党など相手にもしていないのである。野党批判ではなく、「自分の主張や政策を見てくれればよい」というわけだ。

 人間社会である以上、政治にも、この余裕、寛容さが重要だ。だが安倍首相は、あまりにも攻撃的すぎる。「攻撃は最大の防御」とも言うが、やはり危なっかしさがつきまとうものである。「好事魔多し」とも言う。この攻撃性が脆さにつながる危険性を感じてならない。

自民党大勝利に貢献したのは第3極の背信行為

 なぜ自民党はここまで勝利したのか。自公両党は議席を増やしたが、野党の中でも民主党や共産党は議席を増やした。減らしたのは、次世代の党であり、維新の党であり、解党したみんなの党であり、生活の党である。いわゆる第三極を名乗る政党であった。次世代の党や維新の党は、日本維新の会が分裂してできた政党である。生活の党も民主党離党組である。

 前回総選挙から2年、このわずかの間に分裂したり、解党したりするような政党、政治家に国民が信頼を寄せることができなかったのは、あまりのも当然のことであった次世代の党や維新の党などは、もともと保守層が支持してきた政党である。それがくっついたり、離れたりして、誰が党首なのかもわからないような体たらく振りを見せられたのでは、国民が見放すのも当然である。

 2年前の総選挙では、比例票で日本維新の会が約1226万票、みんなの党が約525万票、合わせて約1751万票獲得していた。これは自民党の約1662万票を上回るものだった。

 それが1つは分裂、1つは解党というのでは、国民への背信行為と批判されても仕方がないだろう。(後略)



(私のコメント)

最近ではテレビの政治討論もめっきり面白くなくなって、ネット上の選挙分析を読んでいたほうが面白い。特に国会議員同士の議論が一番つまらない。それは同じ議論の繰り返しばかりであり、テレビだから裏話的な事は話せないからだろう。

消費税の問題も、建前的な議論で終始して財務省の官僚から吹き込まれた意見を繰り返すばかりだからだ。官僚から吹き込まれた増税だから、選挙の声を聞いたとたんに増税先送りに方針転換してしまう。自分の考えで消費税増税が正しいと考えるのなら有権者に訴えるのが筋だ。

従来の総理なら、財務省官僚の考えた戦略に乗って10%増税に決断を迫られるのは目に見えていた。三党合意で決められた以上は、それをひっくり返すのは至難の業だった。それを絶妙のタイミングで解散に打って出た事で、自民党内でも多数派だった増税派をひっくり返した。

今回の自民党の予想外の大勝利は、安倍総理によくやったという激励の意味もあるのだろう。安倍総理自身は自公で過半数を目標にしていた。この戦略を考えたのは官邸内の飯島氏あたりだと思うのですが、小泉内閣の郵政解散も飯島氏の策略なのかもしれない。飯島氏は読売新聞より一週間も前にテレビで発表していた。

一番だらしがないのは野党各党であり、安倍総理の奇襲作戦で見事に討ち死にした。総理が7条解散で打って出るにはよほどの決断力が必要であり、解散が出来ずに討ち死にした総理大臣はいくらもいる。アベノミクスで円高株安の流れを変えたのも安倍総理の決断であり、黒田日銀総裁に金融緩和を決断させたのも、安倍総理が日銀法改正をちらつかせたからだ。

民主党政権が失敗した事を修正しただけとも言えますが、財務省は消費税増税で日銀は引き締め円高スタンスだった。国会議員は財政政策や金融政策に疎い人が多く、国会の議論を聞いていても財務省や日銀官僚の「ご説明」の内容に終始して、増税がなぜ税収増に結びつかないかが分かっていない。

本来ならば、二期連続のマイナス成長は消費税増税によるものだから、消費税は8%から5%に引き下げるべきだ。野党はアベノミクスの失敗だと攻撃したが、国民の方が利口でありアベノミクスを理解している。だから今回の選挙でもしばらく様子を見てみようという国民の声が反映されて安定多数の議席が維持された。

だらしがないのは野党であり、政党の体をなしておらず政党の離合集散が相次いだ。野党で政党の体をなしているのは共産党だけであり、維新も空中分解して、みんなの党は消滅してしまった。原因については昨日も書きましたが、自民党とどう違うのか打ち出せなかったからだ。民主党が政権を取った時は「国民の生活が第一」だった。

自民党は政権担当期間が長く、小泉構造改革で市場原理主義が導入されて弱肉強食の経済政策が行われた。そしてセフティーネットは後回しにされてしまった。それで「国民の生活が第一」と言うスローガンが民主党に政権をもたらした。しかし民主党のマニフェストはことごとく反故にされて、消費税の増税が決められた。

そして行き場所のなくなった自民党批判票は共産党に流れた。筆坂氏も『先にも述べたように共産党は、「自共対決」を旗印にした。確かに、あらゆる問題で、自民党に政策的に対決しているのは共産党だけかもしれない。それが一定の共感を呼んだことも事実であろう。私の知人で自ら「保守リベラル」という女性も、「安倍も、海江田も嫌いだし、比例は共産党に入れようかと思っている」「知人の奥様方も比例は共産党と言う人が多いよ」と語っていた。ご主人は、著名な大企業の幹部をしていた女性である。それが「比例は共産党」と言うのだから、いかに他の野党が信頼を失っているかである。』と述べている。

維新や次世代が世論をつかみ損ねて、消費税中止や廃止をなぜ共産党のように打ち出さなかったのかと昨日は強く書きましたが、それくらい維新や次世代の党は政治感覚が狂っているのだ。それくらいなら消費税増税延期を決めた安倍総理の自民党に票は流れてしまう。「株式日記」でも自民党や次世代や維新は消費税減税や廃止を打ち出せと書いてきた。



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