株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


東京一極集中も、沖縄や北海道などをタックスヘイブン特区
にして、東京の本社を誘致すれば、過疎化対策になるだろう。


2016年4月15日 金曜日

優良企業からまともに徴税できないアメリカのジレンマ【大前研一メソッド】 2014年12月12日

日本の法定実効税率は、米国とともに主要国の中でも最も高い位置にあります。それに対して、グローバル企業はタックス・ヘイブン(租税回避地)を利用して租税回避行動をとります。日米の例を具体的に見てみましょう。

米国の法定実効税率は35%です。それに対して実際の税負担率は米Google社が15.7〜21%、米Apple社が24.2〜26.2%、米Microsoft社が17.5%〜23.8%です。
(いずれの数字も2011年〜2013年。坂本公認会計士事務所調べ)

これらの米大手のグローバルIT企業は、税負担率を低く抑えるタックス・マネジメントに積極的に励んでいると言われています。

日本では日本電産やHOYAが同様にタックス・マネジメントに積極的だと言われています。日本の法定実効税率は38%〜41%です。それに対して実際の税負担率は日本電産が22.3〜49%、HOYAが20.6%〜29.6%です。
(いずれの数字も2011年〜2014年。同事務所調べ)

租税回避の動きが及ぼす影響について、大前研一の解説をみてみましょう。

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【表】タックス・マネジメントに励んでいると言われる日米企業の実際の税負担率(%)

       2011年  2012年  2013年  2014年
米Google  21.0     19.4    15.7    ―
米Apple   24.2     25.2    26.2    ―
米Microsoft 17.5     23.8    19.2    ―
日本電産  22.3     28.5    49.0    30.4
HOYA    21.6     26.3    20.6    29.6

【出典】
日本企業の実効税率についての一考察(坂本公認会計士事務所)
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ボーダレス・ワールドにおいては、国家と企業の関係も変容する。国境を自在に飛び越えて経済活動をしている多国籍企業は、どこの国でモノを作ればコストが安いか、どこの国でビジネスをすれば税金が安く済むか、といったマネジメントを当然のように行っている。アメリカで「ブルーチップ(優良銘柄)」と呼ばれるような企業の大半は、税率が著しく低いか、もしくは無税のタックス・ヘイブン(租税回避地)を利用している。

アップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフトなどIT系グローバルプレーヤーをはじめ、欧米のグローバル企業から租税回避先として重宝されているのがアイルランドである。アイルランドは多国籍企業を誘致するために優遇税制措置を講じていて、法人税率12.5%はEU最低だ。

しかも交渉次第では、さらに低くなり「一桁」の法人税率の企業も珍しくない。

たとえばアップルのアメリカ市場以外の売上比率は約60%。しかし海外で得た利益に対して課せられる税金の税率はわずか2%ほど。アップル本社がある米カリフォルニア州の法人税(法定実効税率)は40.75%、日本は36.99%だから、2%という税率は驚くべき低さだ。

連結ベースで見たグループ全体の実効税率は24〜25%程度。それでもカリフォルニア州の法人税から考えれば格段に低い。これもせっせと企業収益を海外に移転して節税に励んだ賜物なのだ。

アップルの節税法は「ダブル・アイリッシュ、ダッチ・サンドウィッチ」と呼ばれている。「ダブル・アイリッシュ」は同社が開発して80年代から取り組んでいる節税スキームで、文字通り、アイルランドに2つの現地法人を設立するのが基本。簡単に言えば、その2つの法人間のお金のやり取りによって海外事業の利益を集約し、最終的にはタックス・ヘイブンである英国領バージン諸島などに利益を移転する節税法である。

さらにアイルランド法人間の取引に、オランダに設立した別法人を噛ませるのが「ダッチ・サンドウィッチ」で、こちらはアイルランドとオランダ(そしてアメリカ)が結んでいる租税条約の非課税特例に着目した節税法だ。

「ダブル・アイリッシュ、ダッチ・サンドウィッチ」はグローバル企業のタックスマネジメントの手法としてはもはや常識だ。行き過ぎた節税、租税回避の温床、という批判を受けて、先般、アイルランドは「ダブル・アイリッシュ」の仕組みが使えなくなるように税制改正を決めたほどだ。

しかし、理不尽な国家の規制、理不尽な税金からいかに逃れるかが、ここ数十年の企業戦略論の中心的なテーマであったことは間違いない。多国籍企業であれば各国の税率や法制度などをインプットした最適化プログラムを持っていて、どこの市場でどんなオペレーションをすればトータルで税金が一番安くなるかを常に計算している。

逆に国から見れば、国民や企業から取り立てた税金は国家経営の原資だ。しかし、国民国家の盟主であるはずのアメリカは自国の優良企業からまともに税金を徴収できない悲惨な状況に陥っている。

米上院の公聴会に呼ばれたアップルCEOのティム・クックは税金逃れとの指摘に対して「どこの国でも法律と納税義務を順守している」と否定し、「税負担が重過ぎるアメリカの税制こそ変えるべきだ」と平然と言ってのけた。

【資料】Apple の節税戦略〜ダブルアイリッシュ・ウイズ・ダッチサンドイッチ

国境というボーダーの中で、国家が税金を取って行政サービスを提供するという仕組みが、アメリカでは成り立たなくなっている。税収が足りないから、“手下”の日本やオーストラリアに国防の出前を押し付けるのである。

国家運営の原資をどうするか、世界的な規模で組み直さなければアメリカのような国はやっていけなくなるだろう。「国家とは何か?」という問い掛けが込められているという点では、イスラム国よりもグローバル企業の巧妙なタックス・マネジメントのほうが各国の為政者にとって深刻で悩ましい脅威なのだ。


(私のコメント)

税制は政治の根幹に当たりますが、グローバル経済の元では国内だけの税制では抜け道が出来てしまう。タックスヘイブンを利用した節税が行き過ぎれば国は税収が減ってしまって赤字国債を発行して賄わなければなりません。

日本ではその赤字国債の残高が1000兆円にもなりましたが、タックスヘイブンに課税されるべき資金が逃げて行ってしまっている。アップルやマイクロソフトやグーグルなどの超優良企業がタックスヘイブンを利用して節税に励んでいる。

アイルランドもタックスヘイブンであり、アメリカの大企業は本社をアイルランドに移してアメリカにはわずかしか税金を納めていない。アップルのCEOのティム・クックは税法は守っていると発言したが、税法がグローバル化社会にはザル法になってしまっている。

いずれは中小企業や個人なども、我も我もと真似をして税金を払わなくなるだろう。節税をしている大企業や富裕層などは国家の福祉やインフラなどを利用しながら、その国家に税金を支払わないと言うのは虫が良すぎる。大企業はアメリカとか日本とかいった国内で商売をしているのに国籍を外国に移してしまうのはおかしい。

グローバルな大企業は、世界各国に会社を設立して商売をしている。だから商売をしている国に税金を納めるべきであり、利益をタックスヘイブンに集めてしまって日本やアメリカに税金を納めないのは脱法行為なのだ。最近では合算で連結決算などで是正はされてきましたが、利益隠しはタックスヘイブンを利用すれば格段に安くできる。

ヨーロッパの小国もタックスヘイブン化する事で経済繁栄するようになりましたが、アメリカ国内にもタックスヘイブン化した州があります。ならば日本も経済特区としてタックスヘイブンを作ったらどうだろうか。沖縄とか北海道とか秋田とかいった過疎地をタックスヘイブンとして企業誘致すれば、地方交付税などと言ったバラマキは要らなくなる。

沖縄が香港並みのタックスヘイブンになれば、日本のみならず香港やシンガポールなどの法律事務所が移って来て、沖縄の那覇市には超高層ビルが林立するようになるだろう。東京一極集中も日本国内にタックスヘイブン特区を作って東京にある本社を誘致すればいい。




景気対策をしても景気が良くならなかったのは、企業は
儲けた利益をタックスヘイブンに持って行ってしまうからだ。


2016年4月14日 木曜日

パナマ文書で晒される 日本企業“61兆円”ケイマン隠れ資産 4月13日 日刊ゲンダイ

世界中を震撼させているタックスヘイブン(租税回避地)の金融取引を記した極秘文書「パナマ文書」の流出。13日にパリで緊急対策会議を開く方針を固めたOECD(経済協力開発機構)のグリア事務総長は11日、財務省で麻生財務相と面会し、「課税逃れ対策の関心が(世界で)高まる」と発言。14〜15日に米ワシントンで開かれる「G20財務相・中央銀行総裁会議」でも、タックスヘイブンを使った脱税や資金洗浄がテーマになる見通しだ。各国ともタックスヘイブンでの金融取引に対し厳格な法整備の必要性を唱え始めたが、なぜか腰が重いのが日本政府だ。

「文書の詳細は承知していない。軽はずみなコメントは差し控えたい」

「パナマ文書」の流出が表面化した直後の会見で、こうスットボケていたのが菅官房長官だ。だが、このままシラを切り通せると思ったら大間違い。「パナマ文書」はG7(主要7カ国)の首脳が集まる5月の「伊勢志摩サミット」でも議題に上る可能性が高い。そこで議長国の日本が、テキトーにお茶を濁す態度を示せば、世界中から非難の声が上がるだろう。それなのに日本政府はなぜ、こんなにトロいのか。

「日本銀行が公表している国際収支統計にヒントがあります。統計は日本の対外経済取引を記録したデータで、これを国別にまとめたのが『直接投資・証券投資等残高地域別統計』。この中にタックスヘイブンとして知られるケイマン諸島が出てきます。人口わずか5.5万人のケイマン諸島に対する残高は、初登場した2001年末は18兆6411億円。それがどんどん増え、最も新しい13年末は60兆9280億円に膨れ上がっています。つまり、残高=利益と捉えれば、実に61兆円のカネが課税逃れしている疑いがある。大ざっぱに言って、今の法人税率が適用されれば約14兆円もの税収になる計算です」(経済ジャーナリスト)

■消費税7%分に相当

 消費税率1%で税収2兆円分――といわれているから、ケイマン諸島分だけで7%に相当する。他のタックスヘイブンを合わせたら、とてつもない金額になるだろう。

日本政府は大企業などがタックスヘイブンを利用してせっせと蓄財に励んでいた実態を“黙認”していたワケで、どうりで、EUやメキシコのように本格的な調査に乗り出さないワケだ。

 タックスヘイブンの問題を以前から指摘してきた「公正な税制を求める市民連絡会」の事務局長を務める弁護士の猪股正氏はこう言った。

「日本は今、年金や医療費などの社会保障費が削減され、穴埋めとして消費税を上げる一方、法人税率はずっと引き下げられたまま。つまり、消費税が社会保障費に回らない。このままだと生存権が脅かされてしまう。税収を立て直すには法人税も含めた見直しが不可欠で、当然、タックスヘイブンの問題も関わってきます」

「パナマ文書」の全容が暴露されるのは5月という。国内で1%にも満たない大企業ばかり優遇する安倍政権「崩壊」の“火ダネ”になるかもしれない。


(私のコメント)

タックスヘイブンの問題は、以前から指摘されていましたが、マネーは一旦国外に持ち出してしまえば税務署は手も足も出なくなってしまうからだ。相手国が協力してくれなければ日本の税務署がいくら頑張っても仕方がない。タックスヘイブンは犯罪やテロにかかわるマネーについては協力するが、脱税に関しては強力が得られない。

グローバル企業は、日本やアメリカで稼いだ利益をタックスヘイブンにある子会社に利益を移してしまえば、日本やアメリカで税金を払わずに済む。だから日本やアメリカは税収不足に悩み、政府は景気対策を打っても長続きせず、トリクルダウンと言った効果は出るはずがない。カネはタックスヘイブンに行ってしまうからだ。

マネーは税金が高いところから低い所に流れて行くから、タックスヘイブンは手数料はかかっても税金はほとんどかからない。いわば一番美味しい所をもって行かれてしまっているのであり、タックスヘイブンには大都市並みの超高層ビルが林立している。バカを見るのは日本やアメリカの低所得層でありタックスヘイブンは利用できない。

富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなるのは、税制が機能していないためであり、格差は拡大する一方だ。政府は消費税で税収を賄おうとしていますが、大企業にとっては35%の法人税よりも8%の消費税の方が遥かに安い。政府は法人税を減税して消費税を高くしようとしている。

企業は上げた利益をタックスヘイブンに貯めこむから法人税は払わなくてすむ。富裕層も資産をタックスヘイブンに移して相続税などを逃れている。タックスヘイブンは世界各地にあるから、マネーを転々とさせれば動きを追うのは不可能になる。

財務省は何かと財源が無いと言うが、タックスヘイブンにある日本の企業や個人の資産に課税をすれば財政の健全化などいっぺんに解決する。しかしタックスヘイブンは外国であるために、国際機関で決めなければタックスヘイブンにある資産に課税は出来ない。

だから財務省は消費税を増税して税収を稼ごうとしていますが、大企業や富裕層への課税逃れには見て見ぬふりだ。企業の内部留保は増え続ける一方ですが350兆円も貯めこんでいる。これは正社員をリストラして派遣社員や非正規社員に切り替えてコストカットした結果であり、サラリーマンの平均年収は低下し続けている。

このような富の不均衡を是正するには、共産党ではないですが大企業や富裕層から税金を取るべきであり、税率を高めるだけでは効果が無く、タックスヘイブンにある資産を洗いざらい調べ上げて課税する事が必要だ。そうすれば消費税など必要が無く、日本のGDPは500兆円前後で90年代から低迷していますが、国外にある日本の資産にも課税すればいい。

大企業や富裕層は国籍や住所を変えて課税から逃れていますが、日本で稼いだカネは日本で課税すべきであり、アメリカでもそのような課税逃れを封じようとしている。パナマ文書はそのような時に暴露されましたが、日本政府の菅官房長官は調査しないと言っている。これでは消費税増税は国民は納得しないだろう。




ロスチャイルド家の後ろには、イギリスがいました。ロックフェラー家
の後ろには、アメリカがいる。それが、彼らのパワーの源泉なのです。 


2016年4月13日 水曜日

人民元が主要通貨になっても、「国際金融資本」は中国を見捨てる  2015年12月2日 北野幸伯

「クリントン・クーデター」の衝撃
皆さんご存知のように、米中関係が劇的に改善したのは、70年代はじめです。
当時は、アメリカとソ連の「冷戦時代」。
しかも、アメリカは、ソ連に押され気味だった。
ニクソンとキッシンジャー大統領補佐官(当時)は、「ソ連と対抗するために中国との関係を改善しよう」と決意します。
当時まだ20代だった著者のピルズベリーさんは、「米中が和解するとソ連はどういう反応をするか?」に関する情報を集め、ニクソンとキッシンジャーの決断を後押ししました


こうして、「ソ連に対抗するため」という名目で米中はひっついた。
そして、トウ小平は、アメリカ(と日本)から、もらえるものを全部もらい、「奇跡の経済成長」を実現します。
だから、「アメリカが中国を育てた」のは、そのとおりなのですね。
しかし、米中関係に、大きな危機が訪れました。
一つは、1989年の「天安門事件」。
もう一つは、1991年末の「ソ連崩壊」と「冷戦終結」です。
米中和解の論理は、「ソ連と対抗するため」でした。

では、ソ連がなくなった今、「なぜ独裁国家の中国と仲良くするの?」という疑問が、当然アメリカ側から出てきました。
そして、アメリカに「反中」の大統領が誕生します。

なんと、クリントンでした。


大統領選のさなかには、「ブッシュ大統領は、北京の肉屋を甘やかしている」と攻撃した。クリントンが大統領に就任するとすぐ、国務長官のウォーレン・クリストファーは、上院外交関係委員会でこう宣言した。

「わたしたちの政策は、経済力の強化と政治の自由化を後押しして、中国における共産主義から民主主義への広範で平和的な移行を手助けすることだ」(140〜141p)

クリントンは、「中国もソ連のように『民主化させよう!』」と宣言していた。

これはもちろん、中国共産党にとって、きわめてまずい事態でした。

で、中国はどうしたか?

アメリカ政権内に、「親中派グループ」を形成し、クリントンの対中政策を「変える」ことにした。
ピルズベリーさんによると、中国に取り込まれた人物の中には、国家経済会議議長ロバート・ルービン、財務次官ローレンス・サマーズなどが含まれていた。
ルービンは、元ゴールドマンサックスの会長で、後に財務長官になった(いわゆる「国際金融資本」の「大物」と呼べるでしょう)
サマーズは、ハーバード大学の経済学者で、ルービンの後に財務長官になった。
「親中派グループ」は、政治家の味方を増やしていきました

そして、何が起こったのか?
ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」と呼ぶものが起きた。中国に同調する面々が大統領に反中姿勢の緩和を認めさせたのだ。クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実現しなかった。対中制裁は緩和され、後に解除された。(143p)

中国はなんと、アメリカの外交政策を180度転換させることに成功したのです。
ここまでで、米中関係についてわかることはなんでしょうか?
1.中国を育てたのは、確かにアメリカである
2.しかし、ソ連崩壊で、アメリカは中国と和解しつづける意味を失った
3.それで、米中関係は悪化していた
4.しかし、中国はロビー活動により、米中関係を好転させることに成功した

米中和解、アメリカ側のロジックは、
・1970〜1991年=ソ連に対抗するためから
1993年〜=世界一の巨大市場中国で儲けましょう
に変わりました。


誰でも「儲けたい」ですから、アメリカ側のロジックも理解できます。
なぜ国際金融資本は、中国が「覇権国家」になるのを容認しないのか?
とはいえ、「中国は、国際金融資本のいうことをいつまでも聞きつづける」、だから、「中国が覇権国家になっても、別に構わない」というのは違うと思います。

なぜでしょうか?
「国際金融資本」は、「軍事力」をもたないからです。
この世界、主なパワーの源泉は、「金力」と「軍事力」です。
国際金融資本は、「金」をもっている。
そして、覇権国家アメリカの政策を動かすことで、事実上「軍事力」ももっているともいえます。
しかし、もしアメリカが没落し、中国が覇権国家になったらどうでしょうか?
つまり、軍事力で中国がアメリカを圧倒したらどうでしょう?
この時、中国が、「国際金融資本」のいうことを聞く理由はないのです。
「儲けたければ、中国のいうことを聞け!」となるに決まっています。


つまり、「軍事力」の裏付けがなくなった「国際金融資本」が中国を支配しつづけることはできないのです(そうなれば、儲けつづけることも無理)。
ですから、「国際金融資本は国家を超越する」というのは「相対的真実」にすぎません。
ロスチャイルド家の後ろには、覇権国家イギリスがいました。
ロックフェラー家の後ろには、覇権国家アメリカがいる。
それが、彼らのパワーの源泉なのです


というわけで、私は、「国際金融資本は中国が覇権国家になるのを容認している」という信仰をもっていません。

彼らが中国を育てたのは、「儲けるため」。
中国で儲けられなくなれば、当然「中国を見捨てる」と思います。
そして、実際欧米の「国際金融資本」は中国を見捨てつつあります。(後略)



(私のコメント)

しばらくパナマ文書がらみの話題が続きましたが、アメリカにとって好ましくない政治家の名前が次々と出て来ています。特に中国のチャイナセブンの中から3人も名前が出て来ていますが、中国ではパナマ文書の中国に絡んだものは報道されません。報道官も「ノーコメント」を繰り返しています。

それ以外にもロシアのプーチン大統領がらみや、中南米の政治家の名前が出ています。イギリスのキャメロン首相には抗議デモが起きています。イギリスはAIIBでアメリカを裏切ったからでしょうか。その半面では現役の日本の政治家の名前はまだ出て来ていないようだ。

アメリカの政治家や実業家の名前も出ていないようですが、パナマ文書をばらした黒幕は国際金融資本ではないだろうか? 黒幕の一人と噂されるジョージ・ソロス氏自身が一番タックスヘイブンと関係が深いと思われるのですが、ソロス氏は今は人民元売りを仕掛けています。

ソロス氏はイギリスのポンド売りで大儲けしたように、中国の人民元売りで儲けるために「パナマ文書」をばらしたのでしょうか。ソロス氏は国際金融資本のスポークスマンのような人であり、中国政府はソロス氏の発言にピリピリしています。

ケ小平の「改革開放路線」は、アメリカを騙して資本と技術を手に入れる事で高度経済成長に成功しましたが、習近平政権になって中国の野心が明らかになって来た。ビル・クリントン大統領は反中国で大統領になりましたが、中国からのロビー活動で親中国に転換した。この背景には国際金融資本がありルービン財務長官やサマーズ財務長官は国際金融資本の代理人だ。

ビル・クリントン政権が親中反日政権となり、日本叩きが本格化しましたがアメリカ政府が中国に迎合したものであり、中国は日米の離反を狙う一石二鳥の政策だった。クリントン政権はドル安円高で日本の輸出産業にダメージを与え、中国には1人民元=2ドルから8ドルまでの切り下げを認めた。

このような政策も国際金融資本による差し金であり、アメリカの外交政策と国際金融資本はリンクしていた。アメリカ政府による同盟国の日本叩きは理解に苦しむものであり国際金融資本が主導したものだろう。日本市場は先行き見込みがないと見られていたし、中国市場は日本より10倍も大きな市場だからだ。

中国は胡錦濤政権まではアメリカとの関係は良好であり事実上の経済同盟国であり、長引く日本経済の低迷は政治的にも長期政権が出来ず、例外的に小泉政権だけが5年以上も続いた。共和党のブッシュ政権は一時的に日本叩きが収まったからだ。

国際金融資本は為替をコントロールする事で世界を意のままに操ろうとしていますが、タックスヘイブンなどの制度も国際金融資本にとっては無くてはならない制度であり、マネーでもって世界を支配する事だ。マネーで支配できない国にはアメリカの軍事力で抑え込んできた。

しかしアメリカもベトナム戦争やイラク・アフガン戦争などでは軍事力の限界を示していて、特にテロリストにはアメリカの軍事力は役に立たない。テロリストを封じ込めるには軍隊よりも警察組織の方が有効であり、アメリカはやり方を間違えたのだろう。

アメリカは中国を戦略的パートナーとして育て上げてきましたが、キッシンジャーが打ち出した政策だ。しかしその中国がアメリカの言う事を聞かなくなりアメリカに対抗する動きを露骨に示すようになって来た。中国自身の民主化も全く進まず、逆に民主化勢力を弾圧して独裁政治を強化してきている。

「改革開放政策」も変化してきて外資に対する嫌がらせも露骨になって来た。アメリカ政府にしても国際金融資本にしても、欧米人から見れば日本人も中国人も同じと考えていたようだ。確かに見た目はよく似てはいるが歴史も文化も日本と中国ではかなり異なる。日本では民主主義は機能するが中国は民主主義では国内が混乱する。

人権弾圧や言論弾圧はますます強化され、共産主義一党独裁体制は国際金融資本が嫌ったソ連と同じような悪の帝国になりつつある。国際金融資本にとっては民主的な法治国家が望ましいのですが、中東や北アフリカのような強引な民主化は国内を混乱させただけだった。中国にしても強引な民主化は混乱を招くだけであり強権的独裁政治でなければ中国はまとまらない。




メーンバンク筋はこともなげに「パナマあたりにペーパーカンパニー
をつくってください。他の会社も皆そうしていますよ」と言ってきます。


2016年4月12日 火曜日

パナマにペーパー会社作ってみました <第1回>メーンバンク筋は事もなげに「皆そうしています」 4月11日 若林亜紀 日刊ゲンダイ

 パナマ文書が国際社会を揺るがしています。タックスヘイブンでの法人設立を代行する中米・パナマの法律事務所の顧客リストが大量流出。隠し財産がばれて、世界中の権力者やセレブたちは大慌てです。

 私はお金のないジャーナリストですが、実はかつてパナマにペーパーカンパニーをつくり、役員に納まっていたことがあります。もしかしたら疑惑の「パナマ文書」にも名前が出ているかもしれません。

 これから数回にわたって、当時の経験譚を書かせていただきます。

 あれは1990年ごろ。日本全体がまだバブル景気に浮かれていた時のことです。私は大手建設会社のOLでした。

 その年、系列の金融子会社に出向となり、資産運用の仕事を担当することになりました。メーンバンクから天下ってきた取締役が指南役です。

 やがて、海外投資を始めることになりました。メーンバンク筋から「インドネシアの国立銀行が増資をする。ウチが低利で融資をするから株を買わないか」と提案されたのです。インドネシアは当時、政権も安定しており、「優良投資案件」との触れ込みでした。政変でも起きない限り、黙っているだけで利ざやを稼げる。うまい話だと取締役は判断し、私にもそう思えたものです。

 私はそうした判断に従って稟議書を作り、金融子会社の部長、社長、さらに親会社である大手建設会社の専務のハンコをもらいました。

 ただし、ひとつだけ問題がありました。当時は外国為替管理法(現在の外国為替法)により、銀行以外の法人が外国に金融投資を行うことは禁じられていたのです。

 しかし、メーンバンク筋はこともなげに「パナマあたりにペーパーカンパニーをつくってください。そこを通じて買いましょう。他の会社も皆そうしていますよ」と言ってきます。パナマは非課税で為替管理がなく、会社の設立・維持コストも安いのでペーパーカンパニーの中心地だと説明するのです。

 小学校の社会科で「日本の船はパナマ船籍が多い」と習った記憶があり、そんなものかと妙に納得したものです。悪いことをしているつもりなど全くありませんでした。

「外為法をクリアするためにパナマにペーパーカンパニーをつくる」――稟議書には、そう書いたと思います。

 決裁が下りると、メーンバンクOBの取締役に「浜松町にパナマの会社をつくる法律事務所があるから行ってきて」と命じられました。取締役は付き添ってくれず、25歳だった私は不安なまま、ひとりで出向いたのです。



645号:デフレの原因と対策への異説(2) 2013年3月28日 吉田繁治

おはようございます。地中海の、沖縄に似た島国、キプロスの銀行危機が、世界の株式市場に影響を及ぼしています。 キプロスは、トルコの南にある人口87万人、GDPでは$249億(2.2兆円:09年)です。GDPの2兆円は沖縄県の60%の経済と言えば、イメージできるでしょう。ユーロの統一通貨圏に属し英連邦の加盟国です。

世界のGDPの2500分の1にすぎない、いわば小指の爪の先の規模の国の銀行危機が、なぜ、世界の株式市場にまで波及するのか。当方、まずこれを思ったのです。 調べて、GDPの約8倍ものマネーが集まった「オフ・ショア金融の国」であることを知り、それなら、あり得ることだと思いました。 日本の株の売買は60〜70%がガイジン投資家です。

ガイジン投資家とは、約8000本と言われるヘッジ・ファンド(私的投資組合:預かり元本$2兆:180兆円)です。ヘッジ・ファンドの本拠地は、世界で60ヵ所の租税回避地(タックス・ヘイブンまたはオフショア)です。 ガイジン投資家が増えたのではない。課税を逃れるためのタックス・ヘイブンからの投資が、増えたのです。(注)新聞は普通、これを「投機筋の売買」と言いますが、それでは、マネーの性格を見誤ります。 そのひとつがユーロ圏内のキプロスです。

主に、ロシアの新興財閥の、マネー・ロンダリング(資金洗浄)を含む、政府規制を嫌うお金が、約15兆円(GDPの7倍)くらい、キプロスの銀行に集まっていた。 (注)ユーロで最初に危機になったアイルランドには、そのGDPの10倍の預金が集まっていました。ちなみにスペインは3倍です。 海外からお金が集まったキプロスの銀行は、ユーロではあっても金利が高いギリシア国債を買い、資金運用していた。キプロスの公用語はギリシア語です。古来、ギリシアやトルコと関係が深いからです。 (後略)



(私のコメント)

最近は円が安全な資産として買われていますが、それだけ円に対する需要が大きいからでしょう。しかし金融緩和しても銀行に円が積み上げられるだけで外に流れて行かない。日本はマイナス金利になって持っていても利息が稼げないからドル建ての米国債などが買われてもいいはずですが、ドル安円高が続いている。

パナマ文書が明らかになると円高が加速しましたが、タックスヘイブンに隠したマネーを慌てて日本に戻しているのでしょうか。若林氏の記事にもあるように日本の大企業はタックスヘイブンを利用して、外為法をすり抜けて金融取引をして儲けてる。

25歳の若いOLが役員をしているのは、親会社とは関係が無いように装うためであり、タックスヘイブンにペーパーカンパニーを作ってそこに資金をプールすれば税務署も手が出せない。親会社とタックスヘイブンにあるペーパーカンパニーの繋がりは若いOLの若林氏しか知らない。

タックスヘイブンにはそのような仕事をしている法律事務所があり、そこから上がる手数料などでタックスヘイブンと言われる国は産業を成り立たせている。テレビの報道でもパナマの首都は正にニューヨーク並みの超高層ビルが建ち並び、まさに金融立国そのものだ。

小さな小国は人口も国土も少なく産業が成り立たない。そのような国はタックスヘイブン化して日米欧などの経済大国からマネーを受け入れるペーパーカンパニーを作って、そこから税金を取って国家を成り立たせている。その為には脱法行為を認めるようにしている。

タックスヘイブンは世界中にあり、日米欧の大企業や富裕層は日本の銀行や証券会社を使わずにタックスヘイブンにペーパーカンパニーを作って預けている。そのペーパーカンパニーは為替取引や株取引などで利益を上げても日本の税務署は税金を取ることが出来ない。いわゆる外人投資家の正体は日本人であるかもしれない。

バブル崩壊の後で不況が長引くのは、政府がいくら景気対策を打っても効果が出ないのも、バケツの水がこぼれるようにタックスヘイブンにマネーが流れて国内に流れない構造が出来てしまったからだ。メガバンクなどもタックスヘイブンに支店を作って仲介して利益を上げているようだ。

香港やシンガポールもタックスヘブンであり、世界から投資資金を集めて手数料を取って金融立国として繁栄している。知れに対して日米欧などの産業立国は空洞化して大不況が続くようになる。バカを見るのは日米欧などの低賃金労働者であり、富裕層はタックスヘイブンで資産をプールして税金を払わない。

国内でいくら増税しても法人税や所得税は上がらなくなり、ならば消費税で税収を上げようとしていますが、不況で消費が減れば税収は減るばかりだ。大企業や富裕層が上げた利益をタックスヘイブンに逃げないようにして、金融取引そのものに税金をかければ法人税や所得税よりも税収があるだろう。

タックスヘイブンにある資産も、パナマ文書のように強制的に公開させて調べ上げて犯罪や脱税資金を取り立てるべきなのだ。スイス銀行なども日米欧がスクラムを組めば逆らうことが出来ずに秘密は公開させることが出来るようになった。

昨日もアメリカこそがタックスヘイブンだと書きましたが、カリブ海にあるような小国は大国の圧力にひとたまりもありませんが、アメリカや日本がタックスヘイブン化すれば2000兆円から3000兆円もあるマネーは戻って来るだろう。

日本は円高に悩んでいるくらいだから、政府紙幣を発行して無税国家になる事でタックスヘイブンになる事が出来るだろう。小国では自国通貨は信用されないから政府紙幣は発行が出来ない。発行すればジンバブエのようになる。日本の円やアメリカのドルが世界に基軸通貨となり、日本やアメリカがタックスヘイブンになればいい。




海外に金を飛ばすのは簡単だ。マルチ商法、おれおれ詐欺、
アダルト動画業者。怪しいやつらはみんなタックスヘイブンを使っている


2016年4月11日 月曜日

【パナマ文書】 国税OBが明かす海外脱税の手口 4月10日 田中龍作

あまり(甘利)に理不尽である。貧乏人は血の一滴まで搾り取られるのに、金持ちは海外で脱税できる。

 マスコミを賑わす「パナマ文書流出」は、久々に庶民の留飲を下げてくれる事件になるのだろうか?

 国税庁OBによれば、国税庁査察部は英語に堪能な職員を数多く抱えていて、(パナマ文書に出てくるような)海外で脱税する会社をとっくの昔から知っているのだそうだ。

 「パナマ文書が世に出たことで、国税庁がワッと査察に踏み込むような事件になるかというと、なりはしない」。国税OBは渋い表情をしながら、踏み込めない理由を幾つかあげた

 先ずカネの流れの詳細がつかめないことだ。

 「米国のデラウェア州は物凄く法人税が安い。タダみたいなので日本企業が多い。そこからケイマン諸島などタックスヘイブンに資金を移す」。

 こうなると簡単に(財務状況を)捕捉できなくなる。

 「オフショア取引なんて当たり前」「タックスヘイブンに住所を移して、日本非居住にしてしまえば、課税されなくなる」

 苦心惨憺してカネの流れを捕捉したとしても、「外国との間には租税協定があり、踏み込むにはその国の財務省の許可がいる」

 タックスヘイブンを売り物にしている国の財務省が許可を出すはずがない。

 「事実上逃げられちゃうんだよね」

 「日本国民のわずか4%の人々が90%の富を独占している。ここからちゃんと税金を取れば消費税なんぞ必要なくなる」− 国税OBは衝撃の事実を怒りと共に語った。

 富裕層はあの手この手で税金を逃れる。しわ寄せは庶民への課税強化となる。典型は消費税だ。

 「ある所から取って下さい。ない所から取るな」。山本太郎議員の口癖だ。

 「インターネット時代になって、(パナマ文書のような情報が)大衆の目にやっと触れるようになった。怒りは選挙で表すしかない」。国税OBは結んだ。



パナマ文書で判明 多数の日本人がタックスヘイブンに法人設立 犯罪の金隠匿も 4月9日 ZAKZAK

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が南ドイツ新聞を通じて入手したパナマの法律事務所内部文書(パナマ文書)の分析で、多数の日本人がタックスヘイブン(租税回避地)に法人を設立していたことが判明した。一部には、捜査の遅延などを狙い犯罪で得た収益を隠匿するための利用もありそうだ。

 「海外に金を飛ばすのは簡単だ。マルチ商法、おれおれ詐欺、アダルト動画業者。怪しいやつらはみんなタックスヘイブンを使っている」

 出資金詐欺で約3億4000万円を集めたとされる兵庫県芦屋市の男性(41)は、回避地の1つ西インド洋の島国セーシェルに法人を所有する。

 オンラインカジノに関係する事業を始めるため、インターネットで法人設立業者を探していた2013年、中国の会社を通し取得した。「日本ではグレーゾーンのビジネスでも、タックスヘイブンを使って金を動かせば当局の目をごまかせる」と説明する。

 男性は10〜14年に神戸、大阪両地裁から、架空の投資話などで金を集めたとして、5件の民事訴訟の判決で計約3600万円の支払いを命じられたが賠償には一切応じていない。原告側代理人の1人は「国内に差し押さえできる財産がなかった」と振り返る。

 出資金詐欺に詳しい紀藤正樹弁護士はこうした回避地での法人所有は、犯罪で得た金を海外に移して時間を稼ぐのが目的だと分析。「警察が現地の当局に照会をかけなければならず、金の流れを確認するために1年間は捜査が長引いてしまう」と指摘した。

 内部文書でセーシェルでの法人設立が判明した福岡県のトレーダーは、客から集めた出資金を海外の口座に入れ運用していた。法人設立を委託した香港の業者からは「登記書類上の株主や役員の欄にあなたの名前は一切出さないこともできる」と説明を受けたという。

 中国、香港の法人設立業者はいずれもパナマの法律事務所と提携していたとみられる。

 
税金逃れに関する著作のある深見浩一郎氏は、法人本来の所有者を合法的な手法で分からなくすることは可能だと指摘。「そもそも犯罪収益や裏金をタックスヘイブンに送り込めてしまう制度自体に問題がある」と強調した。



(私のコメント)

タックスヘイブンに隠されている脱税資金を捕捉する事は不可能に近く、イギリスのキャメロン首相のように政治家自ら利用しているようでは、取り締まる事は、泥棒に警察官を任せるようなものだ。ZAKZAKン記事にもあるように、怪しい奴らはみんなタックスヘイブンを使っている。

ホリエモンや2ちゃんねるの「ひろゆき」のように、差し押さえや罰金刑を食らっても国内に口座が無ければ差し押さえが出来ない。タックスヘイブンから生活資金を送金してもらえば生活には困らない。本人とは関係の無いダミー口座を使えば捕捉しようがない。

問題は海外への送金であり、プライベートジェットで現金を積み込んで運べば足も付かない。数千万円程度ならボストンバックに積み込んで運べる。銀行送金でも名前の出ない法人口座を使えば税務当局も捕捉は難しいだろう。タックスヘイブンにはそのような怪しげな法人口座がたくさんある。

しかしそのような怪しげな口座は現地の詐欺師に騙される事もあり、マネーがどっかに消えてしまったという事件も多発している。どっちみち脱税や犯罪の資金だから騙されても警察に訴え出る事も出来ない。地下銀行を使う手もあるが、怪しげな資金に限られる。

税務当局がこのような脱税資金の動きを全部捕捉するのは不可能であり、すべての金融取引にトービン税をかけて、課税をすり抜けた送金はすべて脱税で取り締まればいい。課税対象は国籍や住所には関係なく、その国で稼いだ資金はその国で税金を納めるべきであり、個人でも同じだ。

法人などでも多国籍化する事は容易であり、利益を得体のしれない会社に送金して本社を赤字にする事で税金を納めない。一部上場の日本企業の多くが赤字企業でありながら内部留保が貯まる一方なのはおかしくはないか。このように法人も個人もタックスヘイブンを使えば、税金を納めず蓄財が出来る。

日本に一番近いタックスヘイブンは香港ですが、香港に法人を作って名前が出ないようにすれば、どんなに稼いでも日本には税金がかからない。表向きは外人が株を売買しても黒い目の外人であり、実質的に日本人が儲けている。為替取引に税金がかからなければ儲けるのは手数料で稼ぐ銀行であり、さらに税金がかかるようになればバカにならない金額になるだろう。

トービン税は、グローバル企業にとってはダメージとなり、為替取引の多い国にとっては税収の増加となり、財政赤字問題も解決するだろう。財務省もその事は分かっているのですが、トービン税の導入は政治的に難しい。中国などはトービン税を考えているようですが、資本取引規制となり影響が大きい。

ネットでは、アメリカの陰謀説が出ていますが、アメリカの企業や個人の名前が出ていないのは何故なのだろう。経済コラムマガジンではアメリカ自体がタックスヘイブンである事実があり、パナマは80年代までは反米国家であり企業などは使いづらかった面があるとしている。




世界中の政財界エリート層のあまりに多くが行っていたので、
租税回避地や他の節税対策を使うことが悪いとは思わなかったのだ。


2016年4月10日 日曜日

エリート層脅かす「パナマ文書」、流出は止まらず4月8日 ロイター

[6日 ロイター] - パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から約1100万点の機密文書が流出した。一見する限り、知られていたことがほとんどのように思える。少なくとも、疑惑はすでに広がっていたからだ。

多くの場合は全く合法とはいえ、2008年の金融危機以降、有力者や企業の脱税・所有隠しを可能とするタックスヘイブン(租税回避地)やダミー企業、他の金融手段の世界的ネットワークを指摘する情報や証拠が絶え間なく流れていた。

しかし、今回のいわゆる「パナマ文書」流出は史上最大であり、ほぼ間違いなくこれが最後ではあるまい。独裁国家、民主主義国家を問わず、世界で最も影響力のある人たちが富と力を築く一助となった不可解なネットワークは、徐々に明らかになりつつある。漸進的だが、もはや止めることは不可能だ。

透明性の問題は現在、より広範なエリート層に対する反発につながっている。今後は間違いなく、火に油を注ぐことになるだろう。米大統領選、高まる欧州の政治不安、中国やサウジアラビアの政界工作など、あらゆる国の政治プロセスにおいて起きる可能性がある。

その影響は広範囲に及ぶ可能性があり、しかも全てが楽観的とは決して言い難い。2011年に中東で起きた民主化運動「アラブの春」は、要するに、こうした傾向への怒りが原因の1つだった。「アラブの春」が結果として特にうまくいったわけではないが、米大統領選共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏の台頭や、欧州での超保守的な政策を考えると、西側でもすでに、多くの人が心配するような政治的変化が起きていると言える。

しかしながら、強く望まれている政治やその他のシステム改革といった有益な結果をもたらす可能性もある。うまくいけば、ダボス会議に集まるような政財学界エリートたちの思い込みの一部を正し、それらを弱める一方、新たな血を取り入れられるはずだ。少なくとも、世界中の税制を見直し、個人や団体が義務を逃れられないようにする新たな原動力を生み出すに違いない。

2008年に起きた金融危機の傷跡が今なお残るアイスランドでは、パナマ文書が流出したことですでに首相が辞任に追い込まれた。だが他の国では、影響はもっと複雑になる恐れがある。

パナマ文書に記載されていた一部の例、とりわけロシアのプーチン大統領と、その友人の1人が運用する約20億ドル(約2163億円)の資産とのつながりに関するものは、多くの人が長い間信じてきたことに対する記録以外の何ものでもない。

その正否はさておき、政財界の多くはプーチン氏が世界で最も裕福な層の1人だと常に考えていた。同時に、資金の大半は同氏の権力を維持する利権構造の一部として直ちに他の懐に入れられるとも考えている。

パナマ文書で興味深い教訓はむしろ、その他多くの有力者がこうした手段を使っていた例にあると筆者は考える。これらにおいては、辞任や劇的な政変はあまり起きそうもない。

キャメロン英首相の亡父が租税回避地を合法的に利用していたことが同文書で明らかとなったが、キャメロン氏はこれを切り抜けるだろう。この問題よりも、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の方が同氏にとって脅威となる。同様に、文書に記載のあったアルゼンチン、ガーナ、エジプト、その他多くの国々の政界エリートたちも嵐を乗り切るだろう。

だからといって、パナマ文書流出の効果が全くないわけではない。

関与していた人たちの多くが明らかに依拠していたのは、「みんなでやれば怖くない」という論理である。世界中の政財界エリート層のあまりに多くが行っていたので、租税回避地や他の節税対策を使うことが悪いとは思わなかったのだ。

むしろこのことが、すでに顕在化しつつある、若干異なる経歴を持つ政治指導者の新世代が台頭するというトレンドを加速させると、筆者は思う。このような環境では、富やエリート教育、キャリアといったことは実際、助けになるというより邪魔になる可能性がある。

もっぱら富に執着する人の租税回避地使用は止められないかもしれないが、政治的権力も欲する人には抑止力となるだろう。

このようなトレンドはすでに英国の政界で見られる。66歳の社会主義者、ジェレミー・コービン氏は、比較的主流の候補3人を破り、野党労働党の党首の座に就いた。同氏の予想外の勝利は多くの点で、米大統領選の民主党候補指名を争うサンダース上院議員の台頭を予感させるものだった。

キャメロン首相率いる保守党政権は、近年の歴史において最も議席数の少ない政権の1つだ。首相を含む政権トップの何人かは名門イートン校出身で、多くが少なくとも数百万ポンドの銀行預金があり、コンサルティング会社や金融機関でのキャリアをもつ。最近まで、オズボーン財務相とロンドンのジョンソン市長がキャメロン氏に代わる最有力候補と目されていたが、2人とも同類である。

だがつい最近になって、それは変わりつつある。任命されて間もないスティーブン・クラブ雇用・年金相の名が、保守党党首候補としてささやかれ始めている。クラブ氏はウェールズの労働者階級出身で、公営住宅でシングルマザーに育てられた。

クラブ氏のような候補者はまだ米国政治システムに本格的に浸透していない。だが、それも時間の問題かもしれない。サンダース氏は最近の予備選で勝利を重ねているが、民主党候補の指名を得るには遅すぎたように見える。同氏と民主党候補指名を争うクリントン前国務長官とトランプ氏は、エリート層の主流であり続けている。

しかし反権力の流れに乗っても、それほど成果は期待できないだろう。たとえ次世代の政治家がパナマ文書で露呈したような道徳的に不快な取引に巻き込まれるのを回避できたとしても、そうしたシステム自体が是正されることはないだろう。ほぼどの国でも貧富の格差が拡大しているとはいえ、現在のグローバル化した金融・貿易制度は発展途上諸国の何億人もの人々を貧困から救い出すことに寄与している。

制度を完全に破壊することなく最悪の行為を更生させることは、決してたやすくはないだろう。



(私のコメント)

脱税は犯罪ですが、権力者が脱税行為を犯罪と決めなければ合法だ。タックスヘイブンは脱税を合法化するものであり、しかし脱税しても外国であるために手も足も出せない。スイス銀行はそのいい例ですがナチスドイツでもスイスに手も足も出せなかった。

納めるべき税金を納めていないのだから明らかに脱税ですが、権力者たちは合法だと言い逃れている。しかし貧乏人たちは毎日の生活の為の食品を買うにも8%の税金が取られる。しかし富裕層にとっては食品にかかる8%の税金などゼロに等しい。

財務省は大企業や富裕層の味方であり、法人税や高額所得層への税は低減させるのに消費税は増税される。法人税や所得税は把握が難しいと言うが、様々な節税措置によって課税対象外になってしまう。タックスヘイブンを利用すれば税務署は手も足も出せなくなる。

相続税もタックスヘイブンを使えば相続税はゼロであり、金持ちの息子は金持ちであり、イギリスのキャメロン首相は金持ちの息子だ。このようにして貧富の格差は拡大して行きますが、脱税行為が合法化されているのが現状であり、タックスヘイブンに対する規制の強化で財政の税収不足は解消されるはずだ。

以前の「株式日記」でもトービン税を紹介しましたが、国外との金融取引に税を課すのだ。そうすれば消費税などかけなくても税収不足は無くなり財政は再建されるだろう。しかし政治家たちは既得権益にまみれているからこのような変革はなされない。

アメリカでは社会主義者のサンダース氏が善戦していますが、特権階級化した富裕層から税金を取って貧しい者に分配する事が時代の流れになるだろう。政治の本質は税の公平性にあり、歪んだ税制は政治の不安定化につながる。権力者たちは権力を使って富を蓄えて行きますが、中国共産党の幹部やロシアの権力者たちは革命でいつ国を追われるか分からないから、マネーを外国に隠す。

それは日本やアメリカも権力者がやる事は同じであり、自分たちは脱税をして税を納めないが、貧しい国民には過酷な税を課して働かせる。権力者たちは貧しい国民を働かせるために貧しいままにしておくことが良いと考えている。出来ればローンや借金させて縛れば過酷な条件で働かさせる事が出来る。

現代の若者は、従順に教育されて、非正規社員とか派遣社員とかアルバイトでしか働けなくてもおとなしくしている。金持ちの子弟たちは有名大学を出て一流企業で働いて高額な給料をもらっている。現代では金さえ出せば早稲田や慶応などの大学に入れるし、一流企業にはコネで入れる。このようにして階級は固定化されて行く。

このようになってしまうのも税制に問題があり、貧富の格差は拡大して社会問題となり、富裕層は税金を納めずにタックスヘイブンに税金のかからない蓄財をして行く。貧困層はタックスヘイブンを利用できないから過酷な税金で苦しめられる。若い貧困層は政治にも無関心であり選挙にも行かない。

今日の昼のニュースでは、イギリスのキャメロン首相に対する数千人のデモがあったそうですが、日本ではそのようなデモは起きそうもない。日本でも多くの企業や個人の名前が出ていますが、脱税目的以外でタックスヘイブンを利用する意味が無い。タックスヘイブンを利用すれば合法的に脱税が出来るという事だ。

タックスヘイブンを規制するには、国際的な機関で規制が決められなければなりませんが、とりあえずは金融取引にトービン税をかければ効果はあるだろう。しかし企業や富裕層にとっては痛手になるからタックスヘイブン規制法を作るには国際的な大きな運動が必要だ。




東証に上場している上位50社のうち45社がタックスヘイブンを活用し、
ケイマン諸島だけでも、日本の大企業は55兆円で課税逃れをしている。


2016年4月9日 土曜日

日本の大企業・富裕層はタックスヘイブンで世界第2位の巨額な税逃れ、庶民には消費税増税と社会保障削減 2015年9月17日 井上伸

安倍政権は、新成長戦略と骨太方針で法人税減税を打ち出していますが、タックスヘイブンを活用することによって世界第2位となる莫大な税逃れをしている日本の大企業からまともな税金をきちんと払ってもらうことの方を何よりも優先すべきだと思います。東証に上場している上位50社のうち45社がタックスヘイブンを活用し、ケイマン諸島だけの活用に限っても、日本の大企業は55兆円で、アメリカに次いで世界第2位の規模です。つづく、イギリス23兆円、フランス20兆円、ドイツ17兆円で、後に続く各国を合わせた額に相当するぐらい日本の大企業はタックスヘイブンを活用し税逃れをしているのです。私たち庶民は、消費税増税はじめ各種税金から逃れようもないのに、どうして大企業だけが平然と税逃れを行うことができるのでしょうか? 私、このタックスヘイブンの問題について、政治経済研究所理事の合田寛さんにインタビューしました。3時間に及ぶインタビューでしたので前半部分をまず紹介します。

大企業・富裕層はタックスヘイブンで税逃れ
庶民には消費税増税・公共サービス削減
合田 寛 政治経済研究所理事インタビュー

世界各地で莫大な利益を上げている多国籍企業と富裕層が巨額の「税逃れ」をしています。スターバックスやアップル社など名だたる大企業の「税逃れ」が明らかになり、「私はスタバよりたくさん納税した!」とイギリスでは市民が怒りを爆発させています。そして典型的なタックスヘイブンとして知られるケイマン諸島に日本はイギリスよりも巨額の、アメリカに次ぐ世界で2番目の規模の投資を行っています。もっとも担税力のある多国籍企業と富裕層には「税逃れ」を許しておいて、その結果でもある税収不足と財政難などを理由に、庶民には消費税増税と社会保障削減を押しつけたり、国家公務員労働者には違法な大幅賃下げを押しつけるなど、著しく公平性を欠く事態が進行しています。この「税逃れ」の舞台となっているタックスヘイブンの問題について研究している合田寛政治経済研究所理事にお話をうかがいました。

各国のマスコミも注目するタックスヘイブン問題

――タックスヘイブンの問題が、日本のマスコミでも取り上げられるようになってきましたが、この背景には何があるのでしょうか。

いま世界的にタックスヘイブンの問題に注目が集まっています。たとえば、アップル社やグーグル社、アマゾン社、マイクロソフト社など、そうそうたる一流の多国籍企業がタックスヘイブンを利用して「税逃れ」を行っていることが、各国のマスコミでも大きく取り上げられています。

日本でも、タックスヘイブンの問題が最近になってようやく新聞やテレビでも報道され始めましたが、イギリスやアメリカでは早くから市民運動がタックスヘイブンの問題を告発していて、最近ではそれをイギリスの「ガーディアン」や「フィナンシャルタイムス」、アメリカの「ニューヨークタイムス」などの新聞が取り上げるようになっていました。

無税だったスターバックス

特に問題になったのがイギリスのスターバックスです。スターバックスは、本社はアメリカのシアトルにありますが、世界30カ国に事業展開している大手のコーヒー専門店で、イギリスにも700店舗以上あります。このスターバックスが昨年末、イギリスの上院決算委員会に呼ばれ、アマゾンなど3社の代表と共に聴聞を受け、そこでいろいろな問題点が明らかになりました。

たとえば、過去15年間のうち14年間、スターバックスは損失を出していたというのです。どうやって損失を出していたかというと、たとえばコーヒー豆をスイスの子会社から帳簿上、高値で買い取った形をとって、イギリスにおける利益を減らしたという事実が判明しています。また、オランダにある欧州本社にブランドなどの知的財産権を移し、そこに巨額のロイヤリティを支払うことによってイギリスでの利益を減らすなど、いろいろな形で、イギリスでは納税義務を免れるようにしていたことが明らかになりました。

「私はスタバよりたくさん納税した!」とイギリス市民の怒りが爆発

こうした事実を知った市民は、スターバックスの店舗の前に座り込んで「私はスタバよりたくさん納税した!」と、無税だったスターバックスへの怒りを爆発させました。結局、スターバックスは今後2年間2,000万ポンド支払うことをしぶしぶ認めて事態を収拾しましたが、根本的な「税逃れ」の構造はまったくあらたまっていません。

アップル社は「税逃れ」で2%以下の税率だった

また、今年になってアップル社がアメリカ議会で問題になっています。アップル社はタックスヘイブンを利用した悪質な「税逃れ」のモデルとして上院小委員会が今年5月にヒアリングをしています。その中で、アメリカの法人税率は35%であるのに、アップル社は、実質2%以下の税率だったことなど、驚くべき事実が明らかになりました。

アップル社の本社はカリフォルニア州にありますが、アイルランドに3つの子会社を持っています。アメリカとアイルランドでは課税に対する考え方が異なっており、アメリカでは会社の設立地がどこにあるかによって課税しますが、アイルランドでは会社をコントロールする拠点がどこにあるかによって課税しています。この課税原則の違いを巧妙に利用してアイルランドからもアメリカからも課税されないという「税逃れ」を行っていました。また、利益の6割を占める海外での販売による利益はすべてアイルランド子会社に集中し、その利益はロイヤリティ支払いによってオランダを通り抜け、タックスヘイブンであるバミューダに流していました。この「税逃れ」の構造を「ダッチサンドウィッチ」というのですが、オランダは単に経由するだけという意味です。こうしてスターバックスやアップルなど有名な企業の「税逃れ」のあまりにもひどい実態が明らかになり、タックスヘイブンがクローズアップされるようになってきたわけです。

5年間納税ゼロの巨大企業

問題は、これが単にスターバックスやアップルだけに限らないということです。アメリカを例にとれば、タックスヘイブンを使っていない多国籍企業はほとんどないというほど、どっぷりその中に浸かっています。

アメリカの消費者団体(pirg)が2013年7月に発表した調査(「Offshore Shell Game」)によると、米巨大企業トップ100社のうち82社が、タックスヘイブンに2,686社の子会社を持っています。そして、トップ15社だけで859の子会社を持っていて、全体の3分の1を占めています。そのトップはバンク・オブ・アメリカで、タックスヘイブンに316社の子会社、2位のモルガンスタンレーは299社、3位の製薬会社のファイザーは174の子会社を持っています。これらすべては5年間納税ゼロという状況です。

トップ100社がタックスヘイブンに保有しているお金は、1.2兆ドルに達しています。これもトップ3をあげると、ジェネラルエレクトリックが約1,080億ドルでトップ。アップルは2位で826億ドル。ファイザーは金額の面でも730億ドルで3位に入っています。つまり、巨大企業は、巨額のお金をタックスヘイブンに隠しているのです。(後略)



(私のコメント)

日本やアメリカの巨大企業は、それぞれの国で巨額な売り上げと利益を稼ぎながら、その利益はタックスヘイブンにある子会社にプールされて、日本やアメリカの会社は赤字にして法人税を納めていない。巨大企業は政府から様々な補助金を得ていながら、利益はみんなタックスヘイブンに移している。

個人も同じであり、日本やアメリカで生活してそのインフラを享受していながら所得をタックスヘイブンに移して税金を納めていない。このような事が出来るのは富裕層の人たちだけであり、世界各地のタックスヘイブンに財産をプールしておけば、相続税もかからずお金持ちの子供はお金持ちであり、貧乏人は働き続けて消費税で苦しめられる。

日本が経常黒字国なのは、海外から巨額な配当収入が入って来るからであり、ヘッジファンドを通じてタックスヘイブンで運用されてそこから配当金が入ってくる。これらは日本国内で上げた利益ではないから税金はかからない。タックスヘイブンのファンドがニューヨーク株式で利益を上げてその配当金が日本に送られてくる。

日本が慢性的な経常黒字国なのは、日本こそ金融立国なのであり企業も富裕層も配当金で税金のかからない所得を得ている。日本の財務省などはそれを見て見ぬふりをして財政再建として消費税増税をしようとしていますが、巨大企業や富裕層の所得に適正な課税をすべきなのだ。課税がされていないから格差がますます拡大して行く。

井上氏の記事にもあるように、スターバックスやアップルなどもほとんどアメリカ政府に税金を納めていない。海外の子会社に利益を移して国内は赤字にしてしまうのだ。最近では長者番付が発表されなくなりましたが、これも富裕層の保護のためであり、巨額な所得がありながら税金を納めていない人に対する保護なのだろう。

アマゾンなども日本で巨額な利益を上げていても日本には税金を納めていない。それに対して日本の流通企業は日本に税金を納めている。外資系企業の多くも日本に税金を納めていないから不公平なのですが、財務省はそれも見て見ぬふりだ。だから消費税だと言う論理なのでしょうが、外資系だろうと日本で上げた利益は日本に税金で納めるべきだ。

個人にしても、日本に住んでいれば入った所得に対しては日本で税金を納めるべきであり、日本に税金を納めたくなければ海外で生活すればいい。けっこよく財政赤字のしわ寄せは、多国籍化も出来ず海外に住む事も出来ない一般庶民に消費税として税金がかけられてしまう。

日本やアメリカなどの経済大国が財政赤字になるのは、企業や富裕層が日本に税金を納めないからであり、政治はそれを見て見ぬふりをしている。税制が多国籍化に対応が出来ていないためであり、G7などでタックスヘイブンの問題が話し合われて、企業や富裕層の課税逃れを封じるべきなのだ。そうすれば財政赤字の問題は解消する。

日本で「パナマ文書」がほとんど報道されないのは、電通が「パナマ文書」に出ているためであり、電通からテレビ局に圧力が掛けられているのだろう。しかしテレビ局はこのような事には言論弾圧だとは抗議はしない。テレビ局も企業や富裕層の味方であり、だから消費税にも賛成するのだ。




パナマ文書で名前を連ねている日本企業や上流階級の日本人は、
はっきりいって、払うべき税金を払っていなかったことになります。


2016年4月8日 金曜日

パナマ文書とは?日本人&日本企業リストの影響と報道しない理由 4月7日 歩叶コラム

いま世界中が一番注目しているニュースをご存知でしょうか?

それは『パナマ文書』です。

なぜか日本では割りとあっさりとしか取り扱わない『パナマ文書』なのですが、これはシャレにならない世界規模の大スキャンダルなのです。

『パナマ文書』を一言で言うと、各国の政府や富裕層たちが租税・脱税というこんな激ヤバのニュースなのですが、これを大したニュースではないというスタンスで報道する日本のメディアたち・・・。そこには意外な理由が隠されていたのです。

さて、これからその理由とパナマ文書がいかにヤバイものなのか、そして、パナマ文書から明らかになった日本人や日本企業リストが我々日本人に及ぼすであろう影響について、わかりやすく説明していきたいと思います。(中略)

話の肝はここからです。

今回、流出したパナマ文書というのは、そのペーパーカンパニーを設立したり管理している法律事務所の顧客情報なので、これを見れば、誰がタックス・ヘイブンに偽りの会社を作り、税金逃れをしていたかが一目瞭然なのです!

こうしてタックス・ヘイブンに資産をうまくプールすることによって、マネーロンダリング(資金洗浄)も可能になります。 マネーロンダリングという言葉は映画でもよく出てきますよね。

(例:銀行強盗のお金をそのまま使用すると足がつくので、使えるお金に変えるなど)

言い換えるなら、世界中の怪しいお金を集めることで、それをうまく利用しているということです。

要するにパナマ文書は、それらの証拠を握るチョーヤバイ内部機密文書なのです。

パナマ文書で流出した中には日本企業や個人(日本人)の名前も記載されていました。

要するに、税金の支払いを逃れ、資産隠しを行っていた日本企業や日本人が居たということになります!

とりあえず、まだまだ出てくるのは確実と言われている中で、パナマ文書に関わっている日本企業や日本人の名前は以下の通り。

飯田亮(セコム取締役)
戸田寿一(セコム元取締役)
内藤一彦(東宣取締役会長)
内藤俊彦(東宣取締役社長)
電通
バンダイナムコ
シャープ
サンライズ
大日本印刷
大和証券
ドリームインキュベータ
ドワンゴ
ファストリ
ジャフコ
ソニー
ファーストリテイリング(ユニクロ)
やずや
みずほFG
三井住友FG
JAL
石油資源開発
丸紅
三菱商事
商船三井
日本製紙
双日
オリックス
三共
日本郵船
大宗建設
ドリテック
ジー・モード
トキワ(化粧品)
千代田リース
アーツ証券
山一ファイナンス
シャープ
三共
東レ
パイオニア
ホンダ
KAORI INTERNATIONAL
KAWAGUCHI TECHNOLOGY
楽天ストラテジー
ソフトバンクグループ
SBI
セコム
有名ゲーム会社役員
元自民党議員
有名大学教授

アグネス・チャン

実はこのペーパーカンパニーを使った脱税の話は、2013年にも一度、問題視されたことがありました。

その時も巨額の租税回避を指摘されていたのですが、企業が脱法的に節税してるというという感じだったので、世間ではあまり大きなニュースにはならなかったんですね。

しかしこの時、ケイマン諸島だけで日本は世界2位の55兆円もの租税回避を行っており、2012年度の日本の税収45兆円を遥かに凌いでいました。

1兆=10,000億

日本の企業がケイマン諸島で租税回避してた額だけでこの55倍ですよ?

これだけの税金を日本企業が懐に入れてたってんだから笑えません。

ではなぜ、ようやくこのパナマ文書が問題になっているのかというと!

前回は、企業が行っている脱法的な節税ということで、いまいち実態が分からなかったが故に問題視されなかったのですが、今回のパナマ文書では、個人レベルでの租税回避が暴露されてしまっているからなのです!

つまり、各国の財政界のトップや富裕層が、個人レベルで脱法的な節税を行っていたことが発覚してしまったということ。

その結果、今回、アイスランドの首相は辞任にまで追い込まれ、世界中のタックス・ヘイブンを利用していた富裕層は、今、非常に立場の悪い状況に追いやられているのです。

世界中で!

(首相退任を求めたアイスランドでのデモ)

日本では消費税が増税され、社会保障問題や国民の生活が絞られている中、パナマ文書で名前を連ねている日本企業や上流階級と言われる個人(日本人)は、はっきりいって、払うべき税金を払っていなかったことになります。

2013年の時点で、ケイマン諸島だけで55兆円というのはマジでシャレにならない額なのです!

今回のパナマ文書の規模で考えると、日本から数百兆円が海外に流れ、日本の大企業や個人が払うべきはずだった税金がそのままスルーされてしまっていたのです!

例えば、東京オリンピックの新国立競技場なんか端金で建てられるし、保育園や介護施設などのあらゆる社会問題、消費税問題なども解消されていたことでしょう。 それがすべて、タックス・ヘイブンにより租税回避されていたのです。

もちろん、日本だけの問題ではありません。世界規模のスキャンダルと言わしめるほどの名前がパナマ文書によって明らかになりました。 その一部を紹介しましょう。

ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)
習近平(中国国家主席)
李鵬(中国元首相)
デービッド・キャメロン(イギリス首相)
サルマーン・ビン・アブドゥル・アジズ(サウジアラビア国王)
アサド(シリア首相)
グンロイグソン(アイスランド首相)
ナジブ・ラザク(マレーシア首相)
ジャッキー・チェン(香港・映画俳優)
リオネル・メッシ(アルゼンチン・サッカー選手)
ミシェル・プラティニ(欧州サッカー連盟元会長)


これらの特定された名前の中には、巧妙に親族の名前や友人を使ってペーパーカンパニーを設立している者もいるのですが、ほぼクロだと認識して構わないでしょう。

これだけ世界的な大スキャンダルのパナマ文書ですが、意外と日本でニュースなどで報道されていないのですが、そこには何か理由があるのでしょうか?

2016年4月6日の記者会見で菅義偉官房長官は次のように答えています。

『文書の詳細は承知していない。日本企業への影響も含め、軽はずみなコメントは控えたい』

パニックを避けるために『大した影響がない』とする政府としての対応はわかるのですが、民放などの報道番組でこれを『海外での事件』のようにしか取り扱わないのはどうしてなのでしょうか?

これには重大な理由があります。

それは、パナマ文書には誰もが知っている大企業の名前が連ねていることからもわかるように、これらの企業の多くはテレビ番組のスポンサーとなっています。

つまり、パナマ文書に名を連ねている大企業が報道番組のスポンサーになっている限り、企業が不利になるような情報がニュースとして詳しく報道されることがないという見方もできるのです


しかし、まったく放送しないわけにもいかないので、あくまでも『海外での問題』ということでメディア・コントロールしているのです。 そして、乙武洋匡氏の不倫問題や芸能人のスキャンダルなどを過剰報道して、経済的な影響を回避するために、国民の目を欺いているように思えるのです。

これは知れば知るほど凄いニュースなのですが、報道されないとこのまま真実は闇の中に葬り去られてしまうでしょう。

日本国民全体が一年間に支払っている税金を遥かに上回る額のお金が、そのまま大企業や上流階級の人のところへそのまま入ってしまっているのです。

ひょっとすると、不景気もなく、死なずに済んだ人も居たかもしれません。

各先進国では『パナマ文書』について調査する意向を表明し、アイスランドに至っては大統領が辞任する事態に発展しています。

しかし、日本では特に問題視しない姿勢をとり、政府は調査しないとの意向。中国においては『パナマ文書』というキーワードでネット検索ができないほどの報道規制・・・。

今世紀最大のスキャンダルが起きていることも知らずに、今日もYahoo!のニュース欄にはどうでもいいニュースが並んでいます。

どこまで平和ボケなんだ日本よ!

5月にはパナマ文書の顧客リストが解明されるということなので、その時には凄いことが世界で起きるかもしれません。 この問題に注目することこそが、今、一番大切なことなのではないでしょうか?(後略)


(私のコメント)

タックスヘイブンの事については、「株式日記」でも以前に書いたことがありますが、日本企業の多くや大金持ちの多くはタックスヘイブンを利用して日本に税金を払わずにタックスヘイブンに隠していると言われていました。まさにタックスヘイブンを利用しなければバカだと言われていますが、日本の国税庁はタックスヘイブンに手も足も出ません。

私だって大金持ちになれば利益をタックスヘイブンに隠して利用した事でしょう。今回の「パナマ文書」はタックスヘイブンと言われるパナマでの法律事務所の情報が漏れ出たものであり、膨大な金額になりますが、それでもパナマに関してだけであり、ケイマン諸島などのタックスヘイブンには膨大なマネーが隠されている。

世界各国が税収不足に悩まされる事になったのは、このようなタックスヘイブンの存在があるからですが、企業や大金持ちにとっては租税逃れの手段であり、貧しい庶民はそのような事が出来ず、日本政府は消費税を増税して取り立てようとしています。企業や大金持ちは消費税に賛成するのはタックスヘイブンで税金を納めずに済むからです。

国家や政府は弱いところから税金を取って、企業や大金持ちには優遇してきました。タックスヘイブンを見逃してきたのもその一例であり、大金持ちなどはスイス銀行にお金を預けて隠し持ってきました。所得税や法人税で取られる税金もタックスヘイブンに隠してしまえば税務署は手も足も出せないようです。

仕方がないので財務省などは、消費税を作って貧しい庶民からも税金を取り立てる事にしました。「パナマ文書」からは日本企業や日本の大金持ちの名前も出ていますが、アグネス・チャンなども所得をタックスヘイブンに隠しているようです。有名大学教授や元国会議員の名前も出ていますが、竹中平蔵や小泉純一郎などでしょうか?

日本の円がまた宇宙ロケットのように暴騰していますが、タックスヘイブンに隠された資金が「パナマ文書」で暴露される前に日本に戻っているのでしょうか? 日本政府がいくら課税を厳しく取っても税収不足になるのは、企業や大金持ちが課税逃れをしてタックスヘイブンに隠してしまうからですが、テレビなどでは「パナマ文書」の事をほとんど報道していません。

日本政府も調査しないと言っていますが、日本の国会議員もばれればアイスランドの首相のように辞任せざるを得ないでしょう。日本では国会議員のガソリン代がどうのこうのと騒いでいますが、議員の裏金やリベートなどはタックスヘイブンに隠されている。

このようなタックスヘイブンを利用した租税逃れは違法ではないという事ですが、規制する法律を国家や政府は作ろうとはしません。自分たちが利用しているからであり、貧しい庶民から税金を取り立てて自分達の懐に入れているのです。だからいくら政府が景気対策をしても起業や大金持ち達は国内で使わずにタックスヘイブンに持ち出してしまう。

「パナマ文書」のリストには世界の政治家や大金持ちの名前が挙がっていますが、違法ではないにしても取り締まる法律が無いだけで脱法行為を行ってる。タックスヘイブンはマネーのブラックホールであり、庶民に回るべきお金が企業やお金持ちに吸い上げられてブラックホールに行ってしまう。




日本企業による海外M&Aで買収後ただちに買収目的を実現
できているケースは件数にして全体の10%程度ではないだろうか。


2016年4月7日 木曜日

日本企業はなぜ海外M&Aに失敗するのか 4月6日 PHPオンライン 杉山仁

成功率はせいぜい30%程度

 この2、3年、円安傾向にもかかわらず、日本企業による大型海外M&A(合併と買収)が続いている。2015年通年の日本企業による海外M&A金額は11兆円を上回り、前年の9割超の増加ペースで急拡大している。日本企業が成長性の高いマーケットでのシェアを上げるとすれば、海外M&Aは手っ取り早い方法であろう。
 しかし、海外M&Aは買収合意を発表したときは大々的に報じられ、マスコミも囃し立てるが、買収を完了したあとで、当初の買収目的を実現できている案件はきわめて少ないのが実情である。
 筆者はメガバンク勤務時より転出後の現在に至るまで海外M&Aの仕事に携わっているが、筆者の見たところ、日本企業による海外M&Aで買収後ただちに買収目的を実現できているケースは件数にして全体の10%程度ではないだろうか。買収後数年の努力のあと、ようやく買収目的の実現に至るのが全体の20%程度であり、これらを含めても成功率はせいぜい30%程度と思われる。
 日本の大企業が、大型海外買収を誇らしげに発表したあと、ほんの2、3年で大失敗に終わり、巨額の損失を被っている例は枚挙に暇がない。またM&Aの失敗を隠し続け、減損損失を先送りしているケースも、東芝に限らないであろう。
 日本企業による海外M&A失敗の原因を考察するため、公表された失敗事例を見てみよう。
 第一三共によるインドの製薬会社ランバクシー・ラボラトリーズの買収では、デューディリジェンス(買収対象企業の実態を買収前に精査すること)で発見したリスクに対し適切な対応がなされなかった、と報じられている。買収完了前の段階でランバクシーの工場で生産した医薬品が、米国当局により米国への輸出を禁止されていたにもかかわらず、対応策が講じられず、かつ買収契約書に当該問題についての売り手責任が明記されていなかったという。
 この結果、第一三共は買収後6年間で買収金額約5000億円の大宗を占める4500億円の損失を被り、最終的には所有するランバクシー株の全株を売却し、撤退する事態を招いた。買収完了を急ぐあまりにデューディリジェンスによる発見事項に対し、買収契約書で補償義務を明確にしておく等の対応を取らなかったことが致命傷の1つになったと思われる。
 住設機器メーカーLIXILが2014年1月に買収したドイツ現地法人Joyou AGは中国で衛生陶器等の製造・販売を行なっていたが、買収後わずか1年5カ月で同社は破産手続を開始すると発表した。これに伴うLIXILの損失額は660億円と報じられている。Joyou AGは買収される前から周到な粉飾を行なっており、LIXILはデューディリジェンスで粉飾を発見できなかったとされる。
 2013年7月、総合商社の丸紅はアメリカ第3位の穀物商社、ガビロンを2700億円で買収、丸紅の穀物部門と統合し、アメリカにおける穀物ビジネスを急拡大させる計画であった。
 ところがガビロン買収による丸紅とのシナジーは計画どおり実現せず、買収後わずか1年8カ月後の2015年3月期決算において、ガビロン買収時の「のれん代(買収額と正味資産の差額)」1000億円のうち、500億円の減損計上を余儀なくされている。買収金額を大きくするため、買収後の利益見通しを楽観的に計上しすぎたためと推察される。

 2月25日、シャープは台湾のOEMメーカー、鴻海への売却を取締役会で決議した。
 鴻海は創業者1代で築き上げた世界最大のOEMメーカーではあるが、世界に通用する独自技術と自社ブランドはもっていない。
 また中国大陸に工場が集中しているため、最近の中国経済減速の影響を受けているとも伝えられているし、1代で築いたワンマン経営ゆえ、中長期的安定性も不明である。
 鴻海はシャープの液晶技術と世界に通用するブランドを獲得したかったのであろう。
 株主が海外企業となる場合、M&A案件として注意しなければならないのは、株主企業の中長期的経営安定性と買収時コミットメントの確行である。シャープ取締役会による鴻海への売却決定はおそらく主力銀行の意向を反映したものと思われるが、鴻海の中長期的経営安定性と買収時コミットメントの確行については懸念が残ると思う。

相互信頼か相互不信か

 日本企業のM&A失敗の原因はいろいろ考えられるが、筆者の海外M&A経験に基づく考察によれば日本固有の社会と文化に一因があると思う。
 ここで強調しておきたいのは、筆者は日本固有の社会と文化を海外と比べて是非や優劣を論じるつもりはまったくなく、客観的事実として彼我の違いを認識し、これを日本企業によるM&Aに役立てようとする姿勢である。
 筆者の論点は、最近はやりのグローバリズムに基づく日本ダメ論、日本変われ論ではなく、それぞれの民族が地政学上の環境において過去数千年に亘って培ってきた文明と、それに基づく行動の違いを認識することにより、日本企業の海外M&Aの成功率を高めようとするアプローチである。
 日本企業の場合、M&Aや資本提携の対外交渉にあたり、相互信頼、共存共栄、長期関係の三原則を基本とすると考えられるが、外国企業は必ずしもそうではない。
 筆者の経験では、外国企業はM&Aや資本提携の交渉時に、いかにしたら自社の利益を極大化できるか、相手の弱みは何か、相手企業に対してどのようにしたら優位に立てるか、という姿勢で交渉に臨む。支配・被支配関係を前提とした相互不信と警戒感が先立つのである。
 こういう相手と交渉をする場合、日本人特有の相互信頼の精神だけでは思わぬ落とし穴に落ちかねない。M&Aの最初のプロセスであるトップ会談で、売り手の外国人社長に惚れ込んでしまう日本人社長がいるが、自分が惚れ込んでも、相手が自分のことを信頼して好きになってくれるとは限らない。当たり前のことだが、自分の会社を高く売りたいため、あるいは有利な提携条件を結びたいため、愛想よくしているケースがほとんどであろう。
 日本では昔から「至誠天に通ず」という言葉があり、こちらが誠意を見せれば相手も必ず誠意をもって応じるという相互信頼の精神があるが、これはおそらく外国人と接したことのなかった日本人の言葉であろう。
 何千年、何万年ものあいだ、土地を求めて異民族同士の殺戮を繰り返してきた一神教のユーラシア大陸の民族(およびその派生であるアメリカ)にとって、相互信頼の精神は育たないのである。
 メソポタミアの粘土板の歴史書にも、ある日砂漠の彼方から砂煙を上げて異民族の大軍が押し寄せ、メソポタミアの都市国家を破壊し尽くし、住民を皆殺しにした史実が記録されている。13世紀のモンゴルによる中近東と欧州への進攻もその一例である。
 異民族を見たら敵だ、という発想なのであり、その考え方は21世紀の企業行動においてもユーラシアの人びとのDNAに植え付けられ、基本的には変わっていないことを認識すべきである。(後略)



(私のコメント)

昨日は、東電やシャープや東芝などの名門企業の経営者の無能さについて書きましたが、上手く行っている企業でもM&Aなどの超大型投資に失敗して巨額な損失を出している。新規事業を立ち上げるにはサラリーマン経営者では無理であり、創業者としての才能がなければ成功しない。

だからサラリーマン社長は、M&Aで新規拡大や海外進出を目指すようになる。しかし自社を売却をしたいと考える会社は、経営が上手く行かなくて会社を売りに出すのであり、粉飾決算などを繰り返してにっちもさっちもいかない状況の会社か、あるいはライバルとの競争に敗れて倒産必至の会社が売りに出される。

ただ単に資金繰りが厳しいから売りに出されるのではなく、慢性的な経営不振で将来的な見込みがないから売りに出されるのであり、M&Aを仕掛ける方は、よほど相手の会社の実態をよく知っている会社か、かなり綿密に調べて隠されたマイナス要因を調べ上げる必要がある。

シャープのような会社は、経営失敗の原因は明らかであり、技術力はあるのだからリストラをきちんとやって切るところを切れば立ち直る可能性がある。日本人社長ではそれが出来ないからホンハイに売却が決まったのだろう。ホンハイの社長がどのようなリストラをするか見ものですが、このように外部から新経営者を入れないと本当のリストラは難しいのだろう。

日産自動車もルノーに買収されてゴーン社長がリストラをしましたが、日本人のサラリーマン社長では大胆なリストラが出来ない。社長と言っても大株主の創業社長とサラリーマン社長では実権が異なるから同じだとは言えない。企業の多角化は発展している時はいいが、不況が長引いて不振事業から撤退する事が難しい。

日本の家電メーカーは、総合家電と言われるようにダボハゼのように多角化していたが、作れば売れる時代ならいいが、業界トップと言えるような分野が無いと生き残りは難しい。しかし選択と集中を間違えればシャープのような失敗をする事になる。かといって何もしなければじり貧になるから、豊富な内部留保で海外の企業のM&Aに手を出したりする。

その結果が、杉山氏の記事にもあるようなM&A成功率が10%と言う内容だ。時間はかかったが何とか成功と言う事例を含めても成功率が30%であるのは驚きだ。第一三共はインドの製薬会社を5000億円で買収して失敗して全株を売却をして撤退した。買収前の調査が不十分でアメリカに製品が輸出できないと言った致命的な欠陥があった。

NTTドコモにしてもアメリカのATTの2兆円の増資に応じたが、結局は失敗して1兆円の損失を出してしまった。最近では大手商社による買収などの失敗で数千億円もの損失を出した例がありますが、業界の事を知らないか見通しの甘さで判断を誤る。

杉山氏の見解では、日本固有の文化に原因があると言うが、こちらが誠意をもって接すれば相手も誠意をもって応ずると考えるからだろう。日本国内ならそれでもいいが、日本の外国とでは考え方も文化も異なる。日本人は中国人や韓国人に何度でも騙されますが、相手の口約束は騙すための手段であり、それを信じて契約書にサインをすればそれで一巻の終わりだ。

日本人同士のように相互信頼でなあなあで契約を結ぶのは自殺行為であり、電話帳のように分厚い契約書を作って契約するのが欧米流のやり方だ。中国や韓国だと契約で決めてもそれが守られなくて、マイカーローンなどの売買契約が成り立たない所もある。マイカーローンで車を買った途端に買い手はどっかに消えてしまう。

外国では借金は踏み倒すのが常識であり、貸した方が悪いと考える。杉山氏は、「何千年、何万年ものあいだ、土地を求めて異民族同士の殺戮を繰り返してきた一神教のユーラシア大陸の民族(およびその派生であるアメリカ)にとって、相互信頼の精神は育たないのである。」と言うのは文化の違いであり、中国や中東のような大陸国家は暗黒大陸であり、負ければ殺されたり奴隷にされるのが当たり前だった。

日本でキリスト教が広まらないのは、異教徒は死んでも構わないと言った一神教の考えが理解できないためであり、戦国時代では日本人はキリスト教徒によって奴隷として海外に売りさばかれた。これは秀吉のキリシタン禁教令にも書かれている事であり事実なのだ。これは学校の歴史教育でも教えないしテレビドラマでもその事実には決して触れない。

だから日本人は、外国人は人間の形をした獣として考えるべきであり、外国人は逆に日本人を戦争犯罪人として攻め立てて洗脳している。後あとの事を考えれば日本的な相互信頼で行った方が得なのでしょうが、大殺戮が当たり前だった歴史文化を持つ国では、騙して勝つのが当たり前であり、倒産する会社を高値で買う日本人経営者がバカなのだ。




原発に関する安全管理が結局のところできていなかった東京
電力も、東芝も、かつては経団連会長を出した「名門」だった


2016年4月6日 水曜日

日本企業は劣化したのではなく、もともといい加減だった 4月6日 山崎元

 立派だったはずの日本の事業会社が
 急激に「劣化」している

?筆者は、過去も現在も大まかには金融業界の人間なので、1990年代から2000年代前半にかけて、山一證券や日本長期信用銀行が破綻したり、全国の大きな駅前ごとに支店があるような大銀行が、いわゆる不良債権を抱えるだけでなく、それを隠し、しかも、十分に隠し切れもせず、ついには公的資金の注入を受けるに至った「情けなさ」を身近に見てきた。

?しかし、「お金」ばかりを追っている金融業は浮わついた「虚業」だとしても、「ものづくり」を中核とする日本の事業会社は、それなりに「しっかりしている」とされていた。例えば、経済団体(もはやなくてもいい存在だと思うが)のトップは、金融業種から選ばれることはほとんどなく、事業会社のトップが就任して、格の高い勲章をもらうのが常だった。

?しかし、原発に関する安全管理が結局のところできていなかった東京電力も、かつて経団連のトップを出していた企業だ。また、大規模な決算の誤魔化しに「チャレンジ」してそれが露見し評判が地に落ち、生き残りのためにのたうち回っているように見える東芝も、かつては経団連会長を出した「名門」だった(いまだに強制捜査の対象にならないのは「名門」だからなのだろう)。なお、東芝に関しては、先般の東芝メディカルの独禁法逃れとしか言いようのない売却過程も仕事の進め方が「粗末」だった。売るなら、必要な手続きに間に合うタイミングで物事を進める必要があったし、そもそも、東芝メディカルは売るべき対象だったのだろうか。

?電機大手では、三洋電機はその名が消えた。シャープは時間切れギリギリに偶発債務の問題を突かれて鴻海精密工業に買い叩かれた。かつて「技術のソニー」と呼ばれたソニーにも旧日の輝きはない。

?他方、名門メーカーよりも財界的な序列は一枚落ちるが商社もひどい。

?財閥系の大手商社、三菱商事と三井物産は、それぞれ今期決算に対して大幅な黒字予想だったものを、3月に入ってから一転して赤字に(三菱商事は連結純利益3000億円の黒字予想を、1500億円の赤字に一回で修正した)。資源関連の投資の減損処理が主な原因だが、投資のリスク管理が十分できていたのか、また、上場企業として情報の出し方が適切だったのか(資源価格の下落は去年の段階で十分わかっている)、その「仕事ぶり」に疑問なしとしない。

?小うるさい繰り言のようで恐縮だが、どうも「立派だ」とされていた日本企業のあちこちで、急激な「劣化」が起こっているように思えてならない。

?最近、筆者が個人的に接する範囲でも、満足に挨拶ができない大手広告代理店マンや、上場銘柄のコード番号も知らない大手証券マンなどと会って、彼ら一人ひとりがというよりも、企業全体の劣化が心配になることがある。職場に緊張感が欠けているのではないか。

MRJも大型客船も遅延
三菱重工よ、お前もか

?さて、日本企業の劣化をいよいよ心配させる話が、最近、また起こった。

?今度は、三菱グループの真の中核企業ともいうべき三菱重工だ。同社をグループの中核と呼ぶことには、銀行も商事も反対はするまい。

?同社では、国産初のジェット旅客機であるMRJが試験飛行に成功した明るいニュースがあったが、このMRJも初号機の納入が当初予定よりも1年程度遅れそうな見込みだ。

?そして、同社の祖業である造船事業で、同社が受注・製造した大型客船2隻の製造が順調に進まず、1800億円の特別損失を計上した。受け渡しが遅延した上に、結局受注額の2倍近いコストが掛かったようだ。

?同社については、大型客船事業の存廃に関して特別委員会を設けて検討するのと共に、株式や不動産を2000億円程度売却して、損失の財務的な穴埋めをする意向が報じられている。

?もちろん、製造業においては、大型の機器の製造や新製品開発のプロジェクトが予定よりも遅延することがあってもおかしくはないが、兵器も作っているあの三菱重工が、製造現場を十分コントロールできていない様子を見ると、防衛マニアでなくても心配になる。

?企業以外の分野を見るとしても、エンブレムに加えて、競技場の設計で揉めて、果たして工期が間に合うかどうかが心配される新国立競技場の問題を抱える2020年の東京オリンピックを巡るあれこれも、著作権、納期、コスト等、各種のリスク管理に異常を来している感じがする。重要な場面で、「仕事」が、普通に期待される水準を満たしていないという意味で、東京オリンピック関連のドタバタも同類の問題だと思える。

?企業に話を限るとしても、広範な日本企業の「劣化」は、なぜこんなに目に付くようになったのだろうか。(後略)



(私のコメント)

最近のニュースでは企業の不祥事が目につくようになりましたが、経営者の人材の質的な劣化が激しいようだ。決断を下すのにやたらと時間がかかるようになり、現場の情報がトップに伝わらず、トップは現場の事が分からないから決断を下してもその判断が誤っていたりする。

要するに企業や組織の風通しが悪くなり、トップが間違った事をしてもそれを止める社員がいない。企業の多角化や大規模化で経営トップの目が届かなくなり、大胆な経営方針が打ち出せない。日本の家電産業は規模が大きくなりすぎて、環境の変化に付いて行く事が困難になって来たのだろう。

大企業ほど環境の変化に付いて行くことが難しいのは、巨大な恐竜が気候変動に付いて行けなくて滅んだのと同じであり、小さな哺乳類は気候の寒冷化などに適応して生き延びた。優良大企業は社員もサラリーマン化して行って、画期的な新製品が出来なくなり短期的な利益を追求するようになり、コストカットで利益を上げようとした。

年功序列型の人事体系では中高年社員が増えれば人件費がかさむようになり、若年社員にしわ寄せが行って、新規採用の停止や正規社員から派遣社員に切り替えて行ってコストカットを行った。つまり現場に近いところほど派遣社員が多くなり正社員が少なくなり、工場などでは事故が多発するようになった。

三菱重工の客船の現場ではタバコなどの火災事故が多発して工事が遅延した。客船自体も昔とは違って動くディズニーランドのような豪華客船に変化したからそれに適応が出来ていない。若年労働者の質的な低下もシワ寄せによる影響や非正規化などが勤労意欲の低下につながっているのだろうか?

山崎元氏は、「やる気の低下」を問題にしていますが、一流企業でも新入社員の3割が3年以内に辞めて行く。私の銀行などの担当者も退職などによって1年ほどで交代するようになった。家電量販店でも商品知識の無い店員が多くなり、これではネット通販に負けるわけだ。

若い人が大企業を希望するのは待遇が良いからですが、銀行などは待遇は良くても仕事がきつくて辞めて行く。成果主義は中堅以上の幹部社員に適用されるものですが、日本では現場の末端社員に成果主義が行われている。いわゆるノルマ経営だ。しかしこれでは若い人が辞めて行く。

成果主義では経営者側はリストラでいくらでも利益が出せるが、末端の現場社員では社員同士の足の引っ張り合いや、「やる気の低下」で辞めて行く人が多くなる。報酬分だけ働けばいいと言った風潮が現場で起きて、成果主義の負の側面が現れる。

経営者の成果主義では、東芝がいい例ですが不正会計で利益を出して、成果主義で報酬は増加する。そのしわ寄せは現場にもたらされて1万人規模のリストラが行われる。不思議でならないのは何故シャープや東芝の社員たちは自分の首をかけて経営者の暴走を止められなかったのだろうか? 日本人から既に武士道の伝統が失われてしまったのだろう。




8%から5%へ消費税減税が実現できれば、間違いなく日経
平均は20000円越えでしょうし、日本は大復活となるでしょう。


2016年4月5日 火曜日

悲しいアップルパイ 4月5日 S氏の相場観

世界的に日本株だけが売られている状態で、何とも嫌な感じです。

個人消費は落ち込む一方であり、内需が85%を占める日本においてこれは大ダメージであり、企業業績が悪化するのは当然と言えば当然です。

こんな状況では外資も逃げたくもなるでしょうし、日経平均の下落も当然と言えば当然であります。

結局、政府はこの消費低迷の原因を無視し、カンフル剤として商品券を用意する様ですが、正に薬のカンフル剤と一緒で、その場は良くなったように感じても、結局は副作用で苦しむだけです。

商品券は需要の先食いでしかありませんし、既に効果がない事が実証されており「いまここで!?」というのが正直な感想です。

もし、本当に効果的に商品券を発行するならば、来年も、再来年もやりますし、個人消費が低迷し続ける限り発行し続けます!と、力強く発言する必要があるでしょう。

今だけの商品券で消費を拡大させようと思っても、無理ですし、これほどの無駄はないと思うところです。

何度も繰り返しますが、消費を低迷させた主犯は「消費税増税」以外の何物でもありません。

昨日は馴染みの店で450円のアップルパイを買ったのですが「昨日のだから1割引きにしますね」と、ちょっと嬉しい言葉。

ワクワクしながら会計をすると。450円?45円=405円 405円×1.08%=437円。

「・・・」

せっかく店主が身を切ったサービスをしてくれているのに、なんだかさっぱり得した気分がしませんでした。

こんな会計をする度に痛税関を味わい、知らず知らずの内に財布のひもをきつくしているのが、今の日本の病巣でありましょう。

この病気に対する薬は日銀の麻薬的政策である金融緩和では副作用ばかりで効果は期待できません。

特効薬は「消費税減税」ですが、政治に詳しい人物の話によりますと、安倍首相はこれを理解しており、消費税を5%に戻し、更に軽減税率で食品などを3%にしたいのだと・・・。

しかし、官僚がこれを許すはずもなく、日々戦いが繰り広げられているとか。

確かに軽減税率を何%にするとか、明確には話をしておりませんし、消費税増税も確実に行うとは言っておりません。

もし、この消費税減税が実現できれば、間違いなく日経平均は20000円越えでしょうし、日本は大復活となるでしょう。

これが選挙前に打ち出せれば良いのですけどね。

外交努力は歴代首相で最高でしょうし、安保の考え方も悪くないと思いますので、これで消費税減税まで出せたならば、本当に歴史に残る首相となるかも知れません。

ただ、官僚は最高の頭脳を持った利己的な利権集団であり、勝利するのは難しいでしょう。

今まで何人もの政治家が闇に葬られておりますし、安倍首相はそうならなければ良いのですけどね。

とにかく、これまでの政策は日銀頼みの悲惨なものでありましたが、結局日銀にはどうにもできない!と批判して行く事も出来る様な状況になっているのですから、大胆な事も出来る可能性はあります。

まあ、本当のところは分かりませんが、安倍首相は本当はこうしたいのだという事を前提に、これからは政治を見てみたいなと思っているところでありました。



(私のコメント)

株が売り叩かれて16000円を割りましたが、外人売りだそうです。日本の証券会社は有って無きが如くになり、駅前から証券会社が一軒も無くなってしまった。いったいバブル崩壊前の証券会社は何をしていたのでしょうか。証券会社の自己売買部門は株式投信をつまみ食いしていただけで、株式のトレーディング技術は無きに等しかった。

だから日本の証券会社は、大手から中小に至るまでバブル崩壊で全滅状態になり、外人投資家の現物と先物を組み合わせた売り浴びせに対抗が出来なかった。ならば空売りファンドで儲ければと思うのですが、それもなかなか一筋縄ではいかない。アメリカの投資銀行もリーマンショックで全滅状態となりましたが、日本の組合年金資金などを食い尽くしてしまった。

私なども株式投資必勝法を見つけようと多額のカネをかけて研究しましたが、結局はインサイダーしか株では儲からないと諦めた。パソコンの株式分析もネットなどの情報も何の役にも立たない事が分かった。株式投資は長期的な戦略を立てて、世界情勢を見ながらの投資戦略が必要だ。

最近の日本株式の暴落は、外人投資家のシナリオ相場であり、株の大暴落を演出して日本の株を売らせて下値を外人が拾う。そして安倍内閣による消費税増税延期か8%から5%に引き下げを選挙公約としたダブル選挙を行って、株価も20000円を超える暴騰で選挙に大勝利すると言うシナリオだ。

たんなり消費税増税延期だけでは折込まれているので、株価が大暴騰する事は無いだろう。問題は財務省がそれを認めるかどうかですが安倍総理の政治手腕にかかっている。選挙で勝利するには消費税増税の切迫感がなければ延期を公約としてもアピールしませんが、自民党が勝ては増税延期となるシナリオでないと勝利は難しい。

政治家にしてみれば選挙の勝つことが第一であり財政再建は二の次だ。その為には株の暴落で経済状況が極端に悪い事を演出する必要性がある。だからGPIFも買うのを止めて株が下がりきるのを待っている。そして自民党は増税是か非かを選挙で問う事を理由に衆院解散に踏み切る。そのシナリオからすれば今が買い時なのだろう。(株は自己責任でお願いします)

株で儲けるには、誰もが売っている時に買わなければ儲けることが出来ない。経済状況がそんなに悪いわけではないのに株だけが下げていると言うのはいつかは戻りがある。16000円割れは買い場であり売り場ではない。選挙のある年に株価が安くなる事は少ない。政治家も選挙資金を株で稼がねばならないが、今の政治家はチキン(臆病者)が多くて株に手を出さない。

せいぜいガソリン代をごまかして地球何周分ものガソリンを買った事にしているのが関の山だ。それよりも政治家も合法的に株で儲けた方が良いと思うにですが、そんな先を読める政治家はいない。増田俊男氏の株価予想もよく外れますが、外人投資家の仕掛けだそうです。


株価中暴落 4月1日 増田俊男

「ここ一番!」や「インターネット・セミナー」などで本日の株価について緊急報告をしました。
本誌は特に金融相場に特化していませんが、本日のような「異常相場」になると一言申し上げることにしています。


ニューヨーク等海外市場に比べ日本の株価が「異常」に低く、売られ続けているのは人工的な理由です。
すなわち日本の株式市場の約7割のシェアを持つ「外人」の「価格操作」によるものです。
私は今まで16,500円台がニッケイの一番底と言ってきましたが、今や16,200円を割り込んできました。

外人も日本の投資家がここまで素直に投げ売ってくるとは思っていなかったでしょう。


参院選で与党を勝利に導くため4月から、特に日銀の量的緩和で代表される公的資金が日経平均18,000円目標で買ってくるので外人たちは「出来るだけ安く仕込んで、参院選前に売り逃げよう」としているのです。
今は狼狽売りではなく、狡猾な外人に従って、果敢に買い捲ることです。
本日の「ここ一番!」でも、後々「底で買った」とことがわかると嬉しいものですよと書きました。

以上、取り急ぎ





アメリカのアジアシフトは中国の崩壊に備えてたが、特に中国が持つ
1000発近い核兵器のある四川省の成都軍区を押さえたいと思っている


2016年4月4日 月曜日

2016年 世界の真実  長谷川慶太郎(著)

(カスタマーレビュー)

自分的に以下ポイントをピックアップしてみる
イスラム過激派組織へのゲリラを抑え込むには、正規軍でなく、警察、交番が有効である。根拠:満州国警察の反日・抗日ゲリラ5年で23万人→2千人
アメリカのアジアシフトは中国の崩壊に備えてたが、特に中国が持つ1000発近い核兵器の部隊の集中点である四川省の成都軍区を押さえたいと思っている
石油価格下落はシュールガスや新興国の経済成長鈍化もあるが、最大の要因は、サウジアラビアのロシアOPEC取り込み戦略にある
・農産物、特に穀物は、4、5年のうちに工場で作るようになる。キーはLED。
・2016年の大統領は、オバマケア失敗(結局、民間の保険を買う必要ありとなっている)の民主党ヒラリーには不利で、共和党が競争の中でもまれれば共和党となる
ADBの問題は査定のため決済が遅いことで、AIIB中国はそこに付け込んだ。しかし”銀行業務のいろは”を知らない大規模な新銀行東京であるAIIBは融資先よりカネが返らず潰れる 【自分的には、そもそもAIIBというバスは出発もできないような気もしますが・・・】
 日本の参加を欲している理由は、債券の格付けを上げたいため。
住宅ローンの実態として、日本でさえ三大メガバンクの3分の1が不良化している。中国では、住宅ローンを担うシャドーバンク3万社のうち、NHK番組では1万だが、実際は2万が倒産している。そして、残り1万のうち3千だけ普通の銀行として残し、7千社は潰れる。よって、3万社が3千社になる。被害者数は、NHK放送では1千万人だが、実際は5千万人いる。
クロダノミクスは失敗する。インフレ率2%達成は戦争の有無によるが、戦争は起こらないのでインフレにはならない。
・アベノミクスは昭和の初めに世界で最初に大恐慌から抜け出した大蔵大臣・高橋是清が行った経済政策の焼き直し
 第一に、円高から円安への切り替え。当時は、金本位制の放棄だった。【現在は日銀の量的緩和】
 第二に、自由貿易体制へのチェンジ 【現在はTPPへの参加】
 第三に、公共事業
 障害となる制度への抜本的なメスがポイントとなるが、当時は軍事費45%に手は付けれなかった。現在の障害は農地法である。
 【自分的には、日本の土地にも株式会社が入って来るという意味を、投資下手の日本人の代表として心配している】
集団的安全保障、シーレーンを守るという意味合いは、中国の西太平洋への進出を防ぎ、アメリカ-日本、オーストラリア-日本の穀物輸送ルートを守ること
・安倍総理のトップセールは有用。対し、外務省は無能(例:北朝鮮の拉致問題への対応へのやる気のなさ)。
・自立した機械工業を持たない韓国の企業は、お釈迦様(日本)の手の上で踊っている孫悟空
・北朝鮮が崩壊(金正恩が亡命)したとき、すぐに必要な備蓄米・燃料は日本しか持っていない
中国・習近平には、自分が粛清されないためにも粛清していくしか選択の余地がない
・ロシア経済は破綻ないし崩壊の寸前である。外貨準備が減少しているが、ルーブル危機を経験した一般国民が外貨を買っているためである。外貨を蓄えて使わないため、国内消費は減少している。
日本と中東は、メタンハイドレードが開発されたときに縁が切れる
・インドには中国とは違うアドバンテージがある。
 一人っ子政策をしていないので、現在は同じ13億人くらいだが、人口で中国を抜く 
 インドのエリートたちが欧米式の教育を受けている 
 完全な法治国家 
 数学的頭脳の発達した民族 
 医療データのコンピュータ化が世界一 → 新薬の臨床実験がやりやすい 
 コンピュータソフト開発ビジネスの発達 
デフレの時代(戦争のない時代)で生き残るには、技術革新によって付加価値の高い新製品、新商品を作り続けること
・大規模なインフラの整備はデフレ時代にしかできない
・近代化の経済発展のためのアジア諸国の最大の障害は農地改革である。その上で公正な競争を担保する法治国家体制も必要。


(私のコメント)

最近はブックオフで中古本を買う事が多くなりましたが、新刊書一冊の金額で4冊ぐらいの本が買える。中古本だからと言っても去年発刊されたばかりの本もあり、長谷川慶太郎氏の「2016年世界の真実」と言う本も260円で買えた。

長谷川慶太郎氏は新刊書店でも多くの本が出されており、毎月のように新刊書が出されている。それだけ情報収集量が多いからでしょうが、予測や分析が当たるかどうかはともかくとして情報取集量が多い。だからそれを元に読者が分析をすればいいのであって、時間が経てば情報そのものの正確性も明らかにできる。

ソ連の崩壊も長谷川氏は6年前の1985年に「情報化社会の本当の読み方」と言う本で、ソ連の共産党体制は解体消滅すると予測していた。長谷川氏は、中国共産党はソ連の解体に学んで「改革開放路線」に踏み切りましたが、中ソ対立がけがの功名になった。ソ連が解体する前に中国はアメリカと手を組んで「改革開放路線」に切り替えた。

しかし所詮は共産党一党独裁体制に変わりが無く、経済が順調な時はいいが、いったん成長がストップすれば中国国民の不満が爆発する。習近平の独裁化はその危機感の現れであり、東アジアの冷戦は中国共産党の崩壊と共に終わるだろう。しかし日本やアメリカにその用意があるだろうか?

アメリカのCIAはソ連の崩壊すら予測が出来なかった。ソ連の崩壊は長谷川氏のみならず小室氏やフランスのトッド氏も予測していましたが、中国共産党の崩壊は誰もが予測していても時期までは予測が出来ない。しかし経済成長がストップすれば国民の不満が一気に爆発して崩壊するだろう。北朝鮮を崩壊させるよりも中国の崩壊の方が早いかもしれない。

アメリカのアジアシフトは、中国包囲網と言うよりも中国崩壊に備えたものであり、中国の核兵器が中東のゲリラに渡ったりすることを警戒しなければならない。ソ連崩壊の時はソ連軍が核の管理をしていたから出来ましたが、中国が崩壊した時は中国人民解放軍も解体してしまって核兵器が何処に行くか分からない。

アメリカは中国の核関連施設が何処にあるかを徹底的に調べていますが、四川省の大地震の時に国際救助隊が入って行って調べたそうだ。だから中国が崩壊してしまった時は、沖縄からオスプレイが飛んで行って核兵器を確保しなければならない。数千キロも飛んで行って飛行場の無い所に海兵隊員を下すにはオスプレイしかない。

沖縄の基地以外にも空母や強襲揚陸艦などがありますが、常時中国近海にいられないから緊急の場合は沖縄の基地しかない。以前に胡錦濤主席は中国軍のステルス機の試験飛行の事を知らなかったように首席が軍を管理していない事が分かっている。ソ連崩壊の時はソ連軍は中立を保っていたが、中国の場合は軍自体が分裂して国家も分裂するだろう。

問題はアメリカの大統領が誰がなるかですが、トランプ大統領で中国崩壊に対処できるのだろうか? トランプ氏は不動産王だから中国ビジネスとは関係が無いから逆に思い切ったことが出来るかもしれない。カネを持っているからチャイナマネーも必要が無いだろう。




今マンションを所有している人達のどれだけが、解体費用負担を考
えていることだろう。解体費用も上乗せして積み立ててゆくのが義務


2016年4月3日 日曜日

10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる  3月31日 

今の空き家問題は一戸建て中心だ。だが近い将来、深刻化が予想されるのが分譲
マンションだ。総務省の統計を基にした国交省の集計では、分譲マンションの空
き家率は古いほど高く、1970年以前に完成した物件は11%だ。築40年以上の戸数
は20年後に現在の6倍近くに増えるとみられる。区分所有者の高齢化も進み、
スラム化する「限界マンション」の大量出現が予想される。

 マンション建て替えのハードルは高い。区分所有者の5分の4の賛成が必要だ。
 容積率に余裕があり従前より多くの住戸を設けられ、その売却益が見込めなけれ
 ば開発業者の協力は得にくい。行政が支援する再開発での建て替えも限界がある。
 建て替えも敷地売却もできず、建物が倒壊の恐れなど危険な状態になった場合、
 現在の一戸建ての空き家と同様、最終的に誰がそれを解体するのかという問題が
 生じる。責任を負うべきは、やはり所有者だ。だが、そうした責任を自覚している
 区分所有者はほとんどいない。
所有者が手掛けなければ、行政が取り壊す必要が
 生じる。行政による取り壊しはフランスのスラム化したマンションで実施例がある。
 ただし公費による解体は危険な状態になったものに限られるだろう。費用を最終
 的に所有者が負担する仕組みが必要になる。
                日本経済新聞 2016年3月29日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★考えてみれば当たり前だが、多くの人が認知していない話。

 半世紀も経ったマンションは老朽化して崩壊の恐れが出る事は理解できよう。
 昔と異なってコスト削減で鉄筋をケチりコンクリートの凝固にしっかりと時間を
 掛けなかったためだ。

 崩壊の危険は他者にも及ぶので、解体しなければいけない。
 それより前に、人もいないし廃墟だから汚らしいし、得体のしれないものが入り
 込んでいて景観も環境も悪い。


 解体して危険を取り除くのは急務だが、その金を出すのは第一に持ち主だ。
 緊急の危険性があるのなら、地方公共団体がお金を出して解体するのがと地方
 自治としてあたりまえだが、その場合でも請求書は区分所有者に回すのが筋だ。

 今はこの仕組みが無いが、お金の無い地方自治体としては法制化して、無駄な
 出費を防ごうとする。

 要は、マンションを所有したら、売らない限り、解体費用まで支払う義務がある。
 一戸建ての所有と同じだ。


 しかし、今マンションを所有している人達のどれだけが、解体費用負担を考えて
 いることだろう。

 本来なら、修繕積立金に加えて解体費用も上乗せして積み立ててゆくのが義務。

 これを忘れているから、今後、廃マンションが大量に出るときに、請求書を誰に
 持って行けばよいのかの大混乱が発生する。大抵は親などからの相続で分割所有
 している子孫が何処に移住したのか分らなくなるから。


 津波に合った被災地の再開発が遅々として進んでいないが、同じ事が同じ理由で
 日本の津々浦々のマンションで起きるだろう。


(私のコメント)

老朽化したマンションの問題は、一戸建ての空き家問題と同じように、これからますます大きな問題となって行くだろう。木造の一戸建てなら所有者も一人で解体費用の請求先も分かる場合が多い。しかしマンションだと区分所有であり、区分所有物件で相続などがあるとさらに所有権が分散されて行く。

鉄筋コンクリートのマンションが解体されるのは、躯体は大丈夫でも設備の老朽化で住めなくなる事から空き家だらけのマンションになってしまう。あるいは市場価値の無い郊外のマンションなどは使えても空室だらけになれば解体しなければならない。リゾートマンションなどは只同然で売りに出されていますが、解体費用を考えればマイナスの資産になる。

都心部の超一等地のマンションなら、解体して建て直す事も出来ますが、容積率の見直しなどで高層化する事で建て直す事も可能だ。しかし鉄筋コンクリートのビルは、大修繕工事を定期的に行う事で100年くらいは使い続けることが出来る。しかし亀裂や鉄筋の断裂など粗悪工事のマンションだと解体した方が良いだろう。

だから鉄筋コンクリートのマンションは、大修繕をしやすい設計のマンションにすべきであり、外壁や内装を一新する事で新築同様のマンションにリフォームする事が可能だ。一番傷みやすいのは上下水道であり、配管やポンプなどを全交換する事が必要になる。30年くらいで解体されるマンションは配管が壁や床の中に埋設されて交換が出来ないマンションだからだ。

最近は内装材や外装材などの進歩が著しく、大修繕をする事で耐久性や断熱性や遮音性など進歩している。壁や窓ガラスの断熱性や遮音性なども飛躍的に進歩して窓サッシごと交換する事でビルの外観もかなりモダンにできる。空調機なども節電や冷暖房の効率性能が上がっており、住み心地にも影響してくる。

特にキッチン周りや浴室などの設備関係の進歩が著しく、そこだけリフォームするだけでも室内の雰囲気は一気に変わる。私が経営するビルやアパートも二十数年が経って設備のあちこちが老朽化して交換してきましたが、建物を長期間使えるかどうかはメンテナンス次第であり、立地が良くて基本設計が良くて躯体がしっかりしていれば鉄筋にしても木造にしても50年から100年は持つだろう。

神戸大震災や東日本大震災では、ビルやマンションなど大きな被害が出た建物と、全く平気な建物が隣同士であったりしましたが、耐震基準も違えば建てた業者によっても出来具合が違ってくる。神戸大震災でも被害が出たビルを建てた業者などの情報公開がなされなかった。三井住友のマンションの傾き問題で業者の名前が出ましたが、結局はデーターをごまかされられたら分からない。

最近ではビルの解体用の重機も進歩してきて、音や振動も少なくてコンクリートを解体できるようになった。10階建てのビルでもあっと言う間に解体される。問題は建物の権利関係と費用の問題であり、分譲マンションは特に難しい。だから立地が良くて大修繕が出来れば利用者はいるから使い続けた方が良いのだろう。リゾートマンションなどは解体も出来ずに幽霊屋敷化して行く。




中国は、例の第13次五カ年計画で、平均6.5%以上の成長を
維持すると宣言している。「摩天楼」を作り続けると言っているのだ。


2016年4月2日 土曜日

「呪い」には根拠がある 世界の摩天楼6割占める 3月31日 勝又壽良

いささか、おぞましいタイトルになった。私は、この「摩天楼の呪い」について2014年のブログ(9月23日)以来、複数回とり上げてきた。中国の不動産バブルとの関連で分析してきたものだ。最近では、英紙『フィナンシャル・タイムズ』が報道するなど世界的に注目されるテーマになった。

この「摩天楼の呪い」とは、1999年にドイツ銀行の分析家アンドリュー・ローレンス氏が提起した概念である。摩天楼とは高さ150メートル、階数では50階以上の超高層ビルを指す。巨額な費用のかかる超高層ビルプロジェクトは、主に資金調達が容易な金融緩和時期に工事が始まる。だが、完工するころには景気が下降に向かって不況を迎えるという内容である。

この説には、景気循環論的な分析視角が感じ取れる。景気循環は、最短で4年周期の在庫循環がある。在庫循環であれば短い不況期間であるから「呪い」というほどのリスクにはならない。だが、20年周期の建設循環(クズネッツ・サイクル)では、平均して上昇期8年強、下降9年弱になる。仮に、建設循環のボトム時の金融緩和期にプロジェクトが始まり設計図を引いたりして工事に入る。竣工期が建設循環のピークであれば、後の9年弱は入居者の募集で極めて困難な事態に遭遇する。こうなると、「呪い」と言いたくなるに違いない。以上が、この問題についての予備知識だ。

「呪い」には根拠がある
『フィナンシャル・タイムズ』(2月24日付)は、「中国不動産市場、摩天楼の呪いにかかる恐れ」と題して、次のように報じた。

@「経済学者はかねて『摩天楼の呪い』と呼ばれる学説について議論してきた。世界最高の高層ビル建設と、ほぼ同時期の金融危機との間には不思議な相関関係があるとする説だ。今日、世界経済で最も重要でかつ最大のリスク要因は、中国の不動産市場だと指摘するアナリストがいる。2011〜12年の2年間で、中国が生産したセメントの量は、米国の20世紀全体の生産量を上回ると聞けば納得できるだろう」。

上海で世界第2の高さを誇る高層ビル「上海中心大厦(上海タワー)」が3月15日に完工したという。高さ632メートル、128階建てである。この「上海タワー」の竣工にケチを付けるようで申し訳ないが、世間では「摩天楼の呪い」に関心を寄せている。折しも、中国経済はぐらついている。「上海タワー」と結びつけたくなるのは致し方あるまい。

中国は、2011〜12年の2年間で、国内で生産したセメント量が、米国の20世紀全体の生産量を上回るという大規模な建設投資を行っている。この「異常な」建設投資が今後も続くと期待する方が間違っている。常識的には、今後の建設投資が下降に向かうと見るのが順当であろう。中国は、例の第13次五カ年計画で、今後ともインフラ投資を続けて、平均6.5%以上の成長を維持すると宣言している。「摩天楼」を作り続けると言っているのだ。逆説的には、皮肉にも「摩天楼の呪い」を受けることになろう。

A「近年の中国の建設ブームは、地方の役人が過熱させてきた。土地の販売額のかなりの部分が彼らの懐に入るからだ。中国経済は投資への依存率が異常に高い。国内総生産(GDP)の半分近くが投資支出だ。15年には中国経済が減速し、国内上位70都市の平均住宅価格が下落したというのに、不動産投資は1%増加した。中国の成長率は低下し、世界の商品価格が下落している中で、中国の不動産部門はいまだ本気で調整に着手すらしていないということだ。不動産投資は遠からず確実に減少に転じる。そうなれば、中国の金融システムにも重大な影響が及ぶ」。

私のブログへ、実に貴重なコメント(3月12日)が寄せられた。それを紹介したい。

「先週(注:3月第1週)、仕事で甘粛省に行ってきました。日本人は知らないような田舎町ですが、2箇所行った両方に空港があります。その間の距離は電車で2時間弱。両方とも1日に3〜4便しか飛んでいません。明らかに赤字空港ですね。そして、相変わらずマンションの建設が進んでいました。出来上がった所は、地元の人曰く『誰も買わない』でした。それでも建設は進んでいるのです。商業施設も半分以上は潰れ、残った店舗も開店休業の様なところが多いです。こういうのを見ていると、世界第2の経済大国は『ジキルとハイド』の様なものですね。本来の中国は、これらの地方都市の姿なのだと思います。高層ビルやポルシェなどは虚構でしかないのです。それが世界経済を揺さぶるのですから、困ったものですが・・・」(遣唐使)。

このコメントを読ませていただくと、中国がGDPを押し上げるべく、無駄を承知で建設投資を続けている様子が手に取るように分かる。ケインズは、不況対策で「ただ穴を掘って埋めても需要になる」と喝破した。中国は、実際に鉄とセメントで無駄な建物をつくっている。呆れたことをしているのだ。経済成長率を維持したい。メンツがここまで徹底すると、もはや狂気の沙汰と言うべきだろう。

B「中国の複数の都市の役人の話を聞く限り、彼らが考える解決策とは、新しい地区で開発を始め、『質の高い』不動産開発業者に格安で土地を提供するというやり方だ。土地の購入費が安ければ、その物件は格安で販売できる。これにより新たな資金の流れが生じ、土地からの収入が復活し、GDPが増大すると地方の役人はまだ思っている。しかしこうした発想が今もまかり通っているとすれば、3年前のスカイシティの起工式の時点(その後は工事を中断)で中国には、『摩天楼の呪い』が訪れていたのかもしれない」。(後略)



(私のコメント)

社会の変革は、一から順番に手順を踏んで行かないと中途の省略はとんでもない災害をもたらすだろう。歴史を見ても古代、中世、近世、近代と変化してきている。しかしこのような変化は日本とヨーロッパにしか見られない。中国などは古代国家のままであり、中途を飛ばして近代には成り得ない。

同じようにアメリカには中世が無く封建時代が無かった。だからアメリカには王様がいない。ヨーロッパにあったような宗教戦争も無かったから古代のキリスト教がそのまま生きている。キリスト教原理主義などが受け入れられる。つまり旧約聖書に書かれた事が真実なのだと信ずる宗教なのだ。

中国は古代国家のままであり、習近平は共産党王朝の王様だ。日本人と中国人は見た目が似ているが歴史も文化も異なり、政治体制も全く異なる。経済においても中国人はカネが全てであり、日本人の「清く貧しく美しく」と言った考え方は中国人には理解できない。その点では中国人とアメリカ人は良く似ている。

中国人は近代国家であるためには、超高層ビルを建てて高速道路を作って地下鉄や新幹線網を作る事らしい。超高層ビルの6割が中国で建てられているそうですが狂気の沙汰でしかない。カネが世界中から集まって来たから中国政府は超高層ビルを建てまくっている。

それは地方政府にまで及んでいますが、世界中から投資資金を呼び込んでインフラを整備している。インフラと言えば日本人は水道や電気などを連想しますが、中国の電気はよく停電して慢性的な電力不足で、上下水道はとても飲めたものではなく下水処理はしないで垂れ流しだ。水道や電気は目立たないから投資されないのだろう。

道路や橋は目に見えるものだから最優先で作られていますが、それらが中国のGDPとしてカウントされて行く。こんごも6,5%の経済成長計画が立てられていますが、それらは現代の万里の長城であり、何の役にも立たないまま朽ち果てて行く可能性が高い。

もちろん1億人の富裕層は、外車に乗って高速道路を走り超高層マンションに住んで近代的な生活をしていますが、その他の十数億人の中国人は車や超高層マンションとは無縁の生活であり、貧しい農民が維持費だけでも月に10万円もかかる超高層マンションに住むことは不可能だ。

超高層ビルはとんでもない金食い虫であり、建ててしまえば終わりと言うものではない。そこで生活するには水や電気が必要だが、高層階に行くにはエレベーターが必要だし、水道水を高層階にまで送るには強力なポンプがいる。それだけでも設備にカネがかかるし、停電になれば生活が出来なくなる。

日本でも高度成長期には農家から大都市への生活シフトが起きましたが、超高層マンションも建てられる事は無く、高速道路も新幹線も徐々に作られて行って需要が先行して供給は後から付いて行った。中国は共産党独裁国家で土地は公有だからマンションも道路も一気に作ることが出来る。

農業も機械化が一気に進めば農民も少ない人数で出来るから、農家から工場への職業の転換が進み、貧しい農業国から世界の工場へと変貌を遂げた。これらの変化は僅か10年ほどで起きた事であり、日本は世界第二位の経済大国から三位へと転落して中国が世界第二位の経済大国になった。

しかしこれらの動きは自律的なものではなく、トランプ候補が言うようにアメリカからの投資がそれらを可能にさせた。確かに一部の富裕層は近代的な生活を謳歌しているが、多くの農民は農民工として出稼ぎで低賃金で働かされて豊かになれない。最近は賃金が上がって来たがそれがコスト高となって外資も撤退が相次ぐようになり、経済にも影が差し始めた。

中国と言えば「鬼城」と呼ばれるゴーストタウンがありますが、戸数にして1億戸と言われています。それでも地方ではニュータウン建設が止まないのは政府の6,5%の経済成長の掛け声があるからだ。しかしニュータウンに建てられる高層マンションは金食い虫であり、売れなければ業者は倒産して地方政府などが買い取るのでしょうが、地方政府は不良債権のたまり場となりいつかは爆発する。

今までは銀行や地方政府の不良債権が問題になっても、中国政府が買い取ってもみ消していましたが、金額が1000兆円にもなれば政府もお手上げだろう。超高層ビルやマンションは買い手がつかない、借り手がいないだけでも不良債権となりますが、「鬼城」のまま放置していても維持費がとてもかかり、10年も放置していたら解体するしかなくなるだろう。まさに超高層ビルやマンションは自爆装置であり中国ごと吹き飛ばすだろう。




もし誰かが「日本はギリシャみたいになる」と言ったならば、「どうしたら
そうなるの」と聞き返すのみです。日本は自国通貨を持っているのです。


2016年4月1日 金曜日

ポール・クルーグマン 『私が東京で言ったこと』 3月27日 niconicoffee

(クルーグマン教授) 4点を申し上げたく存じます。第1は、「我々はいま、経済的な弱さの蔓延した世界 the world of pervasive economic weakness の中にいる」ということです。多くの面で、我々はみな日本になってしまったのです we are all Japan now 。これが、日本も含め、みんなにとって政策を難しいものにしています。

第2は、「主要経済大国 major economies どうしの結びつきが強まっている」ということです。従来の経済学上の議論が提起してきた以上にということです。私がそう主張しますのは、主として資本移動 capital flows という面からであります。これについてお話しするのは非常に大事なことです。

第3は、今ここで特に懸案となっていることかとも思いますが、「非常に大胆かつ非伝統的な金融政策 monetary policy を通じてさえ、目標を達成することが難しく思われるようになった」ということです。黒田さん Kuroda-san もここにおられるのですから、我々がこれについて話さねばならないのは明らかであります。

第4がなにかと申しますと、「金融政策は財政政策 fiscal policies の助けを必要とし、できればその他の諸政策の助けも必要とする。しかし、間違いなく財政面で必要とするのであり、反対方向へと動いている財政政策と格闘する必要はまったくない」ということです。この点は、ただ日本だけの問題ということではなくて、いまや、きわめて全世界的な問題なのであります。

では、これら4点について敷衍させていただき、そして、そこから何が言えるのかということを、二つ三つ、お話しさせていただきたいと思います。

日本以外の主要経済大国が「日本化 Japanification 」しているとも称される、この〔経済の〕弱さというのは、――このような単語が使われているのは不幸なことではありますが、いまはとりあえず有用なものとしまして――きわめて重大であります。

ユーロ圏はいま大いに、1998年、1999年ごろの日本のように見えているのであります。経済の基礎条件 fundamentals 〔経済指標〕が似ているのです。労働年齢の人口は縮小しつつあります。投資のけん引役となる技術革新 Technological drivers of investment は、強力であるようには思われません。ただひたすら、弱さがずっと続いているように思われるのです。

欧州中央銀行は、非常に賢明な人物によって運営され、非常な効力を持っているのではありますけれども、インフレ目標を達成することができずにいます。

欧州経済が改善されたようにみえる時期がくることもあるのですが、その状況というのはまさに…。成長というのが…。ますます「長期的停滞 the secular stagnation 」という概念そのものに見えるようになってきているのです。マネーがジャブジャブなのに弱さが続いているのですから persistent weakness despite very easy money 。

アメリカ合衆国はマシに思われますし、ずっとうまくやってきました。とはいっても、それもいろいろな比較の中に置いて見なくてはなりません。雇用の増加は良好でしたが、生産量の伸びは大したものではありません。

我々〔米国〕へも弱さが入り込みつつあるのだという、いろいろな兆候があるのです。インフレは依然として目標値以下ですし、賃金も大して伸びはしてません。ということは、我々〔米国〕も絶好調とはとても言えないのです。その理由はすぐあとで説明いたします。よその国の問題によって我々の足が引っ張られるであろうと考えられる、一つの理由があるのです。

そして、さまざまな新興市場は、大いに問題を抱えています。とりわけ最大の新興市場がそうなのです。つまりあなた方のお隣の国です。中国は暴発寸前であると言われ…。何年にも渡って、調整が大きな問題となるであろうこと、非常に高い投資の…経済を支え続けることはできないであろうということが、周知のことでありました。彼らは、いまだこれに対処する方策を見いだしてはいません。中国の政策はそうとうに危なっかしいもの erratic に思われます。いま起きつつあることと併せて考えると、それはよい兆候ではないのです。

主要経済大国どうしの相互依存 interdependence は、私の意見では、極めて広範なものです。通常は、私やその他〔の経済学者〕の見解というのは、「相互依存性は限定的なものである。なぜなら、こんにちでさえ、国際的な取引の流量というのはそれほど大きくないからだ」というものです。今日でさえ、主要経済大国のそれぞれは、GDPのほんの数%を他国へと輸出しているにすぎないのです。ですが、投資家たちの認識 perception が「弱さがこれからも続きそうだ」という方へ傾くならば、そこからの影響はずっと大きなものとなるのです。

もしも、ユーロ圏の諸問題が、いまだけのものではなく、非常に長期間にわたるものになりそうだと考えられるようになったならば、ユーロ圏の金利はきわめて低くなります。長期債さえもです。いま現在、ドイツの十年国債の利率は約0.2%です。

これが何を意味するのかというと、どの国であれ、その経済が比較的に〔他国よりは〕強いとみなされたならば、その国は大量の資本の流入の受け手となりがちなのであり、それによって通貨は押し上げられるということです。そして通貨高は、その国の競争力を弱くして、〔経済の弱さという〕問題を分かち合うことになってしまうのです。

ドルが猛烈に上昇したのはご存知のことと思います。さほど好ましからざる経済状況にある国でさえ、自国が他国からの資本の流入の受け手となっていることや、財政拡大〔景気拡大?〕の努力 efforts to expand や、…掘り崩されていることを目の当たりにしているかもしれないのです。

ですから、我々の知るとおり、黒田氏があらゆる手を尽くされているにもかかわらず、日本円が上昇したことは――それは日本の視点からは非常に不幸な現象なのですけれども――、他の主要経済大国の弱さによって引き起こされたことなのです。

中国には特別な問題があります。大きな困難を抱えているのです。中国は〔世界経済の〕強さの源泉であるとみなされてきた一方で、つい最近までは――私が正しければ――通貨を安く抑える操作をしていると非難されてきました。ところがそれとは反対に、いまや中国は巨額の資本流出に直面しており、通貨を支えるために介入しています。2015年の資本逃避は約1兆ドルにも上ったと我々は推測しています。

中国は莫大な準備金を保有してはいますが、莫大と無限大は違います。どういう意味かというと、人民元の下落ということが現実味のある見通しとなり、そうなれば我々みんなの生活に困難が降り掛かってくるということです。このように、相互依存性のすべてがここにあるのです。

金融政策というのが、ほとんどの国で、「不本意ながら唯一の可能な手段 the only game in town 」となってしまっています。財政政策は政治のせいで麻痺してしまっているから、というのが彼らの口癖です。

ここ日本では、さほどそういうことはないのですが、それでもやはり、「3本の矢〔金融政策、財政政策、成長戦略〕」のうち圧倒的に最大のものは、これまでのところは金融政策でした。黒田氏はこの重責の大部分を遂行なさいました。

我々が目の当たりにしつつあるのは、金融政策の限界です。

非伝統的な手法を試みるとき、我々はそれを議論することができますが…。効果はだんだんと小さくなり、困難なものとなることを、我々は知りつつあるのです。

マイナス金利についてですが、これが可能であると判明したのは注目すべきことです。私はまさしく、これは正しい動きであったと考えますが、しかし、これをさらに推し進めてゆくことは非常に難しいのです。マイナス金利の影響は限定的なものであることが明らかになりつつあるからです。

他の国にも目を向けてみましょう。ヨーロッパにも非常に有能で本質的なバンカー〔マリオ・ドラギ〕がいるのですが、にもかからずECB〔欧州中央銀行〕は牽引力を失いつつあるように思われます。ここ日本でも、私よりもみなさんがご存知の通り、インフレ期待は後退しつつあるように思われます。賃金上昇も、あるべき数値より低いのです。

我々は、世界的な弱さへの対処の試みとなるべき、最大のテコ principal lever たる政策が、我々が希望していたほどの効力を持っていなかったことを目の当たりにしつつあるのです。それどころか、ひょっとしたら、このところ発揮しているように見えた効果さえも実は持っていないのかもしれないということを目の当たりにしているのです。

では財政政策についてです。

過去7年間に我々が目にしたことのすべてが、財政政策は有効であり続けたことを示しています。それも、こうした状況のなかではとりわけ有効なのです。これを採用するのは非常に難しいことであります。数年間は不良債権を抱えることになり、政治的な対立があり、ヨーロッパは国ごとに分断されており、アメリカは政党間の分断があり…。それでも、財政政策は有効であり、目下の世界的な状況こそはまさに、諸国の経済が本当に、本当に財政の支援を必要としているときなのです。

財政による支援よりも、長期的な予算問題を優先すべし、という考えは、今は極めて見当違いなものと私には思われます。私が申し上げておりますのは、言うまでもなく、消費税のことであります。

これら全てのことがらから、2つのことを言うことができます。

〔その一つ目は、〕私が構造改革 structural reform について何も申し上げなかったことにお気づきかと存じます。私が構造改革に反対であるからというわけではありません。そうではないのですが、需要を押し上げる boosting demand という最重要課題 critical issue からはだいぶ的を外れたものと考えられるからなのです。

ある種の構造改革は民間投資に拍車をかけることもあるかもしれません。それはよいのですが、多くの場合はそこに重点があるわけではないのです。

また他の種類のいろいろな改革、つまりアベノミクスですが、将来の労働力を拡大することは、経済が直面している人口動態的な逆風を相殺する助けにはなります。

ですから、そうしたことの全ては良いことなのですが、私がたいへんに心配しているのは、構造改革の話は、ときに、第一に差し迫った問題に対処しないための口実になることがあるということです。第一に差し迫った問題とは、十分な需要、デフレや低インフレとの戦い、不十分なインフレとの戦いといった、金融政策にかかわるものなのです。

しかし、私が申し上げましたように、それ〔金融政策〕には限界があるのですから、財政政策の面で、この差し迫った必要に、いままでよりももっと焦点を当てる必要があるのです。

そして最後の一点となりますが、これは非常に大事な点です。なにかと申しますと、この状況下では「リスクが非対称である the risks are asymmetric 」ということを理解するのがきわめて重要である、と論じさせていただきたいのです。

私が悲観的すぎるだけであって、いろんなことがうまくいって、需要はもっと強くなり、自然に回復する、ということだってありえなくはありません。〔しかしその反対に、〕私が描写したよりもさらに事態が悪化するということだってありえなくはないのです。中国が爆発的な崩壊をするとか、ただ単純に需要が私のかなり陰気な予測よりもさらに弱くなる、とかいったふうにです。

この2つの状況〔良い方か悪い方か〕では、運命 consequenses はまったく異なるものとなってしまいます。もし世界経済が成長を始めてインフレ率が上昇したならば、我々は何をすべきかわかっています。黒田氏も、イエレン氏も、ドラギ氏も、それに対処する手段を持っていることでしょう。なんら問題はありません。〔しかしその反対に、〕もし世界がもっと弱いことが明らかになったならば、我々は深刻なトラブルに陥っていることになります。というのも、そのとき我々は有効な手段を持っていないからです。

これが何を意味するかというと、もし間違うならば、財政拡大的すぎた more expansionary という方へ間違うことが非常に大事だということです。

私の古くからの同僚であるラリー・サマーズがよくしていた議論があるのですが、それを私も述べさせていただきたいのです。〔つまり、〕何が起きるだろうかと予測することだけが大事なのではなくて、どう予測するにせよ、予測が間違っていたら何が起きてしまうのか、ということが大事なのです。かりに事態が悪い方へ転んだ場合にも、それに対処する余地があるということが、非常に、非常に重要なことなのです。

ですから、いまは財政拡大をすべきときなのです this is the time for expantion 。できるかぎり協調的 coordinated であるべきです。G7が近づいていることは存じ上げています。理想は、みんなが強調的な財政拡大政策 fiscal expansion について合意することですが、実際にはそれは日本とカナダということになるかもしれません。それ以外の誰かに今の時点で実行の用意があるかどうか、私にはわかりません。ですが、議論 the language 〔声明?〕をその方向へ押し進めるよう試みることはできるはずです。

日本こそまさに集中しつづける必要があります。アベノミクスの最初からの諸目標が今でも最重要 primal なのです。デフレのサイクルから脱出することが「最重要目標 Goal Number 1」なのです。他の全てはそれを待たねばなりません。

それでは以上をもって、討論へと供したく存じます I will throw it open 。ありがとうございます。(中略)

(クルーグマン教授) 
まさしくその通りです very much so 。債務があろうとも今こそ支出をという主張は、たいへん強力なものです。これは複数の理由から真なのであります。

第1に、財政による刺激策は、デフレ脱却の金融政策への一助として非常に重要です。金融一本でやるのは難しいということを、我々は目の当たりにしてきたのです。

第2に、金利が非常に低い。低いどころか、日本における実質金利は、非常に長期の債券にいたるまでマイナスです。引き受けられるべき支出があるのです。ある企業 a buisiness が、非常に低い借入コストと、実物への投資 real investment の機会に直面したならば、「これはまさに支出の好機である」と考えることでしょう。これは日本〔という国〕にだって当てはまるのです。

第3に私が指摘したいのは、債務についての懸念という点です。私はこれをただ無視しようというのではありませんが、我々が日本のみならず他の先進国からも学んだことがあります。それは、安定した先進国が自国通貨で借入をしたならば、財政危機に至るまでは非常に長い道のりがある、ということです。

人々は2000年ごろから、日本国債が下落するほうへの賭け〔日本国債の空売りなど〕をしてきました。その人たちはみな、ひどい損失を被りました。市場〔国債市場〕の頑健性 robustness は非常に強いのです。そういう〔日本国債暴落という〕シナリオを描くのさえ難しいのです It is even hard to tell a story 。

もし誰かが「日本はギリシャみたいになる」と言ったならば、「どうしたらそうなるの」と聞き返すのみです tell me how that happens 。日本は自国通貨を持っているのです。起こりうる最悪のことといえば、円が下落 depreciate するかもしれないというですが、それは日本の視点からはよいことなのです。私としましては、心配すべきことではないと考えます。

最後に、長期的な財政状態への懸念という点についてです。デフレ、あるいは不十分なインフレから起こる問題の一つに、少なくとも、日本の実質金利 real interest rates は高すぎるのだということがあります。そこから脱出する方法は、持続的なプラスのインフレ率を達成すること to get a sustained positive inflation rate です。

みなさんがご存知のように、私は2%以上であるべきだと考えます。その数字が2であるべきかどうかは別にして、ともかくそれ〔プラスのインフレ率〕を達成する必要があります。この目標と比較するならば、今後2、3年の財政バランス fiscal balance がどうであるかというのは、ずっと重要性が低いのです。

それどころか、いま現在が低金利であるということは、次のことを意味します。つまり、将来の〔財政〕状態の負担 weight ――それはデフレ脱却に掛かっているわけですが――というのは、現在の予算とくらべてずっと高いものになるということです。

私に言わせていただけますなら、いまは財政バランスを心配すべきときではないのです。(中略)


(クルーグマン教授) 第二次世界大戦ということをマクロ経済学的な視点からみるならば、そのもっとも重要な点は、それが非常に大きな財政刺激策 fiscal stimulus であったということです。それが戦争であったという事実は非常に不幸なことであるのですけれども。しかし単純に言って、その戦争は財政刺激策となったし、他の方法ではそうならなかったということなのです。

それどころか、1930年代に起きたのはこういうことだったのです。つまり、ニューディール政策において、ルーズベルト大統領は財政刺激策を1937年に引っ込めます。なぜかというと、現在とおなじく、予算をバランスさせよという声が多数だったからです。それは恐ろしい過ちでした。不況の大きな第二波を引き起こしたのです。

言うまでもなく、我々が求めているのは、戦争ではなしにそのようなことを達成するということです。

日本の民間部門における賃金を上げさせるためのインセンティブとして、これまでなされてきたであろう道徳的な呼びかけ以上の手段を用いようという話が、盛んになされてきました。私は、なにが有効なのかという制度設計上の詳細についての知識はないものの、そうした手段を試みることには確かに賛同するものであります。それは一つ起こりうることであります。

〔しかし、〕そうした手段を別にしますと、企業の収益と企業の投資とのあいだの結びつきというものは、これまでもつねに弱いものでした。生産能力を拡大すべき理由を見出さないかぎりは企業はそうしないのですから、「高収益な企業は投資をすべきであると期待してもいい」ということは、今までもなかったのであります。

そしていま起きているのは、彼らがデフレマインドを持っているということです。日本の成長は弱いだろうと、彼らは考えているのです。賃金の振る舞いを見れば明らかなことですが、彼ら〔企業〕は、日本が非常に低い〔低インフレ、または〕、マイナスのインフレ〔つまりデフレ〕へと逆戻りするであろうと予測している――あるいは少なくともそういう恐れを抱いている――のです。

脱却するための衝撃 a shock to break that ということが、今もなお必要なのです。脱出速度 escaping velocity です。 「やり過ぎるくらいやる archieving enough ことによって脱出速度を得る」ということで私が言いたかったことの一部がこれなのです。ロケットが地上に逆戻りしないための十分な速さという意味での脱出速度です。(中略)


(私のコメント)

日本政府が財政を拡大させることが出来るのは、日本国債を買う人が居るからであり、日本のバカな経済学者がいくら「日本国債が大暴落する」と騒いでも状況は変わらない。たとえ日本国債が大暴落して金利が急騰したり、償還が来た国債は1万円札を刷りまくって支払うことが出来る。

円建て国債が外人によって売り叩かれても、政府日銀は1万円札の束を渡すだけでいい。同時に円も暴落しますが大幅な円安になれば、世界中に日本製の製品が溢れて中国や韓国が破産するだけだ。1ドルが1000円になってトヨタカローラ1台輸出すれば1000万円の売り上げになればトヨタ自動車は大儲けだ。

これがドル建ての日本国債しか売れないとなれば財政は拡大させることは難しいでしょう。新興国は自国通貨では国債が売れないからドル建債で資金を調達している。世界中が経済が停滞して長期不況が避けられなくなれば、世界の銀行やファンドは信用ある通貨の国債を買わざるを得なくなる。だから円建ての国債も世界に売って行けばいい。

日本はデフォルトしたくても円建て国債なら円で償還すればいいだけだからデフォルトしたくても出来ない。ギリシャなどがデフォルトで問題になっているのはユーロ建てであり、自国通貨でないから自由に発行することが出来ない。ドイツやフランスからユーロを調達しなければなりませんが、調達できなければギリシャは破産する。

クルーグマン教授もユーロのせいで景気刺激策が取れないと指摘していますが、ユーロと言う通貨制度は欠陥のある制度であり、柔軟な経済政策に足かせとなってしまっている。更にヨーロッパには難民問題と言う問題が起きて社会不安を巻き起こしている。メルケル首相も課題山積で財政どころではないにもかかわらず、安倍首相はドイツに財政拡大を求めようとしている。

ユーロは明らかに破綻した通貨政策であり、通貨だけ統合して政治は統合されなかった。だからギリシャはユーロ建ての国債を乱発して使い込んでしまった。オリンピック競技場はぺんぺん草が生えていて、国債は公務員などの給料に消えてしまった。ギリシャには観光しか産業が無いからだ。

イギリスはEUからの離脱を国民投票にかけますが、経済が統合への動きがあるのに対して政治は分離の動きがあり、ヨーロッパ各地でも分離独立運動が起きている。クルーグマン氏が言うにはG7でまともなのは日本とカナダぐらいであり、アメリカはリーダーシップがあっても議会に問題を抱えていてデフォルト騒ぎを起こしている。

現在起きている経済現象は、教科書に書かれている答えは無く、クルーグマン氏やスティグリッツ氏にも明快な答えは無い。昔なら戦争で需要を掘り起こす事も出来ましたが、現代ではそれは出来ない。ならば長く続く停滞を前提とした対策を立てるべきであり、消費を刺激するには富の不均衡を是正しなければならない。

経済格差が出来れば富める者は1%であり、99%の貧しい者にはカネが無い。富める者にベンツ1台は売れても貧しい者にはカネが無いから車は売れない。貧富の格差が出来たのは所得の分配に問題があり、企業は安い労働力を求めて国内の工場を閉鎖して中国に移転させてしまった。それだけ国内の工員があまり賃金は低迷するようになった。

ホワイトカラーもOA革命で事務員が要らなくなりリストラが行われている。企業は工員も事務員もいらなくなり企業は儲けても従業員は非正規化が進んで不安定化した。新しい職業の創出はなかなか進まず、地方には職場が無いから都市集中化も進む。日本が直面している問題が世界にも広がりを見せている。

日本は少子高齢化が進み、高齢者への福祉が負担になり若い人に負担がしわ寄せされている。若い人の職場がOA化で少なくなり消費税がかけられて年金や健康保険も入れない若い人が増えて、生活保護受給者が増え続けている。国民は高福祉低負担を求めているが、現実は低福祉高負担になっている。

1%の富める者にとってはデフレ社会は天国であり、物価は安いし安定しているから使わずに銀行に貯めておけばいい。貧しい者は借金して生活をしのいでいるからますます生活は苦しくなる一方だ。何らかの形で所得の再分配が行われなければ生活の歪が社会に溢れるだろう。少子化もその一つですが、昔は貧乏人の子沢山だったが今は結婚もせず引き籠りになっている。



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