株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


WSJが30日、「日本の核武装に道を開く北朝鮮の核容認」と題する社説
米政権が「北の核を容認すれば遙かに危険な世界を容認することになる」


2017年8月31日 木曜日

米有力紙WSJが日本の核武装に言及 8月31日 杉浦正章

  「北の核を容認すれば遙かに危険な世界を容認」
 トランプの極東戦略に影響必至

 筆者は昨日北の核ミサイル保持で敵基地攻撃能力の必要を書いたが、今度は米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が30日、「日本の核武装に道を開く北朝鮮の核容認」と題する社説を掲載した。米政権が「北の核を容認すれば遙かに危険な世界を容認することになる」と警告を発している。WSJは長年にわたりアメリカ合衆国内での発行部数第1位の高級紙であり、世界80カ国以上、100都市以上に支局を構え、創立以来、経済史のみならず世界史に名を残すようなスクープ記事を度々掲載している。米政府や世界各国に及ぼす影響はニューヨークタイムズやワシントンポスト以上だ。この社説がトランプ政権に影響を与えることは必定であろう。

 同紙はまず北のミサイル実験について「日本北部の住民は29日、北朝鮮のミサイル発射を知らせるサイレンや携帯電話のアラートにたたき起こされた。この中距離ミサイル発射実験は、北東アジアの安全保障をめぐる政治を一段と混乱させるだろう。そして、日本に自前の核抑止力を持つことをあらためて促すものだ。」と強調、“日本核武装の可能性”を予測している。

 次いで「日本の最終的な安保は米国の防衛力と核の傘だ。日本が攻撃を受けた場合は米国が反撃することが、日米安保条約で保障されている。しかし、抑止力の論理は敵が合理的であることを前提とするが、北朝鮮相手に合理性は保障され得ない。米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発も、この均衡を変化させている。北朝鮮が東京を攻撃し、これに応じて米国が平壌を攻撃すれば、米国の都市が危険にさらされかねない。」と指摘している。つまり北のICBM開発が終局的には米国の都市攻撃に直結すると読んでいるのである。

  そして社説は「日本の指導者たちはこれまで、自ら核兵器を保有することに長らく抵抗してきた。しかし、危機に際して米国が頼りにならないとの結論に至れば、この姿勢が変わるかもしれない。あるいは日本として、たとえ信頼できる同盟国の判断であっても、それに自らの生き残りを託す訳にはいかないと判断することも考えられる。」と日本核武装の“理由”に言及した。加えて「既に日本の一部の政治家は、独自の核抑止力について話し始めている。世論は今のところ核兵器に反対だが、恐怖で気が変わる可能性もある。日本には民生用原子炉から得た核弾頭1000発分を超えるプルトニウムがあり、数カ月で核弾頭を製造するノウハウもある。」と、日本が保有しようとすればすぐにも核保有国になれると予測している。

   そして日本核武装が中国を警戒させ韓国も即座に追随しかねないとして「東アジアが中東に続いて核拡散の新時代を迎えれば、世界の秩序に深刻なリスクをもたらす」と警告、「それもあって、核ミサイルを持つ北朝鮮を黙認することはあまりに危険なのだ。」と強調している。にもかかわらず米国内には北の核ミサイル容認論があるとして社説は、バラク・オバマ前政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたスーザン・ライスと元国家情報長官ジェームズ・クラッパーの名前を挙げて批判。とりわけ「クラッパーは、『米国が(北朝鮮の核保有を)受け入れ、制限ないし制御することに努め始めなくてはならない』と話している。」ことを明らかにした。「8年にわたって北朝鮮の核は容認できないと話していたはずの両氏が今や、トランプ大統領と安倍晋三首相はそれに慣れた方がいいと言っているのだ。しかし、どうやって『制御』するのか。」と問題を投げかけている。

   最後に「北朝鮮は交渉で核計画を放棄する意向がないことを明確に示してきた。米国は「相互確証破壊(MAD)」で脅すことはできるが、日本上空を通過した今回のミサイル実験は、北朝鮮が米国と同盟国を威圧・分断するために核の脅威をいかに利用するかを示している。北朝鮮の核を容認すれば、はるかに危険な世界を容認することになる。」
と結論づけた。

  この社説は北東アジアの安全保障の構図をよく理解しており、今後トランプの戦略や日本の方針に強い影響をもたらし、世界的に日本核武装の是非論が台頭するだろう。


(私のコメント)

北朝鮮を潰すには、中国からの石油パイプラインを止めさせれば一番簡単ですが、現状ではなかなかそれをさせることができない。戦争をせずに解決するには頭を使わなければなりませんが、中国にそうせざるを得ないような手を打たなければならない。それは日本の核武装カードだ。

日本が実際に核武装するかどうかは次の段階であり、中国に対して北朝鮮に核とミサイル開発を放棄させるには中国に対して「日本の核武装カード」を使う必要があるだろう。北朝鮮の核開発とミサイル開発を容認すれば、アメリカも日本の核武装を容認せざるを得ないという警告を中国に与えるのだ。

そうすれば中国はどちらかを選択せざるを得ないことになる。北朝鮮の核とミサイルを認めれば、いずれはアメリカに届く核ミサイルを持つことになるだろう。アメリカが直接北朝鮮を攻撃することは最後の手段であり、外交情報戦で問題解決を図るべきだろう。それには中国に北朝鮮への最終的な経済制裁をさせる必要がある。

国連の安保理でも石油を止める事が話し合われていますが、中国やロシアはそれを承認しないだろう。ではどうすれば中国に石油禁輸をさせられるかといえば、日本の核武装カードしかない。中国やロシアにとっては日本の核武装は最も厄介な事になる。他に北朝鮮に核とミサイル開発をやめさせる方法があるだろうか。

もし中国やロシアがそれでも北朝鮮に石油を送り続ければ、自動的に中国は日本の核武装を容認したことになる。日本ではアメリカ政府の意向を忖度して核武装の動きはありませんが、北朝鮮が何度も日本の上空をミサイルが通過して、空襲警報が鳴らされれば日本人はいずれ切れてくるだろう。

朝6時という時間に空襲警報で日本人は叩き起こされましたが、無警告でミサイルが飛んでくれば空襲警報を流さざるを得ない。ミサイル発射を感知しても、すぐには日本に落ちるのか、日本を通過するのかわからないからだ。以前にも日本に北朝鮮のミサイルが飛んでくれば日本の国民世論も変わると書いたことがあります。

憲法9条があれば北朝鮮のミサイルが防げるのでしょうか。狂った独裁者に日本は平和憲法だからミサイルを打たないでと言っても意味はないでしょう。昨日のミサイルは北海道上空を飛んで行きましたが、それはグアム方面にはイージス艦が配置されていて迎撃される危険性があったからでしょう。

アメリカ政府としても北朝鮮に経済制裁以上に打てる手はなく、中国やロシアは経済制裁に表向きは賛成しても裏では北朝鮮に石油を送り続けるでしょう。北朝鮮のICBMにしてもロシアからの援助によるものらしいのですが、ロシアは認めないでしょう。北朝鮮のミサイル実験は日米韓の分断工作にも使える。

中国やロシアにとっては北朝鮮は可愛い鉄砲玉であり、アメリカを揺さぶるには好ましい存在だ。だから中国は北朝鮮を生かさず殺さずで来た。しかしアメリカに届くミサイルと核を北朝鮮が持てばアメリカの直接の脅威になる。アメリカが打てる手は日本の核武装を認めるぞと中国やロシアを牽制することだ。

ボールを投げられた中国やロシアはどう判断するだろうか。アメリカが北朝鮮の核を認めれば日米韓の信頼関係が揺らぎかねないのであり、在韓米軍や在日米軍の存在にも疑問が出てくるようになる。軍事基地を提供していても何の役にも立たないとなれば、お人好しの日本人もおかしいと言い出すだろう。




中国による現行の「土地担保」の通貨供給は、邪道も邪道の最悪
ケースである。インフレをビルトインした破滅型の発券システムである。


2017年8月30日 水曜日

中国、「粉飾経済」レバレッジで延命も限界「破裂の時期は?」  8月30日 勝又壽良

IMFが中国の恥部を暴く
6.8兆ドル隠れ不良債権

30年以上も続く私の勉強仲間が開く、年1回のワインパーティへ参加した。テーマは、定番の中国経済である。いろんな見方が披露されたが、私への質問では、「中国のバブルはいつ潰れるのか」であった。市場経済であれば、とっくの昔に崩壊して当たり前だが、そこは専制主義国家のことだ。政治が強引に介入しており、バブルが崩壊しないように政治権力で先送りさせている。それ故、問題はさらに深刻化している。中国政府は、将来の問題よりも現在の政治的な安泰を求めて、今日も借金によるインフラ投資に余念がないのだ。

イソップ物語の「アリとキリギリス」という寓話を思い出す。

夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、最後にアリたちに乞い、食べ物を分けてもらおうとするが、アリは「夏には歌っていたのだから、冬には踊ったらどうだい?」と食べ物を分けることを拒否し、キリギリスは飢え死んでしまうという筋である。子どもの頃に聞かされてきたものだ。

この寓話には、次のような教訓があると指摘されている。キリギリスのように将来の危機への備えを怠ると、その将来が訪れた時に非常に困ることになるので、アリのように将来の危機の事を常に考え、行動し、準備をしておくのが良いというものだ。この教訓は、現在の中国に当てはまるように思う。「中華帝国の夢」を追って、世界の覇権を握りたいというとてつもない野望は、キリギリスの二の舞になる危険性を抱えるからだ。

前記の「ワインパーティ」での意見では、別に次のようなものもあった。事実上、中国政府が土地を担保にして紙幣を発行しているのは正しいとするものだ。中国は広大な土地を擁しており、土地は確実な担保になる、というものだった。中国の地方政府の歳入では、土地売却益が半分近く含まれている。これが、土地担保の通貨発行という認識を生んでいる。この議論は、私が一貫して否定している内容だ。

英国が、イングランド銀行を中央銀行(1844年)にするとき、発券機能をどうするかが最大の問題であった。土地銀行案も検討されたが、地価上昇が自動的に通貨の増発になってインフレを引き起こすとして拒否された。代わって登場したのが「商業手形の割引」による通貨発行だ。これが、後の各国中央銀行のモデルになった。

中国による現行の「土地担保」の通貨供給は、邪道も邪道の最悪ケースである。インフレをビルトインした破滅型の発券システムである。このような俗説が、中国側から漏れているとすれば、中国が本質的に「バブル型経済」と言える。その結末が、現在の中国を瀬戸際まで追い込んでいるのだ。キリギリス同様に、値上がりする地価高騰に酔ってきたが、夏は永遠に続かない。間もなく秋が来て冬になる。中国にその備えはない。

(中略)

(4)「米紙『ニューヨークタイムズ』は、世界各国の経済学者や投資家は中国の債務規模よりも、債務増加ペースの速さを最も危惧すると報じた。英市場調査会社、キャピタル・エコノミクスが今年6月に公表したリサーチでは、記録開始以降、中国債務の『増加ペースは、他の主要経済体のどの国よりも速い』とし、蓄積された債務規模は『新興アジア市場にとって最大のリスクになっている』との認識を示した」

中国の債務増加ペースが、他国よりも急ピッチであることは、それだけ中国経済の抱える矛盾が大きいことを証明している。中国は、典型的な「普遍的な帝国主義」である。対外的な領土拡大に力を入れている結果、内政面が置き去りにされている。農村の疲弊がそれを証明している。これが、中国社会の空洞化を産み出した。未だにGDPに占める個人消費比率は、39%(16年)という驚くべき低水準に止まっている。

この低い個人消費をカバーすべく、債務に依存するインフラ投資を強行している。中国全土に張り巡らした高速鉄道と高速道路。これも限界に突き当たっており、今度は都市の地下鉄建設を始めている。「今後5年(2016〜20年)、中国の地下鉄・都市鉄道の建設は最高潮を迎え営業距離は3000キロになる」(『人民網』8月18日付)と宣言しているほどだ。

いくら借金してインフラ投資を行なっても、リターンが上がらなければ無駄な投資になる。いずれ、リターンを生まないインフラ投資が、中国経済を食いつぶす時期が来る。なんと、先の読めないばかばかしいことを続けているのか。腹の底から笑いたい衝動に駆られるのだ。そんな「土建国家」を目指すよりも、福祉を充実させて高齢者に安心して生活して貰う。そういう環境づくりが優先されるべきだ。「GDP亡者」に救いはない。

(中略)

2016年の中国GDPは、11兆2000億ドルである。このうち、1.75%が過剰債務によって無理に押し上げられたとすれば、16年だけで1960億ドルが過剰債務によって産み出したGDPとなる。IMFは、「16年、GDP5兆元を増やすには20兆元の債務を必要とした」と指摘している。この推計を用いれば、16年だけで1960億ドルの4倍に当たる7840億ドルの過剰債務になる計算だ

こういう無理を毎年、ずっと続けてきたことになるから、最大限で7.6兆ドルの不良債権を抱えているとの指摘は、一概に「オーバーな推計」とは言えまい。かなりの核心を突いている。前記のIMFの指摘で、GDP5兆元を産み出すのに20兆元の債務を必要とした事実は、差し引き15兆元の債務が自動的に返済不能に陥るはずだ。中国経済は、すでに「過剰債務製造機」に成り下がっている。この現実を見落としてはならない。

(7)「チュー氏も、重大な危機が差し迫っているようには見えないと認める。中国政府は借り手と貸し手に影響力を及ぼせるため、市場主導型システムの場合よりも問題を長く先送りすることが可能だ。だがチュー氏は、損失を認めずにいられることで、市場が行動を促す経済の場合よりも問題が長引いて大きくなっていると言う」

中国は、「社会主義市場経済」である。政府が経済に介入可能なシステムだ。このことから言えば、「中国政府は借り手と貸し手に影響力を及ぼせるため、市場主導型システムの場合よりも問題を長く先送りすることが可能」である。だが、債務が途中で消える訳ではない。中国経済の脆弱性は一段と深刻化しながら進むはずである。マルクス経済学用語を拝借すれば、「矛盾は一段と深化してゆく」こととなろう。先の見えない中で、「見栄とメンツ」で偽りの経済成長を続けざるを得ない。そういう習近平氏の心労は、如何ばかりだろか。心から同情申し上げるのだ。



(私のコメント)

「株式日記」ではバブルの崩壊は先送りできると何度か書いてきました。しかし何時まで先送りできるかはわからない。中国もバブル崩壊は2008年ころ起きかけましたがその都度先送りされた。株式市場も不動産市場も崩れてはまた盛り返していることの繰り返しが起きている。

日本でも何度か株式の大暴落が起きても、高度成長期だったので盛り返してきた。しかし土地については値上がりが続いてきた。それが土地神話の元になりましたが、銀行も土地の担保があればいくらでも融資を受けることができた。だから土地は打出の小槌であり、企業なども不必要に土地を持ち続けて手放そうとはしなかった。

いわば日本でも土地本位制のようなことが起きて、「土地=通貨」といったような現象が続いた。だから土地の値上がりが続けば通貨も銀行からの融資で発行されたようなことが起きた。政府日銀はこれではインフレになると危機感を持ってバブルを潰しにかかった。しかしバブルを潰した結果はどうなったかを見れば25年に及ぶデフレ経済に陥ってしまった。

「土地=通貨」なのだから、土地が値下がりを続ける限りはデフレが続くのだ。最近ではようやく都心部では商業地やマンション用地が値上がりしましたが、日本全国的には過疎化が続いて土地の価格はまだ下がり続けている。郊外住宅なども空家が増え続けているが、売り手ばかりで買い手がいない。これではデフレが収まりようがない。

中国でも「土地=通貨」の現象が起きており、不動産価格は一時的に下がっても政府のテコ入れでまた盛り返すことが続いている。株式にいたっては売却禁止令などで機能が麻痺している。独裁国家だからこのようなことは可能ですが、独裁国家でもどこかで破綻が生じてくるはずだ。

中国のマンション価格は年収の70倍といった常識はずれの価格になっており、いったい誰がそんな価格のマンションを買っているのだろうか。日本のバブル期でも返済を考えれば年収の5、6倍が限度であり、70倍では転売を念頭にしなければ考えられない。貸した銀行も焦げ付けばそれだけ不良債権が増える。

中国では投資先がなくてマンションしか投資のしようがなくて、実需とはかけ離れて売買がされている。中国政府は不動産ぼ値下がりさせまいと資金をながし続けているが、バブルが小さければ先送りは簡単だが、不良債権が先送りするたびに膨れ上がってくる。

もはや庶民には手の届かない高値でマンションが売買されていますが、実態はどうなっているのだろうか。値上がりし続ける限りでは買い手はいるのだろう。株式でも常識はずれの高値になることがありますが、極限に来れば暴落してストップ安が毎日続くことになります。日本の商業地でも同じようなことが起きた。

中国は独裁国家だから、不良債権の処理も公的な機関が買い取ってうやむやに処理してきた。しかしそれが国家予算の何倍もの不良債権額となれば、公的機関も買い取れなくなり人民元が紙切れになる。中国政府の発表ではGDPは6%成長が続いているという事ですが誰も信じてはいない。

中国政府は今でも高速道路や高速鉄道を作り続けてインフラ整備をしている。しかし作ったものには維持費がかかり、高速鉄道は空っぽの空気を運び続けている。人件費は掛かり借金の返済や電気代や保線費用も毎月のようにかかるから赤字は膨らみ続けている。マンションも空室だらけなのに維持費や管理費がかかり続けるから赤字も膨らみ続けている。

中国経済は、資本主義の常識の範囲外であり、独裁国家だからどんなことでもできるが、膨大な不良債権や赤字はどのように処理するのだろうか。海外から借入れた資金は独断ではチャラにはできない。中国からの資金持ち出しも制限されて海外投資もままならなくなってきた。外貨準備高に不安が生じているからでしょうが、GDPも外貨準備高も全てがデタラメだ。




南北戦争の構図が復活するほど、米国社会は分裂がひどくなり、
国家として統一した意思決定が困難になっていく。 田中 宇


2017年8月29日 火曜日

バノン辞任と米国内紛の激化 8月21日 田中宇

米国トランプ政権の首席戦略官だったスティーブ・バノンが、8月18日に辞任した。バノンは、トランプ政権の「米国第一主義」(経済ナショナリズム、覇権放棄、軍産独裁解体)の戦略を作った人で、トランプにとって最重要な側近だった。トランプは昨年の選挙戦で、共和党内の主流派・軍産エスタブ勢力と折り合うため、政権内に、ペンス副大統領を筆頭に、軍産系の勢力を入れざるを得ず、今年1月の就任後、政権内ではバノンら「ナショナリスト」と、ペンスやマクマスター(安保担当大統領補佐官、元軍人)ら軍産の「グローバリスト」との戦いが続いてきた。 (Bannon: 'The Trump Presidency That We Fought For, and Won, Is Over.') (軍産に勝てないが粘り腰のトランプ

 軍産系は、マスコミと組んで「ロシアのスパイ」スキャンダルを針小棒大にでっち上げ、フリン(前安保担当大統領補佐官、2月辞任)、プリーバス(前首席補佐官、7月末辞任)など、ナショナリスト陣営の側近たちを辞めさせていった。バノンも4月に、世界戦略を決める重要なNSC(国家安保会議)の常任メンバーから外されたが、それでもトランプ自身がナショナリスト側であるため、人事で負けても、政権として打ち出す政策は、バノンが決めた線が維持されてきた。ただし、大統領権限でやれる外交や貿易は、トランプ・バノン流でやれたが、国内の税制改革や財政出動策、移民抑止策などは、議会や裁判所に阻止され、ほとんど進んでいない。軍産複合体と正攻法で戦うのをやめたトランプのシリア攻撃) (Which Way for the Trump Administration? Author: Justin Raimondo

 にらみ合いの中、経済政策が進まないため、就任当初はトランプを支持していた財界人たちが、議会や軍産を支持する傾向を強め、反トランプの圧力が強まり、7月下旬に、大統領首席補佐官がバノン派のプリーバスから軍産系のジョン・ケリー(元将軍)に交代させられた。ケリーはマクマスターと組み、NSC内でイランとの核協定を破棄したがる(過激で無茶なイラン敵視によって、欧州や中露とイランを結束させ米国自身を孤立させる隠れ多極主義な)バノン派を立て続けに3人(Ezra Cohen-Watnick, Derek Harvey, Rich Higgins)を辞めさせ、トランプのツイートも規制しようとした。対抗してトランプは、ケリーの目が届かない休暇中に、好き放題にマスゴミや民主党を非難するツイートを発信して報復した。だがその後、トランプはしだいに抵抗しにくくなった。 (Inside the McMaster-Bannon War) (Kelly Loses Control As "Vacationing" Trump Unleashes Angriest Tweetstorm Yet

 ケリーは政権内の軍産系を結束し、トランプに圧力をかけてバノンの解雇を了承させた。8月18日に、政権のアフガニスタン占領政策の今後を決める重要な会議があり、その会議の前に、アフガンへの米軍増派を望む軍産としては、アフガンからの撤退を主張するバノンを追放したかった。ちょうど8月11日に、バージニア州シャーロッツビルで、南北戦争時代の南軍のリー将軍の銅像撤去に反対する「極右」(白人至上主義、KKKなど)の集会と、銅像撤去に賛成する「リベラル過激派」の集会が衝突し、極右青年がリベラルの集会に車を突っ込んで死傷させる事件が起きた。Kelly’s Rules for Trump’s West Wing: Stop Bickering, Get in Early, Make an Appointment) (Trump Continues to Resist Pressure for Afghan Escalation

 この事件を機に、以前からバノンを極右の仲間(オルト・ライト、新右翼)と批判してきた軍産マスコミは、バノンへの辞任要求を強めた。考え方がバノンと近いトランプも、極右を非難したがらず、右翼の中にも良い奴がいるとか、喧嘩両成敗的な発言を行ったため、トランプの顧問団をしていた財界人や文化人ら、自分の名声を重視せねばならない人々が、顧問をやめる表明を相次いで出し、トランプへの非難も強まった。バノンとトランプへの猛攻撃のなか、トランプはバノンの更迭(解雇)を了承した。 (Trump’s arts team disbands over Charlottesville remarks

(中略)

▼南北戦争の対立構造の復活、米国社会の分裂、トランプ支持基盤の維持と多極化

 バノンが、大統領府の外にいた方がやりやすいトランプ支援策として最近新たに出てきたのが、南北戦争で負けた南軍を記念する、全米各地にある1500ほどある将軍や兵士の銅像や記念碑を、撤去していこうとするリベラル派(北軍の思想を継承)と、撤去を阻止しようとする右派との対立が、急速に激化しつつあり、これがそのまま反トランプと親トランプの戦いになっている構図だ。 Oliver Stone: "1984 Is Here") (Here are 1,500 symbols of the Confederacy in the US

 この対立は、2015年6月に、サウスカロライナ州チャールストンの黒人が集まるキリスト教会で、黒人を敵視する右派青年が銃を乱射した事件に始まった。犯人の青年が南軍の旗を好んでいたことから、全米の州議会などで、南軍の旗や銅像を人種差別を助長するものとみなして撤去する動きが広がった。これに対し、右派の市民運動が撤去反対を強め、それまでバラバラだった全米の各種の右翼や保守派が、南軍像撤去反対で結束するようになった。そして今回、8月11日にバージニア州シャーロッツビルで起きた、南軍像の撤去をめぐる左右両極の衝突事件で、再び全米的な議論になっている。Poll: Majority of Republicans Agree with Trump’s Response to Charlottesville Violence) (Charlottesville, Trump and “Angry White Males”

 マスコミと、そこに出る著名人の多くはリベラル側なので、撤去反対派は、人種差別主義者・KKK・ネオナチなどのレッテルを貼られている。たしかに撤去反対派の中には、KKKやネオナチへの支持を表明する者たちもいる。チャールストン乱射事件もシャーロッツビル事件も、右派が、黒人やリベラルを殺害しており、その点でも撤去反対派=悪である。だがシャーロッツビルの衝突後、南軍像の撤去に反対する勢力は、人種差別主義を超えて、これまでの米国の社会でのリベラル主義の席巻・いきすぎによって、政治的に疎外されてきた地方の中産や貧困層の白人が、自分たちの尊厳を取り戻そうとする動きへと発展し始めている。Steve Bannon's work is done. Donald Trump doesn't need him now) ("The Entire Dynamic Has Changed" Far-Right Groups Becoming Increasingly Visible On Campus

 これは、リベラル=ヒラリー・クリントンと、反・非リベラル=トランプが戦い、トランプが勝った昨年の大統領選挙の構図と同じである。この問題が全米的な話題であり続けるほど、撤去反対派は、KKKやネオナチを離れ、リベラル(軍産マスコミ)のいきすぎを是正すべきだと考える人々を吸収していく。それは、再選を狙うトランプの支持基盤の拡大になる。だからトランプは、シャーロッツビル事件に関して、自動車突っ込みの加害者となった右派(撤去反対派)を非難したがらず、喧嘩両成敗的なことを言い続けた。右派メディアのブライトバードの主催者に戻ったバノンは、再び盛り上がっていくリベラルvs右派の対立軸の中で、親トランプな右派の旗振り役となり、リベラル軍産・マスコミ・民主党との戦いという、彼が最も好む戦場で活躍できる。 (Ousted Steve Bannon pledges to turn fire on Donald Trump’s White House) (Steve Bannon: 'I'm leaving the White House and going to war'

 南北戦争の構図が復活するほど、米国社会は分裂がひどくなり、国家として統一した意思決定が困難になっていく。すでに右派のトランプ政権の就任後、リベラルや軍産が席巻する議会との対立で、国家的な意思決定ができない状態だ。トランプは大統領令を乱発し、覇権放棄をやっている。リベラルが強いカリフォルニア州では、トランプが権力を持つ米連邦からの分離独立を問う住民投票を行う政治運動が拡大している。米国内が分裂するほど、欧州など同盟国が米国に見切りをつけて中露を敵視しなくなり、米単独覇権が崩れて多極化が進む。Pat Buchanan Asks "In This Second American Civil War - Whose Side Are You On?") (Californians are talking about trying to leave the United States in a 'Calexit'

 トランプ政権は、(1)貿易や外交の分野での覇権放棄・貿易圏潰し、(2)国内経済のテコ入れ、政権維持策としてのバブル延命、(3)米国社会を分裂させて支持基盤を拡大、の3つの戦線をたたかっている。今回は、共和党に阻止されている(2)を進めるためバノンが辞任し、バノンは政府外に戻って(3)の推進に注力することにした。(1)は、バノンがいなくても進められる。(2)が失敗して今秋、米政府閉鎖や金融危機が起きると、トランプの人気は下がるが、米国覇権の衰退に拍車がかかり、トランプやバノンの目標である米覇権の解体が進む。多極型世界の始まり



(私のコメント)

今日の朝の6時過ぎに、日本では空襲警報が北日本に発令されましたが、日本のテレビはてんやわんやの大騒ぎになっている。北朝鮮のミサイル発射は年中行事化していて、大騒ぎするほどの事もないのでしょうが、北朝鮮は予告なしに日本に向かってミサイルを打ってきたのだから、政府は大騒ぎしたのでしょう。

グアム島近くに打つと言っていましたが、アメリカが激怒したので金正恩は北海道沖に目標を変えたのだろう。ミサイルに火星12号という3段ロケットらしいのですが、飛んだ距離は2700キロほどでグアム近辺に到達する距離だ。アメリカがどのように反応するかですが、辞任したバノン首席補佐官が言っていたように北朝鮮は放置されるだろう。

トランプ大統領は、今までの大統領とは異なりグローバリストではない。反グローバリストないしは非グローバリストであり、アメリカ第一主義を旗印に大統領に当選した大統領だ。つまりグローバリストとナショナリストの対立した政権であり、バノン一派が次々辞任させられて、トランプ大統領が孤立した形になっている。

田中宇氏が言うように、「リベラル主義の席巻で政治的に疎外されてきた、大都会でなく地方に住む、中産階級や貧困層の白人の支持を集めて政治力を維持するバノンの戦略を、トランプはまだ必要としている。覇権放棄・軍産退治・反リベラルは、16年夏にバノンを起用する前からのトランプの姿勢だった。」のであり、トランプが辞任しない限りこの戦いは続く。

この構図は、南北戦争の構図とよく似ており、トランプ大統領の出現によって南軍の亡霊が復活したのだ。大アメリカ帝国は、相次ぐ戦争で疲弊しており、未だにアフガニスタンでアメリカ軍が釘付けになっている。アメリカの将軍たちはもっと援軍をと叫び続けている。いまアメリカ軍がアフガニスタンから撤退すれば、そこは無政府国家になってしまう。

イラクやシリアも、まさに無政府国家状態であり、アメリカは、北アフリカや中東の独裁者を次々と排除してきたが、その後に出来たのは無政府状態のテロ国家だ。ISなどのテロリストは全世界に散らばってテロ攻撃を仕掛けている。イラクやアフガニスタンのテロリストを退治しても、いたちごっこなのだ。

アメリカのグローバリストたちは、ソ連崩壊の後の敵を求めてテロリストを敵と定めた。9・11テロはその象徴であり、アメリカ本土へのテロはアメリカの国防政策の転機となった。軍産複合体にとっては計算通りだったのでしょうが、中東の独裁者を排除しても中東諸国は民主国家にはなれそうもない。無政府国家となり手を出したアメリカは引くに引けない状態になっている。

このような状況に「NO」を旗印に登場したのが、左派のオバマ大統領であり右派のトランプ大統領なのですが、主流派の軍産複合体をどうすることもできないようだ。アメリカのマスコミはリベラルなグローバリストであり、彼らの声は聞けてもナショナリストの声は聞こえてこなかった。

日本にいれば、アメリカの東北部のリベラルな声は聞けても、ラストベルトや中西部の白人の声は聞こえてこない。これらの地域はグローバリズムに取り残された地域であり、トランプは彼らに支持されて大統領になった。彼らの求めるのはアメリカ第一主義であり、バノンはナショナリストでありアフガンからの撤退を主張していた。オバマとトランプは左派と右派の違いがあれど、言うことは中東から兵を引くことであり同じだった。

オバマだろうとトランプだろうと産軍複合体をどうすることもできずにいるのは、戦前の日本と同じだ。敵対する国を軍事力で潰すのは容易いが、その後の統治をどうするのか。日本も朝鮮を潰し中国を潰しても、友好的な傀儡国はできず軍を長期に駐留させる羽目になった。長期に駐留すれば軍は関東軍化する。

アメリカも同じであり、軍を長期に駐留させれば軍も政府の言う事を聞かなくなり、逆に政府が軍の言うことを聞かなければならない状況になっている。トランプの政府は軍人だらけだ。バノンが主張しているのは、敵は中国であり中東や北朝鮮のような雑魚には構うなということだ。

アメリカの財政は火の車であり、中西部の白人たちはグローバリズムから取り残されてしまった。製造業は中国に移転してしまったが、それに替わる仕事はないのだ。そのような白人から見ればグローバリズムは敵であり、グローバル企業と中国だけが繁栄する。バノンの主張は日本にはほとんど伝わってこない。

アメリカはリベラル派と右派の対立も深刻であり、リベラル派は南軍の将軍の銅像を撤去させている。リベラル派にとっては南軍の将軍の銅像は人種差別の象徴と捉えている。コロンブスの銅像まで撤去騒ぎが起きていますが、行き過ぎたリベラルの暴走に対する反発が大きくなってきた。トランプは彼らの支持で大統領になった。

「株式日記」でもアメリカはいずれ分裂すると予想していますが、グローバリズムや産軍複合体やリベラルの天下はいつまでも続かないだろう。行き過ぎればいつかは揺り戻しが起きて反グローバリズム、反産軍複合体、反リベラルに流れが起きてくる。しかし日本からはそのような動きは全くわからない。




やはり山本五十六連合艦隊司令長官は、スタンダード石油にスカウト
されたアメリカのスパイだった。なぜ空母に日の丸を書かせたのか?


2017年8月28日 月曜日

山本五十六がスタンダード石油から「うちに来い!」と言われた話 2015年4月10日 広瀬隆雄

山本五十六がハーバード大学に留学した話は知っている人も多いと思います。

でも彼がハーバードで米国の石油産業などについて勉強していたとき、ロックフェラーのスタンダード石油(現在のエクソン・モービル)から「うちに来い!」とジョブ・オファーがあった話は、余り知られていません。

そりゃそうですよね? 帝国海軍を代表してアメリカに敵の手の内を探るための勉強に行っているのに、そのままスタンダード石油に転職してしまったら、非国民ものです。

だからスタンダード石油から誘いがかかった話など、本人が帰国後、吹聴して回るはずはありません。

でもアメリカの文献にはそのへんを赤裸々に書いてあるものがあって、結構、面白いです。

ところで真珠湾攻撃の前夜、太平洋における各国の海軍力は下のグラフのようになっていました。

アメリカ、イギリス、オランダの海軍力を合計しても、日本の方が勝っていたと言えます。

しかし上のデータはものごとの一面だけしか捉えていません。

なぜなら当時、日本は原油ならびに石油精製品の輸入の大部分をアメリカに頼っていたからです。

アメリカは日本を刺激したくなかったので、原油の禁輸措置を何度も検討し、結局、見送りました。

しかし1938年に日本軍が218回にわたり中国の重慶で爆撃を繰り返し、特に1939年7月6日の爆撃ではアメリカ大使館に近い教会に爆弾が直撃し、ルーズベルト大統領はしぶしぶ日米通商航海条約の破棄ならびに原油の禁輸を決断します。

その結果、日本の原油・石油精製品の輸入は激減します。当時、日本は石油の88%を輸入に頼っており、その80%アメリカから買っていました。(後略)


偵察爆撃機ドーントレスを見ながらミッドウェー海戦を考えた 8月27日 広瀬隆雄

冒頭のところで書いた、胴体の下にある主爆弾は226キロ爆弾です。その他、両翼に小さな焼夷弾があり、合計3発。この組み合わせでミッドウェー海戦は戦われました。

ドーントレスのパイロットたちの手記には、次のような記述があります。
「空母赤城の甲板は、ハッと息を呑むような鮮やかな黄色で、おまけに日の丸がこれみよがしに描かれていた。その日の丸めがけて、おれは真っ逆様に落ちて行ったわけだ」
空母赤城は木製甲板なので「鮮やかな黄色」というのは、そのことを指しているのでしょう。日の丸は、わざわざミッドウェー海戦の前に新しく描かれたものです

急降下爆撃では、標的がどのようなスピードで航行しているかを6千メートル離れた上空から当て推量しなければいけません。これはたいへん難しい判断になります。

だから甲板いっぱいに描かれた日の丸をみて(助かった!)と思ったパイロットも多かったそうです。

ペンサコーラ海軍航空基地での猛訓練では「敗者のゲーム」という考え方を徹底的に叩き込みます。(これは株式投資でもよく出てくる考え方です)

たとえばテニスは「敗者のゲーム」、つまりミスの少ないプレーヤーが勝つわけです。

手順に則り、基本動作をきっちりと行えるよう、血の出るような訓練が続いたそうです。

急降下爆撃の際は標的から目が離せません。ドーントレスはとても運動性能の良い飛行機なのですが、コックピットは複雑で、70種類ものスイッチがありました。

そこでその70種類のスイッチを見なくても操作できるよう、目隠しテストし、合格者だけが前線に送られたのです。

ミッドウェー海戦では、ドーントレスは、のべ68回急降下爆撃を行いました。1回に3発の爆弾を投下できるので、合計204発ということになります。

空母は3発被弾すれば沈没します。

そこで僕が思ったことは(ミッドウェー海戦での敗戦は、ほんとうに「運命のいたずら」だったのだろうか?)ということです。

これは自分自身に特にあてはまることですが、われわれは日本が勝っていた時の活躍だけを切り抜いて(日本は強かった!)と自己満足し、負けはじめた以降の分析は、殆どしません。

なるほど、索敵においてアメリカ側に発見されたのは、たしかに不運かもしれません。暗号が敵に解読されていたということもあるでしょう。

でも、目隠ししても70種類の林立するスイッチを正確に操作できるほど良く訓練された相手から、のべ68回におよぶ急降下爆撃を受けるという想像力があれば、甲板に日の丸を描くようなバカなことはしなかったように思います。

その時点で、この戦はもう負けていたのでは?

ミッドウェー海戦前までは、日本はアメリカとの交戦で一度も負けていません。しかしミッドウェー海戦以降は、日本は全ての交戦で負けています。

空母を失ったから戦争に負けたのではなく、空母は失うべくして失ったのです。


(私のコメント)

山本五十六連合艦隊司令長官がアメリカのスパイであると「株式日記」では書いてきましたが、状況証拠を積み上げていくしか方法はない。もちろんアメリカ側から「ヤマモトは我々のスパイだった」といった証言でも出てくれば決定的ですが、山本五十六はスタンダード石油からスカウトされたことがあるらしい。

つまりロックフェラーの手先になった可能性が十分にある。そう考えれば山本五十六が真珠湾攻撃に固執した理由に辻褄が合う。太平洋戦争はアメリカによる石油禁輸が大きな開戦理由になりますが、アメリカから石油が入ってこなくなれば連合艦隊は戦わずして負けたような結果になる。戦艦大和も石油がなければ動かない。

広瀬氏のブログでは、重慶爆撃が石油禁輸のきっかけになったようですが、重慶爆撃は海軍の井上成美支那方面艦隊参謀長が主導したものであり、海軍は上海事変に以来、早期終結を言いながら拡大させていったのは海軍なのだ。上海事変では陸軍の石原参謀長が早期撤収を主張したのに対して、米内光政海軍大臣が強硬に出兵を主張して日中戦争を拡大させた。

終戦まで生き残った米内光政と井上成美はなぜ東京裁判で訴追されなかったのでしょうか。大東亜戦争を大局的に見れば負けたのは海軍であり、アメリカ軍によってボコボコにされましたが、陸軍は中国や東南アジアでは戦線を維持しており互角の戦いをしていた。

東京裁判では、東條、土肥原、木村、松井、武藤、板垣将軍ら6名が死刑になりましたが、海軍の将官は誰も死刑になっていない。米内は上海事変拡大と井上は重慶爆撃で死刑になってもおかしくなない。おそらく海軍トリオはアメリカに通じていたと推測せざるを得ないのであり、戦後においても海軍トリオは平和を守ろうとした良識派といった小説が阿川弘之などによって書かれた。

陸軍も海軍も戦略をわきまえていない愚か者の集まりですが、東京裁判では一方的に陸軍が裁かれて海軍の将官は死刑をまぬがれた。おそらく海軍トリオがアメリカやロシアに通じていたとしか思えない。あまりにも真珠湾攻撃がアメリカにとって都合が良いものであり、山本五十六はルーズベルトの希望に十分に答えた。

広瀬氏のブログにもあるように、ミッドウェイ海戦で空母4隻が沈みましたが、空母の甲板には白地に大きな日の丸が書かれていた。青一色の海面ではこれは非常に目立つものであり、上空5800mからの急降下では白地に日の丸が格好の標的となって爆弾は命中したらしい。

いったい誰が空母の甲板に日の丸を書けと命令したのだろうか。どうか爆弾を当ててくださいというようなものであり、敵の偵察機からも白地の日の丸のマークはよく見えたことだろう。当時の連合艦隊司令長官は誰だったのでしょうか。そして海戦では空母は直撃弾をくらって沈んでしまった。

山本五十六連合艦隊司令長官は、空母機動部隊の500キロ後方に位置して、敵機動部隊の存在を感知していながらも、味方の機動部隊にそれを知らせなかった。バカ正直に無線封鎖を守っていたからだ。当時は日本海軍の方が圧倒的に優勢であり、戦艦大和の場所がバレても影響はなかったはずだ。これも山本五十六がアメリカのスパイだったと推測できる理由だ。まさに山本五十六こそがミッドウェイ海戦の敗北の影の主役だったのだ。

本来ならば、南雲機動部隊司令長官は大敗に責任を取って左遷すべきなのでしょうが、山本司令長官は移動させなかった。わざと無能な南雲長官にやらせることで日本の敗北に繋がらせたのだ。だからアメリカは日本海軍の思い通りの働きを評価して、東京裁判では海軍の将官を死刑にしなかったのだ。





植民地というのは宗主国の言語をうまく話すことができる人間と、
そうではない人間の間に乗り越え不能の階層差が生じる場所のことである。


2017年8月27日 日曜日

英語の未来 8月26日 内田樹

『中央公論』8月号が「英語一強時代 日本語は生き残るか」という特集を組んでいた。読みでのある特集だった。『日本語が亡びるとき』で問題提起をした水村美苗さんのインタビューが最初にあって、重要な指摘をしていた。

一つはイギリスのムスリムの女性学者ふたりが日本を訪れたときに水村さんに言った言葉。

その時、彼女らが、『日本では英語がまったく通じない。なんて気持ちのいい国なんでしょう』と言うのです。日本においてはみなが日本語で通じ合い、英語で通じ合えることがリートのサインではない。英語ができる人が威張っており、収入もよく、社会の権力側に立つという構造になっていないと言うのです。パキスタンでも、インドでも、それからブラッドフォードでも、英語が流暢か流暢でないかによって、階層が作り出されている。現に彼女たちの親は、その英語のアクセントで、たんに言葉が流暢ではないというという以上の意味をもって、差別されている。

 私は日本にはそういう構造の社会にだけはなってほしくないし、そうなるのを免れた歴史を大事にしてほしいと思うのです。世界を見回せば、インテリが読む言語は英語で、それ以外の人が読むのが現地語だという国がいかに多いことでしょう。」(水村美苗「言語の植民地化に日本ほど無自覚な国はない」、『中央公論』2017年8月号、中央公論新社、28頁)

私は最近いよいよごく少数を除けば、日本人は日本語が堪能であればよいのではないかと考えるようになっています。非西洋圏でここまで機能している言語を国語として持っている国は本当に珍しいのです。エリートも庶民も、全員当然のように日本語で読み書きしているという、この状況を守ること自体が、日本という国の使命ではないかとすら思います。」(同書、29頁)

前半の引用には私は全面的に賛成である。言語(それも会話時の発音)による階層差別をverbal distinction と言う。肌の色でなされる差別と構造的には同じである。口を開けば一瞬でその人が「自分たちの仲間であるかないか」が判定できる。

バーナード・ショーは(今日はショーさんの出番が多い)『ピグマリオン』(『マイ・フェア・レディ』のオリジナル戯曲)の冒頭で、口を開けば出身地や所属階層や学歴や職業までがわかってしまうイギリスの言語状況を嘆き、全員が所属階層にかかわりなく「美しい英語」を語る理想的な言語環境を望見するヘンリー・ヒギンズに演説を語らせる。

もちろん、そんなことは不可能なのであって、ヒギンズはすさまじいコックニー訛りで話すイライザが「王族のような英語」を語り出すと、彼女の言葉が指示する所属階層に(それが虚構と知りつつ)魅力を感じてしまうのである。

言葉による差別というのは、一度始まると止めることができない。
植民地というのは宗主国の言語をうまく話すことができる人間と、そうではない人間の間に乗り越え不能の階層差が生じる場所のことである。

水村さんが「植民地化」と言っているのは、そのことである。

第二の引用については、私は同意したいのだが、根拠がまだ不確かなのである。
ほんとうに外国語ができる人間は「ごく少数」でいいのか、わからないのである。
一つには私自身が「外国語を学ぶ」ことが大好きだからである。

私は中学生になって初めて英語と漢文を学んだけれど、この二つの「外国語」に同じくらい強く惹きつけられた。二つの科目の授業を心待ちにしていた。
それは外国語の有用性によってではない。

漢文の知識をいくら仕込んでも受験以外にそれを発揮する機会など現実にはほとんどない。
英語で会話したことも二十代後半まで一度もなかった(私が生まれてはじめて英語で会話をした相手は自由が丘道場に来たイギリスの青年で、彼に合気道の技を説明をしたのである)。

それでも外国語を学ぶことはつねに私を高揚させた。母語とは違う文法、違う語彙、違う音韻を通じて、母語的現実とは違う世界に触れることができるということが私を興奮させたのである。
そういうことが「好きだ」という子どもは一定の比率でいるはずである。
それは決して「ごく少数」ではないという気がする。そして、どの子どもが外国語の習得を好むかを、外国語学習に先立って選別することはたぶんできないと思う。

ただ、ここに私がこれまでほとんど考えたことのない変化が生じてきた。それは自動翻訳の長足の進歩である。これについては特集の最後に置かれた専門家二人の対談が興味深かったので、それを紹介したい。

自動翻訳はいま三世代目に当たる。第一世代は「ルールベース翻訳(RBMT:Rule-Based Machine Translation)」文法をプログラム化してコンピュータで動かす。難点は精度を上げようとすると規則の数がどんどん増えて管理が難しくなること。第二世代が「統計翻訳(SMT: Statistical Machine Tranlation)。大量の対訳データを覚えさせて、ある文が何を意味するかを統計的に処理する(例えば「何で来たの?」という文が「交通手段」についての問いなのか、「理由」についての問いなのか、あるいは「帰れよ」という促しなのかを統計的に判断する)。第三世代が「ニューラル翻訳(MMT: Neural Machine Translation)」。対訳データを大量に仕込むのだけれど、学習方法に「深層学習」というアルゴリズムを用いる。

今の機械翻訳はすでにTOEIC600点くらいのところまで来ていて、2020年には700点か800点に達する見込みだそうである。
これがスマートフォンに装着されると、日本語をしゃべると英語音声に翻訳されるということができる。『ドラえもん』の「ほんやくコンニャク」みたいなものである。

ニュアンスの難しい翻訳や文学の翻訳は人間の手に頼るしかないが、「平均的なこと、陳腐なことなら機械は得意です」(隅田栄一郎、内田麻理香、「英語を勉強しなくてもいい時代がやってくる?」、同書、64頁)。学術論文のようにフォーマットが決まっていて、かつ一意的であることが必須の文章の場合は自動翻訳で問題ないそうである。

自動翻訳の専門家である隅田はこう言う。

翻訳者、通訳者、外交官などは英語を勉強しなきゃいけないと思います。そういう人たちって何%くらいでしょう。1%くらい? (…)だとすると、99%の人は中学校や高校で英語を勉強しなくてもいいじゃないかと思うんです。今や小学校でも英語を勉強することになっていますが、自動翻訳機械で代替できるという意味ではその必要はないのではないか。」(65頁)

もちろん「異文化教育」は必要だけれど、自動翻訳でコミュニケーションのハードルが下がれば異文化との接触機会はむしろ増す。
何よりも英語に投じていた学習リソースをそれ以外のものに振り向ければ子どもたちの知的なパフォーマンスは高まる可能性もある。

英語学習枠組みそのものが根本的に変わると予測されている時に、なぜか日本の教育行政は「小学校から英語を勉強させる」という、悪くすると10年も経たないうちにまったく無駄になる学習プログラム改革を膨大な手間暇をかけて実行しようとしている。

同じことは脱原発や電気自動車へのシフトなどの遅れにも見られる。
今が世界史的な変化のただ中であるということをまったく自覚しないで、10年前20年前の「常識」と「既得権益構造」に居着いている日本の政策決定者たちの脳内にどのような未来が見えているのか、私にはまったく理解の外である。



(私のコメント)

「株式日記」では英語の問題について何度も書いてきましたが、10年間にわたって日本の学生に英語を教えてきても、ほとんど英語が話せない学生がほとんどだということだ。これほど無駄なことがあるだろうか。10年間も英語を学んでも話せないといったことがコンプレックスの元になってしまう。

だから馬鹿な日本の政治家と文部省官僚は、小学校から英語を教えれば英語が話せると考えたようだ。しかし日本語がまだ不完全な小学生に英語を教えても、頭が混乱するだけであり、ますます英語嫌いを増やしていくだけだろう。もちろんグローバル化時代に英語が話せる重要性は高まっている。

グローバリズムの本質は、見えない帝国主義のことであり、1960年代までに多くの植民地が独立していってヨーロッパの帝国は解体した。帝国側の支配者は植民地を直接支配するよりも、植民地を独立させてその支配層を支配することでソフトな植民地支配を継続することを思いついた。そうすれば誰にも気づがれずに支配することができる。

だから大英帝国や大米帝国は、旧植民地から多くの留学生を招いてエリート教育を施した。いずれも英語国家だから英語が事実上の世界の公用語のようになってしまった。だから旧植民地国家のエリートはみんな英語が話せて、それがエリート階級を形成する手段になっている。国際会議でも世界のエリートはみんな英語が話せる。

グローバルな帝国主義時代では、世界のエリートが横に連携をとることで、各国の現地人を支配して富を巻き上げていくシステムのことであり、英語がその情報伝達手段になる。特に金融取引などは英語ができなければ全くわからない世界で有り、日本の金融業界でも英語ができなければ情報戦で負けることが現実になってしまった。

日本のバブル崩壊は金融情報戦に負けたことであり、85年のプラザ合意の本質に日本の政治家も経済人も経済学者などもなかなか気がつかなかった。だから為替の自由化なども日本の大蔵省は最後まで抵抗しましたが押し切られてしまった。金融の自由化なども次々と決められていきましたが、これも金融帝国主義なのだ。

現代では情報はネットであっという間に世界中に広まって行きますが、それは英語によって伝わっていく。金融情報戦争の時代では、1分1秒の判断の遅れが金融戦争における勝者と敗者を分ける戦いだ。だから英語を母国語とする人たちと、英語を外国語として学んだ人との格差がどうしてもついてしまう。

金融のみならず、医学の世界でも最先端の医学は英語で情報発信されているから、ドイツ人でも英語ができなければ医者にもなれない世界になってしまった。医学論文なども英語で発表されなければならず、科学の世界でも同じだ。だからノーベル賞学者は英語で講演をするのが習わしになっている。

このように英語による世界支配は、かつての18世紀から20世紀の米英の世界覇権国家体制から生じたものであり、英語の世界公用語化とポンドからドルへという世界基軸通貨体制を握っておけば世界支配体制は維持できるという事なのだろう。だから中国がいずれ世界の覇権国家になるといった予想も外れることになる。中国語や人民元が世界のスタンダードになるとは思えないからだ。

中国や韓国などは、アメリカに大量の留学生を送り込んでいるが、日本からアメリカへの留学生は戦後の一時期を除けば激減している。中国が27万人、インドが10万人で、韓国が7万人ですが、日本は2万人で台湾より少ない。この原因としては複雑でよくわかりませんが経済的な理由だけだからだろうか。

中国、韓国、台湾などは大学教育はテキストが英語であり、どうせ英語で学ぶなら本場のアメリカに留学したほうがいいということになるのでしょう。だから中韓台の大学生は英語が流暢であり、英語ができなければ高等教育が受けられない。教科書も全部英語なのだ。日本の大学はまさにガラパゴスであり、世界でも別世界になりつつある。

だから英語を学ぶためにアメリカに留学するよりも、台湾やフィリピンの大学に留学した方が費用も格段に安くできる。私も若ければアジアの大学に留学して国際親善をしたいものですが、アメリカやイギリスの大学は費用が高くてバカバカしい。


台湾で英語を学べ!?アジア圏留学をオススメする5つの理由 2013年12月26日 

1.アジア圏の大学の公用語は英語

まず一つ目の利点は英語ネイティブの留学生の多さにあります。

ぼくが経験した台湾留学では世界中から多種多様な学生と出会うことができました。

その学生の例としては、台湾の原住民族の文化を学びに来ている考古学専攻のノルウェー美人、

両親は中国人だがアメリカ生まれという中華系アメリカ人の美人、

さらにはひい爺さんが台湾人だと主張する虫が好きなオタクナード女子、

イギリス英語を流暢にしゃべるアジア系フランス人のプレイボーイなどまさに多彩。

もうきりがありません。

総じて台湾に留学に来る留学生には以下の3種類のタイプが多かったです。

上に挙げたような留学生たちとコミュニケーション手段はもちろん英語です。

英語を使わないと、ハラハラドキドキの飲みゲームに参加できないし、ましてや、邪悪な空気に包まれるダンスクラブで一緒に踊るなんてことはできません。

したがって、留学を最大限にエンジョイするにはどうしても英語を使わざるを得ない状況にあるのです。

台湾でのぼくの留学先では日本人は一人しかいなかったので日本語を使う機会などほんのわずかでした。

むしろ日本語を忘れるのが怖いほどでした。実際、英語を真剣に学びにいったアメリカ留学時より英語を使うチャンスに満ち溢れており、

中国語よりも英語の運用能力が向上したのは間違いありません。

さらに追加情報です。

台湾のいまの若者はたいてい英語が話せます。

高齢者や中年のママ・パパ世代をのぞけば英語で意思疎通が可能ですよ。

中国語音痴にはじつにありがたい話です。(後略)



(私のコメント)

中韓台がこのような状況だから、英語帝国主義は確実に実現しつつある。世界中の国が英語のできる階級と現地語だけの階級の二つに分かれる。日本の大学も英語で授業という所もあるが、日本の大学だけが特別であり、テキストも日本語であり教授も日本語で授業をしている。英語レベルを上げたいのなら中韓台などの近場の大学に留学したほうが安くてメリットがあるから、アメリカへの日本人留学生が減っているのだろう。

日本はかつて300年近く鎖国をしていましたが、キリスト教に対する鎖国であり近代文化はオランダから学んできた。蘭学と言いましたが、蘭学を通じて日本は日本語に翻訳して学ぶという手段をとってきた。医学も蘭学を通じて学びましたが、明治以降も科学用語を日本語に翻訳してきた。しかし中韓台などでは翻訳などせず英語のテキストで学んでいる。中韓台語では近代科学用語を翻訳ができないからだろう。




映画、コンサート、ドラマ放送、講演会、野球、サッカー、…多くのイベント
は大体2時間で終わります。これは一般的人間が集中できる限界なのです


2017年8月26日 土曜日

減り続けるゴルフ人口が物語るもの 8月25日 ヒロ

日本生産性本部が毎年発表するレジャー白書。今年の目玉はパチンコ人口が遂に1000万人を割ったという点のようです。合わせてテレビゲーム、宝くじ、カラオケも市場が縮小しているようです。その中で日経はさすが、目の付け所が「ゴルフ人口」でこちらはこの1年で27.6%も減って550万人となり、ピークの3分の1になったと報じています。

私もお仲間のうちなのですが、ゴルフ、パチンコ、宝くじ、カラオケ…これらはみんな昭和のレジャーなんです。共通して言えることは「無駄打ち」と「時間がかかる」点でしょうか?宝くじは時間がかからないじゃないか、と言われそうですが、発表までの日にちが待てないのが現代の人です。今すぐ知りたいんです。

私がゴルフをほぼやらなくなったのは10年以上も前。サラリーマンの時は年に20-30ラウンドはしたと思います。が、もう無理、と思ったのは平日ゴルフでは仕事のことが常に頭にあるし、週末ゴルフはこれで半日以上費やすのはあまりにももったいないと思ったからでしょう。その後、年に数回、どうしてもやらねばならない付き合いゴルフもあったのですが、「ひろはゴルフをやらない」と認知され、いまでは「ゴルフやっていたの?」と言われます。

私の通った大学は田中康夫の「なんとなくクリスタル」の題材になるようなところでその当時、全国大学の先陣を切って大学の周りから雀荘が消えていきました。(私の通った高校も同じ敷地内ですからその変遷はずっと見続けてきました。)なぜ、麻雀が流行に敏感だった我が大学で真っ先に廃れたかと言えば「ダサい」「時間の無駄」「タバコくさい」「生産性ゼロ」でとどのつまりは「女の子のモテないから」でありました。

ところがゴルフは私が高校の時から一目置かれていて「ゴルフ部の〇〇さんって…」という話が結構聞こえてきました。テニスとスキーも流行ったのですが、ゴルフは別世界だったと記憶しています。何故ゴルフが格好いいと思われたかと言えば「金持ちの象徴」「おしゃれ」「ゴルフ場に行く車にも期待!」でなぜかゴルフ部の連中は何時も原色系のベストを着ていた記憶があります。

さて、私は卒業後、就職した先がゴルフ場を造成させたら日本でも有数のゼネコンでした。そして御多分に漏れず、私も自社開発のゴルフ場の現場で1年半お世話になりました。当時のゴルフ開発は尋常ではない金をかけました。

川田泰三先生の監修で倉本昌弘氏や岡本綾子氏が工事中のゴルフ場に来て、コースデザインの微調整を行い、とにかく日本一のゴルフ場を標ぼう、会員権は第一次募集が8000万円の法人オンリーでした。当時日経に日本一高額の第一次募集として記事にもなりました。

時代はぐっと飛び、90年代後半、私はアメリカ、ワシントン州でも仕事をしていました。それは自社所有のゴルフ場の経営、管理でした。極めて戦略的で管理も行き届いたゴルフ場でしたが経営的には厳しいものがありました。

そのため、PGAの下部組織であるナイキツアーのコースにすると同時にナイキツアーのノースウェスト本部もゴルフ場内に設置するなどあらゆる手を尽くします。が、資金繰りが悪化していたため、売却しかない、と判断。マイクロソフトの創業者グループのおひとりである日系人の方に売却しました。(この方は現在、ゴルフ場をかなり所有、運営していらっしゃるアメリカで活躍する代表的日系人のおひとりです。)

つい数年前、長年親交のあったある日本人から氏の所有するカナダ国境に近いアメリカのゴルフ場を買わないか、と言われ、かなり真剣に検討し頻繁に通いました。結果、金額の折りあいがつかず、購入を断念しましたが、ちなみに私の査定は1億円ほどでした。普通のゴルフ場の価値はせいぜいそんなものしかないんです。今、そのゴルフ場は閉鎖したと思います。

そういうわけでわたしもなんだかんだ、ゴルフとはずっと縁があったのですが、結局、時間と金がかかり、ルールと講釈が多いレジャーは廃れるということだと思います。

ところでレジャーには2時間の壁があるのを御存じでしょうか?

映画、コンサート、ドラマ放送、講演会、野球やサッカーのゲーム…多くのイベントは大体2時間で終わります。これは一般的人間が集中できる限界なのです。つまりゴルフ業界が「これからどうしよう」という懸念を持つなら、ずばり、ハーフラウンドをオファーすることだろうと思います。

ゴルフは頑張って4時間、込んでいれば5時間以上かかります。日本では更に昼食があります。これが長すぎると思います。また、ゴルフ場は潰しが効かない施設です。あればかりは閉鎖しようが倒産しようが煮ても焼いても食えない不動産。たしか、千葉県と兵庫県はゴルフ場のメッカだったと思いますが、せいぜい、地元料金でも作って現状維持するしかないのではないでしょうか?

松山選手の活躍の陰でゴルフが十分楽しめないのは実に残念ではあります。



(私のコメント)

昔は大学生やサラリーマンの娯楽は、パチンコにマーシャン、競輪に競馬、ゴルフにスキーといったものでしたが、私はそのどれもやらなかった。どれも時間と金ばかりかかって、やっても面白くないからだ。ボーリングがブームの時もほとんどやらなかった。

日本人は、みんながやりだすと自分もやらなければと思う民族のようで、それをやらないと変人奇人呼ばわりされます。ブームの時は月曜日の朝などパチンコや競馬の成果の話で盛り上がります。しかし本人たちは本当に楽しくてそれらをしていたのだろうか。本当に楽しければ今でもしているはずですが、ゴルフ場もスキー場もボーリング場も麻雀荘もパチンコ屋もどんどん潰れています。

単にブームだからそれをしていただけで、ブームが去ればみんな止めてしまう。それは日本人が他の人と同じことをすることに喜びを感じるからであり、他の人がやらなくなれば自分も止めてしまうといった性格なのでしょう。本当に自分が楽しくてやっている事ならば他の人が止めても自分はしているはずだ。

私自身は酒もタバコもやりませんでしたが、酒もタバコも美味しくないからやらないだけでしたが、サラリーマン時代は酒もタバコもやらないと変人奇人呼ばわりされた。しかし現代では禁煙が当たり前になり、酒も売上が落ちている。私は甘党であり甘いものは大好きだ。

ゴルフやスキーもやらないと女にモテないと言われてもやりませんでしたが、金ばかりかかって面白くないからだ。私の趣味といえば模型の組み立てとかカメラやオーディオなどであり、最近はパソコンが趣味だった。だから私の部屋はカメラやオーディオ機器やパソコンなどで埋め尽くされて置き場がないくらいだ。それらは今でも趣味であり続けている。

最近のゴルフブームの衰退はどういうことなのだろうか。昔は日曜日など千葉からの帰りの電車などではゴルフバッグを担いだゴルファーがよく見かけましたが、最近ではほとんど見かけなくなりました。千葉はゴルフ場が沢山有り、ゴルフ場だらけだった。サーファーのボードはよく見かけますがサーフィンは無料で楽しめるからだろうか。

サラリーマンにとってはゴルフや麻雀は社交手段であり、接待ゴルフや接待麻雀などもあったのだろう。つまり出世のための手段でもあり楽しいからやっていたのではないのだろう。スキーなども女の子にモテる為の手段であり、スキーをやっているとイケていると思われていたからだろう。しかし今ではスキー場は閑古鳥が鳴いている。

ゴルフは本当に好きな人は高齢者でもやっているし、今では安くなってプレーもできるようだ。日曜日でも簡単に予約が取れるとその人は言っていましたが、本物のゴルフ愛好家は少なかったようだ。ゴルフがブームの頃はゴルフ場の会員権が高値で売れましたが、90年頃は4000万円もしたゴルフの会員権が今では100万円だ。

なぜ4000万円で飛ぶように売れたゴルフの会員権が今では100万円でしか売れないのか。ゴルフの会員権はサラリーマンにとってはステータスでもあり、借金して買った人はまさに悲劇だった。加山雄三はスキー場を経営しましたがスキーブームが去ると多額の借金だけが残ってしまった。ゴルフやスキーが本当に好きな人は日本人ではごくわずかなのだ。

日本人は移り気であり、雰囲気にに飲まれやすく、周りの人の影響を受けやすい。日本人は個性が弱くて集団の一員であることに喜びを感じる性格があり、中小企業の経営者になるよりも大企業のサラリーマンであることの方を選ぶようだ。中小企業の社長などは個性的な人が多くユニークな人が多いが、大企業のサラリーマンは没個性の優等生タイプが多い。

没個性だから周りに影響されやすく上司の顔色ばかり伺っている。だから上司がゴルをやればゴルフをするし、上司が麻雀好きなら自分も麻雀に付き合ってきた。しかし社員の非正規化が進むとそのような風潮は廃れてきたようだ。サラリーマンはゴルフどころではなくなり、会員権は暴落した。会社は社員を守ってくれなくなりいつリストラされるか分からなくなったからだ。




欧州を走っているディーゼルエンジン車両のすべてが日本製で
あったなら、ロンドンもパリもあんな悲劇的な状況にはなっていない


2017年8月25日 金曜日

内燃機関の全廃は欧州の責任逃れだ! 8月21日 池田直渡

 欧州の主要国で、内燃機関の禁止に関する長期的展望が示されたことで、ちまたでは既に「ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも無くなって電気自動車の時代が来る」という見方が盛んにされている。「エンジンにこだわっていると日本はガラパゴス化する」という意見も散見する。その受け取り方は素直すぎる。これは欧州の自動車メーカーが都合の悪いことから目を反らそうとしている、ある種のプロパガンダである。

【2015年、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題が発覚】

 まず大前提の話から。欧州各国が内燃機関規制を言い出したのは、窒素酸化物(NOx)による大気汚染が限界に達しているからだ。ロンドンやパリの大気汚染はひどいありさまで、英国の報道では年に4万人の寿命が縮んでいるという。由々しき問題である。

 結論から先に言えば、そんなことになるのは、欧州製のディーゼルエンジンがインチキだからだ。もちろんすべての自動車メーカーが黒確定とは言わないが、逆に疑惑をかけれられていないメーカーはあまり無い。

 ディーゼルエンジンではNOxが出るのはなぜかと言えば、それは空気に対して燃料が薄く、燃焼温度が高いからだ。ディーゼルエンジンは、圧縮されて高温になった空気が押し込められた燃焼室に直接燃料を噴射し、燃料の自己着火によって燃やす仕組みだ。燃料が自己着火するほど空気は高温になっているのである。

 この場合、高温にさらされた燃料は酸素に触れた途端燃え始めるため、噴射ノズルの側では酸素に対して燃料が過多になる。その結果、部分的な酸素不足で燃料が不完全燃焼してくすぶり、煤(すす)を出すのだ。一般的に煤は後でフィルターで漉し取り、フィルターが詰まってきたら、燃料を濃く吹いてフィルターの煤を焼いて飛ばす。この機能が働かないモード、つまり短距離使用ばかりを繰り返していると煤詰まりの問題が発生する。

 一方、燃焼室内の噴射口から遠いところでは十分に燃料が届かないうちに噴射口周辺の燃焼を受けて燃焼室全体の温度が上がる。その熱エネルギ−によって空気中の窒素が酸素と化合してNOxになる。酸素の化合数は状況によってまちまちで、Nの数もOの数も違う順列組み合わせがあり、数が不定なので数字の代わりにxを使う。

 これを防止するためには段階を追った方法がある。第1に燃料の噴射圧力を上げて噴射速度を上げ、末端まで早く届くようにする。第2に噴射口を多孔にして、いろいろな方面に向けて飛ばす。第3に吸気ポートやピストントップの形状を工夫して縦渦(タンブル)を起こす。

 ここまでの3つは、燃料と空気をいかに均等に混ぜるかというトライだ。第4は少し考え方が違う。吸気に排気ガスを意図的に混入(EGR:排気再循環)させて燃焼温度を下げる。排気ガスはそのほとんどが二酸化炭素と窒素。つまり不活性ガスだ。不活性ガスを混ぜると燃焼温度は下がる。与えられる熱エネルギーが一定以下になれば窒素と酸素は化合しない。

 もう1つ、これは今のところマツダだけの技術だが、ディーゼルエンジンの圧縮比を下げることで燃焼温度を下げるという方法もある。この方法では排ガスの後処理の必要が無いほど燃焼そのものでNOxを制御できる。

 さて、図らずも「後処理」という単語が出てきたが、ディーゼルのNOxソリューションの最後に後処理がある。運行条件が悪いか、エンジンの設計が悪いと後処理に頼らざるを得ない。この場合、排気に尿素を添加した液体を噴霧してNOxを無害化する。ただしこの方法だと、尿素を定期的に補給しなくてはならないので、使い勝手も悪いし、運用コストもかさむ。別のアプローチとしてはNOx吸蔵触媒もある。これは排気中から掃除機のようにNOxをかき集めて、ため込む仕組みだ。ゴミで一杯になったら瞬間的に燃料を濃くしてかき集めたNOxを還元する。この技術はリーンバーンエンジンの開発の中でトヨタとキャタラー工業が開発したもので、日本の独壇場である。

 欧州のディーゼルエンジンは一般的にEGRの活用が不十分で、根本的な燃焼改善が足りていない。結果的に後処理の尿素頼りになるケースが多い。一連のディーゼル不正問題では、この尿素の消費量を抑えたいがために不正を行ったとする見方も多かった。しかもドイツメーカー全社が不正を行っているという報道すらあったのである。BMWだけはこれを正式に否定する声明を発表したが、他メーカーの中には「告発とは無関係」としつつリコールを実施するという不可思議な会社もある。

 何もドイツメーカーのみを糾弾することが目的ではない。同じ疑獄にフランスメーカーもイタリアメーカーも名を連ねており、地球環境に与える問題の大きさに対してあまりにも報道が静かで散発的であることは変わらない。

 疑獄に名を連ねた中で別格に責任が重いのは、やはりフォルクスワーゲンだろう。フォルクスワーゲンは2年前にエンジン制御プログラムに排ガス試験対策専用のモードを不正に設けて、一時的に出力を犠牲にして排ガス試験をパスし、実際に路上を走る時には排ガス規制値をオーバーするモードで、パワフルで燃費の良いエンジンだという評判を作り出した。そして世界トップレベルの1000万台のクルマを生産し、フランスやイタリアのメーカーとは比較にならないほど多くのクルマを世界中に輸出している。ドイツ政府との関係性の深さもダントツである。

 もちろん各社にも言い分はあるだろう。不正発覚後、さまざまな機関や企業が行った実走行での排ガス測定は、運転状況がテストのモードと異なるのだから、基準値とかい離して当然だという話は分からないではない。

 なればこそ、これらのディーゼル疑獄には、どのメーカーが不正を行い、どのメーカーは不正を行わなかったのか、行われた不正はどういうものだったのかを、責任ある機関の名で白日の下にさらすべきではなかったか? そうしてこそ自浄作用が期待できるが、ドイツ政府はこれらの問題をグレーのまま放置し、一向に解明が進まない。不正をただすことが国益に反することは自明だからである。

 こんな反社会的で無責任なことをしていれば、大気汚染が悪化するのは当然で、常識的に考えれば不正を行った側の責任である。もし英国で4万人もの寿命が縮んでいることと排気ガスの因果関係が科学的に明らかなのであれば、これら不正を行ったメーカーに損害賠償を行うべきである。それを生ぬるい責任追及でお茶を濁し、あたかも「内燃機関全体の問題」であるかのような顔をして、「われわれは電気自動車にシフトする環境意識の高いメーカーである」といった物言いをどの面でするのか理解に苦しむ。

 「日本のディーゼルだって汚染物質を出している」という声もあるだろう。ディーゼルエンジンがその仕組み上、燃料の偏りという問題をはらみ、ガソリンエンジンとの比較で排ガス性能が劣るのは事実である。だから日本製のエンジンだけが完全に無罪であるとは言わない。

 だが、リアルな環境汚染の結果はだいぶ違う。日本という国は、英国はともかく、ドイツやフランスよりもはるかに国土が狭く、人口が多く、GDP(国内総生産)が大きい。そして経済活動も人口も首都圏に集中している。欧州のどの国よりも公害が発生する条件がそろっている。

 にもかかわらず、都心の空気について公害が喫緊の課題になる気配は微塵も無い。「いや欧州の乗用車はディーゼルが多いから」という向きには商用車の数を考えてほしい。結論から言えば、欧州を走っているディーゼルエンジン車両のすべてが日本製であったなら、ロンドンもパリもあんな悲劇的な状況にはなっていないと筆者は強く思うのだ。

 自分たちで不正を行い、それをほとんど総括しないまま、「皆でやったことだから1人1人が反省しようよ」と言い出す欧州の論調をリスペクトしろと言われてもできない。責任転嫁も大概にしろと怒りがわく。だまされてはいけない。



(私のコメント)

日本には欧米のプロパガンダに悪乗りする軽薄な言論人や評論家が多くて、日本をひたすら叩きまくる人が多い。自動車評論家も同じであり、ドイツのクリーンディーゼル車を賞賛してきた。しかしどうしてパリやロンドンでのスモッグのひどさに気がつかないのだろうか。

日本でもディーゼル車はたくさん走っているが、スモッグの発生はロンドンやパリとは違う。明らかにおかしいともっと早く気がつくはずだ。しかし環境に厳しいヨーロッパのマスコミは、ディーゼルエンジンの不正追求にはおとなしいのはなぜなのか。

ヨーロッパに日本製の自動車を売ることは、関税などの問題もあり難しく、環境にやさしいハイブリッド車も売れていない。環境に厳しいヨーロッパのユーザーもクリーンディーゼル車の宣伝に騙されてディーゼル車を買ってきた。しかしパリやロンドンのスモッグになぜ気がつかないのだろうか。ひどい時はエッフェル塔の上が霞んで見えないのだ。

北京や上海などのアジアの大都市のスモッグもひどくて、多くの気管支系の病気で多くに死者を出している。しかしアジアのユーザーも汚染ガスを撒き散らす国産車を買っている。日本車を買いたくても関税が高くて買えないからだ。だから日本のエコカーを買う人はごく少ない。

ヨーロッパやアジアでも国産車を売りたいから多くの規制をかけて関税をかけている。国民の健康よりも自動車産業を守ることが優先されている。しかし誤魔化しきれなくなったので、フランスやイギリスはEV化宣言をして政治家たちはごまかしている。これに対して日本の評論家たちは日本がEV化に遅れていると攻撃する。

英仏のEV化宣言は、誤魔化しであり自分たちの責任逃れなのだ。はたしてガソリン車よりもEVが安くて高性能になる日がいつ来るのだろうか。石油の価格なども問題も当分値上がりすることはないだろう。値上がりすればシェール・オイルの大増産が始まるからだ。

発展途上国では従来のガソリン車しか売れていないが、中国ではい一気にEV化に突き進むようだ。しかしガソリン車よりも安くて高性能なEVが作れるのだろうか。たとえ作れても電気需要を賄えるのだろうか。ガソリン車自体も燃費の向上と排ガスのクリーン化が進んでいる。昔はリッター数キロしか走らなかったのに最近ではリッター20キロは走る。

それはガソリンエンジンを電子コントロールすることで燃費を向上させてきたからであり、給排気をコンピューターで自動制御する。それで燃費をよくして排ガスをきれいにしてきた。はたしてEVでもって100万円程度の価格で最高時速が150キロで600キロ走れるEVが作れるだろうか。ガソリン車なら軽自動車が今でも走れるし、マイルドハイブリッド車なら大衆車でも可能だろう。

ヨーロッパもアメリカも中国もEV化を名目に、日本車を規制してくるだろう。現にハイブリッド車をエコカーから排除している。しかしハイブリッド車なら高速充電器も必要ないし水素スタンドのようなインフラの必要がない。マイルドハイブリッドなら軽自動車にも採用されてコスト的にも安くできる。

将来的に見れば、欧米のハイブリッド車排除は、自分で自分の首を絞めることになるのではないだろうか。かつてアメリカはマスキー法で日本車を排除しようとして、ホンダがCVCCエンジンでクリアしてしまったが、アメリカのメーカーはそれができなかった。欧米のハイブリッド車排除は現代のマスキー法になるのではないだろうか。




自動翻訳を可能にする時代に、日本語は、感受性と理解力と創造性
を育てる言語として、将来の世界共通語になる可能性があります


2017年8月24日 木曜日

世界共通語となる可能性を持った日本語 2010年7月7日 森川林

 日本語という言語には、他の言語には見られない特徴があります。

 第一は、外界を人間化してとらえる母音言語という特徴です。日本語では、自然の音を左脳の言語脳で把握します。「雨がザーザー降っている」「セミがミンミン鳴いている」という表現です。音だけでなく、様子についても、「雲がふんわり浮かんでいる」「太陽がぽかぽか照っている」と様態を母音で表します。

 母音を人間世界の音、子音を非人間世界の音とすると、自然の音も含めてすべて母音の含まれる音で表す日本語は、自然そのものを人間的なものとして受け入れる言語だと言えます。日本文化におけるアニミズムは、この言語における自然の人間化と密接な関係を持っています。

 この外界を人間世界と同じようなものとして受け入れる発想から、自然に対する繊細な観察眼が生まれました。日本人は、自然を、人間が征服すべき単なる外界の素材と考えるのではなく、人間に協力してくれる意志を持つ仲間のように考えます。例えば、針供養は、針を道具としてではなく、仕事の協力者として見る発想から生まれました。

 自然や道具に対するこの人間化した見方が、自然や機械と対話する日本文化を生み出しました。日本の工業製品の品質が優れているのは、人間と製品の間に、人間どうしの間に見られるような対話があるからです。その対話の土台となっているものが、日本語の母音性から来るアニミズム的な発想だと思います。


 第ニは、表意文字と表音文字を組み合わせて視覚的な理解を促す漢字かな混じり文という特徴です。日本語における漢字とかなは、脳の異なる部位で処理されています。漢字は、絵と同じようなものとして認識されているので、日本語の文章を読むと、文字が視覚的な映像を伴って処理されます。このため、漢字かな混じり文は、一目で全体を理解しやすいという特徴を持っています。

 アルファベットのような表音文字の場合でも、文章を読む量が増えてくるにつれて、単語という文字の塊を一種の図形のように認識するようになるようです。しかし、図形化の度合いは、もともと表意文字である漢字の方が優れているので、日本語は西欧のアルファベット言語よりも、物事を理解する手段として有利な言語なのです。

 また、漢字が主に名詞として概念を表すのに対して、ひらがなは主に概念と概念をつなぐ媒介としての役割を果たします。中国語が語順によって概念と概念の間にある関係を表すのに対して、日本語は語順ではなく、漢字と漢字の間にひらがなをはさむことによって概念相互の関係を表します。ひらがなが介在することによって、概念を表す漢字の組み合わせ方が自由になるというところに、日本語の発想の豊かさがあります。

 日本語は、表意文字の部分で理解力を高め、表音文字の部分で創造性を高めるという不思議な特徴を持った言語なのです。


 第三は、助詞や助動詞という語尾のニュアンスで微妙な差異を表現する膠着言語という特徴です。英語や中国語と異なり、日本語は、文の最後まで聞かないと、その文を正しく理解できません。例えば、「私は、明日、学校に行く……」まで聞いても、そのあと、「行くでしょう」か、「行くかもしれません」か、「行く気はありません」か、どのように続くか判断できません。

 そのため、日本語は、話し言葉でなかなか句点をつけずに、いつまでも続くような形をとりがちです。「その件については、前向きに善処したいと、このように考えているわけである、と言いたいところですが、やはり、何と申しましても……」というような言い方になると、聞き手は最後まで気を緩めることができません。

 この膠着語における文末の微妙さが、日本文化における微妙な差異に対する関心を生み出しました。そのため、話し言葉では、文末は、しばしばぼかされる形で微妙な雰囲気を相手の受け取り方にゆだねます。「この間は、どうも……」「はい、おかげさまで……」「ちょっと、そこまで……」などという言い方です。

 話し言葉の特徴は、書き言葉にも表れます。書き言葉では、文末をぼかす形がとれないので、言い切らない表現が多様されます。「そうである。」という断定ではなく、「そうであろう。」「そうだと思われる。」「そうだと言える。」「そうだと言いたい。」などという表現です。また、ニュアンスを表すための顔文字や「(汗)」「(笑)」などが多用されるのも、相手の微妙な受け取り方を前提にして文章を書くという日本語の特徴です。

 膠着語は、微妙な差異を生み出せるために、互いに相手の受け取り方に気をつかうという配慮の文化を生み出したと言えます。


 20世紀の世界言語は英語でした。それは、世界共通の言語としてコミュニケーションのツールに役立つ特徴を備えていたからです。

 しかし、今後は人工知能の発達によって、言語は次第に自動翻訳が可能な表現手段になってきます。

 世界に何千もの言語があることを考えると、個人が学習によってそれらの言語に精通することは不可能です。英語が世界の共通語になったのは、言語の習得に時間がかかることから、言わば消去法として選ばれたという事情があります。

 人工知能が世界中の言語の自動翻訳を可能にする時代に、言語に求められる役割は、もはや世界の人々とのコミュニケーションではありません。新しい時代の言語の役割は、コミュニケーションのツールではなく、理解や認識や思考のツールとしての役割です。

 しかし、言語が認識のツールになるためには、その言語が個人の母語になっている必要があります。コミュニケーションのツールであれば、後天的に習得することが可能でした。しかし、ある言語が認識のツールとなるためには、その言語が母語として血肉化されている必要があります。また、バイリンガルの教育法が開発され整備されれば、母語は複数であることも可能です。

 こう考えると、日本語は、感受性と理解力と創造性を育てる言語として、将来の世界共通語になる可能性があります。しかし、このことは、まだ日本人以外には、ほとんどの国の人が気づいていないと思います。


(私のコメント)

AIは膨大なデーターを保存して検索する能力が有り、それでプロの棋士にも勝てるようになりました。だから言語などのデーターベースを保存して検索できるようにすれば、AIは言語を自分でマスターしていくようになる。そのことによってAIによる翻訳能力も飛躍的に向上していくようになる。

今までは人間が通訳していましたが、どんな通訳の達人でも80%くらいしか十分な意味を伝えられなかった。しかしこのような分野はコンピューターの方が得意であり、現在でもスマホで観光旅行程度の通訳はできるようになった。PCでも翻訳能力は飛躍的に向上してきており、いずれは翻訳家という職業はなくなるだろう。

問題は日本人なら正しい日本語が使えるかどうかであり、滅茶苦茶な日本語ではAIでも翻訳しようがない。何を言いたいのか意味不明な日本語も翻訳のしようがないわけであり、分かり易い論理的な日本語を話したり書いたりしなければ翻訳のしようがない。テレビを見ていてもプロのアナウンサーが主語を省略したニュースを読み上げていることがある。

わざと主語を省略しておけば摩擦を避けられるという配慮があるからだろうか。「〜が求められます」と言っても、省略された主語が国民か政治家では意味が逆になる。また語尾を曖昧にしておけばどうにでも取れる文章にもなるし、結局は何を言っているのかわからない日本語になる。主語もなければ語尾も曖昧では翻訳のしようがないだろう。

日本人同士ならそれでも意味は通ずることが多いのですが、外国人に分かるように伝えるには外国語に翻訳しやすい日本語を使わなければならない。日米貿易摩擦でも佐藤首相は「前向きに善処いたします」と言っても、アメリカの大統領にはその意味が伝わらなかった。日本人同士ならわかる言葉でも、そのまま英語に翻訳できるわけではない。あるブログにこのような記事があった。


機械翻訳時代に必要な最低限の英語力は? 8月7日 A Successful Failure

先日、来日外国人にも有名という店に入ると、次のような注意文が店内のトイレのドアに掲載されていることに気がついた。

お客様へ お願い
ご注文されていないお客様のトイレの使用固くお断りします。
無断使用の場合、罰金1000円頂きます。


To the customer
I decline the use of the restroom of the visitor whom it is not ordered from.
When I use it without permission, I charge a fine.
\1000

十中八九翻訳ソフトに放り込んでそのまま掲載したものだろうが、実にひどい英語だ。無理やり日本語に訳すと次のようになるだろうか。

お客様へ
私はトイレを注文されていないお客様によるトイレの利用をご辞退致します。 許可なしに私がトイレを利用した場合、私は罰金を請求します。 1000円。

itの指すものが不明だが、トイレぐらいしか該当しそうなものがない。この店はトイレを売っているのか。そしてなぜか店員がトイレを使うと罰金が請求される。はっきり言ってカオスだ。

さて、この注意文は英語話者に通じるだろうか。トイレの扉に貼ってあるというシチュエーションを考慮すれば言わんとすることは推測可能かもしれない。そうであれば、この掲示は最低限の役割を果たしたことになる。

ただ、この英語がどうしようもなく間違っていることもまた事実だ。正直言って、これが酷いということがわからないようでは困る。中学英語の範囲でその判断はできるはずだが、大学生でも半分もできないのではないか。

機械翻訳サービスが一般化し、誰でも翻訳をすることが可能になった。しかし、その精度はまだ十分とは言えず、人手によるチェック、修正が欠かせない。機械翻訳時代における、必要最低限の英語力は、翻訳サービスが出力する英語の正否を判断し、正しい翻訳を導くためのコンテキストを含む日本語を入力する能力になるのだろう。学校で翻訳サービスの上手い使い方のレクチャをするべきかもしれない。

深層学習を導入したGoogle翻訳の精度は近年目まぐるしく向上し、英語ができる人でも下訳にGoogle翻訳を利用している人は多い。最近リリースされたみらい翻訳はTOEIC900点程度のスコアをもつビジネスマンと同程度の翻訳を実現したとしている。数年前まで機械翻訳は使わないほうがマシというレベルだったが、全く状況が変わった。

このまま精度の向上が続けば、いずれ全く英語がわからなくてもそれなりに正しい英語を出力してくれるようになるだろう。間もなく機械翻訳の活用はビジネスにおいて必須となる。ただ今のところは人間に英語力が必要だ。まだ。



(私のコメント))

主語を省略するからとんでもない翻訳英語になりますが、AIによる翻訳が常用されるような時代になれば、翻訳しやすい日本語を使う必要が出てきます。そのためには多少くどい日本語になりますが、主語述語の関係のはっきりした日本語を使う必要がある。

現在では英語が国際的な公用語として使われていますが、英語を社内の公用語とする日本企業も出てきました。しかしAIによる機械翻訳が本格化してくれば何語を公用語とする必要も無くなってくるのではないだろうか。むしろ話の内容が大切であり、意味不明な話や文章では相手に意味が伝わらない。

スマホが普及した現代では、電話で話すよりもメールで伝えることが多くなりましたが、日本語なら漢字という表意文字で伝えるから見ただけで意味が伝わるが、英語などの場合はアルファベットの行列であり表音文字だから、一旦読み上げないと意味がわからない。漢字なら一文字で伝わることも英語だと数文字が必要だ。

アメリカやイギリスには多くの留学生が大学などで学んでいますが、当然英語をマスターしなければ高等教育が受けられない。しかしいくら英語をマスターしたとしても、専門用語を英語でマスターするには相当な苦労が生ずる。医学用語にしても科学用語にしても英語で概念を掴まなければならない。しかし日本人なら翻訳された漢字で意味が分かる。

最近では英語読みのままカタカナにした用語が使われていますが、カタカナ英語では元の英語がわからなければ意味が伝わらない。特にIT用語などはカタカナだらけだから意味が理解しにくい。AIにしても何の略か分からなければ日本人には理解できない。 Artificial Intelligenceとは何の意味だろうか?

日本語では「人工知能」と訳されていますが、カタカナだと「アーティフィシャル インテリジェンス」て何?てな事になる。昔はコンピューターのことを「電子計算機」と言っていましたが、高度化して「電子頭脳」と言うようになった。それがさらに進歩して「人工知能」と言うようになって、将棋のプロ棋士を負かすようになった。

言葉が単なる意思伝達の手段ではなく、意味まで分かるようになるには母語で理解しないとわからない。英語は米英人以外には単なる意思伝達手段であり、単語にどのような意味があるのか分からない。だから新しい言葉を作ることもできずに、作ったとしても間違った言葉になる。ノートパソコンも和製英語であり正しい英語は”Laptop”(ラップトップ)だ。要するに和製英語は日本語であり紛らわしい。

要するにカタカナで英語を理解するから和製英語が大量に作られてしまう。漢字で翻訳すればいいものをカタカナのままだからそれが一人歩きをしてしまう。政治家たちが英語もわからず和製英語を連発して誤解されたら大変だ。結局は翻訳するにしても日本語力がなければ翻訳できずにカタカナ英語が乱発される。表意文字である漢字を使えば混乱は防げる。




株は博打や。 つまり、相場を打つとは、鴨を食い殺す作業や。 それを
頭に叩き込んでから、銘柄分析や世界情勢の分析うんぬんなんよ


2017年8月23日 水曜日

2chに現れたデリヘル経営関西弁仕手株投資家の投資哲学  8月23日 あなたとあなたの話がしたい

◆ゴールを明確にする

相場と限らず成功者はな、ゴールが明確なんよ。

(中略)

体を動かすのでも、ただ散歩するのとバット振るのとじゃ違うやろ。
健康の為にウォーキングするのか、プロの一軍で活躍して金儲けする為にバット振るのか。
目的は健康か、金か。

野球に限定しても、ホームラン打ちたい人間がイチローと同じ練習しても意味ないやろ。
しょぼい奴は、人生でも相場でもゴールが曖昧なんや。
本人が何をしたいか分かっとらん。

自己を認識できてへんのに、自己実現はでけへんやろ。

勝つ奴はゴールが明確や。
だから、スタイルもはっきりしとる。

色々な勝つスタイルがあるが、勝ち組は自分の一つのスタイルを確立しとる。
ある分野に限定し、ある方法に限定し、ある銘柄に限定している。
専門分野をもっとるんよ。

(中略)

俺のスタイルは仕手銘柄専門で、これも投資の教科書では駄目だと書かれいる。
けど、俺はこれに特化して勝ち続けてきた。
トヨタユニクロのチャートや決算書なんか見たことないわ。

俺が仕手専門にしたのは、ゴールが「種を1年で1.5倍から2倍にしつつ、長期的に勝ち続けられる方法の修得」やったからや。
プロでも年利10%20%や。
株をやっている奴の80%は長期的には負けとる。

(中略)

1はんのゴールはなんや?

株で勝ちたいです、これあかんのよ。曖昧すぎる。

もっと言えば、なぜ株で勝ちたいのか、いくら勝ちたいのか、買った金で何を買うのか。
年金が不安だから、そのケアの為なら、インデックス長期でええ。
俺は自営する金が欲しかったから年利50〜100%を目指した。
年利5〜10%じゃあかんかったんよ。

俺は人に命令されるのが苦手やねん。
職歴もすぐに職場を辞めるからボロボロや。
それと女が死ぬほど好きやねん。
結局、金持ちになってもベンツやタワワンやブランド物の服やロレックスに興味ない。
食事の餃子の王将や秋吉でええ。
俺の場合は金持っても女にしか使わんなと。

自分が本当にしたいこと=自分のゴール=人に命令されんと自由に生きること+いい女を抱きまくれる人生

やと、明確にしたんや。
命令されんと生きるには、自分が社長になるしかない。
女を抱きまくりたいんやったらデリヘル経営にしよかと。

◆バリュー投資の優位性

それと、ファンダメンタルは成長や未来の予測では、
ほとんと意味がない。
割安さ、小型株効果、倒産リスクの高さを見る場合は、ファンダの意味があるよ。

日経が調整して大人しくなったけど、猿でも勝てる官製相場の時に、
「成長ストーリーを読んで収益バリュー銘柄を買う」系の連中が息巻いとったやろ?
収益バリューて要するにグロースなんやけど、彼らはグロースという言葉に拒否反応を示すんや。

これグロース投資家だけじゃなく、テクニカルトレーダーもそうなんやけど、
自分の手法の弱点から目を逸らす。
統計でグロースはバリューよりパフォーマンスが低いと、アメリカでも日本でも出たから、
グロースという言葉を嫌がって、収益バリューとかいう変な言葉を作ったんや。
「バリューだグロースだという分けること自体がおかしい」とか、謎理論を主張したりする者もおるね。
自分に不利な統計やエビデンスから目を逸らすんやな。

で、この手の猿は日経の大きな調整で、ポートフォリオが炎上して、2ちゃんからやブログからも消えてくれたんやけど、
成長予測するファンダはあまり意味がないんよ。
インサイダー情報を持っている経営陣や、ハーバードで博士号を取り、個人投資家よりも圧倒的な情報、
スーパーコンピューター、組織力を持っているファンマネの予測が当たり前のように外れとるからね。

経営に一番詳しい経営陣が下方修正しまくっているのに、
個人投資家がパソコン一台と、四季報と、近所の居酒屋に行ってメニューを見る程度で、未来を予測できたら苦労はないんよ。
ピーターリンチやバフェットの影響なんやけど、あれもアメリカ株はまともな銘柄を現物長期で持てば勝てたから。
それだけ。

統計ではグロースよりバリューした方がもっと勝っていたと出とる。
だけど、リンチやバフェットを信じているアホは多い。
ブレイクアウトと同じで、グロースも高値買いなんやが、高値買いとは今ホットな銘柄が多いんよ。
大衆が群がっているから高値を付けているわけ。

脳が焼けるんやな。大衆が見向きもせん銘柄をそっと仕込む(仕手筋の手法やバリュー投資家の手法)のは、
地味やからの。

ほとんどの投資家は高値買いをしたがる。その脳の焼けが先にあって、後付けで収益バリューとかテクニカルとかブレイクアウトという
手法を無理やり有効性があると思い込んでいるんよ。

先に結論ありき。熱い銘柄を買って痺れたい!という欲求がある。手法は後付けなんやな。だから負ける。

◆弱点をケアする

手法を磨くときは弱点から目を逸らさないこと。
一つの手法に特化することや。

(中略)

るろうに剣心って漫画の主人公が抜刀斎と呼ばれる抜刀術の達人なんやが、
抜刀術って躱されると、自分がノーガードになって危ないんよ。
一撃必殺の大技やから威力が抜群やが、躱されたときにヤバイ。

それを知っているジンエとかいう敵キャラに抜刀術を躱されるわけやが、
主人公は抜刀術を躱された後に、左手で鞘を持って第二撃を叩きこんで、弱点をケアしていたわ。
そこで言ったセリフが

「抜刀斎の名とは、抜刀術の弱点を誰よりも知っているという意味でござる」、みたいなことを言っていた。

ハイリターンを求めるならリスクが高まる弱点がある。
それをケアできるのがプロや。
俺は仕手銘柄、小型株、低位株、ボロ株のリスクを誰よりも知っとる。

そこがリスクや弱点から現実逃避している、信用デイトレやグロースのアホらとちゃうんよ。
もし、俺はグロース打ちになれば、グロースの弱点を誰よりも知り、それをケアする方法を考え抜くやろうね。

リスクや弱点から目を逸らすなら、欧米先進国のインデックスをドルコストしたらええんよ。
どっちかや。
プロとして修羅の道を進むか、アマとして安全に生きるか。
中途半端な奴は食い殺される鴨や

◆対戦相手の存在を意識する

株を打つときはな、どれが上がるかとか、成長とか、割安とか、
世界情勢とか、色々と分析するわけや。

だけどな、素人が分かっとらんのは、『相場を打って勝つ=誰かを負かす』なんよ。
もっとはっきりと言えば、

『他人の損切りが自分の利益になる』んや。

自分が勝つには誰かに損してもらわんとな。
あんさん、1600円で買ったとき、「俺のこの1600円の買いは、誰かの損切り売りだな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、考えて買ったか?
そんな発想すら無いやろ?

利益確定するときも、「俺のこの利益確定売りは、買った鴨の高値掴み(=含み損からの将来の損切り)やな( ̄ー ̄)ニヤリ」と、
思えるタイミングで売るんやで。

(中略)

鴨が売る時に買い、鴨が買うときに売る。
要するに、

『全く同じ銘柄を、全く同じ世界情勢で、売り買いしても、勝つ奴は勝ち、負ける奴は負ける』わけや。

銘柄選びとか、成長性の予測とか、世界情勢の分析うんぬんもええんやけど、
同じ銘柄、同じ地球の同じ時代なのに、喰う者と喰われる者に分かれるんやで。
素人は鴨を喰う発想が皆無なんよ。

(中略)

ピコピコとPC画面を見ているから、敵プレイヤーの存在を忘れるんやろうね。

(中略)

株は博打や。
つまり、相場を打つとは、鴨を食い殺す作業や。
まず、それを頭に叩き込んでから、銘柄分析や世界情勢の分析うんぬんなんよ。



(私のコメント)

久しぶりに株のことを書きますが、今では株をやる個人投資家はごくまれになってしまって、バブルの崩壊で個人投資家のほとんどが株から手を引いた。今回のバブルの崩壊は100年に一度の出来事だから今までの経験が役に立たなかった。20年以上も父価格は下がり続けて、株式も7000円台で底を打つまで20年近くかかった。

つまり土地にしても株にしても、買っても下がり続ける事が20年以上も続いてきたのだ。20年も同じことが続けばこれが当たり前になり、若い人は景気がいいという事の体験を知らない。現在でも空前の人手不足であり建設ラッシュでバブルの頂点の頃よりも景気はいいはずなのに、労働者の所得は低迷したままだ。

バブルの頃は、個人投資家も土地や株を買いまくって、土地長者や株長者が続出して、ヤングエグゼクティブと言われるような青年実業家もたくさんいた。強気で投資すれば誰もが資産家になれた時代だった。株式投資法も強気で買えば株が上がっていった。新日鉄が1000円を超えて1000円以下の株式が少なかった。

駅前には証券会社が建ち並び、私も証券会社の店先で一日中株価ボードを見て売った買ったを繰り返していた。しかしそのような天国は2、3年しかもたなかった。私の投資法は、底値株を買って値上がりするのを待つという戦法でしたが、バブルでみんな高値になってしまって、危ないなと思いながら株式投資を続けていた。

結果的に考えれば、バブルが崩壊した時点で全部現金に変えて持っているのが一番の投資法であり、何もしないことが一番だった。しかしながら私は、そろそろ底値だと思って買ったらさらに下がるといった連続であり、株から足を洗って不動産投資に切り替えた。しかし不動産の方が株よりも値下がりしてしまった。

しかし不動産は家賃収入を齎したから、それでなんとか生活することができた。結果的に株式投資には必勝法などなく、2ちゃんねるの書き込みの人も、いずれは痛い目に遭うのではないだろうか。株式投資は勝てる時には勝てるが、99勝1敗でも全財産をすってしまうことがある。

株式は金を持った人が配当を目当てに資産として買うべきものであり、株式配当は20%の分離課税だから高額所得者に有利にできている。いまは3%台の利回り株がゴロゴロあるから買い時でもあるのですが、私には金がない。預金にしていてもゼロ金利だから株式投資の方が利回りははるかにいい。

2ちゃんねるの書き込みをした人は、バリュー投資で儲けた人のようですが、いずれは痛い目にあうだろう。金があれば資産株を買って行って配当で食べていけるようになるのが一番いい。1億円の株式を持っていれば300万円の配当がある。10億円なら3000万円の配当だから一生遊んでいける。

私の場合も、不動産収入を3%の利回りとして逆算すれば、数億円の資産株を持っているのと同じくらいになる。まだいくつかの借金の返済が残っているので遊んでいられませんが、2ちゃんねるの書き込み人のようにデリヘルの経営者になったら失敗するのではないだろうか。店の女に手を出せば必ず失敗する。

2ちゃんねるの書き込み人は、株は博打としているが、博打ならば外れても痛くないような金で勝負すべきだろう。私の場合も紙切れ覚悟で買った株ほど大きく儲かった。そして有望株を飛びついて買うと必ず失敗した。だから株で成功した人は事業で失敗することが多い。私の場合は株で失敗して不動産で取り戻した。不動産の方があっていたのだろう。




長寿法で、食事は炭水化物をあまり多く取りすぎず、激しい運動をあまり
行わず、しっかり寝て身体にストレスをあまり与えないような生活をする


2017年8月22日 火曜日

「運動は体に良いと言ったな。あれは嘘だ。」 8月22日 高須賀

運動は身体によいと思っている人もいるだろう。実はそれは真っ赤な嘘だ。

スポーツ健康法は幻想だ。データ上でも、激しい運動を行ったスポーツ選手の寿命は、一般的な寿命と比較して6〜10年ほど短いとされている。人生が80年と仮定すれば、スポーツマンはなんと一般人よりも一割も寿命が短いのである。

「それは極端な運動を行っている人の場合であって、ほどほどに運動している人は健康なんじゃないの?」

そう思う人もいるだろう。しかし残念ながら現実はそう簡単ではない。

データの上では、最も平均寿命が長いとされている人達は東洋の僧侶だ。彼らの生活の特徴は、激しい運動はせずに一日中座ってお経を唱えた生活を行い、かつ食生活は質素だという事があげられる。

この東洋の僧侶を現代の「適度な運動」をしているという人達と比較すると、あくまで傾向ではあるが長寿だという。

実はかなり前から判明しているのだが大規模なデータを分析した結果、人間の寿命にもっとも作用するのは運動量と食習慣だという事がわかっている。他にもいろいろな要素はあるのだけど、この2つが最も人の寿命を左右する。

この2つの組み合わせのうち、最も健康で長生きなのは運動量が少なく・食事量も少ないグループだ。

ちなみに最も短命なのは、よく動き・よく食べる人である。一般的には健康だと思われている彼らだが、実は検討上は最も短命な軍に所属しているという事がわかっている。

(中略)

実はミツバチに限らず、自然界でも動きすぎによる身体破壊の問題はかなり広範にみられる。

例えばチーターは非常に早いスピードで走れる事が知られているが、その高負荷により年老いた個体はかなりの割合で関節に問題を抱えている事が多い事が知られている。運動で膝を悪くするのも、人間だけの特権?ではないのだ。

激しい運動は、人間だけでなく、全ての生物にとって毒なのである。

寿命に大きく影響するのは運動量、食事量、睡眠時間の3つ

では長寿に最も何が関係するのかが気になる人もいるだろう。一応、科学的に大切だといわれているのは、これまで話した運動量以外に2つわかっている。食事量と睡眠時間である。

先にも少し書いたが、食事量は多いよりも少ないほうがよいといわれている。特に大切だと言われているのが炭水化物の摂取量だ。

これは実は先行研究がされている。東大の医学部を卒業し東北大学で教鞭を取られていた近藤 正二 氏は、長寿者の多い村と少ない村との衛生学的比較調査研究の為に、日本全国くまなく、990カ町村以上を歩き続け、現地探訪の記録をまとめ上げられている。

その研究は著書である<日本の長寿村・短命村―緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める>に詳しいのだけど、端的にいうと、塩辛いものを食べて炭水化物をどか食いするタイプの人が多い村は、その他のグループと比較して著しく寿命が短かったのである。

昨今糖質制限ダイエットがブームだが、その理論の骨子となるような事例は近藤正ニ氏によりかなり詳細に調べられている。少々古い本だが、ぜひ図書館で借りるなどして読むとよいだろう。素晴らしい名著である。

他にも睡眠時間も結構重要なファクターだ。僕らの医療業界でも、外科系の医師はその他の医療従業者と比較して、寿命が10年程度短くなるといわれている。

これは長時間勤務の問題もあるが、それに加えて夜中の緊急呼び出しなどという、睡眠時間が不規則になる傾向が左右しているという風に一般的には理解されている。

その他にも速報を扱う事の多い就労時間の不安定な新聞記者等のマスコミ関係者も、定時で終了するような就労時間が安定した職についている人と比較すると、かなり寿命が短い傾向にあるらしい。

作家の佐々木俊尚さんによると、新聞社の社会部に所属する記者の平均睡眠時間は2時間で、死亡平均年齢は61.3歳だという。なんと日本人の平均寿命よりも10年以上も短い。

<参考 職業で寿命が決まる!? 新聞記者時代の睡眠事情【ジャーナリスト・佐々木俊尚】

やっぱり規則正しい睡眠は最高の妙薬であり、寝ないのは駄目なのである。

こうして眺めてみると、健康で長生きな生活をおくるにあたって特別な機材や習慣は必要ない事がわかるだろう。

あなたがどういう風な人生を選びたいかにもよるけども、これら3つのパラメータを自分や子供の人生に適切に運用するように考えるのは、悪くはないだろう。

まとめると食事は炭水化物をあまり多く取りすぎず、激しい運動をあまり行わず、しっかり寝て身体にストレスをあまり与えないような生活をするのが、いまのところの長寿最適解である。

結局のところ多くの場合において病気を引き込むのは自分の選んだ生活習慣なのである。我々の業界ではよく予防は治療に勝るというけども、まさに上に書いた生活習慣こそが至上の人生戦略といえるだろう。しっかり参考にして欲しい。



(私のコメント)

最近ではネット上の記事が多くなり、目を通すのも骨が折れますが、多くなりすぎてどれを読んだらいいのか、時間との制約もあり難しい。しかし記事の量が多くなれば玉石混交であり、くだらない記事も多くなり時間の無駄になってしまう。私が面白いと読んだものを選んでネタ記事にしていますが、選びだすのに時間がかかる。

以前なら、暇なら新聞やテレビで時間を潰していましたが、現代ではネットサーフィンで時間を潰すようになりました。やはりネットの方が新聞やテレビよりも記事の量と質が格段に違う。ネットも最近では動画サイトも充実してきて、テレビよりも面白い。だから新聞も取らなくなったしテレビもあまり見なくなった。

今日は健康法についてですが、スポーツも体に良くないということであり、確かにスポーツ選手で短命な人がニュースでも見かけることが多いように感じる。統計的にもスポーツ選手は平均よりも10年くらい短命らしい。だからオリンピックなどのスポーツ大会は有害であり、プロスポーツも好ましいものではない。

しかしエンターテイメントとしては面白いからテレビやスポーツ新聞が報道する。オリンピックのメダル争いや、記録を競い合ったところで見る方はいいが、選手の方はそれこそ体を酷使して体を痛めてしまう。毎年今頃になるとテレビでは高校野球大会を朝から夕方まで放送していますが、高校生の野球大会を放送する意味があるのだろうか。

正月の箱根駅伝なども、関東の大学の駅伝競走自体はいいのでしょうが、テレビで中継するほどの大会なのだろうか。箱根駅伝がマラソン選手を潰している面がある。プロスポーツならテレビや新聞が報道してくれなければ盛り上がりませんが、テレビ局にしてみればプロもアマもなく、視聴率が稼げればそれでいい。

しかしスポーツは、やりすぎれば体に有害であり、青少年にとってはいいことでも大人にとっては適度なスポーツが一番いい。仕事にしても働き過ぎは短命の元であり、ストレスが貯まらない程度に働くのが一番いいのだろう。ミツバチもあまり働かせすぎると短命になるそうですが、程々が一番いいのだろう。

記事でも、「最も健康で長生きなのは運動量が少なく・食事量も少ないグループだ。」そうですが意外な結果だ。「最も短命なのは、よく動き・よく食べる人である。」というのは意外ですが、人間の寿命というものは消耗品であり、たくさん食べれば胃腸に負担がかかるし、よく動けば骨や内蔵に負担がかかる。

体力をつけるには、よく食べてよく運動することが常識と思われますが、青少年の発育期には有益でも、大人になれば節制が第一であり、働きすぎないことと食べ過ぎないことが大切なのだろう。さらに大切なのは睡眠時間をとることであり、長時間労働は体に良くなく短命のもとになる。

あとはストレスを溜めないことが大切ですが、頑張りすぎないことがストレスを溜めない事になるだろう。そのためにはマイペースでできる仕事を選ぶべきであるし、定時になれば睡眠がとれる仕事がいい。若い時はバリバリ仕事をして、金を貯めて技能を身につけて独立起業して、ストレスの貯まらない仕事をすることだ。

考えてみれば、サラリーマン時代は長時間労働で睡眠も取れずストレスが溜まって体を壊してしまった。酒も上司から強要されて飲まされたし、営業の外回りでは体を酷使して夕方には口もきけない程疲れた。20代や30代ならいいが、中年すぎればボロ雑巾になってしまう。

男性よりも女性の方が長寿なのは、体を酷使したりせず睡眠時間も取れることが多いからだろう。食事も家で作ったものを食べるからいいが、男は外食が多くなり塩分が多くバランスも崩れやすい。男は定年退職すればする仕事もなく趣味もなければ家族からも疎まれてストレスもたまり放題になってしまう。だから若いうちから老後のことも考えておくべきなのだろう。




平均でも270万kWの電力消費がEVの充電で行われることになる。土日や
行楽シーズンならば、さらに上回って1000万kWに達してもおかしく無い。


2017年8月21日 月曜日

EVの最大の問題はバッテリーじゃない 8月17日 宮寺達也

2017年の夏、EVに関するニュースが相次いでいる。7月6日にフランスのマクロン政権が2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する方針を発表し、大国で初めて明確なガソリン車禁止を決めたと話題になった。

フランスに負けじとか、その直後にイギリス政府も2040年までにガソリン車・ディーゼル車の販売を禁止する方針を明らかにした。

このまま世界的にEVシフトが進んでいくとの論調が強い中、池田信夫氏が興味深い記事を掲載された。

電気自動車は「エコ」か「エコノミー」か(GEPR)

池田氏は記事の中で「今のところEVはガソリン車に比べてエコノミーではない」と書かれ、安易なEVシフトに警鐘を鳴らされている。

それに対して、「300km走行できれば十分実用的」「EVの方が環境に優しい」「バッテリー性能がUPすれば問題は解決」と反対する意見を見た。

私もバッテリーの技術革新にはまだまだ可能性があると思っているし、「電気」という汎用的なエネルギーで走行するEVの方があらゆるシーンで使い勝手が良いと思う。

しかし、EVの最大の問題はバッテリーの性能では無い。それは「充電」である。

バッテリーの性能がUPすればするほど、充電インフラ整備の問題が圧倒的な課題になって立ちはだかってくるだろう。

日本の自動車メーカーが惑う次世代自動車

EVシフトを鮮明にした欧州だけでなく、アメリカもEVには力を入れている。カリフォルニアでは排ガス規制を強化し、ガソリン車は苦境に立たされている。電気自動車メーカーのトップランナーであるテスラモーターズも絶好調であり、最新モデルのセダンタイプ・モデル3は普及価格帯と言える300万円台で販売している。

欧米を中心にEVシフトが明確になっていく中、自動車が最大の産業である日本の動向ははっきりとしない。トヨタはHV・PHVに力を入れながら、次世代の主力を燃料電池車(FCV)と位置付けてきたが、最近になってEV開発にも力を入れているようだ。

日産はリーフに代表されるようにEV開発で先行しているが、マツダは世界初の圧縮着火を実用化した次世代エンジン「SKYACTIV-X」を発表し、さらなる高効率ガソリンエンジンの開発に力を入れている。

では、日本に住むユーザー視点としてはどちらが有利だろう?

ユーザー視点では、EVのランニングコストは安い

池田氏が指摘するように、EV車の性能はまだまだガソリン車に及ばない。ガソリン自動車は燃費20km/Lとして走行距離800kmは可能だが、EVは日産・リーフの大容量モデルで走行距離280kmである。これでは長距離の旅行は心もとないし、日々の充電も面倒である。

だが、コスト視点ではかなりEVが有利だ。ガソリン車はガソリン価格を130円/Lとすると、6.5円/kmとなる。

EVは家庭で充電する場合、電気代は30円/kWhほどである。リーフの大容量モデルは30kWhのバッテリーである。そのため、80%充電としても720円。つまり、2.6円/kmとなる。

池田氏は「電池のコストを含む所有コストで考えると、EVは2倍以上である」と指摘されている。この計算は正しいが、現在、10万kmまではメーカーがバッテリーの無料交換を保証している場合が多く、ユーザーの負担は発生しない。

さらに、自動車販売店に備え付けの急速充電器を使用する場合は、充電器が無料になったりするサービスもある。現状、ユーザー視点でのランニングコストではかなりEVが有利と言って良い。

この数字を見ると、「やっぱりEVはエコじゃないか。このまま日本は全面的にEVシフトをするべきだ」と思った人もいるだろう。だが、私も池田氏と同じで、結論は「まだEVには課題が多く、普及にはハードルが高い」と考えている。

それは「充電」の問題である。

EVの充電はドライヤー60個に相当。発電所がダウンする?

EVの最大の問題は、充電のための負荷である。

日産・リーフの大容量モデルは30kWhのバッテリーを搭載している。これを家庭の100Vコンセントで充電する場合、1時間で充電できるのは1500Whが限界である。なぜなら、流せる電流が最大で15Aだからだ。これは安全上、絶対にこれ以上は上げられないし、上げたら一般家庭用ブレーカー(30A)がダウンする。

15Aといえば、ドライヤー(1000W)と電子レンジ(500W)を同時に動かしているのと同じだ。どれだけの負荷かわかるだろう。流石にこれは厳しいので、200Vの充電環境を導入するとしよう。それでも3000Whが限界であり、充電を11時間続けてようやく80%だ。

もっとも専用の急速充電ならば、30分で済む。しかし、これは6万W(200V・300A)の充電設備を必要とする。これは1000Wのドライヤー60個に相当する。「EVの充電設備が足りないなら、コンビニで充電すれば良いじゃない」と思った人もいるだろうが、そうホイホイと導入できるものじゃない。

さらに、仮に急速充電設備が普及したとして、みんながEVに乗り換えたらどうなるだろう?

現在の日本の自動車保有台数は約8000万台である。この半分の4000万台がEVにシフトしたとしよう。

年間の平均走行距離を5000kmとした場合、1年で約20回の充電が発生する。平均すると、1時間で9万台が充電している計算だ。

つまり、平均でも270万kWの電力消費がEVの充電で行われることになる。土日や行楽シーズンならば、さらに上回って1000万kWに達してもおかしく無い。そして、この電力需要の多くは首都圏や関西圏の都会で発生する。

この数字は圧倒的だ。2011年以降問題になっている電力需給の逼迫でも、ピークの最大電力需要は東京電力が約5000万kW、関西電力が約2000万kWである。

そのため、EVの普及は既存の発電所では対応できない可能性がある。原子力発電所が再稼働したとしても、1基の出力は100万kWがやっとだ。例えば、関東で全国平均の1/5、200万KWhの充電が発生したとすると、原子力発電所2基に相当する。

この数字は大きい。東京電力でも簡単に対応できる電気需要では無い。2011年に原子力発電所が停止し、電気が不足して輪番停電に追い込まれた事を思い出せばわかるだろう。

日本ではガソリン車が主役のままだろうが、技術革新には期待

このようにEVの普及の最大の壁はバッテリーではなく、充電設備である。

バッテリーならば、テスラが100kWhのバッテリーを搭載し、613kmの走行距離を達成している。また、トヨタが現行のリチウム電池の2倍の容量を備え、フル充電も数分で済む全固体電池搭載のEVを2022年に国内発売すると発表された。

しかし、いずれも充電の困難さは全く解決していない。

大容量のリチウム電池ができたとしても、巨大な電気需要を発生させた上で充電に30分以上掛かる。ガソリンのフル給油が数分で済む事を考えれば、まだ利便性に劣る。

全固体電池で数分で充電できたとしても、その充電設備は100万W以上の出力という非現実的な数値になってしまう。こんなものが一斉に稼働すれば、街ごと大停電になってしまう。

これを解決するためには、民間の対応では不可能である。原子力発電所を新設してさらなる電力供給力をUPしたり、送電設備を抜本から高性能なものに置き換える必要がある。

現状の日本の電力産業を見ると、しょぼい太陽光発電に注力した結果、買取価格がちょっと下がっただけで倒産が頻発したり、原子力発電所の再稼働も遅々として進まない。ちょっと非現実的に思える。

従って、私は日本の充電環境を考える限り、充電式のEVはそれ程普及しないと思う。どっちにしても、日本企業はそんなに簡単に方針転換できないものだし、ガソリン車の改善に賭けるのが正解に感じる。

もっともEVに技術革新の余地が大きいのは確かだ。モーター駆動はプログラムでの制御が容易であるため、自動運転との相性も高い。各社には是非とも革新的なEV・バッテリーの開発を進めて欲しいとも思う。

例えば、充電式ではなく、交換式のバッテリーが実用化したらどうだろう?充電残量が空になったら、ガソリンスタンドでバッテリーを丸ごと交換するのだ。こういった技術が可能になれば、充電の待ち時間や電力供給といった課題は解消されるかもしれない。



(私のコメント)

電気自動車の普及には様々な問題を抱えていますが、電池の改良には時間がかかるし、実験室レベルでは出来ても工場で大量生産するには大きな壁がありそうだ。リチウムイオン電池にしても自動車用には量産体制がなかなかできない。製品の安定性が化学物質だから管理が難しい。

しかし全個体電池が実用化されてコストも安くなり、充電でも数分でできるようになれば別の問題が起きてくる。EVが日本で爆発的に普及して急速充電設備も普及したとすると、各EVが一斉に充電を始めた場合の電気の需給が間に合わなくて大停電を起こしかねないという問題が起きる。

EVがもし5割の割合になったとすれば、270万キロワットの電力が必要になりますが、原発一基でも100万キロワットだから3基の可動が必要になる。最大1000万キロワットくらいの需要も想定されますが、火力発電所を作るにしても膨大なLNGを消費することになる。果たしてガソリン車とEVとでどちらが環境にやさしいのだろうか。それとも原発を再稼働させるかだ。

しかしこれは安くて高性能な電池が開発されればの話であり、早くても5年から10年先の話になるだろう。少なくとも今のリチウムイオン電池は過渡期の電池であり、全個体電池かマグネシウム電池などが実用化されてからの評価を待たなければならない。それまでにはハイブリッド車も従来のガソリン車も進歩しているだろう。

EVが本格的に普及期に入れば、それなりの問題が有り電力が足りるのかといった問題が起きる。モーターにも如何に少ない電力でハイパワーを出すかといった技術競争も出てくるだろう。モーターにも軽量化や高効率化などの課題があり、少ない電力で高出力が出せれば一番いい。

テスラのEVのモーターは台湾の中小企業が作っていますが、日本の町工場は出番がなかったのだろうか。コントロールパネルやギアボックスなども台湾の中小企業が作っており、これではシャープも台湾メーカーに買収されるわけだ。日産のリーフのモーターなどは自社生産していますが、大手の自動車メーカーなら全て自社生産が可能だ。

しかし台湾のモーターメーカーは、それまでは扇風機のメーカーであり、電気自動車は異業種からの参入が容易になる。テスラのように部品は世界各国から調達して組み立てれば簡単にEVができる。しかし高性能なEVには変速機やコントロールパネルなどの部品が必要になり、それなりの差別化はあるだろう。

問題はガソリン自動車は価格でEVと勝負しなければならないから、より安いガソリン自動車が出てくるだろう。ディーゼルエンジンは排気ガスの問題が有りトラックなどに限られていくだろう。ハイブリッド車の将来性としてはEVの電池が安くなれば価格も安くなり、モーターもより軽量化して高性能になるが、日本でしか売れない。車もガラパゴス化するのだろうか。

最終的には、ガソリンを燃やして動力にするか、LNGを燃やした電力でEVで走るかの違いに過ぎず、環境を考えれば原発の再稼働も考慮すべきだろう。EV以外にも燃料電池車がありますが、水素を作るにはこれも電気がいる。自然再生エネルギーで発電するには相当な規模の太陽電池パネルや蓄電池が必要になる。




そもそも日本の海軍航空隊という組織が持ついびつな構造や、
空中戦で何より重要な射撃と回避の訓練がまともにされていなかった


2017年8月20日 日曜日

零戦というモノを突き詰めたら、ヒトの問題にたどり着いた 弁護士・清水政彦が「戦争」を書く理由 8月18日 文春オンライン

零戦の「失敗の本質」とは何か?

――『零式艦上戦闘機』を書くにあたっては膨大な戦史史料に当たったことと思いますが、この研究で分かったことを振り返ると、何だったと言えますか?

清水 「失敗の本質」は「人の問題」だった、ということでしょうか。つまり、日本の飛行機の性能=ハード面は一般に言われるほどアメリカとの差は大きくない。その一方で、ソフト面=人が関わる飛行機の運用やパイロットの人事制度にはより重大な問題があったと思います。

――どういうことですか?

清水 よく零戦は「無敵だった」と言われがちですが、それは緒戦が奇襲攻撃の連続だったから。最初の半年は圧倒的な数的優位と攻勢優位、つまり「勝ち戦の勢い」に支えられていましたが、昭和17(1942)年の夏、ミッドウェイ海戦以降はほとんど勝ち戦がありません。飛行機の性能もパイロットの技量も、基本的にはアメリカと大差ないはずなのに、実際のスコアでは大負けしている。その原因を辿っていくと、そもそも日本の海軍航空隊という組織が持ついびつな構造や、空中戦で何より重要な射撃と回避の訓練がまともにされていなかった点、機体そのものではない「艤装」の杜撰さという点に思い至ったわけです。

――まずその、海軍航空隊のいびつな組織構造が招いたものとは何だったんですか?

清水 簡単に言えば組織の乱れですね。海軍航空隊は、米海軍の飛行隊に比べて圧倒的に将校の数が少なかった。米海軍のパイロットは基本的に将校ですし、日本でも陸軍航空隊は概ね3人に1人は将校です。一方で、帝国海軍の場合は極端に将校の割合が少ないので、1人の将校が多数の下士官を指揮しなければならなかった。

 たとえばミッドウェイ海戦時の空母戦闘機隊だと、将校は1個中隊に1人かせいぜい2人くらいしかいません。着任したばかりの新米中尉がいきなり中隊長で、パイロットとしての技量は最下層なのに、兵学校出だというだけで指揮官になり、年上の熟練者たちの生死を左右することになります。

 さらに将校は原則として宿舎も風呂も食事も優先で、下士官・兵とは切り分けられて「いい生活」をしていたし、一定期間の前線勤務後は後方に転勤して生き残ることが可能ですから、いいご身分だと恨みを買いやすかった。こんなアウェーな状況下にたった1人で放り込まれたら、普通、指導力なんて発揮できないですよね。

――命令も威力がないような状況だったんでしょうか。

清水 将校が前線勤務を生き残れるかどうかは、空中で部下の下士官が真剣に自分を護ってくれるか否かにかかっています。自分以外は下士官や兵ばかりですから、本気で恨まれたらどうなるか……。有無を言わさず命令で従わせるという環境にはなかったと思います。

重要なノウハウが属人的に分散していた

――2点目の射撃訓練がまともにされていなかったというのは驚きですが、それはどうしてわかったんですか?

清水 探しても探しても、海軍の射撃教範のきちんとしたものが見つからないんですよ。そもそも実弾訓練をほとんどやっていませんし、ガンカメラを利用したシミュレーション訓練も、試みた形跡があまりない。将校用のマニュアルを読んでも、書いてあるのは「人事異動で新部署に行った時に部下からハブられないようにするための技術」みたいなことばっかり。「下士官の言うことはつまらないことでもよく聞いてやれ」とか「赴任した直後は、隊内の勢力図が分かるまでは飲み会に行くな」とか(笑)。

――完全に今の会社みたいですね。

清水 空中射撃に限りませんが、重要なノウハウが属人的に分散していて、書面レベルで組織全体が共有していないのも問題ですね。この点はペーパーワークの差というか、「書類は手書き」という文化も影響していると思います。米軍はちょっとした書類でもタイプですから。手書きをガリ版刷りするという前提だと、まず字が上手な人じゃないと読めないし、印刷もできない。小さな制約かもしれないけれど、面倒くさいから書類を作らないというのは往々にして起きることですから。

――パイロットの人事制度にも大きな問題があったと論じられていますよね。

清水 端的にいうと、熟練パイロットを前線に置いたままにする編成は大きな間違いだったと思います。前線に囲い込んだままにするということは、彼らを死ぬまでそこに縛っておくことに他なりません。これは結果として彼らに「せめて自分なりにベストを尽くして1日でも長く生き残ろう」という思いを強くさせ、慣れ親しんだ「今までの自分のやり方」への執着を助長します。そうなると、新しい戦術やチームワークが生まれる余地がなくなりますよね。

パイロットは道具に合わせろ、という謎の風潮

――3点目の「艤装」が杜撰だったというのは意外です。零戦は当時の日本の工業技術を結集したような製品だったと思いますが。

清水 機体そのものの基本設計やエンジンは優秀なものでした。ただ、飛行性能と無関係な細かいデザイン、使い勝手はユーザー目線のものではなかった。たとえば普通、戦闘機にはコックピットの上部に、真後ろを見るためのミラーがついているんですけど、零戦にはない。当たり前の話ですけど、真後ろが見えないと、後ろから撃墜されるリスクが高まる。真後ろって、いくら首を回しても見えないものですよ。自転車でも見えない。まして空戦中の後方確認は至難の業でしょう。

――つけない理由はなさそうに思えますが……。

清水 ええ、つけない理由はないんです。なのに「敵がミラーに映った時にはもう終わりなんだから、そんなものはつけても意味がない」みたいなことを言う人もいた。撃たれる直前に気づくのと、撃たれてから気づくのでは大違いなんですが……。実際には単に変化を嫌ったのではないかと。機体に文句を言うのはダサい、パイロットは道具に合わせろ、それが技術だ、みたいな風潮も影響していると思います。零戦は基本的に最後まで、不思議なくらい何も変えていないですね。

――統率できない将校に起因する問題や、パイロット人事制度の不備、合理的ではない精神論。確かに零戦が見せる「失敗の本質」は技術云々ではなく、人的なソフト面での事象が多いんですね。

清水 よく言われる「防弾軽視が原因で熟練パイロットを失い、零戦は凋落した」という論は、ハード面だけに着目した結果、焦点がズレてしまっています。実際には、防護装備で差が出るほど僅差の勝負はできていなくて、正直言ってボロ負けです。そこまでボロ負けした原因の最たるものは、熟練パイロットを死ぬまで前線に縛っておくような組織の在り方にあったと思っています。希少なプロである熟練パイロットはいち早く後方勤務に回し、その穴を多数の新人で埋める工夫をしていかなければ、総力戦で勝てる可能性などなかったはずです。私は「モノ」としての零戦に興味があったはずなんですが、突き詰めて行くと「ヒト」にたどり着いたのは不思議ですね。(後略)



(私のコメント)

零戦が本当に名戦闘機であったのかは疑問ですが、緒戦を除けばボロ負け状態であり、ベテランパイロットが直ぐにいなくなってしまってしまった。つまり空母や零戦があってもパイロットがいない状態になってしまった。飛ぶのがやっとの新米パイロットでは米軍に七面鳥打ちでやられてしまった。

戦争の末期になれば、第一次世界大戦でもベテランパイロットがいなくなり、集団で編隊を組んで一撃離脱戦法が取られるようになった。船にしても飛行機にしても早いほうが圧倒的に有利であり、状況が不利ならスピードを利して逃げられますが、遅ければ狙われたらそれでおしまいだ。

ゼロ戦に有利なのは航続距離の長さであり、アウトレンジ戦法ができましたが、それは空母から見ればアウトレンジなのでしょうが、パイロットにとってみれば過酷な状況であり、クタクタに疲れた状態で視力も低下して待ち伏せされて撃ち落とされてしまった。結局は馬力で劣りスピードで負けているから助からない。

このような点は、ドイツ空軍も同じであり、アメリカの新米パイロットにベテランのドイツ軍パイロットが次々と撃ち落とされていった。メッサーシュミットはスピードは早かったが機動性能が劣って、米軍の新米パイロットはメッサーシュミットに後ろに付かれても左右に舵を切れば簡単にかわせた。そのように米軍は敵機の弱点を研究して戦法を新米パイロットに教育した。

清水氏の話では、海軍航空隊では射撃訓練や回避の方法などがまともに訓練されていなかったということですが、打っても当たらなければ戦闘で勝てるわけがない。零戦は緒戦こそ活躍したがほとんどがボロ負け状態であり、キルレシオでみれば、F4Fで1:7、F6Fでは1:19であり圧倒的にボロ負けしている。これは機体とパイロットともに米軍機に最初から負けている。

陸軍は疾風などの新鋭戦闘機を出せたのに、海軍はゼロ戦以降の新型機の制作に失敗をした。当時の工業力の非力さからと言えますが、陸軍は疾風のみならず飛燕や鍾馗などの新鋭機を出している。1500馬力の金星エンジンを使えばゼロ戦の後継機の大量生産ができていたはずだ。そのへんのマネジメントに海軍の問題が隠れている。

海軍がパイロットの育成に失敗したのは、将校によるパイロットではなく下士官パイロットであり消耗品と考えていたからだろう。将校パイロットなら人事の交代もあり温存できたが、下士官パイロットでは現場に貼り付けになる。だから前線における教訓が新人の教育訓練に生かされない。

清水氏の話ではゼロ戦にはバックミラーもついていないという話ですが、前線からのフィードバックが上手く行っていなかったのだろうか。栄エンジンでは1000馬力が非力になり、より高出力の金星エンジンに変えれば5式戦闘機並みにはなれたでしょう。末期に54式ゼロ戦として数機作られましたが、海軍の頭の硬さは組織に問題があったのでしょう。

海軍の頭の硬さは、真珠湾作戦やミッドウェイ作戦でも見られますが、作戦目的が明確でなく状況の変化に即応ができていない。たとえ米軍を上回る高性能機ができていたとしても、乗りこなせるパイロットがいなくなってしまった。米軍は戦前からパイロットの大量育成にかかっており、そのへんからもアメリカは戦争をはじめる体制が出来ていた。戦前にB29の初飛行も行われており日本軍は飛んで火にいる夏の虫だったわけだ。




おそらくロシアと中国が我々を地表から吹き飛ばさなければならなくなる
前に、人種とジェンダー戦争に夢中になって、アメリカは崩壊するだろう。


2017年8月19日 土曜日

アメリカではプロパガンダが真実を征服した 8月17日 Paul Craig Roberts

デューク大学があるノースカロライナ州ダーラムで、大半が白人男性の無法者連中が南部連合国兵士の彫像を引き倒して公共財を破壊した。おそらく連中は、民主的に選ばれた政権を打倒したアメリカの画策によるクーデターの後、オバマとヒラリーがウクライナに据えつけたネオナチからヒントを得たのだ。オバマが据えたネオナチ新政権が最初にしたことは、ウクライナをナチス・ドイツから解放したソ連の戦争記念碑全ての破壊だった。戦争記念碑を破壊したネオナチは、ナチス・ドイツ側について戦ったウクライナ人の子孫だった。これらネオナチが“民主主義”の政府、オバマとヒラリーがウクライナにもたらし、アメリカ政府と、そのヨーロッパ諸属国が支持している政府を構成しているのだ。

ダーラムでの公共財破壊で一体何が達成されたのだろう、警官はどこにいたのだろう?

事件の映像は、狂った白人、主に白人男性の集団が、ブロンズ像を蹴り、唾をかけ、まるで彫像が反撃するかのように、後ろに飛んで下がる様子を映している。無知な狂った憎悪の誇示だ。

この憎悪の起源は一体何で、一体なぜそれが彫像に向けられたのだろう? デューク大学の学生たちの可能性が高いのだが、無知な無法者連中にとって、破壊された彫像は、奴隷制度の象徴なのだ。

南部連合国兵士と奴隷制度を、無知ゆえに結びつけるのは、知られているあらゆる歴史に矛盾する。南部諸州の奴隷制度は、プランテーションとして知られている広大な農業区画に限定されていた。奴隷は農業労働力だった。この組織は、南部連合国やアメリカ合州国そのものより、ずっと歴史が古い。それはヨーロッパの経済権益者連中によって、新世界が植民地化された時から受け継がれてきた仕組みだった。奴隷制度は、南部が発明したものではない。奴隷制度は、利用できる資源がありながら、労働力が存在しなかったがゆえに、独立宣言よりずっと以前に導入されたのだ。

最初の奴隷は、白人奴隷だったが、彼らはマラリアや黄熱病でバタバタと死んでいった。次に先住アメリカ人(“インディアン”)が奴隷として利用されたが、彼らは働こうとしなかった。その頃、アフリカ人の中には、マラリアに免疫があり、黄熱病に耐性がある人々がいることが発見され、とうとう労働力が見つかったのだ。毎年、お互いに、戦利品が奴隷の戦争をしているアフリカの諸部族から奴隷が購入された。私が最初の著書を捧げた私のユダヤ人オックスフォード大学教授で優れた物理化学者で哲学者、マイケル・ポランニーの弟、カール・ポランニーなどの社会主義者の歴史家が、アフリカの黒人が行っていたアフリカ人奴隷貿易の詳細かつ正確な歴史を書いている。

南部連合国兵士は奴隷を所有していたわけではなく、誠実な歴史学者なら誰でも知っている通り、彼らは奴隷制度のために戦っていたわけではない。彼らは自分の国が侵略されたがゆえに戦っていたのだ。

アメリカ合州国がそうではなかったのと同様、南部連合国は彼らの国ではなかった。彼らの国は、州だった。当時、人々が忠誠心を持っていたのは州だった。彼らは州を自分の国だと考えていた。彼らにとって、アメリカ合州国は、フランス人、イタリア人、オランダ人、イギリス人などにとってのEUのようなものだった。フランス人は今でも自分たちのことをフランス、not as EU.

ロバート・E・リーが北軍を指揮するよう要請された際、彼はバージニア州のことを言っていたのだが、自分の国に戦争をもたらすわけには行かないという理由で断ったのを想起願いたい。

リーの軍隊は北バージニアの軍隊だった。

リンカーン大統領が再三言っていた通り、戦争は奴隷制度とは無関係だ。“アメリカ合衆国保持”つまり帝国保持のためだった。もし南部が分離することを認められれば、ミシシッピー川の西側の広大な土地を巡って、二つの国が競合することになる。ワシントンの駆け出しの帝国はそのような競合を望んではいなかった。

もし南部が分離を認められていれば、北部は、より安価なイギリス製品に関税を課すことによって、南部に売りたいと思っている北部の相対的に高価格な製品の市場を失うことになる。

南部は正当にも、南部は二重に打撃を受けることになるだろうと判断した。北部からの高価格の商品と、南部からの綿輸出に対するイギリスによる報復関税だ。

北部と南部との間の、この経済紛争は、それが連邦脱退を引き起こすまで、長期間続いていたのだ。左翼アメリカ人歴史学者チャールズ・ベアードは、いわゆる“内戦”を、それを引き起こした経済的条件で説明している。戦争は奴隷制度とは一切無関係なのだ。

“内戦”という呼び方そのものがウソなのだ。内戦というのは、政府の支配を巡って、二者が戦うもののことだ。南部は、アメリカ政府を支配するために戦っていたわけではない。南部は北部が侵略したがゆえに戦っていたのだ。

リンカーンは奴隷を解放しなかった。しかもリンカーンが暗殺されていなければ、彼が白人より劣ると考えていた黒人をアフリカに送り返すのが彼の計画だった。これは“陰謀論”ではない。これは文書証拠のある事実だ。この文書証拠のある事実を反証するなど全く不可能だ。

奴隷解放宣言はプロパガンダだった。狙いは二つあった。一つは奴隷制度廃止論者を黙らせることだった。もう一つは、故郷の女性と子供たちを守るため、南部連合国の軍隊を戦線から撤退させるはずの南部諸州での奴隷反乱を助長することだ。リンカーン自身の国、務長官ウィリアム・H・スワードが、我々は我々に管轄権がない場所で奴隷を解放し、我々が管轄している所では、奴隷を、奴隷制度に置いたままにしていると述べた。スワードの正確な言葉はこうだ。“我々の手の届かない場所では奴隷を解放し、我々が彼らを自由の身にできる場所では奴隷のままにしておくことで、我々は奴隷制度に対する共感を示している。

左翼歴史学者のリチャード・ホーフスタッターは、リンカーンは、彼に何の権限もない奴隷だけ解放したと、リンカーンの奴隷解放宣言をからかった。

リンカーンが狙ったのは、奴隷の解放ではなく、奴隷が南部の女性たちを強姦し、南部の子供たちを殺害するのを誘発し、彼の将軍連中では打ち破ることができない南部軍をリンカーンによる奴隷の反乱から自分たちの家族を守るべく、戦線を離脱し、帰郷するのを余儀なくさせることだった。

ところが、女性と子供たち以外に、彼らを支配する連中が誰もいなかったにもかかわらず、奴隷は反乱しなかった。すると、これは一体どういう圧制だったのだろう?

ロバート・E・リーとの交戦時、北軍は、常時、二乃至、三対一、そして時には、それ以上に、人数で南軍を上回っていたにもかかわらず、リーの北部バージニア州軍は、戦争の最初の二年間、戦闘で敗れたことがなく、リンカーンは無数の将軍たちを使い果たしてしまったがゆえに、奴隷反乱を引き起こすことを狙って、リンカーンは奴隷解放宣言をしたのだ。もし南部の人口がもっと多ければ、南部による戦勝の数で、ワシントン占領と、終戦に終わっていたはずだ。だが南部には、軍事勝利を得続けるだけの十分な数の兵士が決していなかった。対照的に、北部にはアイルランドからの無限の移民供給があり、その大半がアメリカ帝国のために亡くなった。

北部での戦争反対は強かった。リンカーンは北部の新聞所有者や編集者300人を逮捕、投獄し、アメリカ国会議員たちを追放せざるを得なかった。

奴隷制度は、南部が作り上げたものではなく、受け継がれた制度だった。奴隷制度は、南部への移民が労働人口を形成し始め、過剰耕作されたプランテーションの土地が肥沃度を失い始めることで、次第に消滅していたはずだ。奴隷制度は、新たな移民が、現地の労働力になるのではなく、西へと向かい、インディアンの土地を占拠して、自営農家になったがゆえに、あれだけ長く続いたのだ。

もちろん奴隷制度廃止論者連中は、出来る限りのあらゆる南部憎悪を作り出した。実際、私は人生のほとんどを南部の外で暮らしてきたが、リベラルが白人に対する黒人の人種的憎悪を醸成するのを目にしてきたし、フェミニストが男性に対する女性のジェンダー的憎悪を醸成するのを見てきた。憎悪はリベラルの大義なのだ。それが彼らの特徴だ。

愚かなリベラルが、人種やジェンダー間での社会的反目の種をまいた。その結果、アメリカは破壊されることになろう。

おそらくロシアと中国が我々を地表から吹き飛ばさなければならなくなる前に、人種とジェンダー戦争に夢中になって、アメリカは崩壊するだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/15/america-propaganda-vanquished-truth/



(私のコメント)

アメリカ合衆国は、多くの歴史的な十字架を抱えて来ていますが、そのためには歴史をプロパガンダで捻じ曲げてきた。しかし民主主義国家であり言論の自由はアメリカという国家の基本理念だから、完全にプロパガンダで捻じ曲げることができない。そのへんが中国とは異なる。

中国にとってはプロパガンダこそが歴史であり、真実がどうであるかはどうでもいいことだ。だからアメリカにおいての南北戦争は内戦扱いで歴史教育が行われているが、南北戦争以前はそれぞれの州が国家だったのだ。南北戦争と奴隷制度とは関係がなく、経済対立から起きた戦争であり、北部同盟諸国は南部連合国に工業製品を高く売りたかっただけなのだ。

南部諸国はイギリスに綿花を輸出していたが、イギリスから安い綿製品が入ってきたが高い関税をかけられて南部に綿製品が高く売られる構造になっていた。つまり北部同盟諸国に関税がピンはねされることになった。南部にとっては自分たちが輸出した綿花がイギリスで綿製品となり北部が関税をかけて南部に売りつけてきたのだ。

だから南北戦争は奴隷制度とは関係なく起きた戦争であり、しかしアメリカのプロパガンダとしては、南北戦争は奴隷解放戦争であり、奴隷解放を戦争に利用した北部同盟が勝利しただけなのだ。南部が北部の経済略奪に抗議して分離独立の動きが起きたのですが、イギリスからの安い綿製品に関税をかけて、自分たちの綿製品を高く南部に売りつけたのが戦争の原因だ。

リンカーンの奴隷解放宣言は、戦況が不利なので南部の後方攪乱のための宣言であり、リンカーンが必ずしも奴隷解放論者だったというわけではない。また南部の連合諸国の兵士も奴隷制度支持者というわけではなく、だから南北戦争は奴隷解放戦争ではないのですが、現代のアメリカ人の多くがリンカーンを奴隷解放の立役者として信じている。

知的レベルとしては、アメリカ人も中国人も同じようなレベルだから、南北戦争は奴隷制度をめぐる戦争であり、北軍が勝利して奴隷が解放されたとしたほうが政府当局にとっても都合がいい。そうすればリンカーン大統領は歴史に残る名大統領ということになる。

しかし戦争をしなければならないような状況ではなく、関税をめぐる争いだからリンカーン大統領が少し妥協すれば50万人もの兵士が亡くなるような戦争をする必要はなかった。戦争を始めるような政治指導者はロクなのがおらず、チャーチル首相もルーズベルト大統領も、歴史を調べればロクでもない人物だ。

ロクでもない大統領や首相だったからこそ戦争が起きたのであり、戦わずして勝つのがベストであり、ヒトラーやナポレオンも馬鹿だから戦争を始めた。結果どうなったかは歴史を見ればよくわかる。戦争をするにしても勝つ条件が整うまで待つべきであり、勝ったあともよく考えておかないと勝っても厄介なことになる事もある。

相手が大国でありどうやっても勝てないのなら、6月22日に書いたように、何度負けようが生き残るのが第一であり、戦わずして負けるのも方策の一つだ。日本はアメリカと戦って負けましたが、72年間にわたって日本を占領し続けている。核兵器という非人道的兵器を使ってアメリカは勝利しましたが、日本はなんとか生き延びた。


島津氏の例を見てもわかりますように、目先の勝負に何度敗けようが、つねに「生き残ること」に全神経を注いだ者が最終的勝者となります。6月22日 株式日記


アメリカに勝つには、アメリカが内乱で分裂状態になるのを待つべきであり、今回の人種問題は大きな切り札になる。「敗けたならば敵が弱るまで待つ」のが大戦略であり、私のような天才的戦略家としては、アメリカが内乱状態になって分裂状態になった時に備えてチャンスを待つべきなのだ。

トランプ大統領やバノン首席補佐官のような白人優越主義者がアメリカには沢山おり、大東亜戦争の頃のアメリカは白人優越主義国家であった。それを覆したのが日本であり、大東亜戦争は人種差別撤廃の戦争であった。その結果、アジアやアフリカ諸国が相次いで独立して、大英帝国は滅んだ。大米帝国もいずれは滅びる。




天下り役人は、年俸は最低2500万円。さらに5年勤めて退職金が
3000万円。これで3〜5つの大学を渡り歩いて計5億円は稼ぎます


2017年8月18日 金曜日

元東大教授と天下り官僚に翻弄される私大の悲惨 8月18日 光浦晋三

私大を渡り歩いて5億円を荒稼ぎ!
天下り官僚に食い物にされる私大

 元東大教授よりも破壊力が強いのが官僚だ。官僚時代は数百億円の予算を動かしていただけに金銭感覚がズレすぎているという。私大には文科省、経済産業省、財務省など多くの官僚が天下りし、教授の座に収まっている。

「“渡り鳥稼業”の天下り役人は会議の欠席はザラなうえ、仕事の知識もない。仕事は部下に任せてゴロゴロしているだけ。それでも年俸は最低2500万円。さらに5年勤めて退職金が3000万円。これで3〜5つの大学を渡り歩いて計5億円は稼ぎます」

 もっとも何もしないのならマシな部類で、元官僚と悪徳教授が手を組み、大学を食い物にするケースも多々あるそうだ。濱野氏がいた都内の女子大では40億円が消えたこともあったという。

「彼らが株式や投資信託を駆使してマネーロンダリングをやったようですが、証拠が出なかった。また、翌年に取り壊しが決定していた校舎の大規模修繕に3億をつぎ込み、さらに塗装で1億2000万円と、計4億2000万円を無駄遣いしたことも。すぐに跡地に新しいビルを建てるところまで計画済みで、旧ビルでどんなインチキがあったのかはウヤムヤになってしまった。巧妙に証拠が残らない工作だけは一流のため、追跡調査もできなかった。もちろん大学の事務職などは真相を知っていましたが、黙殺したまま。ヘタに口にしようものなら簡単に左遷されてしまいますからね」

 別の学校ではこんなケースも。

もっとひどいのは、研究業績が大学院生ほどもないクズ教授を学長に仕立て、自分は定年のない常務理事のポストに就いた天下り官僚がいました。さらに、部課長などの大学の要職を、仲間や部下で固め、付属の建物の増改築で稼ぐなど好き放題だった。さらに、法人側の私立学校法違反事項を目ざとく見つけると、理事長選で教授会をけしかけ、当主を追い出し自分が理事長の座に座り、そのまま学園を乗っ取ったヤツもいた。都内有数の伝統校でしたが、その後は、学問はそっちのけとなり、今では生徒の確保にも困るほど疲弊してしまいました」

 悪質な実例はまだまだあるという。

「今時、わざとド田舎にキャンパスを購入し、引っ越さなくてもいい学部の建物まで建てて都内一等地のキャンパスを売却し、その取り壊しとキャンパス移転で数十億を着服する天下りもいました。ゼネコンのリベートで稼いだんです。その大学は生徒集めに窮し、今は中国やベトナムからの留学生で細々と命脈を保っていますが、近々、倒産の噂も聞こえてきます。もちろん、天下り役人はその前にいなくなるでしょうね」

 悪徳教授や官僚を受け入れる私学の側にも落ち度があるとの指摘もあるが、濱野氏はそれは違うという。

教授会が天下り官僚は採りたくないと考えていても、彼らは巧妙に法人側の上席ポストを占めてしまう。そうなれば、自動的にかつての役所の部下を雇いこむルートができてしまうんです。大学が悪いのではなく、行列を作って乗っ取りに来る方が悪いんです

 今年3月、松野博一・文部科学大臣は、省庁退職者が許認可や補助金の支出対象である大学や財団に再就職することを当面自粛すると明らかにしたが、果たして実効力がどれだけあるのか。はなはだ疑問と言わざるを得ない。



(私のコメント)

文部科学省の前事務次官の前川喜平がどのようなことをしてクビになったかを記事を読めばわかりますが、天下り官僚を引き受けた私立大学がどんな食い物にされているかがわかります。天下り官僚は悪知恵だけが働く悪賢い人材の集団であり、文部科学省ではそれが組織化されていた。

最近になって少子化で大学進学者が減っていくのに大学だけはどんどん新設されてきたのは、天下り官僚の引受先だからだ。大学教授や理事に天下るわけですが、天下り官僚を引き受ければお土産がついてくる。それが全国の大学にばらまかれるわけですが、それが天下り官僚の懐に入る。

日本全国に大量に作られた新設大学は、Fラン大学となり学生集めにも苦労することになる。都心にある一流有名大学なら学生集めも苦労しないでしょうが、一時は都心のキャンパスを売り払って郊外に移転する大学が相次ぎましたが、大学生の評判が悪くてまた都心に戻ってくる大学が多くなりました。

地方では大学生集めに苦労して、中国やベトナムなどからの留学生の引受先になっている。留学生といってもアルバイトに出稼ぎに来ている留学生であり、どのような勉強をしているのだろうか。私がいた頃もそうなのですが、大学は学問の墓場であり、大学という産業で学生たちを食い物にしている。

昔は利口だから大学に進学しましたが、今では利口でないから大学を出て学歴で就職に有利にしようとしている。腐敗堕落しきった大学に行って何を学ぼうとしているのでしょうか。腐敗した大学教授から学べば腐敗した大学生になるだけであり、そんな大学なら進学しないほうがいい。

大伽藍に名僧無しと言いますが、大キャンパスに名教授無しであり、主だった大学のポストは天下り教授に占拠されて、いいように食い物にされてしまう。週に一コマ程度の講義をするだけで年収は2500万円だ。5年勤めて退職金が3000万円だそうですが、いくつもの大学を渡り歩けば5億円もの収入だ。

つまり大学に進学して、霞ヶ関の官僚になり、天下って私のような人物になれと大学生に教育しているのだろうか。中にはやり手の天下り官僚もいて、大学の移転絡みで建設費用から数億円抜いた天下り官僚もいたようだ。森友騒動でも校舎建設で建設補助金がピンはねされて事件になりましたが、このような話はいくらでもあるのだろう。

年々大学の授業料が高騰してきていますが、学生たちは奨学金ローンを借りて学費を払っている。大学を卒業するまでには最低500万円はかかるからそれだけ借金を抱えて卒業する。そこまでして払った学費は天下り官僚の懐に入っていく。有意義な講義をしてくれれなそれでいいのでしょうが、天下り官僚にそれほどの学識があるわけない。




文在寅政権は、米朝間の緊張に耐えかねて、予想外に早く中立を宣言
してしまった感じです。グアムを狙ったミサイルがソウルを直撃したのです


2017年8月17日 木曜日

ついに「中立」を宣言した文在寅 北朝鮮の「グアム威嚇」でソウルが陥落した 8月17日 鈴置高史

 北朝鮮による「米領グアム攻撃計画」を巡り、緊張が高まった1週間。それが一段落した時、米韓同盟が崩れ始めた。

米国の対北攻撃は許さない

第2次朝鮮戦争が始まるかと思いました。

鈴置8月9日、北朝鮮が「グアムを攻撃する計画を練っている」と発表しました。それに対しトランプ(Donald Trump)大統領が激しく反発。世界のメディアも「すわ、戦争か」と大騒ぎしました。

 1週間後の8月15日、朝鮮中央通信が「米国の行動をもう少し見守る」との金正恩(キム・ジョンウン)委員長の発言を報じました。軍事的な衝突はとりあえず避けられたと世界は胸をなでおろしました。

北朝鮮はこの騒ぎで何を得たのでしょうか。

鈴置:米韓同盟の亀裂です。8月15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は日本からの解放記念日「光復節」の式典で演説しました。ここではっきりと、米国の対北攻撃は許さないと宣言したのです。

 青瓦台(韓国大統領府)の「第72周年光復節祝辞」の関連部分を翻訳します。

 「戦争は絶対に止める」と言っているのですから、もちろん「軍事活動」つまり米国の先制攻撃にも同意しないわけです。

 米国は北朝鮮の核武装を阻止するためには、先制攻撃も選択肢の1つと公言しています。韓国はそれを認めないと言い出したのです。

日本の基地を使え

もし、北朝鮮がグアム沖にミサイルを撃ち込んだら?

鈴置:当然、米国は北朝鮮に反撃します。文在寅大統領の宣言によれば、在韓米軍基地を使っての反撃に対し韓国は「NO」と言うことになります。

 「どうしても北朝鮮を攻撃したいなら、グアムや日本の基地を使え」と米国に言うのでしょう。その際は「朝鮮半島の軍事活動は韓国が決める」と大統領が予め通告したではないか、と主張できるのです。

 すると、北朝鮮も韓国への攻撃は控えるかもしれません。韓国と戦闘状態に入らなければ、地上軍で攻められる心配がなくなります。かくして朝鮮半島は戦争に巻き込まれずに済む――と文在寅政権は期待しているのでしょう。

もし、北朝鮮が突然、韓国を侵攻したり、あるいはミサイルで攻撃してきたら?

鈴置:その際は、韓国は米国と一緒になって戦うしかありません。しかし現時点で、そんなケースはまずあり得ません。北は米韓に圧倒的な戦力差を付けられています。米韓同盟が機能する限り、北朝鮮が自ら滅亡する道を選ぶことはないでしょう。

左派系紙もデモ隊も支持

すると結局……。

鈴置:文在寅大統領のこの発言は現実の状況から言って、有事の際の「中立宣言」にほかなりません。

 文在寅政権はこの方向に行くだろうと予想はしていましたが、米朝間の緊張に耐えかねて、予想外に早く中立を宣言してしまった感じです。グアムを狙ったミサイルがソウルを直撃したのです。

「中立宣言」への反響は?

鈴置:当然というべきか、左派系紙のハンギョレは社説で褒め称えました。8月15日の「『戦争だけは防ぐ』 平和への意思を明らかにした文大統領」(韓国語版)は「米国と北朝鮮との『言葉の爆弾』の戦いにはっきりと反対する立場を明らかにした」と書きました。

 同日午後には左派団体が「戦争反対集会」を催したうえ、米国大使館と日本大使館の前をデモ行進しました。韓国メディアによると6000人が参加。決議文には以下のくだりもありました。大統領の演説と軌を一にしています。

韓国には事前通告しない

なぜ、デモ隊は日本大使館にも向かったのでしょうか。

鈴置:「米国に従う戦争勢力」と認定されているからです。

そもそもの質問です。韓国が「第2次朝鮮戦争」の勃発を食い止められるのでしょうか。

鈴置難しいと思います。軍事専門家の多くは、米国が北朝鮮を先制攻撃する際、韓国には事前通告しないか、したとしても攻撃寸前と見ています。

 韓国から情報が漏れると疑っているからです。ことに文在寅大統領は選挙期間中に「米国から攻撃を通告されたら北朝鮮に知らせ、その挑発をやめさせる」と語っています(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。

 もし、敵国に内通する国に戦争を事前通告したら、トランプ政権は米国人から非難されるでしょう。

 8月14日にソウルで文在寅大統領らと会談した米軍制服組のトップ、ダンフォード(Joseph Dunford, Jr.)統合参謀本部議長は、直後の会見で「韓国の同意なしに戦争できるか」と聞かれました。

 聯合ニュースの「ダンフォード議長『米国はグアムを攻撃された時は断固と対応』」(8月14日、韓国語版)によると、ダンフォード議長は「それは政治的な決定となることだろう。しかし、我々が下すすべての決定と論議は同盟国と協議している」と答えました。

裏切り者への皮肉

「政治的な決定」とは微妙な言い方ですね。

鈴置皮肉に聞こえるのが「同盟国とは協議する」部分です。米国は朴槿恵(パク・クネ)政権の時から、韓国を腹の底では同盟国と見なさなくなっています(「米国から『同盟国』と呼ばれなくなった韓国」参照)。

 朴槿恵政権が米中等距離外交に乗り出し、米中対立案件ではほぼ米国の意向を無視したからです。「反米親北」の文在寅政権の裏切り方はもっと露骨です。米韓同盟自体をないがしろにしています。

 在韓米軍へのTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備も国を挙げて邪魔しています(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。

 ダンフォード議長は「先制攻撃の時はもちろん連絡する。韓国が本当の同盟国ならな」と皮肉を言ったのだと思います。(後略)



(私のコメント)

情報戦争においては、日本やアメリカといった民主主義国家では、情報工作がやりたい放題できるのに対して、独裁国家では情報を完全に統制して、相手国の工作員を手当たり次第に捕まえて拘束することができます。どちらがいいかを決めるのは国民しだいですが、国民の資質や情報リテラシーが決めることになる。

情報戦争では、独裁国家の方がやりやすくて有利に見えますが、独裁者が馬鹿だと国家が滅亡することになります。最近の例ではベネズエラがいい例ですが、独裁者のチャベスがいなくなって国家は混乱状態になっています。同じような事は中東や北アフリカにも見られますが、強力な独裁者がいれば国家は安定しますが、いなくなればまた混乱が起きて元の木阿弥です。

共産主義国家は独裁国家のシステム化で、共産党というシステムが独裁国家を作り上げています。しかしソ連崩壊を見ればわかるように共産党そのものが機能しなくなり経済破綻には無力だった。中国はそれを見て経済に資本主義を取り入れましたが、政治制度は共産党独裁国家のままだ。

北朝鮮とアメリカの対立は、まさに独裁国家と民主主義国家の対立とも言えますが、政治制度の根本から違うから様々な面でどうしても摩擦が起きます。アメリカと中国との経済摩擦も異なるルールで経済が営まれるからすれ違いがどうしても起きる。北朝鮮は典型的な独裁国家であり、韓国との関係は休戦状態のままであり、戦争の火種は残ったままだ。

韓国は一応は民主主義国家であり、情報公開と言論の自由が認められているから、北朝鮮や中国の工作員はやりたい放題の工作活動ができる。それに対する韓国の国民は情報リテラシーの教育が十分ではないようだ。教育からして北朝鮮の勢力による教育が行われて洗脳されてしまっている。

なぜそのような教育が行われるのかは、民主制度のもとでは十分な言論統制が難しく、国民の資質や情報リテラシーに任されるからだ。北朝鮮の工作活動と見抜くには十分な情報リテラシーがなければできない。北朝鮮や中国は選りすぐりの工作員を養成して世論工作を仕掛けてくる。それは日本に対しても同じように行われている。

地政学的に韓国は不利な状況に有り、アメリカの支援なしには成り立たない国だ。韓国から在韓米軍が撤退すれば自動的に韓国は北朝鮮や中国の勢力下に入る事になる。二千年来朝鮮半島は中国王朝の冊封体制に入っていた。しかし朝鮮半島の南端部では日本からの影響力もあり、中国王朝は緩衝地帯として朝鮮半島を属国化してきた。

韓国のムンジェイン政権は親中国北朝鮮政権であり、アメリカと中国と当距離の中立化政策を取ろうとしている。しかし大国にはさまれた小国がそのような政策を取れば命取りになりかねない。中立政策を取ろうとすれば強力な軍事独裁政権でなければ成り立たず、盧泰愚政権までは軍事独裁国家だった。

なぜならば北朝鮮や中国が軍事独裁国家であり、領土拡張政策をとっているからだ。北朝鮮は中国やロシアと陸続きであり地政学的に圧倒的に有利であり、韓国はアメリカとは太平洋で隔たれて不利だ。朝鮮戦争で韓国が保たれたのは日本があったからであり、日米の支援で韓国は繁栄を保ってきた。

中国の戦略として、韓国に徹底した反日教育を行い日韓の分断工作がうまくいっている。中国や北朝鮮としては平和裏に韓国をまるごと手に入れて繁栄の果実を手に入れたい。ムンジェイン政権はその点では理想的だ。アメリカは戦わずして韓国から手を引いていくだろう。しかし北朝鮮の核ミサイルが残る。

アメリカがこれに対してどう出るかですが、韓国の反対を押し切って北朝鮮を攻めることはできない。ならばどうするか? 日本に核武装させて北朝鮮や中国に対抗させて軍事バランスを取らねばならない。そうしなければ中国やロシアの圧力にアメリカは東アジアで対抗ができなくなる。

現在の東アジアの国際情勢は、明治維新の頃によく似ており、イギリスとアメリカが入れ替わっただけだ。ロシアや中国は西太平洋を手に入れようとしてるが、アメリカだけでは防ぎきれない。グアムも北朝鮮はミサイルで攻撃できると宣言している。ならば北朝鮮のミサイルは日本上空で打ち落とす必要がある。しかしそれは戦争行為になる。もし日本にムンジェイン政権のようなことになれば大変だ。

モリカケ問題で安倍降ろしが始まっていますが、マスコミにも北朝鮮や中国の工作員が入り込んで工作している。石破茂というムンジェインのような受け皿も用意されたようだ。石破氏は自民党を離党したり合流したりと謎の人物だ。中国は石破氏を首相にすれば、情報は中国に筒抜けになる。




エネルゴマシュは、RD-250という、充填したままで長期貯蔵が可能な特殊
液燃を使う大馬力ロケットエンジンを製造している。そこが北鮮に供給したのだ


2017年8月16日 水曜日

おそらくトヨタはマツダと「水素ロータリー」で協働したいのだろう。 8月15日 兵頭二十八

Michael Elleman記者による2017-8-14記事「The secret to North Korea’s ICBM success」。
   ムスダンがたてつづけに失敗したあと、中距離の火星12と長距離の火星14がたてつづけに成功。

 かつていかなるミサイル先進国もMRBMからICBMまでかくも一瞬にステップアップしたことはない。

 これを説明する答えはひとつ。北鮮は高性能液燃エンジンの完成品を外国から受領しているのである。

 写真を拡大すれば、火星12と火星14のエンジンがソ連の「RD-250」の改修品であることは明らかだ。

 入手先も、ロシアかウクライナ以外にありえない。
 入手の時期だが、2年前からだろう。

 まず2016-9に北鮮は液燃エンジンの地上噴射テストを行い、そこで80トンのスラストが得られたと発表した。

 次の同様の地上噴射テストが2017-3である。

 このテストの写真で、四つの小さいステアリングエンジン(ヴァーニアエンジンとも補助エンジンとも呼べる)が中心の大きなメインエンジンノズル1個をとりまいていることが知られた。

 2017-5-14に三代目が準備を視察したあと「火星12」実射。高度2000kmまで上がったことで、ポテンシャルの水平射程は3400km先のグァムに十分届くことを示唆した。このときは一段式の弾道弾であった。

 そこで次に二段式が試された。
 2ヵ月もしない2017-7-4に、「火星14」が実射された。高度2700kmに到達。
 さらに2回目の「火星14」が2017-7-28に実射された。高度3800kmに到達。

 最大到達高度の二倍+着水水平距離がポテンシャルだとすると、どちらもICBM基準の5500kmの水平射程があると示した。

 写真から推定するに「火星12」の全重は24トンから25トンだ。

 「火星12」の発射直後の加速度は、フッテージを観る限り、8.5m/S2から9.0m/S2だ。

 北鮮が映像加工していないという前提で試算すれば、「火星12」のエンジン推力は45トンから47トンだ。そのうち主エンジンが39トンから41トンを出し、四つのステアリングエンジンは6トンくらいを発生しているだろう。

 「火星14」の全重は33トンから34トンだろう。
 その発射直後の加速度は4m/S2ないし4.5m/S2だ。
 推力は46トンから48トンだろう。

 しかし北鮮が国内で液燃ロケットエンジンを開発したと思われる証拠は皆無だ。

 北鮮が過去にコピー製造をしてきたスカッドやノドンのエンジン技術と、推力40トン級の液燃エンジン技術とでは、次元が違うものなのである。

 2016-9と2017-3の地上エンジン噴射テストの画像を比べると、その液燃エンジンは同じものである。

 なぜ国産ではないと断言ができるか。その完成品の前段階である比較的出力が小さいエンジンのテストを実施したという過去の宣伝公表が一切皆無である。技術進歩の中間ステップが存在しないのだ。

 スカッド、ノドン、ムスダンは、いずれも、A.M.イサイェフというロシア企業がエンジンを開発・製造し、それを北鮮がコピーしたものである。
 スカッド、ノドンおよびR-27(そこからムスダンがつくられた)は、V.P.マケイェフという技師の名にちなむロシア企業体が設計し最初に製造した。

 火星12/14のエンジンが輸入品だとしたら、候補はひとつしかない。というのは、米・仏・支・日・印・イランの液燃ロケットエンジンは、貯蔵可能な液燃を使うタイプではないのだ。
 消去法によって、輸入元は旧ソ連以外にありえない。

 ※中共が対北鮮制裁に気乗り薄なのは、それをやると、間違いなくプーチンが北鮮を反支の有力同盟者に仕立ててしまうのが見えているからだろう。

 イサエフ社かマケイエフ社のどちらか、もしくは両方が、かつて、エンジンの対北鮮供給には関わっていた。

 ただし、このどちらのメーカーも、今日、火星12/14で使われた液燃エンジンを製造してはいない。

 ならば犯人はどいつなのか。V.P.グルシェンコ技師の名を冠して発足したロシア企業=今日「エネルゴマシュ」と名乗っているメーカーであるか、そうではないとしてもそことつきあいのある関連メーカーであろう。

 エネルゴマシュは、RD-217、RD-225、RD-250という、充填したままで長期貯蔵が可能な特殊液燃を使う大馬力ロケットエンジンを製造している。そこが北鮮に供給したのだ。

 このうちRD-217とRD-225の外見は、北鮮公表の画像とマッチしない。外見が一致しているのは、RD-250である。

 RD-250は、燃焼室が2個あり、1個のターボポンプからそこへ燃料UDMHが送り込まれる。酸化剤は「N2O4」=四酸化窒素である。1個の燃焼室は394キロニュートン=40トンの推力を発生。

 これが2基ならば70トンから80トンの推力となり、北鮮が2016-9に地上テストで達成したと自己宣伝している数値に近い。

 ところで、だんだんわかってきたことがある。北鮮は2個の燃焼室ではなく、1個の燃焼室で火星12/14を飛ばしている。

 2016-9の地上テストでは新しい設計の燃料ポンプが使われたと平壌は自家宣伝した。1個の燃焼室に改めるためだったとするならば、これは整合する話だ。

 そして、そんな思い切った改造ができてしまう技師は、北鮮人たちであるわけもないのだ。元々のメーカーで長年RD-250に携わってきた技師たちが、北鮮からの注文を受けて、改造設計してやったとしか考えられぬ。

 こうした註文に応じてしまえるような技師は、ロシアのエネルゴマシュ社と、ウクライナの「KB ユジノイエ」社には、たくさんいる。犯人は、この2社のうちのどちらかだ。火星12/14用のエンジンは、まずこのどちらかの会社で完成されてから、北鮮へ売り渡された。

 この2企業の技師が北鮮に招請されて現地でこしらえてやったのだということは考え難い。北鮮にはそんなハイテク設備の工場が存在せぬからだ。

 複数の西側の専門家が2016年に「KB ユジノイエ」を訪れたとき、同社のすぐ近くの大学構内に、同社製のRD-250の単燃焼室バージョンが堂々と展示されており、1人の地元ウクライナ人技師が「オレがこれを作ったんだぜ」と自慢したそうだ。

 未解明の疑問がある。燃焼室が2個ある古い型の方が、パワーが出るのだ。なぜ、わざわざ非力な1個燃焼室型エンジンを売り渡したのか?

 一つの仮説だが、最高技術は渡すなよという指針があって、一つグレードが低い品物を売り渡すことで我慢するしかなかったのであろう。

 この比較的に非力なエンジンでも、二段式とすれば、ICBMを米西海岸へ届かせることは十分可能である。

 RD-250エンジンは、ロシアのグルシコ社が設計し、ICBMのR-36(SS-9)のブースターに採用された。また、ウクライナの「KB ユジノイエ」社製の衛星打ち上げ用ロケット「ツィクロン2」のブースターとしても。

 ツィクロン2による最初の衛星軌道投入は1969年である。以来2006までに106回の打ち上げが成功している。

 ツィクロン2はウクライナ製だが、衛星打ち上げ事業はロシアの仕切りである。

 1991にソ連邦が分解しても、このユジノイエ社とロシア宇宙事業社の関係だけは継続。とにかく信頼性の高いブースターであった。

 しかし2006に、ロシア政府が、そろそろ純国産品に切り換えろということになり、ユジノイエ社は顧客を失った。

 そこでユジノイエ社は、ボーイング社やブラジル政府にも売り込み営業をしかけたが、みのらなかった。
 それどころか2015年以降は、ほとんど倒産の瀬戸際という状態に。

 これまでのRD-250の総製造数(ロシア国内とウクライナ国内)は不明だ。

 しかしおそらく、ユジノイエ社内には200個以上の在庫もしくはスペアパーツがあるのではないか。
 ロシアでツィクロン2を打ち上げていたエネルゴマシュ社の倉庫にも予備エンジンが保管されているはずだ。

 エネルゴマシュ社はロシア国内にたくさんの施設を抱えている。各所にスペアパーツがあるであろう。

 RD-250を用いる現役のミサイルも宇宙ロケットも今は無いのであるから、それら在庫スペアパーツの管理はルーズになっていておかしくない。

 不満を抱く従業員、給料の安い警備員たちは、それらの製品を盗み出し、闇ルートで売ることができただろう。

 高さ2m弱×直径1mの外寸にすぎないエンジンは、航空機でも、はたまた汽車によってでも、容易にロシア国内から北鮮まで密輸ができたはずだ。

 2012の事件。ウクライナ警察が、2人の北鮮人を、ユジノイエ製品を購入しようとした罪過で逮捕し訴追した。

 現在、ユジノイエ工場は、親ロシア派が占領する地区と非常に近い場所にある。誰がそこから不法に物資を持ち出すとしても、好都合な情勢だ。
 北鮮は、ICBMの量産配備のためには、数十個のRD-250エンジンを手に入れねばならないはずだ。そのくらいはもう行ったかもしれない。

 1990年代に北鮮が輸入していたスカッドやらノドンやらムスダンの技術は、ロシアのマケイエフ社やイサイエフ社に関連する。
 しかしその2社は、RD-250を扱うエネルゴマシュ社やユジノイエ社とはほぼ連絡がない。

 北鮮は90年代以降、R-27(ムスダン)を元に、なんとかICBM化しようとして、ついにそれに失敗したと悟った。

 2017-3の「火星12」の発射以前は、北鮮は、イサイエフ社の「4D10」という液燃エンジンを2本バンドルすることでICBMのブースターにできないものか、あがいていた。

 しかしうまくいかなかった。なぜならイサイェフのエンジンは、燃料タンク内で多段燃焼させるという複雑なクローズドサイクルコンセプトなのだ。

 もしRD-250が2015以前に手に入っていたなら、とっくに北鮮の技師たちはそっちに路線転換していたはずだ。エンジンが外側に剥きだしの、平易なオープンサイクルに。

 2016からムスダンの試射が始まっているが、点火直後に不具合を起こしているケースが多い(というか、うまく飛んだのは1回だけで、あとはぜんぶ失敗)。

 原因はR-27エンジンそのものだったのだろう。燃料タンク内にエンジンが埋め込まれる複雑な設計は、北鮮の技術ではとても模倣が不可能だったのだ。
 そこに北鮮の技師たちも気付いて、2016いらいムスダンのテストは行なわれなくなった。放棄されたのだ。

 2016-9に改造型RD-250の写真が現れたのは、時期的に、ムスダン計画の放棄決定と同時だろう。

 そして2016に、倒産寸前のユジノイエ社に北鮮はアプローチした。この闇取引にウクライナ政府が関与している必要はないし、ユジノイエ経営幹部も知らなかったかもしれない。労働者が闇で横流しできるものだ。

 ドニプロペトロフスクとパヴログラドに所在するユジノイエ工場から、エンジンが盗み出されたと疑える。

 ウクライナ企業幹部が、かつて北鮮にICBMエンジンを輸出したり、北鮮のためにそれを製造してやろうと計画したことはない、と声明。

 同国のユジマシュ社がRD-250エンジンを製造していた。それは1980年代のソ連重ICBM SS-18(R-36M)のエンジンであった。

 SS-18は199に設計され、1972に初試射。実戦展開は1975からである。
 ソ連のICBMとして最重で、全重210トン、弾頭重量8トンだった。
 長期貯蔵可能な液燃を用いた。

 SS-18には型が6つあり、最後の型は1990に実戦配備。
 冷戦後はリファービッシュの予算が無く、2016年時点で50基ほどが生きているだけである。2018には30基に減り、2020年にはゼロになるという。

 1991にソ連邦が分解し、ウクライナが独立すると、ユジマシュ工場は閉鎖されたが、その後、人工衛星打ち上げロケットのメーカーとして再建されて今に至る。

 2014以前はロシアが顧客だった。それ以後は、ロシア以外の顧客が重視されている。

 ユジマシュ経営陣による、米国内報道への反論。
 われわれは過去20年以上、RD-250を製造してない。
 RD-250を維持しているのはロシアである。
 RD-250の最新の製造方法を知っているのもロシア人たちである。
 SS-18の維持のためRD-250のスペアを多数保管しているのも、ロシアである。
 そしてロシアはウクライナ以上にしばしば、兵器技術を不法に海外移転している、と。

 冷戦後、ウクライナは中共にいろいろな兵器技術を売ったが、それらは合法である(ただしロシアはその主張には同意していない)。

 ウクライナ政府いわく、これはロシアが仕掛けている情報戦争である。露軍によるウクライナ侵略の事実から世界の関心を逸らすために偽情報を流布させているのだ。

 モラルとモラールの低下は全般にウクライナがロシアより酷い。しかしロシアの場合、宇宙ロケット産業界の堕落が、隠そうとしても隠せない。ICBMや宇宙ロケットの失敗が増えている。(後略)



(私のコメント)

「株式日記」では、北朝鮮のミサイルはロシアが第三国経由で北朝鮮に提供されたものだろうと以前書いたことがあります。ICBMが北朝鮮で作れるわけがなく、おそらくロシアが隠れて援助していると見ていましたが、犯人は旧ソ連企業だった。しかしロシアとウクライナのミサイルメーカーは、一時はアメリカにもロケットエンジンを輸出していた、それでアメリカも衛星を打ち上げていた時期があった。

アメリカは経費節減のためにロシア・ウクライナからロケットエンジンを輸入して打ち上げていた。だから闇ルートで北朝鮮にロケットエンジンが輸出された可能性がある。エネルゴマシュという会社がRD-250という、充填したままで長期貯蔵が可能な特殊液燃を使う大馬力ロケットエンジンを製造しているが、北朝鮮の公表した写真ではRDー250らしい。

犯人は、「ロシアのエネルゴマシュ社と、ウクライナの「KB ユジノイエ」社には、たくさんいる。犯人は、この2社のうちのどちらかだ。」という事ですが、北朝鮮用に改造されているらしい。「RD-250を用いる現役のミサイルも宇宙ロケットも今は無いのであるから、それら在庫スペアパーツの管理はルーズになっていておかしくない。」といことであり、それが闇ルートで北朝鮮に流れた。

おそらく北朝鮮は数十基のRDー250エンジンを手に入れたのだろう。これらは専門家が見れば分かることなのですが、ロシア企業が関与しているとなるとプーチンの立場がなくなる。おそらく北朝鮮がRD-250を手に入れたのは最近であり2016年ころらしい。

このようにロシア・ウクライナの企業から大型ロケットエンジンが北朝鮮に渡ったということは、核実験における水爆技術なども渡っている可能性がある。手に入れた核弾頭の爆破実験などが行われていて、ロシア・ウクライナ製の核弾頭も数十発持っているかもしれない。その記事がアメリカの新聞によってばらされた。しかし日本の新聞にはそこまで詳しくは報道されていない。

しかし素人の私から見ても、北朝鮮のICBMは今までのミサイルとは別物であり、ロケット燃料も違うものが使われて煙が少ない。潜水艦発射ミサイルも同じくロシア・ウクライナ企業から手に入れたものであり、アメリカの当局者も見ればすぐにわかるようなものだ。北朝鮮はただ輸入したミサイルの実施実験をしていただけなのだ。

このように北朝鮮とロシア・ウクライナの兵器輸出ルートが有り、北朝鮮は大型ロケットエンジンと核弾頭を数十基持っていると思われる。それで金正恩は強気になりアメリカとブラフ合戦をしている。アメリカ政府もその事実はすぐにわかっていたのでしょうが、なぜか金正恩のやりたいようにやらせている。

このように北朝鮮とロシア・ウクライナの兵器密輸ルートが作られてアメリカのマスコミにばらされた。しかしウクライナもロシアもその関係を否定している。しかしロケットエンジンを見れば、そのエンジンを作っていたのはロシア・ウクライナ企業しかないのだ。

それほどロシアとウクライナの兵器産業は困っており、闇ルートで北朝鮮に流れている。核兵器の核爆弾もおそらく金正恩は手に入れて強気になっているのだろう。だからロシア・ウクライナ製の核ミサイルを手に入れて、アメリカ本土をも射程に収めたのかもしれない。非難されるべきはロシアのプーチン大統領であり、見て見ぬふりをして北朝鮮を支援していた。

迷惑至極なのは北朝鮮の周辺国であり、北朝鮮はロシアのパシリとしてアメリカのみならず中国をも核で脅すまでになっている。金正恩は本物の核弾頭を数十基手に入れて中国すらも脅しているから、中国は強く出れないのかもしれない。まさにキチガイがICBMと核弾頭を手に入れて何をするかわからない状態だ。



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