株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


人々は自身が過去、受けた痛み、屈辱を止揚し、許すことができないが、
許す以外にその悪夢から解放されないということを理解した人々ではないか


2017年3月15日 水曜日

「謝罪」されても許さない人々 3月15日 長谷川良

韓国紙中央日報(日本語電子版3月8日付)は従軍慰安婦をテーマとした2本の映画を紹介していた。1本は今月1日から既に上映中で、もう1本は今月16日から上映される。タイトルは「雪道」(イ・ナジョン監督)とカナダ出身のティファニー・シュン監督の「謝罪」(The Apology)だ。いずれも重いテーマを扱っているが、中央日報は「日本からの謝罪を受ける時まで忘れないために……」という見出しで、2本の映画を紹介していた。

当方は中央日報の記事の見出しに考えさせられた。慰安婦のコメントから取ったものだろうが、「日本からの謝罪を受ける時まで忘れないために……」という個所だ。政治的には2015年12月28日、日韓両国外相が慰安婦問題の解決を実現させた。ソウル外務省で「日韓両政府は、慰安婦問題について不可逆的に解決することを確認するとともに、互いに非難することを控えることで一致した」(岸田文雄外相)と表明されたばかりだ。

日本側は合意内容に基づいて10億円を韓国側に既に振り込み済みだが、慰安婦をシンボルとした少女像は依然、ソウルの日本大使館前にある一方、釜山でも新たに建立された。そしてドイツ南部バイエルン州のヴィーゼントで今年3月8日、欧州初の慰安婦像の除幕式が行われている。すなわち、韓国側の現状は日韓合意内容の完全履行からは程遠いわけだ(「韓国政府の統治能力が問われる」2017年1月5日参考)。中央日報記者は日韓合意内容を熟知しながら、上記のような慰安婦のコメントを見出しに報じたわけだ。

ところで、被害者と「謝罪」について、3通りの解釈が考えられる。@謝罪があれば、許す、A謝罪がなくても許す、B謝罪があっても許さない。中央日報の見出しは、@のような立場を装いながら、Bの立場であることを強く示唆している。

上記の解釈が間違いないとすれば、日本側の謝罪表明は余り意味がないことになる。なぜならば、彼らは謝罪されたとしても、絶対に許さないからだ。そして慰安婦を支援する韓国支援団体や一部左翼政治家はそのことを知っているから、慰安婦問題を政治利用するわけだ。

毎年、ノーベル文学賞候補者に上げられる村上春樹氏は「『相手が分かった。もう許す』というまでは日本側は謝罪しなければならない」と共同通信社とのインタビューに答えている(「日本は韓国の『誰』に謝罪すべきか」2015年4月26日参考)。
ということは、慰安婦の生存者の数は100人を割ったが、生存されている慰安婦全てが「許す」というまで、日本は謝罪し続けなければならないことになる。この場合、政治的な日韓合意は余り助けとならない。厳密にいえば、政治的・外交的解決ではなく、「謝罪されても、許すことができない」生存者と個々の和解交渉を進める方が賢明ということになる。問題は、謝罪されても許さない人々とどのような和解、共存が可能かだ。

その前に、上記のAの例を考えてみたい。相手から謝罪されなくても、相手の蛮行を許す人々だ。ひょっとしたら、その数は少ないかもしれない。そのような人々は自身が過去、受けた痛み、屈辱を止揚し、許すことができないが、許す以外にその悪夢から解放されないということを理解した人々ではないか。

Bの立場の人々にAになってほしいと願うことはできないが、Aのような世界に入らない限り、Bの立場の被害者も自分を過去から救い出すことができないはずだ。

朴槿恵前大統領が罷免されたことを受け、60日以内に韓国で次期大統領選が実施される。新大統領が誕生すれば、日韓合意について見直しが行われる可能性が高い、と予想されている。

日韓両政府が合意した内容を一方の国の事情から見直しされることは好ましくないし、韓国の国家の品格が疑われることにもなるが、日本側は現実的観点から日韓合意の見直しを覚悟しておかなければならないだろう。その際、「謝罪されても、許さない人々」と対峙していることをくれぐれも忘れることなく、冷静に事の対応に臨むべきだろう。

一方、韓国側は、慰安婦問題を旗印に国際社会で外交を展開することだけは避けるべきだ。現職大統領の罷免で国家の品格は既に傷ついているのだ。慰安婦問題で謝罪外交を再び展開すれば、国際社会での韓国の品格は完全に地に落ちてしまうだろう。



(私のコメント)

日本人と韓国人は、見た目が非常によく似ているが文化的には非常な断絶がある。中国や韓国は儒教文化圏であり、儒教には「許し」がなく1000年経っても恨み続ける文化だ。そのことはパク大統領の発言でもあるし、中国では墓を暴いて死者に鞭打つ文化であり、人々は一度「恨み」に取り付かれてしまうと、そこから抜け出せなくなり世の中が乱れる。

韓国人や中国人に見られる偏狭な精神は、世界各国でも異常に見られていますが、キリスト教文化や仏教文化圏では「許し」の宗教であり、悔い改めれば許される。逆に中国や韓国では悔い改めても許されないのだから、果てしなく混乱が続くことになる。従軍慰安婦問題で日韓の政府がいくら合意しても韓国人が許さないのは、それが韓国の文化だからだ。

儒教文化では、一歳でも歳が違えば上下関係ができますが、使う言葉までもが違ってくる。国家でも同じであり、事あるごとに日本と比較して上だ下だと比較したがる。彼らには上下関係しかなく、対等という概念がない。だから韓国人は事あるごとに日本をこき下ろして非難し続けないと安心ができないのだろう。

日本にもこのような韓国文化に影響された人が多くて、朝日新聞などはその典型だろう。だから歴史問題など朝日新聞は日本政府の誤りを非難し続ける。従軍慰安婦問題も朝日新聞が火をつけた問題ですが、日韓の間に摩擦を生じ続けさせている。それで新聞が売れればいいのでしょうが、朝日新聞は売れなくなってきた。

慰安婦像が韓国であちこちに建てられていますが、前にも書きましたが慰安婦像はどう見ても女子中学生の像であり、当時の日本兵はみんなロリコンだったのだろうか。性的な対象として強制連行するには子供過ぎて違和感を覚えます。これは米軍のひき逃げ事件の犠牲になった中学生の像として作られた物という話がありますが、本当だったらとんでもないことだ。

もし私が韓国人の彫刻家だとしたら、慰安婦像の依頼を受けたら、生存している元慰安婦のおばあさんたちをモデルにした像を作る。おばあさんたちは非常に高齢となりもうじき居なくなりますが、像として残せば国民の同情をかうだろう。だから女子中学生にしか見えない像には違和感がある。

日本の政治家たちは、慰安婦問題が日韓の外交問題となって、何度も謝罪してきましたが、事実関係を理解しないまま謝罪した。それがかえって韓国人の恨みを買うこととなり慰安婦問題は拗れに拗れてしまった。韓国人自身もこれが作り話であることは内心知っていはいても、プロパガンダとして有効だったから使ってきたのだ。

ところが日本の宮沢総理は謝罪をして、事実関係を確かめようとはしなかった。河野談話では更にそれの上塗りをして問題をこじらせましたが、当時のことを知っている人なら嘘だとわかったはずだ。このように問題が拗れてしまうのは日本の政治家にも問題があり、竹島問題にしても、朴正熙大統領の時に日本から得た賠償金の一部を日本の政治家にばらまいてしまったから、竹島を返せとは強く言えなくなってしまった。

慰安婦像は実物大の銅像であり、一体が300万円もする高価なものだ。それを韓国内で60体も建てれられいるということですが、1億3000万円もあればどうして慰安婦たちへ補償金として配られないのだろうか。もともとは韓国の裁判所が違憲だとして判決が出たから、慰安婦問題は日本政府のせいにされてしまった。本来ならば韓国政府が補償すべき問題だったのだ。




なぜネット通販のシェアが拡大し続けるのか。中抜きができると同時に、
小売店の万引き問題には、ネット通販なら100%防止することができる。


2017年3月14日 火曜日

ヤマトが値上げの先に見据える“アマゾンとの交渉”の中身 3月14日 西村旦

ヤマト現場からの悲鳴「いつからアマゾンの下請けになったのか」

 宅配便最大手、ヤマト運輸の総量抑制を巡る動きが各メディアで連日報道されている。

 物流専門紙を発行する筆者としては、テレビを含めた一般メディアの過熱ぶりにいささか驚くと同時に、これが物流現場が抱える厳しい現状への理解が深まる契機になると思っている。

 今回の動きをひとことで要約すれば、ネット通販の急増によって配送現場の疲弊が臨界点に達したということだ。

 数年前からその兆候は見え始めていたが、昨年12月の年末繁忙期に至ってついに限界レベルを超えて“決壊”した。2月上旬に開かれたヤマト運輸労働組合の集会では、組合員から「我々はいつからアマゾンの下請けになったのか」と怒声に近い声も飛び交ったという。

 窮状を訴える現場に対し、長尾裕社長は2月21日付で社員に向けて発信したメッセージで、(1)ヤマト運輸にとって最大の資本である「人」を守るため、取扱数量の適正化を図る、(2)労働時間管理については、カウントを入退館管理に一本化し、シンプルに始業・終業を確認できる仕組みを早急に構築する、(3)多くの社員からの指摘を踏まえ、時間帯区分および再配達受付時間の見直しを行う――という3つの方向性を示した。

 おそらく、ヤマトはこの方針に基づいた具体的な施策を早ければ4月中にも示すことになるだろう。同時に「働き方改革」の原資ともなる宅急便の運賃を値上げする方針を打ち出すはずだ。

 今回の運賃値上げが一部報道にもあるように、個人利用者を対象にした基本運賃の改定にまで踏み込んだものになれば、1990年以来、27年振りのこととなる(消費税アップ時の値上げは除く)。このことが持つ意味は大きい。何故ならば、ヤマトにとって、個人向け運賃の値上げはタブーにも等しい行為だからだ。

小倉昌男会長が許さなかった「値上げ」

 前回の値上げ時に社長を務めていた都築幹彦氏から直接聞いた話だが、値上げを強硬に反対する小倉昌男会長(当時)に対し、辞表を懐にしのばせながら説得を続けたという。

 当時はバブル全盛であり、取扱個数の伸びに労働力確保が追いつかない中、やむなく値上げに踏み切ったという経緯があり、構図自体は今回に近いものがある。都築氏は「後にも先にも1回限りの値上げ」と主張し、なんとか小倉氏を説き伏せたという。

「サービスが先、利益は後」という企業理念が示す通り、利用者に不利益を与えることをもっとも嫌うのがヤマトのDNAだ。

 逆に言えば、そうした矜恃を捨ててまで値上げに踏み切らざるを得ないということは、同社が置かれた現状がそれほど切迫していることを裏付けている。

 もっとも、現在の個人利用の宅急便取り扱いは全体の1割程度であり、基本運賃の値上げによる収益貢献は限定的だ。

 筆者はむしろ、真の狙いは、アマゾンをはじめとする法人顧客対策にあると考える。聞くところによると、アマゾンは常に値上げにはシビアであり、仮に値上げを受け入れたとしてもサービスレベルのアップを交換条件として突きつけるという。

 そうした厳しい大口顧客に法人契約運賃の値上げを呑ませるには、宅急便の運賃体系そのものを変えることで理解を得る必要があるということではないだろうか。

 さらに、結論を急げば、アマゾンは値上げを受け入れざるを得ないだろう。何故ならば、数年前に佐川急便と決裂して以降、同社の膨大な荷物を運ぶことができる会社はヤマト以外にはいないからだ。

 厳しい時間指定ノルマや再配達の増加が長時間労働を引き起こし、配達員の疲弊を招いたことは想像に難くない。だが、これに加えてもうひとつ指摘しておきたいのは、ネット通販荷物の急増が配送現場の「創造性」を奪ったということである。(中略)

 折しも、政府の「働き方改革」で残業時間の上限規制を巡る議論が大詰めを迎えている。トラックドライバーを含む自動車運転者はこれまで、36(サブロク)協定の適用除外となってきたが、今回の規制ではトラックも適用される方向で議論が進んでいる。

 筆者もこの動きに賛成だ。たしかに、現状の勤務実態からすればハードルが高く、一定の猶予期間を設けることは必要だ。しかし、引き続きトラックが例外業種となれば、ドライバー職は長時間労働職種としてさらに敬遠され、ドライバー不足はますます加速するだろう。

 トラック業界の労働環境を改善していくためには、荷主企業の理解と協力が不可欠だ。輸送力を“湯水のように”使うことができた時代は、いまや完全に終わりを告げた。これからの物流戦略は、輸送力に限りがあることを前提にして構築していかなければならない。その切り替えができない荷主企業は競争力を失っていくだろう。



(私のコメント)

ネットによる流通革命がいいよ本格化してきて、クロネコヤマトが悲鳴をあげています。私なども毎日のように利用していますが、小売店や大手販売チェーン店でも扱っていない商品はネット通販で買うしかない。しかも小売店や大手販売チェーンで買うよりも安く買うことができる。

なぜ小売店よりもネット通販が安く買うことができるのは、問屋や小売店の中抜きができて、さらにネット販売なら小売店で問題になっている万引き被害を100%防止できるからだ。万引き被害で小売店では店を廃業するところも出てきている。コンビニやスーパーでも万引き被害は問題になっていますが、防犯カメラをつけてもあまり効果がないようだ。

コンビニやスーパーのような展示方法では、万引きを誘発しやすくて、こんなに無用心でいいのかと思うほどだ。店員はレジにしかいないことが多くて、客は商品を自由に手に取れるから、隠して持ち出せると思いがちだ。日本では万引きは少ない方ですが、それでも小売店のダメージは大きい。

昔の小売店は、商品はガラスケースに入っているか、カウンターの向こう側に商品が置いてあって店員に頼まないと商品が手に取れなかった店が多かった。現在でも高価商品は空箱だけで展示されていますが、それだけ高価商品は万引きの対象になりやすいからだろう。

コンビニも流通革命としては画期的でしたが、店員はレジだけで、陰に隠れて小物などをポケットや買い物袋にしまいこんでしまえばわからない。全商品にICタグをつけて管理すれば万引き防止はできますが非常に手間のかかる作業になってしまう。防犯カメラも犯人の写真は撮れても逃げられてしまえば意味がない。警察も万引き捜査には消極的だ。

つまりコンビニやスーパーのような販売スタイルは万引きに弱く、また夜間などもコンビニ強盗を多発させている。どうせならコンビニなどを宅配会社の倉庫にしてしまって、宅配便をコンビニに取りに行くスタイルがいいのではないだろうか。そうすれば再配達の手間も防げる。

各家庭に宅配ボックスを置くプランもあるが、それよりもコンビニに取りに行ったほうが手っ取り早いのではないだろうか。だからこれからはコンビニと宅配会社との提携も本格化していくだろう。コンビニもネットで買い物を指定すればロボットが仕分けをして、客はコンビニにで仕分けされた箱を受け取ればいい。本人の確認はスマホでできる。

問題は、クロネコヤマトとアマゾンとの値上げ交渉ですが、クロネコヤマトでないと配送は無理になってきている。だから値上げも通るのでしょうが、アマゾンも独自の宅配網を作ろうとしているだろう。しかしクロネコヤマトも値上げには慎重であり、値上げすればこれだけ普及してきたネット通販による宅配が縮小してしまう恐れがある。

アマゾンは配送無料でネット通販を拡大してきましたが、配送料を値上げすればやはり売上が落ちるだろう。しかしネット通販では配送がネックであり、コンビニ受け取りが主流になれば値上げは最小限で抑えられる。コンビニには配送車が何台も配送するから宅配便もそのルートに乗せればいい。

宅配は究極のインフラ産業であり、一旦主導権をとってしまえば他から新規の参入は不可能に近くなる。クロネコヤマトとアマゾンのどちらが主導権を取るのか注目されますが、ラストワンマイルの主導権争いかこれからだ。無人自動運転車やドローンの開発も進んできました。

宅配のトラックドライバーの高齢化も問題になっていますが、若い人は仕事がきついとやりたがらない。残業問題が政治課題になっていますが、夜間でないと配達先がいないから夜遅くまでの配達をせざるを得ない。そのような荷物はコンビニに保管することで受け取りにこさせればいいのだ。




北朝鮮は、「南朝鮮革命の第一歩」と解釈する。北朝鮮のテレビは「朴槿恵
罷免」を速報で報じた。対南工作の成功として、指導者に報告されただろう。


2017年3月13日 月曜日

朴氏弾劾、韓国に民主主義は育たない?! 選挙で選ばれた大統領をデモが倒した 3月13日 重村智計

韓国憲法裁判所は3月10日、「朴槿恵大統領罷免」を決定した。裁判官8人全員の合意で、国会による「大統領弾劾議決」を承認した。罷免を評価する声がある一方で、事実認定の検討、三権分立、裁判官の勇気という視点からの問題が残された。隠れた争点は、「儒教文化が元にある韓国の土壌に民主主義は育つのか」という課題と、長い論争が続く「大韓民国の存否」である。

弾劾の承認は罪刑法定主義に反しないか?

 韓国の憲法裁判所法は、第4章第2節で「弾劾審判」について規定している。しかし、弾劾の「構成要件」は明示しておらず「憲法または法律に違背」と規定しているに過ぎない。憲法裁判所は04年、大統領を弾劾する基準を「重大な違法行為があった場合」と示した。今回の罷免は、この判例を適用した。大統領の友人が国政に介入したことや、財閥企業に拠出金を求めた点を、違憲・違法と認定した。

 この認定は、「大統領の犯罪」を構成する厳格な法律的要件を欠く。憲法と法律のどの条文に該当するのか明らかでない。これは、「罪刑法定主義」に反しないか。憲法裁判所は物的証拠も提示していない 。裁判官の客観的でない「判断」は法律面から批判されかねない。

 サムソン財閥をめぐる「贈収賄疑惑」について、憲法裁判所は自白も証拠も示さかった。崔順実(チェ・スンシル)被告が実質的に支配してした財団の資金集めに朴氏が協力し企業の財産権と経営の自由を侵害したとの論点の認定でも、裁判官が勝手に感じた「心象」を示しただけだ。(中略)

選挙で選ばれた大統領をデモで排除するのは民主主義か

 カトリック作家、遠藤周作の「沈黙」が、巨匠マーティン・スコセッシ監督によって映画化され、話題を読んでいる。遠藤はこの作品の中で、棄教した宣教師に「この国は(キリスト教にとって)泥沼だ、どんな苗も腐る」と語らせ、日本文化の上にキリスト教は育たないとの思いを表現した。

 遠藤のこの言葉は、朝鮮半島に「民主主義は育つのか」との問いにもつながる。北朝鮮は、民主主義を拒否している。韓国は、北の同胞の自由と人権を求めず、北朝鮮に賛同する「左翼集団」が政治と社会に影響力を持つ。

 朴大統領弾劾の背後で、この「集団」が活躍した。ソウルの広場に30万人もの人が集まるローソク集会を運営し、弾劾を求め国会議員を動かした。自由選挙で選ばれた大統領を、「恨み」や「運動」で排除するのは民主主義ではない。

争われたのは「大韓民国の存否」

 信じられないだろうが、韓国では「左翼」と呼ばれる「集団」が、根強い力を持つ。北朝鮮の指導者を批判すると、この「集団」から激しい個人攻撃を受ける。民主労組や教員組合などの多くの組織が、北朝鮮の政策を支持する「集団」である。また、大学の教授やジャーナリストにも同調者は多い。

 韓国では「左翼勢力」との表現は使えない。激しい攻撃を受けるので、「革新勢力」「民主化勢力」「運動圏」などの、柔らかい表現が使われる。その中核に存在するのは、北朝鮮につながる「左翼集団」であり、同調者を「革新勢力」として扱うのが現実であり、真実だ。

 この「左翼勢力」は、大韓民国の「正統性」を否定してきた。韓国では、政治に「正統性」を求める儒教の価値観がなお支配的だ。韓国では国家の「正統性」を、戦前に中国で活動した「大韓民国臨時政府」に求める。これに対し左翼は、「大韓民国臨時政府は、日本帝国主義と戦争していない」と批判し、「日本帝国主義に勝利した金日成の北朝鮮に、正統性がある」と主張する。

 大韓民国は独立後、朴正煕大統領(当時)が「反共」を掲げ、強力な経済政策を実行して北朝鮮を圧倒した。これに、左翼勢力は反発する。反政府運動や左翼勢力を弾圧した朴正煕は、「大韓民国」の象徴であると激しく非難した。彼の娘である朴槿恵を罷免することは、「大韓民国の否定」を実現する象徴的な行為になる。

 一方、自由選挙で選ばれた政権を集会とデモで潰すのは、成熟した民主主義ではない。北朝鮮は、「南朝鮮革命の第一歩」と解釈する。このため、北朝鮮のテレビは「朴槿恵罷免」を速報で報じた。対南工作の成功として、指導者に報告されただろう。

国家と国民を思わない政治家たち

 野党「共に民主党」が擁する大統領候補の有力者である文在寅(ムン・ジェイン)氏は、朴槿恵氏の罷免が決定した後に「新しい大韓民国の始まり」と述べた。これは、北朝鮮に優しい「大韓民国」を作るとの意思を表明したこと意味する。

 文氏の政策は「左翼集団」の求めに応じたもので、(1)南北対話の再開、(2)北朝鮮に対する支援の再開、(3)開城(ケソン)工業団地の再開、(4)日韓慰安婦合意の破棄、(5)軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄、(6)THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備見直し――など北朝鮮が歓迎するものばかりだ。大統領選挙に当選するためには、「左翼集団」の要求を受け入れるしかないのだ。左翼集団には、選挙運動で活動し、票を集める力がある。

 「真相究明に協力する」と言いながら、特別検察官による事情聴取に応じず、記者会見もしなかった。裁判における防御と攻撃の権利を放棄し、民主主義の手続きを大統領自ら否定した。

 何よりも、貧しい人々や国民を思う気持ちがなかった。父親である朴正煕は、最貧国から脱出することに力を注ぎ、貧乏な国民を見ると「申し訳ない」と涙を流した。同様の思いは、朴槿恵氏からは全く感じられない。与党の政治家も、国民と国家のために自分を犠牲にする決意を語ることはなかった。

 代表的な例は、藩基文(パン・ギムン)前国連事務総長だ。「韓国の大統領には、国家と国民のために、自分の人生を犠牲にする覚悟がいる」と、著名な政治家から決意と信念を求められた。彼は、大統領選への出馬を表明しながら、突然撤退を表明し、国民と国家を捨てて逃げ出した。ハーバード大学の教授になるという。国民のための苦労を嫌い、自己の利益と名誉を選んだ。

 韓国には、国家と国民のために自らの人生を犠牲にする、覚悟ある政治家はいないのだろうか。韓国の友人の未来を思うと心が痛む。



(私のコメント)

韓国のパク大統領が弾劾されましたが、まだチェ・スンシル疑惑は解明されておらず、サムスンの贈収賄疑惑もまだ解明されていないのに、弾劾裁判で裁判官全員の合意で弾劾された。これは明らかに罪刑法定主義の否定であり、まだ有罪でもないのにパク大統領が罷免された。しかしテレビではこのことを指摘する人がいない。

韓国には「国民感情法」というものが有り、これが立法府や行政府の上に立っているようだ。法律違反が確定していないのに国民感情で罰せられてしまう。これでは民主主義が成り立たない。民主主義は報道の自由が保証されなければ機能しませんが、韓国には国民感情に反する報道はできない。

「株式日記」では、韓国はまだ軍事独裁体制でなければ国がもたないと何度か書きましたが、民主体制になった結果、北朝鮮の対南工作が激化して北朝鮮に乗っ取られたような政治になってしまった。このまま進めば韓国は内部崩壊して北朝鮮に併合されるだろう。

大統領選挙が始まりますが、誰が勝っても反日反米の親北朝鮮の政府ができることになる。今まではアメリカの押さえが効いていましたが、クーデターでも起こして軍事独裁政権に戻らなければ北朝鮮に平和理に併合されてしまう。左翼政権がTHAADの配備に反対すれば在韓米軍は引き揚げていくだろう。

韓国は軍事的にはアメリカに依存して、経済的には日本からの技術援助や外貨援助によって成り立っていますが、韓国国民はそのようには認識していない。パククネ大統領は離米親中外交でアメリカの不信を買いましたが、チェ・スンシルは北のスパイだった。

韓国政府部内にも北のスパイがいて反日や反米を煽っているが、パク大統領がチェ・スンシルの言いなりで保守派といえども親日や親米ではない。韓国の反日は容易に反米に転化するものであり、アメリカ政府もようやくこれに気がついて韓国の反日を抑えにかかってきたが手遅れだったようだ。

韓国の大統領任期は5年の一期だけだから、中間の選挙がなく国民の審判を仰ぐ機会がない。だから大統領を落選させることで辞めさせることもできない。一旦選ばれてしまえば辞めさせる方法は弾劾しかない。それが超法規的に運用されたのが弾劾裁判だ。パク大統領には戒厳令という非常手段もあったが、それだけの力量がなかった。

韓国の左翼勢力は北朝鮮の工作員であり、政界や官界やマスコミなどに浸透してきて、国民世論をリードしてきている。冷戦時代ならば共産主義に対抗するという大義があったが、冷戦崩壊でも北朝鮮や中国は崩壊せずアジアの共産主義は残った。韓国は民主政権になり反共政権ではなくなった。それに代わるものとして反日が韓国の国是となった。

パククネは大統領になってからは、単独の記者会見をほとんどせず、大統領官邸に閉じ篭ってしまった。外からの情報はチェ・スンシルからのものとなり、セウォル号の事故が起きても夕方まで閉じこもっていた。そのことが韓国国民の感情を逆なでして今回の弾劾につながった。まさに「国民感情法」こそがパククネの命取りになった。




福島第一原発災害において、実際に手順書の内容と事故直後に東京電力
が取った対応を比較すると、東電の対応は手順書から大きく逸脱していた


2017年3月12日 日曜日

なぜわれわれは福島の教訓を活かせないのか 3月11日 ビデオニュース・ドットコム

2017年3月11日、日本はあの震災から6年目を迎えた。

 一部では高台移転や帰還が進んでいるとの報もあるが、依然として避難者は12万人を超え、その7割以上が福島県の避難者だ。

 原発の事故処理の方も、いまだにメルトダウン事故直後の水素爆発によって散らばった瓦礫を取り除く作業が行われている状態で、実際の廃炉までこの先何年かかるかは、見通しすら立っていない。

 福島第一原発のメルトダウン事故については、政府、国会、民間の事故調査委員会がそれぞれ調査報告書を出しているほか、さまざまな検証が行われてきた。これまでの説明では概ね、津波によってステーション・ブラックアウト(全電源喪失)に陥ったことによって原子炉を冷却できなくなったことが、メルトダウンに至った原因とされてきた。一部で地震による原子炉の損傷も指摘されているが、あれだけの地震と津波に同時に襲われ電源がすべて失われるような事態を想定していなかったことが問題視され、安全神話などのそもそも論に関心が集まったのは記憶に新しいところだ。

 しかし、ここに来て、新たに重要な指摘がなされている。それは、そもそも事故直後の対応に大きな問題があったのではないか、というものだ。

 日本原子力研究所(原研)などで原発の安全を長年研究してきた田辺文也・社会技術システム安全研究所所長は、日本の原発には炉心が損傷するシビアアクシデントという最悪の事態までを想定して3段階の事故時運転操作手順書が用意されており、ステーション・ブラックアウトの段階からその手順書に沿った対応が取られていれば、あそこまで大事故になることは避けられた可能性が高いと指摘する。少なくとも2号機、3号機についてはメルトダウン自体を回避できたのではないかと田辺氏は言うのだ。

 事故時運転操作手順書には事故発生と同時に参照する「事象ベース手順書」と、計器などが故障して事象が確認できなくなってから参照する「徴候ベース手順書」、そして、炉心損傷や原子炉の健全性が脅かされた時に参照する「シビアアクシデント手順書」の3つがあり、事故の深刻度の進行に呼応して、手順書を移行していくようになっている。田辺氏は特に今回の事故では停電や故障で計器が作動しなくなり原子炉の状態がわからなくなってから「徴候ベース手順書」に従わなかったことが、結果的に最悪の結果を招いた可能性が高いと指摘する。

 以前からこの「手順書」問題は仮説としては指摘されていたが、ステーションブラックアウトに直面した福島第一原発の現場で実際に手順書がどのように扱われていたのかが不明だったために、それ以上の議論には発展していなかった。

 ところが、朝日新聞による「命令違反」報道を受けて、政府は2014年9月11日にいわゆる吉田調書を含む「政府事故調査委員会ヒアリング記録」を正式に公開。その中で吉田昌郎福島第一原発所長(当時)が政府事故調に対し、「いちいちこういうような手順書間の移行の議論というのは私の頭の中では飛んでいた」と証言していたことが明らかになり、あらためて手順書の問題に焦点が当たるようになった。

 そして、実際に手順書の内容と事故直後に東京電力が取った対応を比較すると、東電の対応は手順書から大きく逸脱していたばかりか、「そもそも手順書の概念や個々の施策の目的や意味が理解できていなかった」(田辺氏)ことが明らかになったのだと言う。

 実際に事故に直面した吉田所長を始めとする福島第一原発のスタッフの混乱ぶりや恐怖は、われわれの想像を絶するものがあったにちがいない。そのような状況で「手順書」がどうのこうの言っている余裕はなかったという思いも十分理解できる。しかし、「だからこそ事故対応手順書が必要なのだ」と田辺氏は強調する。

 現在の事故時運転操作手順書はスリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故の教訓をもとに作られていると田辺氏は言う。2度と同じような失敗を繰り返さないために、高い月謝を払って人類が蓄積してきた原発事故対応のノウハウが凝縮されているのが3段階の事故時運転操作手順書なのだ。

 たとえ手順書通りに対応していても、もしかすると福島の惨事は避けられなかった可能性はある。しかし、少なくともあの福島の事故で、事故後の対応に過去の失敗の教訓が活かされていなかったという事実を、われわれは重く受け止める必要があるだろう。起きてしまった事故は元には戻せないが、少なくともわれわれにはその教訓を未来に活かす義務があるのではないか。

 田辺氏は、今回の事故ではこの手順書の問題がきちんと検証されていないために、新たな安全基準も不完全なものになっている可能性が高いと指摘する。

 どんなにしっかりとした手順書を作っても、その意味を十分に理解した上で、それが非常時でも実行できるような訓練が不可欠と語る田辺氏と、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。



(私のコメント)

昨日は、ホワイトカラーは考えることが仕事であると書きましたが、考えをまとめるには文章にして書いていかないと考えがまとまらない。だから連日「株式日記」を書いていますが、株式投資もコンピューターにやらせる時代となり、ゴールドマンサックスではファンドマネージャーが大量にクビになり、その代わりにプログラマーが大量採用されている。

考える仕事すらコンピューターにやらせる時代が来つつあるようだ。コンピューターは定型的な作業を超人的なスピードで行い、チェスはもとより将棋や囲碁などでもプロの棋士に勝てるようになってしまった。だからこれからの時代は事務員は失業して、人間はコンピューターに使われるような時代が来るのでしょう。

しかしながら、未だに大学では事務員を養成する教育が行われていて、就職時期になっても事務員の募集は0、4倍で余ってしまっている。本当の優秀な人間はプログラム作成などに向かわせるべきなのでしょうが、日本の教育システムは硬直化していて、ミスマッチが起きてしまっている。



昨日は、東日本大震災から6年が経ちましたが、大災害に対するシステム的な対応策が取れずに、場当たり的な対応に終始して、被害を最小限度にするシステム手順が取られなかったようだ。東日本大震災は非常に広範囲に災害が起きたから政府の対応も混乱の極みであり、菅総理は官邸をカラにしてヘリコプターで飛んでいってしまった。

つまり広域災害が起きているのに、司令部となる官邸が一時的にカラになり現場に飛び出してしまった。大災害が起きたときは現場も混乱しており、現場に対して報告を求めても返事が来ない。災害現場は停電状態となり通信機器も使えなくなり、非常用電源もないような災害防止設備もあったようだ。

日本は、阪神大震災や東日本大震災や熊本大震災など自然災害が立て続けに起きる時代に入っており、災害に対応するシステム作りをしていかなければならない。しかし東京を見ても大震災が直撃すれば、やはり場当たり的な対応に終始するのだろう。日本人はあってはならないことは考えようとはしなくなる傾向がある。

私などは東京が壊滅状態になっても、生き残っていれば千葉にアパートを建設して避難生活をすることを考えましたが、交通が壊滅状態になっても千葉なら歩きや自転車でも行ける距離だ。東京の人で万が一のために地方に避難できる家を確保している人は僅かだろう。今は地方の空家が只同然で売りに出されている。

あるいは北朝鮮や中国から核ミサイルが飛んできたときは、ビルの地下室に逃げ込めるようになっている。このような万が一に対する対応策をとることに対する日本人は冷笑的だ。しかし一旦大災害が起きると、東日本大震災ではコンビニから乾電池がなくなりコメすら買えなくなりましたが、他人の迷惑を顧みずに日本人は買いだめに走った。

福島第一原発災害にしても、大災害時における対応マニュアルはあったらしいのですが、それに対する検証がなされていないということは田辺文也氏のインタビューからも伺えます。日本の原子力発電所では年がら年中安全点検が行われているのに、ハード面の配管等の損傷を点検するだけで、ソフト面での緊急時の訓練が出来ていなかったようだ。

『事故時運転操作手順書には事故発生と同時に参照する「事象ベース手順書」と、計器などが故障して事象が確認できなくなってから参照する「徴候ベース手順書」、そして、炉心損傷や原子炉の健全性が脅かされた時に参照する「シビアアクシデント手順書」の3つがあり』という事ですが、専門家でもそのことを指摘する人がいなかった。

もし手順書通りやっていればメルトダウンは防げたということですが、普段からのソフト面での実施訓練等がなされていなかったのでしょう。しかし日本の専門家たちは「想定外」を繰り返すばかりで役にたたない。法的に責任逃れをするためなのでしょうが、吉田所長に責任をかぶせて逃げ切るつもりのようだ。

事故調の報告書でも、まだまだ真相の究明の余地が有り、どうすれば事故を防げるかの回答がない。何重もの安全対策も結局はブラックアウトには対策ができておらず、唯一の緊急冷却装置も弁が閉められて水素爆発を起こしてしまった。結局は原発の専門家も何の役にも立たず、国の税金を食いつぶしているのだろう。




残業を減らし、ついでに生産性も向上させるには何をどう変えるべき
でしょうか。要は時間ではなく成果を評価基準にすることですね。


2017年3月11日 土曜日

「残業代が欲しいから残業します」という人を減らすためのシンプルな方法 3月9日 城繁幸

今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、ネットで以下のアンケート結果が話題となりました。

【参考リンク】1万人に聞いた「残業する理由」、1位は「残業代がほしいから」

この結果からは「悪徳経営者に鎖につながれたような状態で長時間労働させられる憐れな労働者」なるステレオタイプとはだいぶ異なる印象を受けますね。なぜ日本人は残業せざるを得ないのか。そして、どこをどう変えれば残業依存体質は変革できるのか。それは現在議論中の働き方改革とも密接につながったテーマでもあります。

キャリアを考える上で非常に重要なテーマなので、今回は深く掘り下げておきましょう。
 

残業せざるを得ない日本人


なぜ日本人は残業せざるを得ないのか。それは単純に、基本給やボーナスが低く抑えられているためです。ではなぜ基本給やボーナスを低く抑えねばならないのか。それは、時給で払わないといけないからです。

販売員や飲食店の人は実際に働いた時間に応じて成果があがるので、時間に応じて時給で払って問題ありません。だからこういう案件は実際に払うべきです。

ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ

ところがホワイトカラーの場合は少々話が違います。ホワイトカラーの成果は机に座っていた時間に応じて上がるわけではなく、だいたい一人当たりの人件費予算はあらかじめ決まっています。にもかかわらず「とにかく働いた分だけ時給で払え」と強制すると、基本給や成果分が抑えられ残業手当にまわり、トータルで帳じりが合うように賃金が組まれることになります。

たとえば、職場で大きなハムの塊を分配する姿を想像してください。半分くらいを(みんなの基本給やボーナスとして)取り分けて、残りの半分を「一時間残業するごとにスライス一枚配ります」というルールで分けたらどうなるでしょうか。当たり前ですが、席に長く残っていた人がトクをし、早く帰った人が損をします。元を取るには、職場の平均残業時間を越えて残業するしかありません。ではみんなで頑張って遅くまで席に残ったら?別にハムの総量が増えるわけではないので、どんどん極薄スライスになるだけの話です。

時給で払うため、基本給等が低く抑えられている→残業で取り返すしかない→みんなそうするとますます基本給等が昇給しにくくなる→生産性度外視で、ますます残業に精を出す

というスパイラルは大なり小なりどこの職場でも見られるものです。はっきり言って人生の無駄ですね。また、これは日本人の労働生産性が低い原因でもあります。ハムの総量を増やす工夫ではなく、薄くスライスすることに血道を上げているのだから、当然ですね。

働き方改革を巡っては、経済同友会は「残業上限ではなく割増し手当を引き上げるべき」と提言していますが、もっと基本給などの部分を減らして時間外手当のウェイトを増やすだけなので、単に「減った分を取り返さなきゃ」と考えた労働者の残業が増えるだけの話でしょう。

では、残業を減らし、ついでに生産性も向上させるには何をどう変えるべきでしょうか。答えは実にシンプルで、ハムをスライスせずに「はい、これ、君の分」といってブロック単位で配分してしまえばいいんです。要は時間ではなく成果を評価基準にすることですね。

そうすれば、誰も残業なんてしようとは思いません。もっとハムの欲しい人は、頭を使ってハムの総量が増える工夫をするでしょう。それこそ、本来のホワイトカラーがすべきことです。「オレさあ、先月150時間も残業しちゃったよ」と自慢するのはホワイトカラーでもブルーカラーでもなく単なる“おつむスッカラカラー”です。

「でも、成果が挙げられなかったら賃下げになっちゃうじゃないか」って?そんなの当たり前でしょう。成果がないのに長く席に残ってただけでいっぱいお金貰える仕組みの方が異常なんです。

時給管理は外し、成果を評価基準にする。その上で、労働時間そのものは管理して長時間労働チェック体制は残す。そう、それはそのままホワイトカラーエグゼンプションで議論されていることですね。WEは一部の野党の言うような“過労死促進法案”ではなく、逆に「残業依存体質を根底から改めるための法案」というのが正しい見方です。
 

これから最大の格差を生むもの


さて、これからの日本でもっとも重要な素養とはなんでしょうか。学歴でしょうか。教養でしょうか。もちろんそれらもある程度は重要ですが、筆者は全く別のものだと考えています。ちょっと長いですが、だいたいこんな感じのものになります。

「リスクや変化を恐れず、常に自身を成長させていける人」

これが出来る人とできない人の格差は、もうどうしようもないくらい拡大するだろうし、それは既に始まっているとみています。

これは“残業”についてもそうですね。上記のロジックをきちんと理解し、時間ではなく成果の質に軸足を置いて働けている人は、成長も昇給もするし、良好なワークライフバランスも実現できるでしょう。たとえ賃金横ばいだとしても、残業時間が半減したり有給休暇が欧米並みの9割つかえるようになるだけでもずいぶん充実した人生になると思いますね。

一方「成果で評価されるのはマイナス評価が怖いからイヤだ、これからも時給で払ってもらう方がいい」という人も、少なからずいると思います。そういう人はそれでいいです。ここから先は全部自己責任なので。

きっと共産党あたりが「痛みを伴う改革なんてしなくても、法律で厳しい残業上限を作り、企業の内部留保で賃上げさせれば、残業減と賃上げを両立できます」とかなんとか、都合のいい(けど実現可能性0%な)言い訳も考えてくれるでしょうから、そういうの読んでストレス発散しておいてください。

でも、その道の先に待っているのは、ますます極薄スライスになっていくハムを同僚たちと奪い合う日々だということ、そして、その結果をもたらしたのは自身の判断だということは覚えておいてくださいね。



(私のコメント)

残業が大きな問題となっていますが、ブルーカラーは仕事の時間と成果とが一致していることが多くて、クロネコヤマトの宅急便などは、仕事が増えすぎて残業代が支払えていないようです。だから値上げをするかアマゾンのとの契約を切るかの選択に迫られている。

それにたいしてホワイトカラーの仕事は、時間と成果との関連性が薄異仕事なのに残業代は時間給で出る。だから成果の出せない社員は残業して残業代を稼ぐことになる。だからホワイトカラーは時間給から成果給に変えるべきであり、ホワイトカラーの仕事は考える仕事であり、いい考えが浮かばないホワイトカラーは何時間残業しても成果は出ない。

毎日ブログを書く事が仕事と考えればわかりやすいのですが、ネットサーフィンをしている時間を除けば、書く事自体は2時間程度があれば書くことができます。しかしブログを書く事が苦手なホワイトカラーは、何時間かけても書く事は出来ないでしょう。普段から勉強していなければ数行の文章すら書くことはできない。

しかしブログを書く仕事は時間給には馴染まず、数千文字書いて仕上げれば仕事は終わる。そのブログの記事が注目を浴びて読者が増えれば成果給が上がることになる。書くのにどれだけの時間を要したかは問題ではなく、どれだけ注目を集めるだけの記事を書いたが問題になる。

だからこのような仕事に、毎日夜の12時までかかって書いていますといっても、残業代を払う意味はないのであり、ホワイトカラーの仕事は考えることが仕事だ。しかし本当にホワイトカラーらしい仕事をしている人は僅かであり、多くが定形作業であり時間に比例した内容の仕事をしている。そのへんの区別が難しい。

例えばファンドマネージャーなどは、朝の30分程度で銘柄を選定して売買指示を出せば仕事は終わりであり、夕方になればその成果が株価の動きで評価される。しかし無能なファンドマネージャーは、深夜まで資料を読み漁ってもどれに投資していいのか決められずに、成果は損失ばかりが大きくなればクビになるだけでしょう。

ホワイトカラーなのになぜ時間給が基本になるのか、9時から5時までの時間給では月給が足りないので残業をして残業代を稼がないと女房から安月給と蔑まされる。それだけ生産性の低い仕事をしているからですが、時間給だとダラダラ仕事をしたほうが特だからみんなダラダラ仕事をするようになる。

仕事の役割分担もはっきりしておらず、効率よく仕事をして定時に帰ろうにも周りが残業して稼ぐ人が多ければ付き合わされる。私の銀行員時代も支店長によってまちまちであり、残業をさせない支店長もいれば、毎日のように残業させる支店長もいる。出納係などは勘定が合えば5時に帰れたが、融資などは書類作成で連日残業させられた。

定形作業のブルーカラーは年功序列人事でもいいのでしょうが、ホワイトカラーは能力給で成果主義の人事体系を取らなければ生産性は上がらない。成果が上がらなければ降格人事やリストラなども組み入れないと生産性は上がらない。日本の軍隊が兵隊は強いが高級将校になるほど馬鹿だと言われるのは、将校までもが年功人事だからだ。

アメリカのホワイトカラーのサラリーマンは、昇進したければ同業他社にスカウトされて出世していく。会社のプロジェクトごとにチームが組まれるから、足りない人材があればスカウトしてこなければならない。しかし日本では年功人事体系だから、足りない人材がいても他社からスカウトしてくることはめったにしない。だからIT化などで遅れをとった。

もちろん年功人事も成果主義も一長一短があり、どちらがいいとも一概には言えないが、同じ会社内でも年功人事の一般職と、成果主義の総合職などにコースを分ければいいのだろう。しかしほとんどが年功人事であり社長までもが平取が社長になると抜擢人事と言われたりする。

東京電力も東芝も、純血主義であり他社から転職してきた人は極端に少ない。これでは時代の流れに遅れてしまうには明らかだ。社長を退いても名誉会長や相談役で残っていられたら新社長は何もできない。シャープの東芝もそれでダメになった。しかし会社の人事体系を変えるには簡単にはできないし、残業を減らすのは人事体系を変えないと無理なのだ。




小山昭夫はその後、樟蔭東学園の経営権を掌握し、学校の運動場を
22億円で売却してしまった。学校の乗っ取りがヤクザのシノギになった


2017年3月10日 金曜日

いま、ヤクザが学校を狙っている 3月8日 江草乗

少子高齢化によって18歳人口が減少し、多くの大学や専門学校が受験生を確保できずに倒産している。そして今、そうした学校法人がヤクザの新たなターゲットになってきているのだ。学校関係者はそうした狡猾なヤクザの知恵の前にはどうしようもないのである。先生方の中に覚醒剤や大麻で逮捕される人が少しずつ増えているのもそのことと無関係ではない。ヤクザは我々の実生活の中にしっかりと入り込んでいるからだ。あなたがパチンコ屋でふと隣り合った人が実はクスリの売人であるということが現実問題となってくるのである。

 なぜヤクザは学校を狙うのか。そこには必ず不動産がくっついてるからである。学校法人は土地建物を自前で所有しないといけない。借地ではだめなのである。森友学園の小学校建設予定地もゼニはまだ払えてないのだがなぜか購入したということになっている。その不動産を売り飛ばすことがヤクザの目的だ。すでに学校の土地を売り飛ばされてしまったところもある。たとえば大阪府東大阪市の樟蔭東中学・高校が生徒減少のために経営難に陥った時、2億円の融資とともに理事として乗り込んできた小山昭夫はその後樟蔭東学園の経営権を掌握し、学校の運動場を22億円で売却してしまった。この出来事はその後さまざまな学校で「学校の乗っ取り方」として真似られることになるのである。

 経営不振に陥った企業に「運転資金を融資する」と声を掛けてくる連中が善意の人たちであることは100%ない。わずかなゼニでその会社を乗っ取って巨利を得ることが最終目的である。ところがだまされる人があまりにも多いのである。そして最後は自殺したり生命保険に無理矢理に加入させられて殺されるという結末を迎える。そうしたことはバブル崩壊後の日本で数多く発生した。不景気の中では企業乗っ取りがヤクザの一つのシノギだったわけである。ところが最悪期を脱して景気が落ち着いてくるとそうした会社が減った。そこでヤクザが次のターゲットにしてきたのが学校である。今回の森友学園の事件の背後には政治家だけではなくヤクザが関わっているとオレは推測している。籠池泰典を裏で操ったヤクザがいるかも知れないのだ。

 私立大学や高校が生徒減少で経営難に陥った時、その危機を打開する方法を現場の教員たちが思いつかないのが普通である。彼らの多くは「学校経営」という点に関してはプロではない。アイデアを持っているわけでもない。授業をしたり担任としてクラス運営をする能力はあっても、経営者としてゼニを動かす能力があるわけではない。そこに怪しげなコンサルタントが入り込み、そのアドバイスに従わせて意味不明な巨額のゼニを無駄遣いさせ、最終的には倒産やむなしという状況に追い込むのである。

 もしもその学校が駅前とか、都心部という一等地にあった場合、乗っ取りに成功したヤクザには数十億というゼニが入ってくるのだ。それが大きなビジネスチャンスとして認識されてることはあきらかである。ところが文部科学省も都道府県の教育委員会もこうした実態に関する危機感は全くない。現場の教員が乗っ取りの危機を訴えても何も動いてくれない。ヤクザ相手に一般市民は抵抗する術がないのである。兵庫県警とか大阪府警はヤクザのお友達だし、そもそも法律に抵触しないように連中は巧妙に罠を仕掛けてくるのでどうしようもないのである。その流れに抵抗する心ある教員にはさまざまなパワハラが行われ、心を病んで退職したり自殺したり、他の学校に転勤していく。やる気のない教員だけが残り、最後は廃校ということになる。かくして歴史や伝統のある学校がヤクザの手に落ちてしまうのである。

 学校にはさまざまな補助金が流れ込む。しかし、そのゼニが本当に生徒や教員のために使われてるとは限らない。たとえば校舎の建設費の中で実際にかかったゼニと手抜き工事で浮いたゼニの差額はどこに行くのか。

この危機の中でも自前の経営努力で危機を乗り切っている私立大学や高校もある。生き残る学校とそうでない学校の差はいったいどこにあるのか。これはうまくいった学校から学ぶしかないのだが、すぐに見分けられるポイントが一つある。卒業生に愛されてるかどうかである。卒業生がそこで過ごした日々をなつかしみ、卒業してOBになってからも来校したくなるような学校は危機を乗り切れるが、その学校での日々が本人にとってのただの黒歴史であり、
二度と思い出したくないと思われるような学校は遠からずつぶれるということである。これだけははっきりしているとオレは言いたい。


(私のコメント)

政治家とヤクザの違いは、胸に議員バッチをつけているかどうかの違いであり、胸にバッチをつけていないのがヤクザということになる。それくらい今のヤクザは見分けがつきにくい。ピストルや刃物を振り回すのはチンピラであり、今のヤクザは合法的に活動して巨額な金を騙し取る。

籠池理事長も昨日テレビのニュースで見ていましたが、籠池理事長も明らかにヤクザのお仲間でしょう。やり口がヤクザそのものだからだ。ヤクザにとってはお役人さんたちを脅して許認可を取ることがシノギであり、お役人たちは小心者だから簡単にヤクザの脅しに屈してしまう。

お役人たちには妻もいれば子供もいるだろう。本人を脅さなくても子供に対して危害が及ぶような事を仄めかして脅せば役人たちも言う事を聞かざるを得ないでしょう。兵庫県警とか大阪府警はヤクザのお友達だし、東京や神奈川県警もヤクザのお友達であり警察も役に立たない。何しろ石原都知事も松井大阪府知事もバッチをつけていなければヤクザでしょう。

それくらい政治の世界はやばい人が沢山いるところであり、カタギの人が政治家になっても役に立たない。築地市場の移転問題もヤクザのシノギの構図であり、東京都の金を動かして築地から豊洲に移転させて、地上げするのが仕事だ。森友学園も国有財産をタダ同然で払い下げさせて、いずれ転売するのが目的でしょう。

豊洲には既に6000億円以上もの金が使われていますが、東京都の金であり建設実費を差し引いたカネが闇に消えていった。このような問題に対しても都議会議員は全く役に立たず、ドン内田の言うなりになっていた。それから見れば小池都知事は度胸があると小泉氏も言っていましたが、女ヤクザなのでしょう。

森友学園の問題も、財務省の役人がヤクザと政治家に脅されれば言うなりにならざるを得ず、国会で野党がいくら騒いでも、鴻池元防災大臣が出てくるくらいで、まさにこんにゃく問答だ。今は金が動かなくても、将来籠池氏が小学校用地を売却した際には、その代金の一部は政治家に渡るのだろう。しかし口利きをしただけでは政治家は捕まらない。陳情と口利きは政治家の仕事だからだ。

豊洲も森友学園の小学校用地も、産廃やゴミが資金洗浄の手段になっていますが、豊洲もほとんど価値のない土地が600億円で東京都に買われた。東京ガスが出したのは70億円程度であり、800億円が有害物除去に使われた。差額の1400億円はどこに消えたのでしょうか。有害物除去も本当に行われたのだろうか。

森友学園の用地売却も氷山の一角であり、同じようなケースは財務省の理財局をつつけばいくらでも出てくるでしょう。学校と名が付けば公共的な名目が立つし、新聞社などの用地も格安で払い下げられた。朝日新聞社なども今は新聞を売るよりも不動産業で稼いでいますが払い下げ用地で儲けているのだ。新聞記者さんもバッチをつけていなければヤクザとお同じです。


朝日新聞社も‘国有地を破格の安価で払い下げを受けていた’ 2月24日 週刊文春

攻める朝日新聞にもツツきどころ満載 

 そういうスキャンダルじみたネタを攻める朝日新聞も、なかなか良いカロリーで火柱を上げてるなと思っていたら、少し話がトーンダウンしてきました。追加の燃料はないのでしょうか。 
 実のところ、朝日新聞の現場の記者はかなり頑張っていると思うのですが、国有地の払い下げの問題に関して言うならば、朝日新聞を含むオールドメディア各社にも“原罪”はあります。 
いま築地にある朝日新聞本社ですが、1975年に浜田山の自社所有物件を官舎にするため交換するという条件で坪200万円はくだらない国有地を坪56万円で払い下げてもらっています。 
しかも、この朝日新聞が保有していた浜田山の土地は遺跡が出て調査のためしばらく上物を建てられなかった、というネタまでついてます。 
新聞社や通信社、広告代理店、大手通信社などなど古い大手企業は多かれ少なかれ戦後の体制や経済成長のあれこれで、政治に近づき、おこぼれにあずかりながら偉くなっているという側面があるわけです。 
ある種の政治とメディアの呉越同舟ですね。そういう事情がある前提で今回の森友学園問題を見ると、一番槍をつけたはずの朝日新聞に対し「お前が言うな」とか「政権妨害活動お疲れ様です」みたいな野次が飛ぶのも仕方がないことなのだろうと感じます。 (後略)


朝日新聞、不動産とM&Aで「売上3000億円めざす」 渡辺社長「ベンチャーの気概で新しい時代に対応したい」 2016年10月6日 

朝日新聞は、東京・大阪・名古屋・北九州・札幌という主要都市の中心部に本社や支社の自社ビルを所有し、その一部を他の企業に賃貸している。それに加え、東京の有楽町マリオンや赤坂溜池タワーなどの優良賃貸ビルもある。

不動産業務室の宍道学室長によれば、朝日新聞が所有する不動産の数は全国で623にのぼる(本社・支社 5、印刷工場 12、編集局舎 168、ASA販売店舗 390、賃貸物件 48)。「小さいものもあるが、数でいえば日本のメディアで一番多いのではないか」。

また、同社発祥の地である大阪では、中之島フェスティバルタワーという200メートルのツインタワービルを建設している。総工費約1000億円の巨大プロジェクトだ。1棟目はすでに完成して朝日新聞大阪本社などが入居しているが、2棟目は建設中で、来年3月に竣工予定。その上層階には、コンラッドホテルが入居することが決まっている。

  東京・銀座の並木通りにある朝日ビルも現在、建て直し中である。こちらは2017年中に完成し、翌18年にハイアットセントリックという新しいホテルが開業する予定だ。

渡辺社長は「先輩たちが残してくれた資産をフルに使いながら、2020年度には不動産事業のみで200億円の売上をあげ、営業利益も30%ほど出していきたい」と期待する。

同社が不動産事業に注力するのは、利益率が高いためだ。朝日新聞グループ全体の連結営業利益は2015年度で121億円だが、そのうち不動産事業の利益が42億円と35%を占めている。売上に占める割合は4.5%にすぎないが、利益の面での貢献度は大きい。

不動産業務室の宍道室長は「不動産事業の利益が、メディアとしての朝日新聞を支える収益の柱となっている」と経営の実態を語った。(後略)





かつて軍事・経済・文化で隆盛を誇った国々の多くが、中間層の
没落をきっかけとして衰退し、最後には滅んでいきました


2017年3月9日 木曜日

「中間層の没落」とともに国家は衰退に向かう トランプは「歴史の教訓」に逆らっている 3月9日 中原圭介

その当時のアテネ、ひいてはギリシャの民主政治の特徴とは、成年男性市民の全体集会である民会が多数決で国家の政策を決定し、できるだけ多くの市民が政治に参加することを求められたということです。そのような政治制度の誕生によって、ギリシャの各ポリスでは宗教に縛られない自由な考え方が生まれ、文化面では合理主義的な哲学や数学などが発達しました。その後、ギリシャの文化は、ローマの文化や14世紀のイタリアから始まるルネサンスの規範となっていくことになります。

紀元前500年〜紀元前480年の間に3回にもわたる大国ペルシャとの戦争に勝利したギリシャの諸都市国家は、当時の世界で最も繁栄を極めていた文明であるといえるでしょう。しかしながら、その繁栄は50年余りしか続きませんでした。アテネを中心とするポリスの連合であるデロス同盟と、スパルタを中心とするペロポネソス同盟のあいだで、紀元前431年に植民地をめぐって悲惨な戦争が勃発してしまったのです。

長年にわたる従軍で農民が経済的に疲弊した

ペロポネソス戦争はギリシャ域内で30年近くも続いたため、ギリシャの各々のポリスは衰退していくのが避けることができませんでした。というのも、中小農民が長年にわたって従軍せざるをえず、そのあいだに農地が荒廃してしまったからです。農産物収入を失った農民は、生活のために金銭を必要としたので、借金に借金を重ね、最後には土地までも失ってしまったのです。

貨幣経済が発達するにつれて、没落した農民は小作人や奴隷といった身分に転落していくかたわら、富裕な貴族や一部の大商人は農民が手放した土地を買い取り、ポリスの人々のあいだでは絶望的なまで経済的な格差が拡大していきました。その結果として、富裕な貴族や一部の大商人は大土地所有者となり、政治・経済の支配者として君臨していく一方で、小作人や貧民は不満を募らせて大土地所有者に強く対抗していくようになったのです。富裕な人々が支持する党派と貧民層が支持する党派の争いに発展し、裏切りや暗殺、追放などが横行することになり、ポリス社会の強みであった「国家のもとに奉仕する」という人々の心やまとまりは、ペロポネソス戦争が終わる頃には見事に失われてしまったというわけです。

国防の要であった豊かな中小農民が経済的に疲弊して従軍できなくなると、重装歩兵の密集集団による戦法は使えなくなりました。そこで各々のポリスは兵隊として傭兵を雇うようになったのですが、主として雇われたのは異民族や土地を失った没落農民などでした。当然のことながら、傭兵では強い連帯感やポリスへの忠誠心を持って戦うのは困難であり、ポリスの軍事力はかつてと比べると著しく弱まってしまいました。

そのような折の紀元前4世紀後半に、ポリスをつくらなかったギリシャ人の一派である北方のマケドニア王国では、フィリッポス2世のもとで財政と軍政の改革を進めます。そしてとうとう紀元前338年には、マケドニアはカイロネイアの戦いでギリシャ連合軍に圧倒的な勝利を収め、ギリシャ全域を支配することに成功したのです。戦意の低い傭兵を主力とするポリスの軍隊は、自国民で組織したマケドニア軍の敵ではなかったというわけです。

このように歴史を振り返ってみると、古代ギリシャの黄金時代は豊かな中間層の出現とともに生まれ、中間層の喪失によって終わりを迎えたということがわかります。豊かな中間層の喪失は、貧富の格差を拡大させ、国家の分断を引き起こし、国力を衰退させていったのです。

古代ギリシャは歴史上で初めて、豊かな中間層が失われると、軍事的にも政治的にも経済的にも国力が衰退していくという教訓を、後世の人々に如実に示した事例であるといえるでしょう。中間層が失われた国は滅びる。現代においては滅びるということはなくても、衰退は避けられない。それが歴史の教えるところなのです。

分断するアメリカは歴史的な危機を迎えた

昨今のアメリカでは、グローバル経済の進展や金融危機の後遺症などを経て、豊かな中間層から貧困層および貧困層予備軍に転落する人々が増える一方で、富が一部の支配者階級に集中するという傾向が強まってきています。2011年に「ウォール街を占拠せよ」をスローガンとして全米各地で行われた反格差デモ活動に象徴されるように、アメリカではすでに国家の分断が起こり始めているといえるでしょう。

さらに悲惨なことに、トランプ政権が誕生したことによって、人種による差別や対立という新たな国家の分断も起こってしまっています。トランプ大統領は移民・難民の入国を制限・停止するという方針をテロの危険性を和らげるための措置だと強弁していますが、それよりもヘイトクライムが横行していることのほうが、アメリカ社会の分断をいっそう促しているので大問題であると思われます。

歴史的な見地から判断すれば、経済格差と人種差別という複合的な国家の分断にさらされているアメリカの現状は、国家としての歴史的な危機を迎えているといっても過言ではないでしょう。アメリカが20年後、30年後に繁栄を享受できているか否かは、まさに国家の分断を回避できるかどうかにかかっているというわけです。



(私のコメント)

今日は中産階級の没落が国家の衰退につながることを述べたいと思いますが、これはアメリカやEUや日本などでも言えることであり、国家を支えてきた中産階級が下層に没落して、少数の上流階級だけが経済的な繁栄を独占するようになる。上流階級は減税などの措置によってますます豊かになり、中下層階級は消費税などの重税に苦しむことになる。

上流階級は、土地などの不労所得が有り、それらの所得は減税措置などで手元に資金が残るようになり、銀行などの預金に収まっている。それに対して中下層階級は生活苦などから手持ちの土地を売り払うようになり、それを上流階級が買って株なども所得も源泉分離課税でますます豊かになってい行く。

中間層においては、マイホームなどの確保は大変な負担であり、リストラや病気などの失業などで収入を失えばマイホームも手放さなければならなくなる。こどもの教育費なども大変な負担であり、子供一人を大学まで出せば3000万円以上の出費になる。これでは少子化も当然起きてくるのであり、若年労働者人口が減って経済に活気が失われてくる。

生活格差の拡大は、国が税制などで調整すべきなのですが、累進税率のフラット化で高額所得者は減税されて、低所得者は消費増税などで税負担が増え続けることになる。高額所得者は政界などとも結びつきが太くて、減税などの要求が出されますが、低所得者への増税で穴が埋められる。消費税増税の額と法人税減税の額はほぼ等しいのは偶然ではない。

一部の少数の上流階級だけが反映する国家は、足腰が脆弱な国家となり、国家を支えてきた中間層の市民が少なくなることであり、軍隊も脆弱化して傭兵による軍隊が作られることになる。これは古代ギリシャも古代ローマ帝国も現代のアメリカも同じであり、中東で戦っている兵士は現代の傭兵たちであり、武装した民間会社の社員たちであり、彼らは戦争のプロではあるが、忠誠心は少ない。

日本も自衛隊は非常に虚弱であり、在日米軍が傭兵化していると言えるだろう。彼らが命懸けで日本を守ってくれる訳がなく、日本の自衛隊は17万人程度しかいないから日本を守ることは単独では無理だ。なぜ中間層が没落してしまうのかは、産業構造などの変化によるものですが、企業の海外移転などで国内ではリストラや解雇などで、労働者の月給なども減ってしまった。

さらには移民などの流入で賃金の低賃金化が促進されて、若年労働者の賃金は伸び悩んだ。企業は正社員から派遣社員などの非正規社員に切り替えられて行って、若年労働者の低賃金化は消費の停滞などももたらした。このような現象は日米欧と共通しており、国家の衰退をもたらす。

イギリスのブレグジットやアメリカのトランプ大統領の登場はそれに対する危機感から生まれた政権であり、安倍内閣もそれに対応した政策を取らなければならない。しかし税収と国家財政の支出のアンバランスはずっと続いており、国家財政のずさんな経営は、法人や富裕層への減税と財政の無駄遣いがひどすぎる。

法人の内部留保は膨らみ続けて380兆円にもなりプールされて使われないでいる。富裕層の財産もタックスヘイブンなどに隠されてしまって税金が払われない。トランプ大統領は国境税を設けて国内の製造業を守ろうとしていますが、移民の流入も制限しようとしている。それで中間層の復活ができるかどうかはわからない。

経済のグローバル化が、先進国の中間層の没落を招いた原因ですが、その文が新興国での中間層の拡大につながっている。中国でも2億人程度の中間層ができてきて、日本へも爆買に来ていますが、中間層の拡大は国力の増大にもつながっている。トランプは中間層の縮小を逆転させようとしていますが上手く行くのだろうか。




「総理夫人」という立場だからこその「名誉校長」だと認識していたが、周りの
「忖度」をもたらすだけの権力の身近にいることに対する自覚が足りなすぎる。


2017年3月8日 水曜日

夫と妻 主人と夫人 3月8日 井土まさえ

園遊会や天皇誕生日等の皇室行事に招かれた時に、配偶者の部分を見て驚いたことがあった。

男性の招待客の配偶者は「○○殿 同令夫人」

女性の招待客の配偶者は、たとえばワタクシの場合は「井戸まさえ殿 井戸☆☆殿」と配偶者名が書いてある。「○○殿 同令夫・・おっと、そんな言葉はないか)」とはならない。

なるほど、女性は俗称で呼ばれる場面でも、男性は常に名前で呼ばれる存在なのだのだと実感した瞬間でもあった。

さて、昨日、男女の差別をなくし、生き方や働き方を考えるというイベントに参加したのは「注目を集める」安倍昭恵氏。

「本当は、きょうは主人も一緒に来られたらよかったんですけど」

男女の差別をなくし・・のイベントでいきなり「主人」と来ますか。関係者が椅子からずり落ちるさまが想像できる。

このイベントの中で昭恵氏が語る言葉には、今回の「森友問題」に主体的でないにしろ巻き込まれた理由が見え隠れする。

「個人としては仕事も能力もないし、家事もできるわけでもないのに、こういう立場になってしまっている。なぜ、こんなに注目を集めてしまっているのか、すごく戸惑っている」

自らの立場と今の状況をこう説明する昭恵氏。

特別仕事を持たず、能力もなく、家事ができない・・でも、総理夫人と言う立場にはなっているのは、「ありのままの自分」ではなく、裕福な家庭に育ち、同じく政治的エリート一課に育った夫と婚姻した結果。つまり実態との「乖離」があることと捉えているのだ。

「専業主婦になって家庭を支えるのが、妻や女性の役割であり、幸せだと言われて育ってきたんですけど、そんな中で、再び総理夫人になってから、すごく活動の幅が広がりまして、いろんなところに行きますし、いろんな方たちから、いろんなことを頼まれたりもしまして、すごくわたしは、忙しくなってしまったんですね」

その「乖離」は夫が再び総理になって以来、さらに開いて行く。夫を支える目的が、いつしか「乖離」を埋める自己実現の手段になったということなのだろうか。

元「政治家の妻」だった経験から言うとその立ち位置は本当に難しい。

前にも書いたが、議会で質問する以外は、夫以上に地元活動をする(できる)適性を持った妻は多い。

政治という仕事は自営業に近くて、心密かに「歳費の半分は自分の稼ぎ」との認識を持っている妻は多いような気がする。

逆に人格的にとても良い人で、能力がある配偶者でも、こと選挙には不向きという人もいる。その場合には逆バネが利くので、政治活動に登場しない(させない)というのが、業界の常識でもある。

話を昭恵氏に戻す。2点。

まず1点目は、

今回の騒動は皮肉とはいえ、まさに「男女の差別をなくし、生き方や働き方を考える」ために、またとない例示となったのではないか、ということだ。

夫と妻、主人と夫人。

専業主婦の延長上にある「総理夫人」なのか、無給ではあるもののプロ意識をもつ職業としての「総理夫人」なのか。

後者の場合は夫の手当にインクルードされているということなのか??等々。

そして2点目。

昨日も書いたが、ワタクシは森友問題については徹底追及すべきだと思っている。今後のためにも、である。

「総理夫人」という立場だからこその「名誉校長」だと認識していたことは、このイベントでの発言をみれば明らかなわけで、教育内容も含めてこれだけの疑問が満載する学校について、自らその実態を調べずして軽率に役割を引き受けたというのは、非難されて当然であると思う。広告塔的役割をになったりすることは容易に想像できたはずだからである。

また周りの「忖度」をもたらすだけの権力の身近にいることに対する自覚が足りなすぎる。

その責任を問われた時に「私人」と逃げるのはあまりにお粗末である。

・・我が夫はまた別の意見かもだが(笑)



(私のコメント)

今日もテレビでは森友学園問題で終始していますが、安倍総理夫人の昭恵氏が名誉校長になっていなければこれほどの騒ぎにはならなかっただろう。総理夫人が名誉校長をしている学校の許認可案件だから、役人たちはそれを忖度して動いたのかもしれない。

政治の世界から言えば、国会議員の夫人は夫の国会議員の分身であり、地元にいて本人に成り代わって地元の有力者たちの冠婚葬祭などに駆り出される。だから昭恵氏が名誉校長をしている学校とは安倍総理が名誉校長をしているようなものであり、安倍総理が何もしていなくても周りは気を使って忖度してしまうのかもしれない。

財務省の理財局が交接録を出さないのは、安倍総理からは何もなかったからであり、役人自身の判断で森友学園に有利な取り計らいをしてしまったのだろう。だから責任問題になると役人自身が責任を問われることになりかねない。だから文書は既に処分済みとなっているのだろう。

本当に安倍総理からの口利きがあったとするならば、財務省はこれほど強力な材料はないのであり、安倍総理は財務省のいいなりにならざるを得なくなる。しかしそんなことはしていないから財務省の理財局は交接録を出せないのだ。それほど昭恵夫人の威光は強力であり、本人はそれを自覚していなかったようだ。

出来れば総理夫人といえども、誤解を招かないためにも私的な名義貸しのようなことはすべきでないだろう。総理夫人となれば安倍総理にも直接話ができる立場であり、昭恵夫人から告げ口されれば、財務省の局長人事も影響してくるかもわからない。もちろんそんなことはあってはならない。

夫が国会議員の夫人は、本人以上に大変な仕事であり、地元での選挙でも夫人の働きしだいで当落が決まることもある。地元の事務所でも仕切るのは秘書よりも夫人の方が仕切ることが多く、秘書などは裏切ることがあっても夫人が裏切ることはまずないだろう。

だから国会議員が亡くなった時なども夫人が議員の後を継ぐことはよくあることだ。これは会社などでも同じであり、中小企業などで社長が亡くなった後を夫人が社長になる事が多い。だから社内においては「社長夫人」は社長と同じくらいの力を持ってることがある。ちょっとした口利きで社内人事が決まることがあるからだ。

女性は、どんな男と結婚したかで社会的な地がかなり決まってしまう。それくらい「夫人」という地位は本人の代理人としての役割があり、どんなに優れた女性でも、ろくでもない男と結婚すれば一生冷や飯を食うことになる。逆の場合ももちろんある。昭恵夫人は森永製菓の社長のご令嬢であり、安倍総理の片腕としての役割も担っている。

安倍総理が多忙だから、昭恵夫人が他の国会議員の応援などもしなければならないほどであり、昭恵夫人の名誉校長といえども役人たちは「忖度」するのは不自然なことではない。これは違法ではないが道義的には誤解を招きやすく、国会で騒がれるのはやむを得ないだろう。




トランプ大統領が実力行使をしたら、北朝鮮は当然、在日米軍の
総司令部がある横田基地や横須賀基地をミサイルで狙うだろう


2017年3月7日 火曜日

北朝鮮を攻撃すればソウルで100万人が死ぬ 3月6日 高橋浩祐

北朝鮮の暴走が止まらない。3月1日から始まった過去最大規模の米韓合同軍事演習に反発し、北朝鮮が6日朝、ミサイル発射を強行した。北朝鮮は、昨年の米韓合同軍事演習の際も対抗措置として、新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」を発射するなどしている。今回も同じような挑発行為に出た格好だ。

ただ、今年は様相が違う点がある。今年の場合は、北朝鮮だけが強硬姿勢に傾いているわけではなく、米政権も強硬姿勢をみせている。国連制裁を無視し、核・ミサイル開発を続ける平壌に対し、直接対話の可能性は排除してはいないものの、米国は軍事オプションをちらつかせ、このところ、ぐっと北への圧力を強めている。

しかし、こうした米国の強硬姿勢は、核の非核化や開発凍結に向けた譲歩を引き出すための、一種のブラフ(脅し)に過ぎない。実際の軍事力行使はさまざまな理由から事実上、不可能だ。

米国が検討する軍事オプションとは?

3月1日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ政権は、北朝鮮の核ミサイル開発をほとんど放置してきたオバマ前政権の「戦略的忍耐」の方針を見直し、北朝鮮への軍事攻撃や体制転換を含めた「あらゆる選択肢」を検討しているようだ。特に、北朝鮮が米本土への攻撃が可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に踏み切ろうとした場合、北朝鮮を先制攻撃する軍事オプションも含んでいるという。

この意味で、6日朝に発射されたミサイルが仮にICBMであったならば、それが北朝鮮に対して、米国が定めた「レッドライン」(越えてはならない一線)となった可能性があり、トランプ政権は金正恩朝鮮労働党委員長に早速、軍事オプションの本気度を試される一大事となるところだった。金正恩氏が1月にICBMをいつでも発射できると主張した際、トランプ大統領はツイッターで「そうはさせない」と述べていたからだ。

米韓両軍は3月1日から、朝鮮半島有事を想定した毎年恒例の合同軍事演習を開始した。演習は約2カ月間続き、今年の訓練の参加人数は、過去最大規模で実施した昨年の米韓両軍計31万7000人を上回るとみられている。

2016年の米韓合同軍事演習では金正恩氏ら要人を狙った「斬首作戦」と称する訓練を実施し、北朝鮮は強く反発した。今年も斬首作戦の訓練をはじめ、北朝鮮国内の核やミサイルの施設を攻撃する訓練が行われる見通しだ。韓米両軍は今年2月中旬には既に、ソウル北方の京畿道抱川市で北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)関連施設を探索・破壊する過去最大規模の演習も実施している。

北朝鮮への軍事力の行使に慎重だったオバマ前政権と違い、トランプ政権は、このように米国の強大な軍事力を背景に、北朝鮮への先制攻撃をちらつかせ、金正恩体制に圧力をかける戦術に乗り出している。

過去の苦い教訓

確かに、米国が軍事攻撃の覚悟を示さないと、北朝鮮は譲歩しないという過去の教訓もある。1990年代の「第1次核危機」の際、クリントン大統領が核施設攻撃を決意した段階で、北朝鮮は核放棄に応じた。しかし、その危機が去ると、北朝鮮は核開発を再開した。また、ブッシュ大統領が「悪の枢軸」と非難し、イラク攻撃に乗り出すと、北朝鮮は6カ国協議に応じた。平壌は軍事攻撃の危機やレジームチェンジの危機に直面しないと、譲歩しない歴史がある。

クリントン政権期の第1次核危機と、2000年代のブッシュ政権期の「第2次核危機」のように、米国は今回も軍事オプションを検討している。しかし結局、先制攻撃をした際の韓国や日本の被害リスクが大きすぎる。今回も実行には移せない可能性がかなり高いのではないか。

北朝鮮の金正恩氏は過去の経験から、たとえ第3次核危機が起きても、北に対する武力行使や政権転覆などの米国の強硬姿勢は、単なる脅しであると判断する可能性が高い。トランプ大統領も、やりたい放題の北朝鮮の金正恩氏を放置せずに、米国民向けに強い指導者としてのイメージを広めるジェスチャーに利用するだけかもしれない。

なぜ米国は北朝鮮への軍事攻撃が難しいのか。

一番の理由として、ソウルは、南北の軍事境界線から40キロしか離れてない一方、平壌は150キロほど離れている。このため、北朝鮮は戦略上有利にソウルを「人質」にとっていることがある。

2016年版防衛白書によると、北朝鮮の地上軍は、約102万人を擁し、兵力の約3分の2を非武装地帯(DMZ)付近に展開していると考えられている。戦車3500両以上を含む機甲戦力と火砲を有し、口径240ミリと300ミリの多連装ロケット砲(MRL)や170ミリ自走砲といった600門を超える長射程火砲をDMZ沿いに集中配備する。これらを撃てば、韓国総人口の約半分の2500万人を占める首都ソウル一帯に着弾できる戦略的な強さを有している。

米国による北朝鮮への先制攻撃がもたらすリスクについて、盧武鉉政権時に大統領府外交安保首席秘書官を務めた韓国国防研究院のソ・ジュソク責任研究委員は5日、慶應義塾大学で行われた朝鮮半島の安全保障政策に関するシンポジウムで次のように語った。

「北朝鮮の核ミサイル攻撃が差し迫って先制的に攻撃をするpreemptive attackであれ、(最近米国で議論されているような)北朝鮮の核能力がさらに高度化される前に、予防的に核攻撃施設を攻撃するpreventive attackであれ、北朝鮮は自らの安全保障体制への攻撃であるので、非常に強硬な反応を見せる」。続けて「米韓の攻撃能力がいかに優れているとしても、北朝鮮の核能力をすべて破壊することはできない。北は当然、核を動員した反撃をする。同時に、長射程砲など北朝鮮が持っているさまざまな攻撃手段を活用した対韓国、対米国攻撃に入る」と述べた。

そして、「(2010年に南北で砲撃事件があった)延坪島やソウルなどを含めた広範囲な場所に対する反撃につながると思われる。94年のクリントン政権時には、米国が北朝鮮の核施設を対象にサージカルアタック(局部攻撃)をしたら、10万人以上の米国人と100万人以上の韓国人が死亡するとの計算があった。おそらく今は北朝鮮の攻撃能力が上がっているので、被害はもっと大きくなる。韓国のいかなる指導者も先制攻撃があってもいいと考えている人は一人もいない」と述べ、米国による先制攻撃のリスクに強い懸念を表明した。

トランプ政権はIS対策を重視

また、米国による北朝鮮への軍事行使の可能性が低い理由として、トランプ大統領がイスラム国(IS)など「イスラム過激主義のテロ根絶」を最優先事項に掲げることがある。

志方俊之・帝京大名誉教授(安全保障)は筆者の取材に対し、「トランプ政権は中東問題の解決が先。マティス国防長官やマクマスター大統領補佐官らは中東の専門家で、対ISが何より優先される」と述べた。

また、退役海兵隊大将のマティス氏や陸軍中将を務めたマクマスター氏は戦闘部隊司令官でもあったことから、アジアで不必要な戦争や無駄な犠牲者を生じさせる考えはないとみられる。特にマクマスター氏はかつて著書「Dereliction of Duty(=職務怠慢の意)」を出版し、ベトナム戦争の泥沼化を分析し、当時の大統領や軍上層部を批判した。軍史や戦略の専門家としても知られる同氏がうかつに第2次朝鮮戦争を引き起こす北朝鮮への先制攻撃を強行するとは思えない。

朝鮮問題のルポで知られ、38度線を撮り続けている報道写真家の山本皓一氏は筆者の取材に対し、北朝鮮は38度線の山の斜面にはトンネルや土嚢を使って大砲や移動ミサイルを隠している」と述べ、米軍の先制攻撃で北の兵器を破壊する難しさを指摘した。さらに、「トランプ大統領が実力行使をしたら、北朝鮮は当然、在日米軍の総司令部がある横田基地や横須賀基地をミサイルで狙うだろう」と憂慮した。

慶應義塾大学の西野純也教授も前述のシンポジウムで、「軍事的なオプションが今後ともテーブルの上に載せられていく状況は続くと思われるが、それは韓国だけでなく日本にも重要な意味を持つ」と指摘。「とりわけ安倍政権になって、厳しい安全保障環境の中で、日本の安全保障政策が法律を含め、大きく変わってきている。もし朝鮮半島情勢に何かが起これば、日本はより深い形でかかわらざるを得ない」と話した。

緊迫する半島情勢に日本も翻弄されることになりそうだ。



(私のコメント)

昨日北朝鮮が4発のミサイルを発射しましたが、日本の反応は鈍く、もっぱら森友学園スキャンダルに国会やテレビは終始している。東京周辺には巨大米軍基地が取り囲んでおり、そこに北朝鮮のミサイルが飛んでくる恐れがあるというのに、PAC-3すらも東京に配備されない。

もっともPAC-3では北朝鮮のミサイルには殆ど効果がありませんが、配備くらいはしたらどうなのでしょうか。稲田防衛大臣は何をしているのでしょうか。なんとも頼りない防衛大臣であり、緊急事態に対応ができるのでしょうか。私としては数発のミサイルが北朝鮮から東京に飛んできたほうが、日本人の目を覚ますにはいいと思うのですが、国会にも一発くらい落ちたほうが国会議員たちの目を覚ますにはいいだろう。

今の所はミサイルに詰めるような核弾頭はないだろうから、通常弾頭になるのでしょうが、国会議事堂を破壊するくらいの威力はある。日本の米軍基地に北朝鮮のミサイルが飛んでくれば米軍としても反撃せざるを得ないでしょう。反撃すれば北朝鮮はボコボコになるでしょうが、北朝鮮軍もソウルに向かって長距離砲や短距離ミサイルを発射するでしょう。

それでソウル市民は100万人くらい死ぬということですが、ソウルもこれといった反応がなく様子見のようだ。またいつもの北朝鮮のブラフに過ぎないという見方なのでしょうが、金正恩は何をしでかすかわからない。マレーシアの金正男殺害事件もそうですが、金正恩は危険だ。

金正恩は多くの側近すら粛清していますが、本当に何をしでかすかわからない。今までも何度もアメリカは北朝鮮に攻撃をすることを検討しましたが、北朝鮮はその都度妥協してアメリカ軍の攻撃は中止された。今回もそのような事になるかもしれませんが、時間が経てばまた核開発を再開する。

中国も全人代を開いていますが、北朝鮮に対する動きは見られない。米韓合同軍事演習は毎年数ヶ月にわたって行われているから年中やっているように見える。北朝鮮に対する威嚇のためなのでしょうが、米軍が実際に北朝鮮に攻撃に出ることはないと分かっているから威嚇にもならない。

実際に北朝鮮を攻撃すれば、ソウルで100万人の死者が出ますが、ソウル市民が避難する様子も見られない。ソウル市民の関心はチェスンシルスキャンダルであり、左右両派がデモを繰り返している。パククネ大統領は検察の捜査を受けていて何もできないから、政治の空白になっている。

北朝鮮も韓国も政治的に異常な事態になっており、最終的にどのようになるのか分からない。朝鮮半島は歴史を見ても、大国に支配されていないと安定しない国であり、支配していた大国が衰退すると朝鮮は政治的に内部分裂して混乱してきた。今回の危機も中国の台頭とアメリカの衰退が背景にありますが、アメリカは第二次朝鮮戦争は戦えないだろう。

出来るとすれば、一昨日書いたように米中露の3ヶ国による国連共同統治であり、北朝鮮は三分割される。そのほうが北朝鮮の国民にとっては救われると思うのですが、アメリカの統治地区に韓国も参加することになるのだろう。北朝鮮の暫定大統領には誰がなるかわかりませんが、北朝鮮出身の韓国人がなるのだろうか。

最も中国やロシアを説得することは難しく、金正恩排除での合意だけかもしれない。後釜としては金正男が予定されたのかもしれませんが、マレーシアで暗殺されてしまった。中国としてはシナリオが狂ったとも言えますが、北朝鮮は軍事政権になるかもしれない。

韓国としては韓国主導の南北統一も求めるでしょうが、中国やロシアはそれは認められない。北朝鮮はそのまま存続して韓国との緩衝地帯にしておかなければならない。できれば改革開放政策で軍事路線は好まれないだろう。金正恩は改革開放路線を否定して軍事路線に突っ走っている。核を持てばアメリカが攻めてこないと見ているからだ。

中国から見ても金正恩は中国の言うことは聞かず、親中国派を粛清しているから排除したいところだろう。ロシアにしてもアメリカが北朝鮮に関わってくれれば、クリミアやシリアなどでロシアが主導権を取れると計算しえいる。中東問題はアメリカの国防とは関係がないが、北朝鮮はアメリカに届くミサイルを開発している。

アメリカが北朝鮮を叩くのは今が最後のチャンスになりますが、トランプ大統領は実際に行動に移すだろうか。しかし朝鮮半島に関与してもメリットはあまりないのであり、韓国もアメリカを見限って中国に付こうとした。実現性としては中国とロシアの共同統治はどうだろうか。北東朝鮮はロシア地区になり北西朝鮮は中国地区になるという案だ。で韓国は今までどおりアメリカ地区になる。




アマゾンに代表されるネット・ショッピングの普及で
米国のショッピングモールが存亡の危機に晒されています。


2017年3月6日 月曜日

ネット・ショッピングの普及で米国のショッピングモールが存亡の危機に晒されている 3月6日 広瀬隆雄

アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)に代表されるネット・ショッピングの普及で米国のショッピングモールが存亡の危機に晒されています。

不動産サービス会社、クシマン&ウエイクフィールドによると、去年のクリスマス商戦期間の小売売上高が前年比+4%だったのに対し、ネット・ショッピングは+20%で成長しました。米国の小売売上高に占めるネット・ショッピングの比率は2009年第1四半期の4.2%から2016年第3四半期は8.4%に増えました。同社は「アメリカの消費者は2010年に3500万回ショッピングモールを訪れた。2013年にはそれが僅か1700万回になった」と指摘しています。

このような来店客減でメーシーズ(ティッカーシンボル:M)、ノードストローム(ティッカーシンボル:JWN)などの百貨店の経営は苦しくなっています。メーシーズは2016年4月の時点で全米に870店舗を展開していましたが、100店舗を閉店すると発表しています。

メーシーズなどの百貨店は普通、郊外のショッピングモールにアンカー・ストアとして出店しています。アンカー・ストアとは、ショッピングモールの両端に配置された大きな店舗を指します。アンカー・ストアがショッピングモールの集客力を保証し、そこから上がる大きなテナント料がショッピングモールの大家さんの収入の安定に寄与するわけです。

このようなショッピングモールのコンセプトを考案したのはビクター・グルエンです。グルエンはウイーン生まれの建築家ですが1938年にナチスがオーストリアを占領したときアメリカへ亡命しました。そして1956年にアメリカで最初のショッピングモールをミネソタ州にオープンします。

サウスデールと名付けられたこのショッピングモールは百貨店デイトンズ、ならびにドナルドソンズをアンカー・ストアとしていました。この二つの百貨店を両端に配置し、その間を72の専門店で結んだのです。

ショッピングモールが出現する前のアメリカは、ストリップモールと呼ばれる道路沿いの商店街が中心でした。それぞれの店は大きな看板を掲げ、店の前に駐車スペースを持っていました。

この方式だと買い物客はひとつの買い物を済ませて次のお店に行く際、いちいちクルマに乗って移動しなければいけません。

ショッピングモールは、一度クルマを駐車すると、エアコンの効いた屋内を徒歩で次々に回れるという快適さと効率の良さを実現しました。

もうひとつ、インドア型ショッピングモールの持つ良い点としては、夜間の防犯上のリスクが比較的すくないため、店舗をガラス張りにし、モールを歩いている消費者に商品が見えやすいということがありました。

またショッピングモール内にフードコートを設け、食事もできるようにしたことで、ゆっくりショッピングを楽しむことを可能にしたのです。

ショッピングモールの大家さんはテナント料の一部が、その店の売上高に連動している関係で、出店しているお店が売り上げ好調であるほど、大家さんの家賃収入も増えるという仕組みになっています。

このため大家さんは成功しそうな専門店から優先的にテナント契約を結び、地元の、名前の知られていない零細なお店はショッピングモールに出店しにくい環境が醸成されました。これはザ・リミテッドやGAPなど、全国的に知られている有名な専門店が優先的に出店し、アメリカ中のショッピングモールが、「何処へ行っても同じような店ばかり」という画一化を招く一因となります。

しかしこのようなショッピングモールのエコシステムは、がっちりとしているようで、それが逆流しはじめると脆い構造になっています。

アンカー・ストアは売り場面積が大きい分だけ、ちょっとした売上高の減少は在庫増、固定費負担などが重くのしかかり経営不振に陥りがちです。実際、モンゴメリー・ウォード、マーヴィンズ、マーシャル・フィールズ、シアーズなどは経営危機に陥り相次ぎ倒産、吸収、閉店の憂き目にあっています。

アンカー・ストアが撤退すると、そのショッピングモールの礎が無くなってしまうので、他の専門店も来店客の減少、売上高減、ショッピングモールのメンテナンスや景観の維持など、全てに悪循環を及ぼします。

今年、共和党は税制改革法案を審議するにあたり、国境税調整を導入することを検討しています。これは輸入品に対し、一律20%の関税を課す試みです。もしこれが実現するとアパレルや電化製品などの値段が一斉に高騰することも予想され、消費者が一時的にせよ買い控え行動に出るリスクもあります。

つまりアメリカの小売業者はアマゾンからの攻勢でショッピングモールへの出店計画を大幅に見直している真っ最中に小売業者にとって歓迎せざる国境税調整が導入される可能性があるわけで、これがショッピングモールの滅亡を加速させるのではないか? という懸念が出ているわけです。


(私のコメント)

「株式日記」ではネットショッピングの本格的な普及で、百貨店や大手ショッピングモールなどが危機に瀕していることが始まっています。私などもネットショッピング中毒にかかって何か買わないともの寂しくなるほどです。ネットサーフィンをしていると楽天やYAHOOなどの宣伝が入りますが、つい商品を見に行ってしまって買いたくなります。

日本でも流通革命が本格化してくれば、百貨店や大手ショッピングモールなどは売上がネットショッピングに奪われて閉店が相次ぐようになるでしょう。商品の購入が以前は駅前商店街からイオンなどの大手ショッピングモールに移りましたが、今度はネットショッピングに移っていきます。

ネットショッピングならわざわざ買いに行かなくても宅配便で家まで配達してくれるから便利です。特に大型商品や商店に売っていないようなものはネットショップで購入するしかない。価格の点でもネットショップで買った方が日本一安い価格で買うことができる。

このようなネットショッピングに馴染まない食品や日用品などは、近くのコンビニやスーパーで買い物をしますが、流通革命が進めば食品や日用品なども配達されるようになるのではないだろうか。昔の御用聞きの時代に戻るようなものでしょうか。食品等も米屋や八百屋の配達を頼んでいたことがありました。

昔は米屋や八百屋などには小僧さんがいて配達などをしていました。それが今ではコンビニやスーパーなどで食品の宅配を始めています。ただ違うのは昔は電話で注文していたのが、今はネットで注文するようになった。同じ宅配でも違うのは宅配する範囲で、流通網の発達で日本全国になった。

これからの百貨店や大手ショッピングモールが生き残るにはどうしたらいいだろうか。百貨店や大手量販店でもネット販売をしてはいても、ネット専門のアマゾンや楽天などに客を奪われている。価格競争や配送費や時間などで敵わないからだ。先日もアスクルの巨大倉庫の火災がありましたが、ネット販売では流通網の整備が勝敗を分ける。

アマゾンが巨大ロボット倉庫を各地に作っていますが、楽天はそれに失敗している。だからアマゾンでは注文すれば翌日配達されるが、他の業者では何日もかかったりする。このようにネットショッピングが増大するにつれて、ヤマト運輸や佐川急便などの運転手不足がニュースになっていますが、ここがネットショッピングのネックになている。

しかし宅配も、ドローンなどの進歩で宅配も無人化が進んで人がいらなくなるかもしれない。このような変化は実際に何時頃実現するかわかりませんが、アマゾンでは着々と研究が進んでいる。そうなれば郊外にある巨大ショッピングモールが閉鎖されて買い物難民が出るかもしれませんが、ネットで注文すれば2時間で宅配する業者が現れるだろう。

しかしそれが出来るのは都市部に限られて、郊外では買い物難民化で住めなくなるかもしれない。モータリゼーションでは自動車でショッピングモールに買い物をするライフスタイルを作りましたが、ネットショッピング化時代では宅配できるところは都市部に限られてくる。あるいはドローンで運べるものに限られるかもしれない。

アメリカのように自動車や道路が発達しているところでも、ショッピングモールで買い物をすることが減ってきているということは、世界的に見てもそうなってくるのだろう。




ワシントンとしては、近未来の北朝鮮を、アメリカ、中国、ロシア
の3ヵ国による信託統治にしようと考えている。(ラッセル次官補)


2017年3月5日 日曜日

アメリカが進める金正恩政権「転覆計画」の全貌 正男暗殺の引き金はこれだった 2月27日 現代ビジネス

従わない者は兄でも殺す――弾道ミサイル発射に続いて世界を震撼させた金正恩。米朝戦争はすでに始まっている

極秘来日していたアメリカ高官

 「残念のひと言です。北朝鮮のことを、あれほど率直に語ってくれる人はいませんでした。それが、こんなことになるなんて……」

 沈痛な面持ちで語るのは、かつて金正男(享年45)に7時間インタビューし、計150通もメールをやりとりした「金正男の友人」五味洋治東京新聞編集委員である。

 「彼が5年前から暗殺対象になっていたという報道もありましたが、北朝鮮にとって脅威ではなかったはずで、金正恩は自己の政権に相当強い危機感を抱いているからこそ、過激な行動に走ったのでしょう。

 しかしこのような暴挙によって、北朝鮮情勢は、ますます不安定になっていくはずです」(五味氏)

 2月13日朝、マレーシアのクアラルンプール空港のチケット・カウンターに並んでいた金正男が暗殺された。故・金正日総書記の長男で、金正恩委員長(33歳)の異母兄である。2人の若い女性が、金正男に突然近づき、毒物を浸した布で顔を覆い、毒殺したのだった。金正男は近くの病院に搬送される途中で死亡した。

 まさに世界が驚愕した暗殺劇。金正恩委員長は、なぜ血のつながった異母兄を、かくも残忍な手段で葬り去ってしまったのか――。

 話はいまから2ヵ月ほど前、トランプ政権誕生を控えた昨年12月17日に遡る。この日、アメリカ国務省でアジア地域を担当するダニエル・ラッセル東アジア太平洋担当国務次官補が、ひっそりと来日した。

 現在63歳のラッセル次官補は、アメリカの東アジア外交のキーパーソンである。日本と韓国のアメリカ大使館での勤務が長く、'93年から'94年にかけてアメリカが北朝鮮を空爆する一歩手前まで行った核危機の際には、現場責任者だった。

 オバマ政権では国家安全保障会議(NSC)のアジア上級部長を務め、一貫して北朝鮮を担当してきた


 トランプ政権が始動するや、ケリー国務長官以下、国務省の幹部は軒並み去っていったが、ラッセル次官補だけは留任している。

 実はラッセル次官補が来日した目的は、翌月のトランプ政権発足を前に、今後のアメリカの対北朝鮮政策について、日本政府に説明するためだった。

 ラッセル次官補は、日本政府の高官たちを前に、まずは直近の韓国政界の話題から入った。

 「いま起こっている朴槿恵大統領のスキャンダルは、ワシントンとして、もうこれ以上、我慢ならなかった。だから、いろいろと後押しした。

 朴槿恵大統領の長年の友人で逮捕された崔順実は、北朝鮮出身者の娘だ。彼女は密かに北朝鮮と通じていた。このままでは、韓国が国家的な危機に陥るところだったのだ……

 日本政府にしてみれば、韓国政界の混乱に北朝鮮が「関与」していたというのは、初めて耳にする話だった。

「金正恩の暴発を許さない」

 ラッセル次官補は、本題の北朝鮮問題に入るや、さらに語気を強めた。

 「トランプ政権になっても、オバマ政権時代の対北朝鮮政策は引き継がれる。いや、さらに一歩踏み込んだ政策を取ると、日本には覚悟してもらいたい。

 周知のように、ワシントンがいくらプレッシャーをかけても、金正恩政権は、核及びミサイル開発をストップしない。それどころか、今年は核実験を2回、ミサイル実験を23回も強行した。その結果、北朝鮮の軍事能力は、もはやワシントンが看過できないレベルまで達してしまった。

 それに対して、北朝鮮の抑止力になるべき韓国は、経済力でははるかに北朝鮮を上回っているのに、まるで抑止力になっていない。それどころか政治的混乱が当分の間、続くだろう」

 日本側は、ラッセル次官補の言葉を、じっと聞き入っていた。

 そんな中、ラッセル次官補は、核心の問題に言及した。

 「ワシントンとしては、近未来の北朝鮮を、アメリカ、中国、ロシアの3ヵ国による信託統治にしようと考えている。

 このままでは近い将来、必ずや金正恩が暴発するだろう。そのため金正恩が暴発する前に、こちらから行動に出なければならないのだ」

 信託統治――1945年8月15日に日本が無条件降伏し、それまで35年にわたる植民地支配を終焉させた後、アメリカとソ連は、朝鮮半島を両国の共同管理下に置こうとした。それが信託統治である。だが、米ソの交渉は決裂し、朝鮮半島の南北が、それぞれ独立を宣言。1950年に朝鮮戦争が勃発した。

 それをアメリカは、第二次世界大戦後の原点に、北朝鮮を戻そうというのである。(後略)



(私のコメント)

日本のマスコミやテレビは森友学園と豊洲問題で終始していますが、金正男暗殺問題は第二次朝鮮戦争の引き金になるかもしれない。だからアメリカの高官の来日が相次いでいますが、安倍総理とトランプ大統領の秘密会談の内容も気になります。アメリカとしてもこれ以上は北朝鮮を放置できない状況となっています。

独裁国家は独裁者さえ処分してしまえば戦争にならないことが多く、金正恩さえ処分してしまえば北朝鮮は崩壊する。しかしアメリカは金正日の時代から北朝鮮を放置してきた。アメリカは大量破壊兵器を持っているとイラクに戦争を仕掛けましたが、イラクには大量破壊兵器はなかった。しかし北朝鮮は現実に原爆を開発しているが放置している。

其の辺のアメリカの思惑はわかりませんが、韓国も北からテロを仕掛けられても国としては動かず、北朝鮮のスパイ網にずたずたにされている。軍事独裁政権ならなんとかなったのでしょうが、民主国家ではなかなかスパイを取り締まれない。パククネ大統領に取り入ったチェ・スンシルも北のスパイだったということですが、これでは米韓の情報が北に筒抜けだ。

中国やアメリカにとっては、おとなしく南北の分断国家でいてくれた方が都合がいいのでしょうが、北朝鮮も韓国もなかなか厄介な国であり、中国もアメリカも両国に手を焼いている。戦前においても朝鮮はなかなか厄介な国であり、事大主義は周辺の大国を巻き込みやすい。日本も朝鮮に巻き込まれた。

地政学的に半島国家は独立を保つことが難しく、侵略されやすく守りにくい。それは歴史を見ればわかりますが、中国王朝から2000年も前から侵略されている。しかし韓国の歴史教育ではそのようには教えていないから、何度も同じ失敗を繰り返している。歴史的事実を知らなければこれからも判断を誤り続けるだろう。

問題は北朝鮮をどうするかですが、このまま放置ができなければ再び米中露の三カ国で国連信託統治するしかないのだろうか。それともアメリカはこのまま放置して、韓国に親北政権ができて北朝鮮によって赤化統一されるのを見ているのだろうか。次の韓国の大統領は誰がなろうと親北大統領となり、韓国が消滅するかもしれない。

そのような状況なのに韓国では従軍慰安婦像を60体も建てるなど正気の沙汰ではありませんが、韓国国民は親北大統領を選んで、自ら北朝鮮に赤化統一を待ち望んでいるのだろうか。韓国の金持ちたちは子供をアメリカなどに留学させて働かせているようですが、赤化統一されたらアメリカに逃げ出す用意をしているのだろう。

朝鮮戦争では400万人もの戦争犠牲者が出たにもかかわらず、韓国では朝鮮戦争の歴史をちゃんと教えていないようだ。韓国兵は国ために戦うといった気概がなくて、アメリカ軍を置き去りにして逃げてしまってアメリカ兵の多くが死んだ。だから朝鮮戦争では韓国軍からは英雄が出なかった。だから韓国映画の歴史ものはファンタジーであり、これでは韓国国民の歴史観はおかしくなるばかりだ。

中国にしてもアメリカにしても北朝鮮を解体するのは簡単だが、後始末が面倒になる。金正恩もこのような動きを察知して金正男を殺害したのだろう。当面は米中露の三国による国連統治領とするのが一番いい解決策だと思われますが、中国ロシアの説得が難しい。日本は金だけ出させられるようですが、数兆円になるかもしれない。




石原や浜渦が命令しなくとも、下がそれを慮って暴政の片棒を
担ぎ始めたとすれば、それは典型的な独裁の病理というほかはない。


2017年3月4日 土曜日

石原慎太郎元都知事は、一体何を間違えたのか? 「モノ言う知事」の品性と功罪 3月3日 青木理

築地市場の豊洲移転問題で、再び疑惑の眼が向けられている石原慎太郎・元東京都知事(84)。今年1月に『安倍三代』上梓したジャーナリストの青木理氏が、2007年4月の「月刊現代」に寄稿した、石原都政8年間の内実を暴いたレポート<「モノ言う知事」の品性と功罪>の後半部分を公開する。(前編はこちらから)

ついに「懐刀」と呼ばれた浜渦武生副知事が登場、石原氏の「無責任ぶり」はさらに加速する――。

(編集部注:文中敬称略、肩書は当時のものです)

「こんな大学、世界にないぞ」

石原都政が強行した大学改革は結局、「首都大学東京」の開校という形で現実化した。石原が任命した理事長は日本郵船元副社長の高橋宏。学長に就任したのは東北大学総長などを務めた西澤潤一。

高橋は石原が「一番の親友」と呼ぶ一橋大学時代の同期であり、西澤はノーベル賞候補にも名前が挙がる電子工学の第一人者だが、一方で「新しい教育基本法を求める会」の会長を務めて「愛国心の育成」や「道徳教育の強化」を声高に訴えてきた人物である。要は石原の友人やお気に入りの人物をトップに据えた「石原大学」が出現したのだ。
 
新大学発足の直前にあたる05年3月25日、都立大で開かれた卒業式で、最後の都立大総長となった茂木はこんな式辞を送っている。少し長くなるが一部を引用する。

「ここ数年間、都立大学は改革の嵐の中を進んできました。トップダウンはどんな場合でも誤りだというのではありません。しかし、ボトムアップを一切位置づけないトップダウンは、どこかで行き詰まります。

意見を述べること、討議すること、一致点を見出すこと、これらが無視されたり軽視されたりする経験が重なってくると、人々は『もう何を言っても無駄だ、決めるのは自分ではなく、他の誰かが決めるのだ。結果が悲惨でも自分には責任がない』、このような心境になる危険性があります。これは思考停止であり、歴史上の幾多の事件、もっと言えば戦争の前夜にも人々の耳にささやかれた、いわば『悪魔の声』です」

独善的な為政者による強権的な大学破壊への怒りと、それに抗しきれなかった無念さが滲んだ式辞だった。だが、こうした叫びは石原の心には何一つ響いていないようだ。直後の4月6日に開かれた首都大学東京の第1回入学式で、石原は新入生を前にこんな「祝辞」を口にしたという。

「こんな大学はないぞ、世界には。東京にしかない。たった一つしかない、それがこの大学なんだ」
 
前述した通り、少なくとも就任初期の銀行税やディーゼル車規制といった施策からは、石原都政の内包する「罪」が垣間見える一方で、「東京から日本を変える」と吠えたスローガンの「功」と評価できる部分も確かに存在した。だが、その後に強行された施策の数々からは、独りよがりで暴力的な権力を場当たり的に振りかざす石原都政の悪臭しか嗅ぎ取ることはできない。
 
ある都の職員は苦笑いしながら「石原さんが独善的なのは最初っから一貫している。独裁的トップダウン型の行政の良い面より悪い面が目立つようになっただけだ」と言うが、別の都庁幹部の分析はこうだ。

当初は石原さんの突破力と都庁幹部の知恵がうまく融合した部分もあった。しかし、その後は石原さんの周辺を固める側近はもちろん、都庁幹部が次第にイエスマンばかりになってしまったことが大きく作用している。石原都政とは結局、側近による一種の宮廷政治のようなものになってしまった
 
もちろんその最大の責任は石原にある。だが、その弊害を増幅させた象徴的存在として知られるのが浜渦武生だ。石原の最側近として都庁に乗り込み、副知事として暴政の先頭を担った男である。

「都知事の懐刀」と呼ばれた男 

1947年生まれの浜渦は、石原が衆院議員時代から秘書を務めた「側近中の側近」であり「懐刀」と評される。都議会の反発を受けて当初は特別秘書の座に甘んじていたが、2000年7月に議会の同意を取り付けて副知事に就任すると、週に2〜3日しか登庁しない石原の“名代”として都政の実権を掌握するに至った。そんな浜渦について都庁OBはこう言う。

都庁職員を怒鳴り上げて罵倒、恫喝するのは日常茶飯事。石原知事にだけ忠誠を尽くし、気に喰わない人物は謀略まがいの手口も厭わず駆使して蹴落とそうとする。失礼だが、権力闘争と謀略が好きな永田町の秘書連中の中でも、相当に質の悪いタイプだ

副知事就任直後の2000年9月、浜渦は酒に酔って目黒区内で通行人とつかみ合いのけんか騒ぎを起こし、その直後には取材にあたっていた写真週刊誌記者ともみ合いになる事件を起こしたことが発覚している。民主党都議団幹事長の田中良は石原と浜渦の関係をこう皮肉る。

石原知事は本当のところ極めて臆病な人。だから浜渦のように絶対忠誠を尽くす『不良』が近くにいると安心する。石原知事にとって浜渦氏は精神的支柱なんだ

石原が「あうんの呼吸で、しゃべらなくても考えていることが分かる」と語るほど絶大な信頼を寄せる浜渦はしかし、石原の威光を笠に着て都庁の人事や情報を独占し、やりたい放題だった
 
石原への報告の際は、常に浜渦氏が知事の横に座った。ある都庁幹部が浜渦氏の気に喰わぬ動きをした際は、幹部会議の場で公然と名指しし「火傷しますよ」などと恫喝したこともあったという。同様の証言は都議会からも聞こえてくる。

都庁内では誰もが知る「お手紙方式」と呼ばれて有名になった“手続き”がある。石原の名代として権勢を振るった浜渦は、自身の気に入った幹部としか直接会おうとしない。しかし、浜渦の了解を得なければ施策は前に進まない。仕方なく他の幹部たちは文書で報告するしかなく、浜渦から文書にマル印をつけてもらうのに汲々としていたのを揶揄した言葉だ。こんな状態で都庁の行政が萎縮し、荒廃しない訳がない

多くの都庁幹部やOBは、石原や浜渦に是々非々でモノを言う幹部が左遷されたり自ら都庁を去ったりして徐々に消えていったことにより、石原都政の中枢はイエスマンばかりになってしまった、と口を揃える。

当初は首都行政を担うに相応しい優秀な官僚群も数多く配置されていた。だが、石原さんや浜渦さんらにモノを言える優秀な幹部は徐々に姿を消していった。まさに死屍累々という感じだ。人間とは不思議なもので、そのうち都庁幹部の中からも『浜渦さんへのお手紙は手書きのほうがいいらしい』なんて真面目に言い出すヤツが出てくる。どうしようもないが、これが現実だった」(前出・都庁OB)
 
ある都幹部によれば、浜渦はある時、都庁幹部らを前にこういう趣旨の発言を口にしたことがあったという。

自ら政策立案に意欲を持っているような官僚はもう古い。オレたちがやりたいと思っていることを先取りしてやってくれるのが優秀な官僚だ
 
だとすれば、石原都政で独善的暴政ばかりが目立つようになったのも納得がいく。石原や側近がやりたいことを先取りする官僚こそ優秀だと評価され、必死に忠誠を尽くすイエスマンたちが跋扈するようになった都政──。石原や浜渦が命令しなくとも、下がそれを慮って暴政の片棒を担ぎ始めたとすれば、それは典型的な独裁の病理というほかはない。(後略)



(私のコメント)

絶対権力は絶対腐敗するというのが鉄則ですが、石原都政も例外ではなかった。安倍政治もその懸念がありますが、政権が長期化すれば周りの側近たちが勝手なことをやり出す。石原都知事も時間が経つにつれて側近たちに都政を丸投げして、都民や下からの声が届かなくなってしまった。

石原都知事は、週に2、3日しか都庁に出なくなり、浜渦副知事が都政を仕切るようになり、有能な都庁幹部は遠ざけられて、浜渦氏の言う事だけが通るようになってしまった。昨日の石原氏の記者会見を見ても担当者や専門家任せで、石原氏のすることは上がってきた書類にハンコを押すだけのようになってしまっていた。

毎週行われていた記者会見も、単なる評論家的な意見を述べるだけで、いわゆるトップダウンの都知事というよりも、他人ごとのような論評が多かったように思う。しかし石原氏の知名度は高く、カリスマ都知事の役者ぶりはできても都政を仕切っていたのは副知事の浜渦氏だった。

このようなことは都庁担当の記者たちは知っていたのでしょうが、実際には祭り上げられてしまっていたようだ。実際の仕事は浜渦氏にやらせて自分がやっていたかのように記者会見していた。だから週に2、3日出てくるだけでも都知事が務まったのだろう。

このような浜渦都政に待ったをかけたのは、ドン内田であり、浜渦副知事は解任されて都政の実権はドン内田に移っていった。石原氏が既に都政を投げてしまっている以上は側近同士の権力争いになり、ますます都政は混迷を深めていった。それでも石原氏が都知事を辞めなかったのは、息子たちの為であり、利権だけは手放さなかった。

石原氏の「東京から日本を変える」というスローガンは中身のないものとなり、浜渦氏を失った石原都政は、実質的にはドン内田都政になっていた。しかし東京都記者クラブはこのようなことは報道しなかった。石原氏は政治の官僚支配を批判してきたが、実際に石原氏はまさに官僚まるなげ政治であり、政治主導の発言は全く逆のことをしてきた。

たとえ石原氏が、国政に留まっていて総理になったとしても都政と同じような側近政治や官僚政治になっていたのではないだろうか。都政も都知事に就任した当初はそれなりの成果はあげたが、新銀行東京も首都大学東京も失敗に終わった。石原氏は記者会見ではカッコつけたことは言っても、東京オリンピック招致や豊洲市場移転でも丸投げ政治は変わっていなかった。

むしろ外遊などでの豪華な大名旅行では顰蹙を買いましたが、都政に嫌気がさして息抜きの場所になっていたのだろう。石原氏はトップダウンの政治を目指したのでしょうが、それは都庁幹部の離反を招いて、結局は側近に任せるようになり、石原都政は空洞化していった。

だから昨日の記者会見でも、石原氏の老衰ぶりは隠しようもなく、豊洲市場移転問題でも丸投げであったことがバレてしまった。実質的に仕切っていたのは浜渦氏であり、石原氏はハンコを押していただけなのだ。石原都知事の都政は乱れきっており、都議会もドン内田がしきっていた。だから豊洲問題で石原氏を追求したところで石原氏は何もわからない。

結局石原都政は4期13年も続いたが、「イシハラ」のブランドだけで息子たちも国会議員にまでなれた。だから都知事を辞めるに辞められずにいましたが、言っていることは国民に受けたが、後が続かない無責任政治なのだ。そして都政の私物化は東京都をますます腐敗堕落させていった。

米軍横田基地問題でも、思いつきは華々しいが成果には結びつかず、要するに思いつきだけなのだ。実際に政治をやっているのは側近であり、記者会見では威勢がいいが持続性がないから成果に結びつかない。独善と場当たり政治であり、国民を焚きつけるのはうまいが持続性がないから成果に結びつかない。

石原氏と同じように安倍総理も保守的な言動で国民の支持を集めて長期政権化していますが、森友学園問題では石原都政と同じような側近政治の弊害のようなものが伺える。昭恵夫人にしても人脈で名誉校長になったのでしょうが、側近たちが勝手に動き出して官僚も安部総理を忖度して動き始める。

もちろん都知事と総理大臣は組織も異なりますが、側近政治になることには気をつけなければならない。権力が長期化すれば腰巾着的な側近ばかりになって、耳障りな側近は遠ざけられがちだ。その結果、脇が甘くなって森友学園のようなスキャンダルに巻き込まれる。昭恵夫人が利用されたのも側近のせいだろう。




鴻池祥肇事務所は籠池氏と国の交渉を仲介し、籠池氏や国との
接触は2年半で25回に上った。籠池氏の要求は次第にエスカレート


2017年3月3日 金曜日

<森友学園>露骨に値切り「何とかしてや」 用地取得陳情 3月2日 毎日新聞

大阪府豊中市内で小学校の開校を目指す学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)。開校計画への助力を求め、自民党参院議員の鴻池祥肇(よしただ)元防災担当相の事務所に陳情を繰り返していた。「土地価格の評価額を低くしてもらいたい」−−。陳情記録には、事務所の担当者の反発を書きとめたと思われる記述も残っていた。「ウチは不動産屋ではありませんが!」

【動画で見る】森友学園 系列幼稚園で「安倍首相がんばれ」

 2013年8月。小学校開校を目指すものの、用地費用の確保などで足踏み状態だった学園の籠池泰典理事長は、兵庫県議を通じて鴻池氏の事務所に接近する。当時、森友学園は豊中市内の国有地を一定期間は借り、その後は購入する方向で検討していたが、交渉妥結に向けた後押しや、賃借料を「まけて」もらえるように陳情してきたという。

 大阪府内で学校を新設する場合、府の設置認可を得るにはあらかじめ用地を確保しておかなければならない。しかし、国有地の貸借について近畿財務局は「設置が認可される見通しが必要」との立場で、その間で籠池氏は揺れていた。そこで鴻池氏の事務所を頼る。「ニワトリとタマゴの話。何とかしてや」。事務所の担当者の感想だろうか、陳情記録の脇には「どこが教育者やねん!」という書き込みがあった。

 14年1月31日。籠池氏から国有財産を管理する近畿財務局との交渉は前向きに進んでいるが、賃料と購入額が予算をオーバーしているとの相談が寄せられた。陳情記録には、こう記されている。「賃料年間を3500万円から2500万円に」「売却予定額15億円を7億〜8億円に、が希望」

 露骨な要望に腹に据えかねたのか、陳情記録には担当者が書いたと思われる一文があった。「不動産屋と違いますので。当事者間で交渉を!」

 頻度は減ったが、昨年3月14日にも籠池氏は鴻池氏の事務所に相談を寄せている。「小学校用地の件、近畿財務局の対応に不満。15日に本省(財務省)へ行く。アポ等お願いしたい」。事務所側はこの要望を断った。入手した記録の上では、これを境に陳情はない。【藤顕一郎】


森友学園と国の交渉仲介か 鴻池氏の事務所、接触25回 3月2日 朝日新聞

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、朝日新聞は、鴻池祥肇(こうのいけよしただ)元防災担当相側と学園の籠池泰典理事長らとのやりとりが記された「陳情整理報告書」を入手した。事務所は籠池氏と国の交渉を仲介し、籠池氏や国との接触は2年半で25回に上った。籠池氏の要求は次第にエスカレートし、具体的な金額を提示して金額を低くするよう国への働きかけを求めていた。

鴻池事務所で作成された「陳情整理報告書」の主な内容
特集:大阪の国有地売却問題

 報告書は手書きのA4判で全6ページ。自民党参院議員の鴻池氏の地元事務所(神戸市)が作成した。

 記述は、森友学園が小学校開設用地を探していた2013年8月から始まる。「黒川県議」が「来訪」し、「塚本幼稚園が小学校設立希望の件、豊中市の国有地借地を希望」とある。国は、学校の場合は土地は「購入のみ」としているが、籠池氏側は当面借地としたいとの考えが記されている。

 1カ月後の籠池氏からの「報告」では、「財務局より、7〜8年賃借後の購入でもOKの方向」と要望がかなった記述がある。その後は、「賃借料をまけてもらえるようお願いしたい」などと、金額を巡る要求が繰り返されている。

 対応者として事務所秘書の名前が記され、こうした要求に対し「コンサル業ではない」と反発しているような記述もある。

 秘書は、籠池氏と財務省近畿財務局を仲介したとみられる。財務局の担当者の名前を記し、「話の判(わか)る役人さんです」とある。財務局側からも電話とみられる「報告」が来ている。(後略)



(私のコメント)

森本学園の小学校用地払い下げ疑惑は、どうやら鴻池元環境大臣が口利きをした案件のようだ。安倍総理夫人が名誉校長に担ぎ出されたのは鴻池氏の仲介なのかもしれない。現在は鴻池氏はただの国会議員ですが関西ではかなりの実力者らしい。当然安倍総理とも関係が深い。

実態解明はこれからですが、鴻池氏の秘書が近畿財務局との橋渡しをしたらしい。しかし無役の国会議員の議員秘書だけで、財務省が国有地の払い下げで便宜を図るだろうか。国有地の払い下げでは利権の巣窟であり、国会議員の力の見せ所でもありますが、役所側も責任逃れのための記録文書を必ずとってある。なければ役人が責任を取らされる。

財務省は応接録を廃棄したということですが、廃棄したはずはなく役人は必ず応接録を保管しているはずだ。そうでなければ役人自身が籠池氏に直接便宜を図ったことになる。野党が連日頑張っているのは安倍総理夫人が絡んでいるからであって、総理辞任に追い込めると見たからだろう。

籠池氏は、鴻池元大臣とも25回も面談した仲であり、様々なところに紹介もしているようだ。安倍総理夫人もその一人であり、名前を利用されたようだ。鴻池元大臣の人柄にもよるのでしょうが、顔が広くて安倍総理とも親密だから、籠池氏は鴻池氏に各方面の紹介を依頼した。しかし籠池氏は教育者としては問題が有り、鴻池氏も最後は「無礼者」と追い返すようになった。

安倍総理は、鴻池氏の紹介で夫人を利用された形であり、これでは総理辞任にまでは追い込めない。野党は道義的責任があると追求しているが、これは鴻池元大臣の不手際であり、道義的責任は鴻池氏にある。籠池氏はかなりしつこい人間であり悪質でもあるようだ。

大阪維新の会も、学校法人の認可などで関連しているようですが、これも鴻池元大臣の関係でのものだろう。それだけ鴻池氏は野党とも関係が広い。もし籠池氏から金をもらっていれば受託収賄罪になりますが、鴻池氏はこれを否定している。しかし鴻池氏の口利きで8億円も安くなったのだから、これほどのうまい話はない。

穿った見方をすれば、森友学園問題で野党はこれにかかりきりとなり、テロ等準備法案はろくに質疑されることもなく衆議院を通過して予算案までスイスイと通過してしまった。安倍総理は、「事実なら辞任」を仄めかして野党はこの餌に食いついた。しかし出てきたのは鴻池氏であり、安倍総理は関係がなかった。安倍夫人も名前を利用されただけで、辞任までには追い込めない。

もちろん森友学園の籠池氏は、胡散臭い人物であり政治家を利用して格安で国有地を払い下げてもらおうとした。これは財務省理財局の応接録を出させればわかることであり、役人の忖度で行ったのかもしれない。ゴミの撤去費用の算出根拠が問題になっていますが、ゴミが埋まっているかどうかは掘ってみなければわからない。

少子化問題が大きくなっている時点で、小学校を新しく作るというのもおかしな話であり、小学校の整理統合が進んでいる。学校用地なら公共的であるといった理由で国有地の払い下げになったのでしょうが、学校経営がうまくいかなくて用地を転売すれば大儲けができる。




原発の建設コストは2005年の底値と比較して3倍から5倍ぐらいに
なっています。ガス火力発電所なら、1キロワット当たり10万円程度


2017年3月2日 木曜日

東芝の失敗は福島第一原発事故の前から 日本エネルギー経済研究所の村上朋子氏に聞く 2月27日 小笠原啓

東芝が2月14日、米国の原子力事業に関して7125億円の減損損失を計上すると発表しました。同社の原子力事業は4期連続で営業赤字に陥る見通しで、この間の累積赤字は1兆円近くに達します。東芝はどこでつまずいたのでしょうか。

村上:世界各国の原発建設計画は2011年までは順調だったが、福島第1原発の事故により情勢が一変。規制の強化などでコスト競争力を失い、東芝を始めとしたプラントメーカーが苦しんでいる……。

 原子力業界が直面する苦境について一般的に語られるストーリーですが、私の考えは違います。

 もちろん、原発事故の影響があることは否定しません。しかし、ほとんどの問題は事故以前から顕在化していました。業界関係者の多くは福島の事故のせいで原発ビジネスが傾いたと言いますが、非常に都合のいい責任転嫁と言わざるを得ません。

原発事故でないなら、どこで道を間違えたのでしょうか。

村上:今回、東芝が巨額の損失を出した米国を例に考えてみましょう。

 米国で原発新設の気運が高まったきっかけは、2005年に「包括エネルギー法」が成立したこと。米政府が融資保証などの優遇策を掲げたため、多くの事業者が新規建設計画を検討し始めます。東芝が米ウエスチングハウス(WH)を買収したのはその翌年、2006年のことです。

 原発を建設するには、NRC(米原子力規制委員会)の審査をクリアして「COL(建設運転一括許可)」の承認を受けなければなりません。米国では航空機が突っ込んでも問題が発生しないよう安全対策を考慮する必要があり、NRCは厳しい審査をすることで有名でした。福島の事故が起きる前から、厳しい審査に対する懸念の声があったのは事実です。

 2007年ごろから、原油価格の上昇に伴い資機材価格の高騰が目立ってきました。多くのプラントメーカーにとっては、原発建設に必要な資材の調達が課題になっていました。

 そこに追い打ちを掛けたのが2010年の「シェール革命」です。米国内で天然ガス価格が急落したことで、原発のコスト優位性が失われてしまったのです。米国では2010年時点で既に、原子力の発電コストはガス火力と石炭火力、陸上風力に負けていました。

発電コストが高いのなら、電力会社が原発を建設する合理的な理由はなくなります。

村上:そこで電力会社は、COL承認を受けた後で実際に投資するか判断する方針に転換しました。許認可の取得には時間がかかり、その間にビジネス環境が変わってしまうからです。実際に、多くの電力会社が投資判断を先延ばししています。

 こうした傾向も、2010年の段階で既に見えていました。福島第1原発事故が起きる前から、米国内での原発新設には強い逆風が吹いていたのです。

東芝は逆に、原発新設に関して「バラ色」の計画を打ち出しています。2008年には当時の西田厚聰社長が「2015年までに33基の受注を見込む」と宣言し、翌2009年には佐々木則夫社長が受注計画を「39基」へと上方修正します。

村上米国で原発プロジェクトが相次いで立ち上がると本気で思っていたなら、かなり甘い判断ですね。米エネルギー省は長期見通しの中で、原発の新規建設が数機にとどまる可能性を示していました。一方で東芝は株主や投資家に対し、市場が急に伸びるともっともらしく説明していました。

原発の建設コストは2005年比で3〜5倍

WHは2008年に米国で、「ボーグル3・4号機」と「VCサマー2・3号機」の4基の原発新設を受注しました。中国でも2007年に4基の建設を受注しており、勢いに乗っていた印象があります。

村上ところが、ボーグルとVCサマーの4基についてCOLを取得できたのは2012年です(注:建屋建設工事が始まったのは2013年)。その頃には、原発の建設コストは以前と比べて急騰していました。

 WHや米ゼネラル・エレクトリック(GE)などプラントメーカーの「セールストーク」によると、原発の建設コストが底値をつけたのは、2005年頃だったと推定できます。1キロワット当たり15万円程度とされていました。

ボーグルが採用した110万キロワット級の原発であれば、1基2000億〜3000億円程度で建設できる計算です。

村上:日本の原発で最も安く建設できたのは、東京電力の柏崎刈羽原発の6号機もしくは7号機で、1キロワット当たり25万円程度とされています。(2009年12月に運転開始した)北海道電力の泊3号機は、同32万円と言われていますから、メーカーのセールストークもそれほど外れた数字ではないでしょう。

 ただし今では、原発の建設コストは2005年の底値と比較して3倍から5倍ぐらいになっています。一方でガス火力発電所なら、1キロワット当たり10万円程度で建設できるはずです。

 東芝とWHも、簡単な戦いでないことは承知していたはずです。今から考えれば、コスト削減の方法をもっと真剣に考えておくべきでした。

高値づかみしたWH株を売却できなかった東芝

東芝自身も、海外の原発事業が上手くいっていないとの自覚を持っていた。

村上:そう思います。2010年にシェール革命が起きて原発のコスト競争力が失われ、COL取得に時間がかかり始めた頃から、内心では「しまった」と思っていたのではないでしょうか。だから東芝はWHへの出資比率を下げようと、売却先の開拓を進めてきました。

 ところが東芝は、WH株を売却できませんでした。2006年に買収したときの値段(約6000億円)が高すぎたからです。買った値段よりも安く売ると、売買が成立した瞬間に損失が生じかねません。(注:WH株の3%を保有していたIHIは2月17日、全株を189億円で東芝に売却する権利を行使した。東芝の持ち分は90%となる)。

 東芝は、WH買収に投じた巨額の資金を正当化する必要にも駆られていました。資金を回収するシナリオを実現するには、積極的に原発建設を受注する必要がある。だから東芝は、米国で建設受注を進めざるを得なかったのだと思います。

米国の原発建設で東芝は足元をすくわれました。他の国でも、原発建設がトラブルの種になっているのでしょうか。

村上フィンランドのプロジェクトで仏アレバが苦戦し、英国でも2008年当時に描いたロードマップからは遅れが目立ちます。米国を含め、先進国では苦労しているケースが目立ちます。

 一方、中国やロシアでは順調です。中国では2016年だけで7基の原発が営業運転を開始しました。そのうち1基は、2012年に着工したものです。中国政府は3.11以降に安全基準を見直し、審査を厳格化しています。新たな規制に適合した原発が、既に立ち上がっているのです。ただし、WHが中国国内で建設中の原発は稼働に至っていません。

 中国政府がどのような規制を課し、建設工事を指導しているのか。外部からでは定かなことは分かりません。しかし中国では、ほぼ予定通りのスケジュールで原発が着工され、営業運転に至っているのは間違いありません。

 こうした実績をテコに、中国やロシアの原発メーカーは海外展開を進めています。アルゼンチンやパキスタン、サウジアラビア、インドネシアなど、欧米勢の影響の及びにくい国でマーケティングを積極化しています。

東芝とWHは、中国勢などに対抗できるのでしょうか。

村上WHも新興国を開拓しようとしていますが、コスト競争力でやや見劣りします。WHは先進国向けに超高品質な製品を作っていますが、それだけの品質が新興国で求められるかは不明です。

 また、米国の原発建設でWHが苦労しているのは周知の事実です。何とか運転開始にこぎつけて実績を示さない限り、苦しい状況は続くでしょう。



(私のコメント)

今日も東芝の問題ですが、原発政策そのものがコスト高によって割に合わなくなっている。これは福島原発災害が無くても直面していた問題であり、政府は東電は原発が一番安いと宣伝していたが、原発の建設費が短期間に3倍にも跳ね上がっていた。これは建設資材の値上がりもあるし、安全基準の厳格化でコストが跳ね上がっていた。

さらにはシェールガス革命でLNG価格が下がって、火力発電コストに原発コストが上回るようになり、アメリカでは原発が作られなくなってしまった。WHは燃料棒などを日本に売って利益を上げている状態であり、原発建設はコスト的に競争力を失っていた。火力なら1キロワット辺り10万円なのに、原子力では1キロワットあたり32万円にもなっていた。

それにもかかわらず日本では原発の発電コストが一番安いということがマスコミで報道されてきた。原発を一基作るには数千万円も必要であり、それが3倍ものコスト高になったのだから原発建設は商売にならない状態になりつつあった。そのような時に東芝はWHの買収に6000億円もかけて買った。馬鹿と言うしかない。

東芝の西田社長などの経営幹部は、激変するエネルギー情勢には素人であり、原発のを30基以上の受注を見込んでいた。日本国内でも原発の発電単価が一番安いといったデマ情報を信じたからでしょうが、シェールガス革命でガス単価のだぶつきと値下がりの兆候に気がつかなかったようだ。

日本は国策的に原発を推進してきましたが、石油がガスはいずれ枯渇して燃料単価は上昇する一方と考えられてきた。だから2000年代は石油価格が1バレル100ドルを上回るようになり、代替エネルギーの開発が促進された。シェールガスもそのひとつであり、アメリカ国内でも数百年分の埋蔵量が確認されている。

まさにエネルギーのコペルニクス的な革命であり、「株式日記」がシェールガスに注目したのは2013年頃であり、日本は原発事故で火力に頼らざるを得なくなり買いあさっていたころだ。既に原発自身も50年前の技術であり、次世代型の原発を作らなければ火力に負けることは常識だろう。軽水炉では構造が複雑になるばかりでコスト高になる。

ロシアや中国はこれからも原発を作り続けるようですが、発電コストでは火力に敵わないのに原発を強行すればコストはどこまで上がるかわからない。しかも大事故が起きれば解体するだけでも数十兆円もの金がかかる。福島原発の解体だけでも半世紀以上の期間がかかるだろう。火力の方が数分の一で建設ができて解体も数ヶ月もあれば解体できる。

最近では風力発電や太陽光発電のコストが劇的に下がって、太陽光発電コストが一番安くなってきている。わずか数年でエネルギー問題の常識がまるきっり変わってしまう目まぐるしさで、「株式日記」でも数年前とはまるで逆のことを書かなければならないほどだ。原発ルネッサンスという言葉がいかに異常であったかが今になってわかる。

このように専門家ですら数年先の変化を見通すには難しかった。地球温暖化やCO2問題も本当のところはどうなのか分かりませんが、地球は寒冷化しつつあるといった説もある。これらは政治的なキャンペーンであり、東芝は原子力ルネッサンスで踊らされたのだろう。

同じことは三菱や日立にも言えることですが、原発からいかに撤退するかがこれからの焦点になる。原発はこれからもコスト高になるだけであり、火力はシェールガスで採掘コストは安くなっていくだろう。原発は画期的な次世代型を開発しなければ明日はない。経済産業省はこのような見通しすらわからなかったのだろうか。




東京電力も東芝も潰れてもおかしくないのに、なぜ潰れないのか。
最初から原子力は民間会社では無理なのに、国が間違っている。


2017年3月1日 水曜日

東芝19万人、さようなら…実はさらに1兆円の「隠れ損失」リスクが!銀行団に見捨てられて、 ジ・エンド 2月22日 週刊現代

次の「爆弾」もアメリカ

実は東芝をめぐっては、原発事業以外にも、新たな巨額損失を生みかねない「大型爆弾」が存在している。

それは、東芝が米国で手掛ける液化天然ガス(LNG)事業。これが最大で、「1兆円」という途方もない額の損失リスクを抱える火種となっているのである。

いったいどういうことなのか。

東芝が米テキサス州にあるLNG事業会社と、'19年以降20年間にわたって毎年220万tのLNGを調達するという契約を締結したのは、'13年のことだった。

「日本の電機メーカーがLNGを取り扱うのは異例のこと。220万tという取引量の大きさもあって、当時から業界内では話題になっていました。

東芝経営陣は、『LNGの供給と発電効率の良い新たな火力発電設備の建設をセットで受注すれば、大きな利益を上げられる』と契約のメリットを説明していたが、『そんな量を引き受けて、捌くことができるのか』と疑問視する声は会社の内部でも少なくなかった」(東芝関係者)

 そして「不安」は、見事に的中。契約締結後に石油価格の下落が続いたのにともない、米国産シェールガスの価格は一気に割高になってしまった。

「'13年当時、電力不足に対応するため東京電力などが新しい火力発電所の建設計画を進めており、そうしたところが発電の燃料としてLNGを引き取ってくれるはずだと楽観視していた。

しかし、フタを開けてみれば販売交渉は難航。東芝は慌てて国外での引き取り手を探したが、アメリカやオーストラリアで増産が続くLNGは世界中で供給過剰の状態で、買い手はなかなか見つからない。

いまも状況は好転しておらず、最近では、東京電力ホールディングスと中部電の合弁会社で火力発電向けの燃料調達などを手がける『JERA』に泣きつき、販売支援の契約を取りつけたばかり」(前出・東芝関係者)

要するに、完全に見通しを誤ったのだ。

「上場廃止」へまっしぐら

実は、東芝はこのLNG事業のリスクについて決算資料にひっそりと記載しており、そこには〈天然ガスを当社都合により一切引き取れなかった場合〉、20年間の〈想定最大損失額〉〈9713億円〉――つまり、将来的に約1兆円の巨額損失リスクがあると東芝自体が認めているのである。

原子力関連の7000億円に、LNGの1兆円。それらがともに弾ければ、「巨象」の東芝であっても足元から崩れ落ちてしまうことは誰にでも容易に想像がつく。

むろん、そうした危機的状態にあることは東芝自身が一番よく分かっていること。東芝経営陣はいま、何が何でも資金繰りを回していくための対策に血道を上げているが、実はその「財務対策」をめぐっても、東芝の前途にはさらなる難題が立ちふさがる。

「まず、東芝は粉飾決算事件の責任を問われ、東京証券取引所から『特設注意市場銘柄』に指定されているので、市場から広く資金を調達することができません。さらに、この3月からは『監理銘柄』、つまり『いつ上場廃止になってもおかしくありません』と投資家に注意を喚起するためのポストに入れられることが決まっている。

今後、東芝が提出する報告書を東証が審査するのですが、ここで『東芝は変わっていない』と判定されれば、上場廃止が正式に決まる。そうなれば、株式市場からの資金調達ができなくなる」(東芝の内情に詳しい経済ジャーナリストの磯山友幸氏)

東芝にとって絶対に避けたいシナリオだが、「上場廃止」に追い込まれる可能性は日に日に高まっている。

「市場関係者の間でも少し前までは『さすがに東芝は上場廃止にできない』という声が強かったのですが、いまや『待ったなし』という見方が大勢になってきています。

仮に上場廃止を逃れられたとしても、まったく安泰ではない。なぜならWHの問題は、一回減損すればそれで終わりというわけではなく、原発が完成するまで建設コストが膨らみ続け、減損リスクが続く『アリ地獄』のようなもの。

いくら資金を捻出しても、再び減損となれば一気にそのカネも吹き飛んでしまう、最悪の状況です」(前出・アナリスト)(後略)



(私のコメント)

日本は、広島長崎と原爆の被害の恐ろしさを知っているはずなのに、なぜ原子力発電を民間会社が作って運用をするのか、それが間違っている。いったん原子力発電所が大事故が起きれば、民間会社では対応ができないことは福島第一でよくわかったでしょう。

アメリカではスリーマイルの事故以来、新規の原発の建設を止めていましたが、日本は作り続けた。日本でも原発反対運動などがありましたが、原発は安全だという神話が一人歩きをして、十分な安全対策を怠ってしまった。定期点検は頻繁に行っても根本的な安全対策は取られなかった。それは福島第一が証明している。

経済産業省が監督官庁でしたが、電力会社が天下り先であり、強い権限での管理監督がおざなりにされていった。東芝にしても同じであり天下りの受け入れ先であり、監督官庁の原発への管理監督は甘くならざるを得ない。しかし国が原発を管理するということは、原発反対派の政党が政権を握ればまずいことになる。

原発そのものが政争の道具になり、原発の些細な事故も論争の道具となり、反対運動が過激になればなるほど、推進派も安全神話のために些細な事故なども隠蔽するようになり、原発担当者の首が飛んだ。国のエネルギー政策に関わることでもあり、十分の情報が公開されてこなかった。

脱CO2の流れから見れば、原発推進が答えになるようになりますが、石油の枯渇問題もシェールガスが実用化される前は、原子力ルネッサンスが全世界的な合意になりつつあった。新興国においても原発の建設計画が目白押しであり、東芝の経営者の判断も先見の明があったとも思える。

しかし、3、11の福島第一原発の事故が問題の転機になり、東芝もその時点で何らかの決断をすべきだったのだろう。しかし民主党政権も世界的に原発建設受注に力を入れるようになりましたが、アメリカや中国での原発建設は遅れに遅れて、赤字が膨れ上がっていった。その時点で原発会社を手放せば傷は軽かった。

週刊現代に記事にもあるように、東芝はLNGにも大規模な投資に踏み切っていたが、これは明らかに手の広げすぎであり、原発もLNGも裏目に出てしまった。選択と集中も当たれば大きいが、外れれば会社の倒産につながる。東芝がどうしてこのような大きな賭けに出たのかは分かりませんが、投資の常識としてヘッジをかけておくべきだった。

東芝は虎の子のメモリー事業も手放すようですが、東芝は明らかに投資先を間違えたのであり、事業の再構築に失敗をした。東芝は日本を代表する優良会社であり、現在より規模を拡大するためには、国家戦略的なエネルギー部門に大きく舵を切った。しかしそのための能力や経験や経営戦略に欠けていた。東芝はシェールガスのことを知らなかったのだろうか。

シェールガスが話題になり始めたのは2013年ころであり、日本が原発事故でLNGを買いあさっていた頃だ。つまり福島原発事故でシェールガスが高く売れて儲かるようになった。それにたいしてサウジなどが安売りを初めてシェールつぶしに来ましたが、ガスや石油の採掘技術の進歩でだぶつくようになってしまった。東芝は1兆円のLNG投資に失敗してしまったようだ。

原発にしてもLNGにしてもアメリカから売りつけられてきたものですが、先行き見込みがないから日本に売りつけに来たのだ。日本はお人好しだからそれに乗ったが、見事にはしごを外された。日本の経営者は人が良すぎて情報に疎く、罠を仕掛けられても気がつかない。失業して路頭に迷って泣きを見るのは19万人の東芝の社員たちである。



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